K-ReaD( Kokugakuin University Researcher’s Achievement)

川嶋 麗華
研究開発推進機構
助教(特別専任)
Last Updated :2023/12/21

研究者基本情報

氏名

  • 氏名

    川嶋 麗華, カワシマ レイカ

ホームページ・researchmap等のリンク

連絡先

  • 連絡先

    ks-reika[at]kokugakuin.ac.jp

所属・職名

  • 研究開発推進機構, 助教(特別専任)

学位

  • 2020年03月21日, 博士(民俗学), 國學院大學, 文学, 文甲第237号, 火葬をめぐる民俗学的研究

職歴

  • 2020年04月, 2022年03月, 國學院大學, 研究開発推進機構, ポスドク研究員
  • 2021年04月, 2022年03月, 國學院大學, 文学部, 兼任講師

本学就任年月日

  • 2022年04月01日

研究分野

  • 民俗学,人生儀礼,農耕儀礼, 民俗学,葬送儀礼,農耕儀礼

研究活動

論文

  • 井上頼寿「吉事(京)」ノートの活用の展望, 川嶋 麗華, 國學院大學博物館研究報告, 38, 53, 72, 2022年02月, 國學院大學博物館, この論文は、國學院大學が所蔵する井上頼寿資料「吉事(京)」ノートについて、井上の調査研究においてどのような意義を持つか、また当該資料の活用にあたっての展望を検討したものである。
  • 火葬における遺骨の取り扱い, 川嶋 麗華, 東アジア文化研究 = 东亚文化研究, 6, 211, 224, 2021年02月, 國學院大學大学院文学研究科, この論文は、拾骨と、その後の納骨や残骨の廃棄という遺骨の処理から、火葬における遺骨の意味について検討したものである。遺体処理はもともと家族や親族が行なうものだとする社会的規範が存在していたこと、点火と拾骨という行為が慣習となり、それが儀礼化することによって保存伝承の力を強くしていることを論じた。
  • 能登半島南部におけるノヤキの継承と火葬炉の導入, 川嶋 麗華, 都市民俗研究, 25, 17, 29, 2020年02月, 國學院大學大学院文学研究科民間伝承論講座
  • 若狭大島における土葬・葬送習俗と墓制変化 (新谷尚紀教授古稀記念号), 川嶋 麗華, 伝承文化研究, 16, 52, 63, 2019年07月, 國學院大學伝承文化学会, この論文は、①大島地域での葬送習俗の特徴、②大島地域の墓制の習俗とその変化について報告し、この地域における葬送墓制の変化の傾向性を分析したものである。火葬へ変化した後も、両墓制から納骨式石塔のみの墓制への変化が段階的に移行しているように現在も変化の過程にあること、かつての葬列等の習俗の構成要素の一部を部分的に残し継承していることを論じた。
  • 火葬習俗の残存地域にみる技術の伝承とその変化の過程 : 愛知県旧八開村の事例より, 川嶋 麗華, 国立歴史民俗博物館研究報告, 212, 235, 250, 2018年12月, 国立歴史民俗博物館, 本稿は、遺体を焼く火葬という行為とその具体的な技術の伝承を比較し、事例地域で集落ごとの旧来の火葬が平成初期まで残された要因を検討したものである。火葬という役が歴史的に専門職能者の権利として地域社会で相互に了解されて長らく伝承されていたことを論じた。
  • 農業変化の中の「壬生の花田植」の伝承, 川嶋 麗華, 日本民俗学, 295, 1, 35, 2018年08月, 日本民俗学会, この論文は、この中国地方の中山間地一帯に伝承されている大田植、囃し田、花田植などと呼ばれる民俗行事について田植作業(労働)に注目し、その歴史的な変遷と伝承のあり方を、農業の近代化や機械化という大きな変化の中に、より具体的に追跡したものである。「壬生の花田植」の伝承の中には、この地方で伝えられてきた囃し田植に関する時代ごとの変遷を跡付けるような歴史情報の保存伝承装置としての機能を見出せることを論じた。
  • 火葬場の様態と火葬技術 : 火葬場の三事例から, 川嶋 麗華, 都市民俗研究, 23, 1, 15, 2018年02月, 都市民俗学研究会
  • ヤキバを残した村 : 高度経済成長と地域社会の対応 (高度経済成長と地域社会の変化), 川嶋 麗華, 国立歴史民俗博物館研究報告, 207, 253, 279, 2018年02月, 国立歴史民俗博物館, この論文は、一つの地区における具体的な葬儀変化の動向に関する情報から、新しい葬送習俗の展開と、地域の対応について追跡を試みたものである。2011年まで続いたヤキバ利用は、当該地域における講中主体による葬式の継続を目的とした対応の1つであったことを論じた。
  • 野焼きの伝承と火葬炉の普及 : 併行した2つの技術 (高度経済成長と地域社会の変化), 川嶋 麗華, 国立歴史民俗博物館研究報告, 207, 281, 306, 2018年02月, 国立歴史民俗博物館, この論文は、現在一般的な火葬炉による新しい火葬とそれ以前のふるい火葬について比較検討したものである。明治8年(1875)に通達された火葬の指針を受け、全国的に火葬炉を有す公営・民営の火葬場が設置されていった一方、各地区では火葬炉を用いないふるい火葬を継続する、火葬炉を導入して新しい火葬へ移行するといった異なった選択がとられたことを論じた。
  • ヤキバから公営火葬場へ : 広島県旧大朝町と島根県旧瑞穂町の事例から, 川嶋 麗華, 伝承文化研究, 15, 20, 31, 2017年10月, 國學院大學伝承文化学会, この論文は、現在の公営火葬場での火葬とそれ以前に各地区で行われた埋火葬を比較し、火葬習俗の伝承と変遷のありようについて検討したものである。広島県山県郡旧大朝町域と島根県邑智郡旧瑞穂町域を事例として、当該地域の火葬場職員が地域の代表者的な性格を有すといったように、かつての遺体処理における特徴が現在の火葬習俗にも部分的に継承されていることを論じた。
  • 真宗門徒の村の葬儀の継承と変化 : 二〇一六年四月の現地調査とその事例分析から見えてくること, 川嶋 麗華, 國學院雜誌, 118, 2, 59, 87, 2017年02月, 國學院大學, この論文は、広島県山県郡北広島町内における葬祭業者の受容とそれに伴う葬儀の変容について分析を試みた事例研究である。道具・手間・場所という葬祭サービスの3段階について、地域による補填と葬祭業者の受容という選択が各地区でなされていることを論じた。

著書等出版物

  • ノヤキの伝承と変遷 : 近現代における火葬の民俗学的研究, 川嶋 麗華, 岩田書院, 2021年
  • ニソの杜と先祖祭り : 大島半島のニソの杜の習俗調査報告書刊行記念公開シンポジウム記録集, 川嶋麗華, おおい町 (福井県) : おおい町教育委員, 2019年03月
  • 民俗伝承学の視点と方法 : 新しい歴史学への招待, 川嶋麗華, 吉川弘文館, 2018年12月
  • 壬生の花田植現況調査報告書, 川嶋麗華, 北広島町文化遺産保存活用実行委員会, 2017年03月

競争的資金

  • 22K20078, 現代における「拾骨」の重視と全国的な普及過程に関する研究, 本研究は、高度経済成長期以後、家族による拾骨が全国的に普遍化した経緯を追跡し、現代の葬送に拾骨を位置づけることを目的とする。現在の火葬は、近代以降に開発・改良された火葬炉による遺体処理法の一種だが、そこには拾骨という儀礼的な要素が含まれる。各地が火葬場を受容する前後においてみられた埋葬・火葬といった葬送習俗を連続的に捉えることで、現在の火葬場にみられる技術と儀礼の伝承動態を検討する。;本研究は、高度経済成長期以後、家族による拾骨が全国的に普遍化した経緯を追跡し、現代の葬送に拾骨を位置づけることを目的とする。;2022(R4)年度は、高度経済成長後期に公営火葬場が導入された地域である小笠原諸島や伊豆諸島、甑島といった島嶼部、あるいは岐阜県・愛知県・山形県といった内陸部において、火葬を中心とする葬送習俗に関する聞き書き調査ならびに文献調査を行った。;これらの調査から、各地域の公営火葬場で拾骨が受容・儀礼化された経緯を追跡することができた。;例えば、小笠原諸島では社会福祉協議会が、葬儀の運営や火葬場での遺族への対応といった助葬事業を実施している。昭和40年代にから日本に返還された後、小笠原の社会・生活の基盤を整える中で葬儀のあり方もまた模索されてきた。社会福祉協議会が葬儀の主軸を担うようになるにつれ、葬儀の流れも一定のものへと形作られていき、火葬後の拾骨については、職員が内地で学んだ作法を取り入れたという事例が確認された。また山形県の鶴岡市域では、従来一部の土葬にみられた「五穀撒き」という作法が拾骨時にも行われており、公営火葬場の利用に伴って儀礼的要素を局所的に摂り入れた事例が確認された。;現在の公営火葬場は、地方自治体や衛生管理組合などの施設保有者、または指定管理者制度によって運営・管理が行われることが多い。しかし、公営火葬場の受容経緯を追跡すると、地区で火葬場を設置する場合などもみられる。村や地区などが設置した火葬場の中には、利用者が自身らで火葬し、片付けまで行うような、賃貸借として利用される施設もあった。こうした施設では、火葬場の管理者が受容した例とは異なる経緯によって儀礼的要素の受容がなされており、類似した事例の更なる追跡が望まれる。;COVID-19をめぐる状況を受けて従来予定していた調査の実施が難しい地域もあったが、多くの地域では研究計画に則した一定の調査成果を得られており、概ね計画が進んでいると判断できる。;2023(R5)年度は、既知の調査地における補充調査を中心としたフィールドワークを行うとともに、研究成果の公開を進めていく。;補充調査は、COVID-19をめぐる状況を注視しつつ、2022(R4)年度に調査を行なった地域において不足・補強情報の補完を目的として行う。
  • 23K12344, 死をめぐる技術革新と新たな忌避観念の拡大:火葬場・葬儀場に関する民俗学的研究, 火葬場・葬儀場・墓地といった葬送の場はNIMBY(Not In My Back Yard:自分の裏庭にはやめてくれ)として忌避される傾向にあり、こうした施設の新設・撤去・改修には各地域に伝承されてきた俗信などが影響を及ぼす場合がある。;本研究の目的は、各地域における従来の民俗習慣が及ぼす影響を鑑みつつ、技術改良や専門化に並行した葬送の場に対する忌避観念の変遷過程の一端を明らかにすることである。

教育活動

担当授業

  • 儀礼文化論II, 2022, 本講義は、ZOOMとK-SMAPYⅡを利用したオンデマンド型の授業である。|口頭説明を加えたスライドと映像による動画を配信し、それらを中心に授業を進める。||日本では、人の死に際して執り行なわれる葬式だけでなく、盆や正月などの定まった時期にも死をめぐる儀礼が行なわれてきた。そのような死をめぐる儀礼の構造を理解するために、社会変化の中における習俗の変化とその背景について学ぶ。||◆授業の流れ◆|①資料をダウンロードまたは印刷し、内容に目をとおす|②スライドを用いた動画を視聴しながら、適宜ノートなどをとる| ※動画は、ZOOMで分割配信する予定。| ※受講環境に不具合があるなどの問題が生じた場合は「Q&A」へ投稿してください。|③授業内容をふまえ、課題に授業内で理解したこと、質問等を投稿する。| ※投稿内容は、各回の課題で指示を出します。| ※質問には適宜回答します。||以上の①~③を90分に納めて、各回の授業とします。
  • 伝承文学研究Ⅱ, 2023
  • 伝承文学研究Ⅱ, 2023, 日本では、人の死に際して執り行なわれる葬式、毎年訪れる盆といった度重なる機会において死をめぐる伝承がみられる。そのような死をめぐる伝承について理解するために、社会変化の中における様々な習俗とその変容について学ぶ。|受講後には、K-SmapyⅡの「課題」に授業内で理解したこと、質問等を投稿すること。