K-ReaD( Kokugakuin University Researcher’s Achievement)

清野 隆
観光まちづくり学部 観光まちづくり学科
准教授
Last Updated :2023/12/21

研究者基本情報

氏名

  • 氏名

    清野 隆, セイノ タカシ

所属・職名

  • 観光まちづくり学部 観光まちづくり学科, 准教授

学歴

  • 1997年04月, 2002年03月, 卒業, 東京工業大学, 工学部社会工学科
  • 2002年04月, 2005年03月, 修了, 東京工業大学大学院, 社会理工学研究科社会工学専攻修士課程
  • 2005年04月, 2008年09月, 修了, 東京工業大学大学院, 社会理工学研究科社会工学専攻博士課程

学位

  • 2008年09月25日, 博士(工学), 東京工業大学, 工学関係, 甲第7438号, 建築物保存にみる場所の履歴と都市の歴史性

職歴

  • 2016年09月, 9999年, 立教大学 観光学部 兼任講師
  • 2018年04月, 2020年03月, 江戸川大学, 社会学部 現代社会学科, 准教授
  • 2014年04月, 2018年03月, 江戸川大学, 社会学部 現代社会学科, 講師
  • 2014年04月, 2015年03月, 立教大学 観光学部 兼任講師
  • 2012年04月, 2014年03月, 立教大学 観光学部 助教
  • 2009年04月, 2014年03月, 東洋大学 ライフデザイン学部 非常勤講師
  • 2010年04月, 2012年03月, 東洋大学 福祉社会開発研究センター 客員研究員
  • 2009年04月, 2012年03月, 立教大学 観光学部 プログラムコーディネーター
  • 2009年04月, 2012年03月, 立教大学 観光学研究科 兼任講師
  • 2009年04月, 2012年03月, 田園調布学園大学 非常勤講師
  • 2008年10月, 2009年03月, 東京工業大学 社会理工学研究科 特別研究員

本学就任年月日

  • 2020年04月01日

研究分野

  • コミュニティ・デザイン エコロジカル・デモクラシーのデザイン

研究活動

論文

  • 山古志村 限界を越えて、つながる, Bio city, 74, 94, 98, 2018年04月, ブックエンド
  • 長岡市山古志地域における住民主体の観光事業に関する研究―宮本常一の提言と中越大震災後の復興の取組みに着目して―, 日本観光研究学会全国大会学術論文集, 31, 397, 400, 2016年12月, 日本観光研究学会, 新潟県長岡市山古志地域における住民主体による観光事業について、民俗学者宮本常一の提言と中越地震後の震災復興の影響を分析した研究である。調査分析の結果、1970年代の宮本常一氏の提言から内発的なむらおこしを開始したこと、震災復興後の被災地ボランティアによる交流の鏡効果により地域資源を観光対象とする動きがあったことが、現在の住民主体の観光事業の成立に強く影響を及ぼしていることを結論として導いている。
  • 山古志村における震災復興と都市農村交流 : 支援から交流への転換とグリーンツーリズムの深化, 自然災害復興における観光創造, 9, 97, 114, 2016年03月, 北海道大学観光学高等研究センター, 2004年の中越地震で被災した新潟県長岡市山古志地域の震災復興とその後の観光まちづくり(グリーンツーリズム)の展開を事例に、観光と災害と復興との関係性について論じている研究である。具体的には、山古志地域では、災害により生まれた観光資源の存在と災害を契機とする交流により生じた観光事業によって、観光まちづくりが取り組まれてきたことを指摘した。また同時に、観光まちづくりが震災復興において、特に地域住民の自尊心を涵養し、地域資源を観光に活用する取組みに結びついてきたことを明らかにした。
  • 東日本大震災後の漁村集落における復興プロセスに関する研究:その3 小渕浜集落における都市住民による再建支援, 学術講演梗概(農村計画)2014, 71, 72, 2014年08月, 日本建築学会, 東日本大震災で被災した石巻市小渕浜にみられる被災地支援に注目し、調査対象地におけるヒアリング調査から、都市住民が住民の生活再建と集落再建に果たした役割について明らかにした論文である。
  • 山古志地域の通い耕作と今後の農村コミュニティの展望, 住み継がれるカタチ‐フロンティアとしての農山漁村‐, 54, 55, 2014年08月, 日本建築学会, 新潟県長岡市山古志地域における通い耕作の現状と展望について論じた論文である。2004年に発生した中越地震後に顕在化している通い耕作に注目し、定住人口が減少する集落の様々な取組みに貢献する可能性を指摘している。
  • イタリア共和国における歴史的景観の保全の現代的課題‐ウルビーノ歴史的地区におけるData 修復再生をめぐる論争を事例に‐, 「都市計画論文集」, 48, 3, 2013年10月, 日本都市計画学会, イタリア共和国のウルビーノ歴史的地区において生じたData修復再生論争を通じて、イタリアにおける歴史的建造物の修復をめぐる景観保全の現代的課題について論じている。歴史的建造物の修復のあり方と修復が景観及ぼす変化の2点に着目して、当時の新聞や雑誌記事の文献調査、ウルビーノ市当局へのヒアリング調査、当該プロジェクトに携わった建築家へのヒアリング調査を行い、論争の経緯と争点を明らかにして、歴史的建造物の修復と景観保全の現代的課題を明らかにしている。
  • ナショナル・トラストの歴史的資産の保全における地域コミュニティの参加‐Going Local とロンドン市内の資産を事例に, 山本真紗子; 清野隆; 土肥真人, 「日本建築学会計画系論文集」, 691, 1989, 1994, 2013年09月, 日本建築学会, 英国ナショナル・トラストの近年の改革Going Localに着目し、歴史的資産の保全における地域コミュニティの参加の実態を調査し、その意義を明らかにする研究である。調査の結果、ロンドン市内の大半の歴史的資産では、保全活動の参加主体のほとんどが地域コミュニティの成員であること、近年では地域コミュニティによる歴史的資産の活用を促す試みが展開されていることが明らかにされている。さらに、調査結果を踏まえて、ナショナル・トラストによるGoing Localの実践は、歴史的資産を効果的に保全活用する手法であることを考察している。
  • 東日本大震災被災地における来訪者向け避難マップの作成に関する報告, 「学術講演梗概E-2 建築計画II 住居・住宅地 農村計画教育2013」, 93, 96, 2013年07月, 日本建築学会, 東日本大震災により被災した地域における来訪者向けの避難マップの作成に関する報告であり、避難マップを作成するために、実施した調査と分析の結果をまとめた研究である。石巻市小渕浜における住民20名へのヒアリング調査の結果、震災発生時の避難経路と避難場所を明らかにした上で、2013年2月時点で避難可能な場所と経路について実態調査を行って、避難マップを作成したプロセスを報告している。さらに、調査を通じて、現状の避難場所や避難経路に関する問題点を明らかにし、今後の集落空間の復旧復興に活かすべきことを提案している。
  • 南三陸町の防災対策庁舎の保存に関する一考察, 佐野浩祥; 清野隆, 「日本観光研究学会全国大会学術論文集」, 27, 289, 292, 2012年12月, 日本観光研究学会, 本研究は、東日本大震災にて被災した宮城県南三陸町における震災遺構の保存をめぐる動向を整理し、その保存の意義を考察している。震災後から2012年10月までに発生した震災遺構・防災対策庁舎をめぐる南三陸町の出来事(町民、議会と行政の発言や動き)を調べて整理し、保存をめぐる意見の内容とその変化を明らかにしている。さらに、調査結果を踏まえて、防災対策庁舎の保存への意見は今後も変化していく可能性を指摘し、地域住民の合意形成を図る動きを作りだすことが今後の課題であることを考察している。
  • 東日本大震災後の漁村集落における都市住民による被災地支援の意義‐石巻市小渕浜における民間団体の取組みを事例として‐, 清野隆; 山田耕生; 小山環; 三浦知子, 「日本観光研究学会全国大会学術論文集」, 27, 293, 296, 2012年12月, 日本観光研究学会, 東日本大震災で甚大な被害に遭った石巻市小渕浜という漁村集落を対象に、ある民間団体による震災後の被災地支援と復旧・復興期の様々な支援活動の実態を明らかにし、その継続的な活動の意義を考察している。民間団体が小渕浜集落で展開している様々な活動の内容を調査し、その活動の継続性と活動内容の変化を明らかにしている。さらに、活動内容の変化は、民間団体が時間の経過とともに変化する小渕浜集落のニーズに対応してきたことを指摘し、今後の継続的な活動が将来の都市農村交流に発展する可能性を有していることを考察している。
  • 東日本大震災後の漁村集落における復興プロセスに関する調査研究 その2 漁村集落A浜における震災前後の生活構造の変容に関する研究, 山田義文; 清野隆; 青栁聡, 日本建築学会発行「学術講演梗概E-2 建築計画II 住居・住宅地 農村計画教育2012」, 107, 108, 2012年07月, 日本建築学会発行「学術講演梗概E-2 建築計画II 住居・住宅地 農村計画教育2012」, 本研究は、東日本大震災で甚大な被害に遭った漁村集落A対象に、震災前後で変容した生活構造を明らかにする研究である。2012年2月に地域住民へのヒアリング調査を実施し、当時の生活状況と震災以前の生活状況を比較することで、医療、漁業、高齢者福祉サービスに関する変化と生活構造の変容を明らかにしている。さらに、生活構造の変容から、地域住民の生活における現在の課題と将来的な課題が存在することを指摘し、さまざまな支援の必要性を考察している。
  • 東日本大震災後の漁村集落における復興プロセスに関する調査研究 その1 漁村集落A 浜における自助・自律的な空間形成, 清野隆; 山田義文; 青栁聡, 「学術講演梗概E-2 建築計画II 住居・住宅地 農村計画教育2012」, 105, 106, 2012年07月, 日本建築学会, 本研究は、東日本大震災で甚大な被害に遭った漁村集落における復興プロセスを明らかにし、自助・自律的な空間形成という観点からその意義を考察している。具体的には、2012年2、3月に地域住民へのヒアリング調査と現地踏査を実施し、震災発生から約1年後の集落空間の変化を明らかにし、漁業を営む地域住民が政府による支援メニューを活用しながら、漁業の再開し、自助・自律的に漁業関連施設を再建してきたことを明らかにしている。
  • 多様な耕作主体が支えあう山古志村の農的暮らし, 東洋大学福祉社会開発研究センター発行「福祉社会開発研究 集成」, 63, 72, 2012年03月, 東洋大学福祉社会開発研究センター発行「福祉社会開発研究 集成」, 長岡市山古志地区で2008年から2012年までに実施した農業に関する調査結果を総合し、営農主体に関する課題を明らかにする研究である。山古志地区内の農家、営農組合法人へのヒアリング調査の結果から、山古志地区の営農主体とその特性を明らかにすることで、当時の山古志地区の農業に関する問題点と今後発生が予想される問題を明らかにしている。さらに、問題解決の方法として、山古志地区内外の多様な主体が農業に参加することを考察し、そのための組織やプラットフォームを整備することが必要であることを提案している。
  • 山古志村の直売所の現状と課題, 「福祉社会開発研究 集成」, 51, 62, 2012年03月, 東洋大学福祉社会開発研究センター, 長岡市山古志地区で2008年から2012年までの直売所に関する調査結果を総合し、直売活動の特性を明らかにする研究である。直売所のデザインサーベイ、直売活動に参加する住民へのヒアリング調査、来訪者へのアンケート調査の結果をまとめ、地区内に多数の直売所が開設されていること、それぞれの個性を有していること、直売所の集落内外とのコミュニケーション機能が集落の活性化をもたらしていることを明らかにしている。高齢化による後継者不足が課題であることを指摘した上で、直売所間の連携によって課題を解決することを提案している。
  • 山古志村の直売活動の持続可能性の追求, 清野隆; 速水検太郎, 「福祉社会開発研究」, 5, 67, 72, 2012年03月, 東洋大学福祉社会開発研究センター, 本研究は、新潟県山古志地区内の農産物直売所の活動を調査し、直売所が抱えている課題を明らかにした上で、直売活動の持続可能性を確保する諸条件を考察する研究である。本論では、2011年に現地で実施したヒアリング調査から、当時の直売所が「山菜資源の管理」、「後継者の不足」といった課題を抱えていることを明らかにしている。また、問題解決の方策として、複数の直売所が連携して行った活動を紹介し、連携の発展が直売活動の持続可能性を担保していることを考察している。
  • イタリア共和国ウルビーノ歴史的地区における景観論争, 「立教大学観光学部紀要」, 14, 193, 202, 2012年03月, 立教大学観光学部, イタリア小都市ウルビーノ歴史的地区で発生した景観論争を通じて、歴史的景観のガバナンスのあり方について考察している。地元新聞の記事を収集し2000年前後に計画された再開発計画をめぐる意見を整理し、論争の構図と争点を明らかにしている。調査分析の結果、論争は内外の論客を巻き込んで展開し、世界遺産登録抹消が検討されるほど深刻化、イコモスの介入により結論が出されたことが明らかにされた。制度上の手続きを踏まえた再開発が論争により中止、変更されたことについて、景観保全のガバナンス上の問題であることを指摘している。
  • 東日本大震災後の漁村集落の震災復興プロセスにみる観光の役割, 清野隆; 山田耕生; 三浦知子; 嵩和雄, 「日本観光研究学会全国大会学術論文集」, 26, 333, 336, 2011年12月, 日本観光研究学会, 本研究は、2011年3月に発生した東日本大震災で被災した石巻市小渕浜を対象地として、震災発生から半年間における被災地支援の実態を調査し、観光の役割を考察している。現地でのヒアリング調査の結果から、小渕浜集落の被災状況、復旧状況、支援の状況を明らかにした上で、観光施設である民宿が被災直後にシェルターとして機能し、復旧期には被災地支援のプラットフォームとして機能していることから、震災復興プロセスおける観光の役割を考察している。
  • 南三陸町の震災復興における観光ネットワークの意義, 佐野浩祥; 清野隆; 小山環; 三浦知子, 「日本観光研究学会全国大会学術論文集」, 26, 329, 332, 2011年11月, 日本観光研究学会, 本研究は、2011年3月に発生した東日本大震災で被災した南三陸町における観光ネットワークの存在に着目し、その意義を明らかにしている研究である。具体的には、南三陸町でヒアリング調査を実施し、震災直後から半年間にみられた観光施設での復興支援、従前の観光活動によって形成されたネットワークによる復興支援の実態を明らかにしている。
  • 中山間地域における人的支援の実態とその役割に関する研究 : 長岡市山古志サテライトにおける地域復興支援員の取り組みから, 古山周太郎; 川澄厚志; 清野隆; 青栁聡, 「都市計画論文集」, 46, 3, 901, 906, 2011年10月, 日本都市計画学会, 本研究は、2004年10月の中越地震により被災した新潟県長岡市山古志地区における復興支援員の活動実態を分析し、中山間地域における人的支援の役割について考察している研究である。具体的には、山古志地区で活動する復興支援員の活動日誌に記された約2年間の活動内容を分析している。その結果、復興支援員は、観光交流イベントの支援、集落活動の支援など、8タイプの活動を行っていることが明らかにされている。
  • 陽光台仮設住宅における農園や菜園の利用の実態と利用者の意識―中越地震からの復興プロセスにみる農的営みに関する調査研究 その2―, 青栁聡; 古山周太郎; 川澄厚志; 清野隆, 日本建築学会発行「学術講演梗概E-2 建築計画II 住居・住宅地 農村計画 教育 2011」, 541, 542, 2011年07月, 日本建築学会発行「学術講演梗概E-2 建築計画II 住居・住宅地 農村計画 教育 2011」, 2004年に発生した中越地震により被災した新潟県長岡市山古志地区を対象に、震災復興プロセスにおける農的営みの実態を明らかにした研究である。アンケート調査の回答を集計分析し、地震発生から帰村までの仮設住宅への入居期間における営農の実態と営農者の意識が明らかにされている。その結果、山古志地区住民の約半数が仮設住宅団地の近隣に設置された仮設農園を利用し、農園での営農を高く評価していたことが明らかにされた。さらに、コミュニティ形成という観点から仮設農園や営農活動の重要性を指摘している。
  • 新潟県長岡市山古志地域の通い耕作の実態―中越地震からの復興プロセスにみる農的営みに関する調査研究 その3―, 川澄厚志; 清野隆; 青栁聡; 古山周太郎, 日本建築学会発行「学術講演梗概E-2 建築計画II 住居・住宅地 農村計画 教育 2011」, 543, 544, 2011年07月, 日本建築学会発行「学術講演梗概E-2 建築計画II 住居・住宅地 農村計画 教育 2011」, 本研究は、2004年に発生した中越地震により被災した新潟県長岡市山古志地区を対象に、震災後に地域外に転居した旧住民の営農活動の実態を明らかにした研究である。本論では、長岡市役所山古志支所へのヒアリング調査と通い耕作者4名へのヒアリング調査の結果をまとめている。その結果、通い耕作は近隣の市街地に居住している旧住民により実践されていること、その条件として民家の一部、納屋、農機具などが地震の被害から免れていたことを明らかにしている。
  • 新潟県長岡市山古志地域の通い耕作の位置付けと可能性―中越地震からの復興プロセスにみる農的営みに関する調査研究 その4―, 清野隆; 川澄厚志; 古山周太郎; 青栁聡, 「学術講演梗概E-2 建築計画II 住居・住宅地 農村計画 教育 2011」, 545, 546, 2011年07月, 日本建築学会, 本研究は、2004年に発生した中越地震により被災した新潟県長岡市山古志地区を対象に、震災後に地域外に転居した旧住民の営農に対する今後の意識を明らかにした研究である。本論では、山古志地区の通い耕作者4名へのヒアリング調査を実施し、その結果を整理し、分析している。分析の結果、山古志地区の通い耕作者は、転居後も地震以前から営んできた農業を継続したいという意識から通い耕作を行っていること、農業だけでなく集落の行事や共同作業にも参加していることを明らかにしている。
  • 新潟県長岡市山古志地域における震災前後の営農の状況―中越地震からの復興プロセスにみる農的営みに関する調査研究 その1―, 古山周太郎; 青栁聡; 清野隆; 川澄厚志, 「学術講演梗概E-2 建築計画II 住居・住宅地 農村計画 教育 2011」, 539, 540, 2011年07月, 日本建築学会, 本研究は、2004年に発生した中越地震により被災した新潟県長岡市山古志地区を対象に、震災前後における農的営みの変化を明らかにした研究である。2008年に山古志地区全戸に配布したアンケート調査の農業に関連する回答を集計分析している。山古志地区の農家世帯の多くは、農地や農業施設に被害をこうむっており、地震前後の営農実態と意識の変化が生じていることが明らかにされている。さらに、分析結果を踏まえて、地震は高齢化や後継者不足といった農業の構造的課題を顕在化させたことを考察している。
  • 歴史的遺産と周辺環境の保全に関する一考察, 「立教大学観光学部紀要」, 13, 70, 83, 2011年03月, 立教大学観光学部, 戦後の我が国における歴史的遺産の周辺環境の保全に関する動向について、法制度と理論と実践により明らかにする研究である。戦後の文化財保護法等の分析により、法制度上の変遷を明らかにし、戦後の建築家等専門家による言説の分析により、周辺環境への理論を明らかにしている。その結果、我が国では、理論が制度に影響を与える形で、歴史的遺産の周辺環境が保全される制度が整備されてきたことが明らかにされている。
  • 山古志における農的営みを支える農産物直売所の現状と課題, 清野隆; 明峯哲夫; 青栁聡; 川澄厚志; 杉原由紀子, 「福祉社会開発研究」, 4, 109, 128, 2011年03月, 東洋大学福祉社会開発研究センター, 2004年中越地震により被災した新潟県長岡市山古志地区における直売活動の実態を調査し、その意義と今後の課題を明らかにする研究である。8件の直売所を対象に、直売活動に参加する住民へのヒアリング調査、直売所の来訪者へのアンケート調査を行い、分析している。直売所の特性として、住民同士、住民と来訪者とのコミュニケーションを活性化させ、複数の直売所の存在が山古志地区の魅力を創出していることを明らかにしている。今後の課題として、直売活動の世代交代と来訪者の減少への対応が意識されている。
  • 山古志における通い耕作という暮らし方とその可能性‐通い耕作と通いヤーコンづくりの実態調査の報告‐, 仁瓶俊介; 清野隆, 「福祉社会開発研究」, 4, 153, 172, 2011年03月, 東洋大学福祉社会開発研究センター, 本研究は、2004年10月の中越地震により被災した新潟県長岡市山古志地区における通い耕作の実態を明らかにし、その意義を考察する研究である。本論では、中越地震をきっかけに離村した旧村民による通い耕作の実態と耕作者の意識に関するヒアリング調査を整理、分析し、通い耕作という現象の特性と意義が明らかにされている。また、通い耕作が実現される条件を明らかにし、その将来性を検討することで、通い耕作が山古志地区の将来の営農活動に貢献する可能性を指摘している。
  • 横浜市認定歴史的建造物制度の「保全活用計画」の景観的価値にみる参照関係―単体保存制度によるグループとしての歴史的建造物の保全活用の可能性―, 安田成織; 清野隆; 土肥真人, 「日本建築学会計画系論文」, 657, 2755, 2762, 2010年11月, 日本建築学会, 我が国における都市デザイン実践の先駆である横浜市都市デザイン室による歴史的建造物の保全手法の特徴を明らかにすることを目的とし、同室が作成している計画図書を分析した研究である。横浜市「歴史を生かしたまちづくり要綱」に規定される認定歴史的建造物を対象に、「保全と活用に関する計画」に記された景観的価値の内容を分析し、結果、横浜市は認定歴史的建造物制度により、単体の歴史的建造物を保全すると同時に、近隣の歴史的建造物や公園といったオープンペースとの一体性を保全しようと試みていることが明らかにされている。
  • 織物産業に係る歴史的遺産の保全とまちづくりへの活用の動向, 「立教大学観光学部紀要」12巻, 12, 65, 72, 2010年03月, 立教大学観光学部, 本研究は、織物産業に係る歴史的遺産の保全と活用をまちづくりの観点から検討している研究である。本論では、明治時代から大正時代にかけて大衆織物である銘仙の生産が盛んであった都市における産業遺産の保全と活用に対する捉え方を明らかにした上で、秩父市における産業遺産の保全の実態と産業遺産のまちづくりへの活用の動向を明らかにしている。調査の結果、秩父市では織物産業が盛んであった歴史を重視し、産業遺産を積極的に保全活用しようと試みていることが明らかにされている。
  • 川越一番街における歴史的環境の変容―歴史的建造物の保全にみる敷地用途と町並みの変化に着目して―, 「都市計画論文集」, 44, 3, 385, 390, 2009年10月, 日本都市計画学会, 敷地という空間単位に着目し、我が国の歴史的環境の変容を明らかにする研究である。埼玉県川越市川越伝統的建造物群保存地区を対象地に選定し、同地区内に存する歴史的建造物の敷地用途の変化と外観の変化を分析し、歴史的建造物の保全がもたらした影響を明らかにしている。分析の結果、30年間の保全活動により、敷地用途が旧来は主要であった「商用住宅併用」から「商業」、「文化」といった内容に変化する例がみられること、歴史的建造物の外観については、歴史性が視覚化されるように変化してきたことが明らかにされている。
  • 横浜市における歴史的建造物の保全手法に関する研究(その1)保全活用計画の景観的価値について, 安田成織; 清野隆; 土肥真人, 「学術講演梗概集.F-1 都市計画 建築経済・住宅問題2009」, 1021, 1022, 2009年07月, 日本建築学会, 本研究は、都市デザインの観点から歴史的環境の保全の意義を考察することを目的として、横浜市都市デザイン室による歴史的建造物の保全手法の特徴を明らかにしている。具体的には、横浜市の「歴史を生かしたまちづくり要綱」の第12条に規定されている認定歴史的建造物の「保全と活用に関する計画」を分析し、横浜市は複数の歴史的建造物の景観的なつながりを保全していることを明らかにしている。
  • 震災前後の山古志地区の営農の状況と仮設住宅での農作業の実態, 内田雄造; 古山周太郎; 清野隆, 「福祉社会開発研究」, 2, 77, 87, 2009年03月, 東洋大学福祉社会開発研究センター, 2004年10月に発生した中越地震で被災した新潟県長岡市山古志地区を対象にした「中山間地域の振興に関する研究-山古志地区の復興に即して」の一部であり、2008年3月に山古志地区住民を対象に実施したアンケートの結果を集計し、統計的な分析を行ったものであり、中越地震による農地や施設への被害状況、震災前後の住民の営農意欲や営農状況を分析している。結果、農地や施設の被害状況と震災後の営農状況に相関性がみられ、仮設農園の利用が震災後の営農意欲に強い影響を及ぼしていることが明らかにされている。
  • 歴史的都市保全における建築規制と都市像の関係, 清野隆; 杉田早苗; 土肥真人, 「学術講演梗概集 F-2建築歴史・意匠2008」, 773, 774, 2008年07月, 日本建築学会, イタリア共和国ウルビーノ市における歴史的地区の保全計画を分析した結果をまとめたものである。ウルビーノ市で1964年と1983年に作成された歴史的地区の保全計画の内容を分析して、両者の差異を明らかにしている。分析の結果、両者は重要なモニュメントを保護しようとする点で共通しているが、それ以外の歴史的建築物の保全方法に大きな差異がみられ、前者は住宅機能を向上させるために一定の改修を許容しているのに対して、後者は建築的価値を保護するために厳密な修復のみを許容していることが明らかにされている。
  • 東京都の歴史的建造物とその敷地用途の関係に関する研究, 清野隆; 土肥真人; 杉田早苗; 丸谷耕太, 「ランドスケープ研究」, 71, 5, 737, 740, 2008年05月, 日本造園学会, 我が国の都市における歴史的建造物の保存の特性を明らかにし、東京都に所在する歴史的建造物の敷地とその用途の変化を調査、分析している。現在の歴史的建造物の敷地は「寺社」、「学校」といった用途に占める割合が大きく、旧来は「住宅」として利用されていた歴史的建造物の敷地が「公園」、「文化」といった用途に転用される事例が明らかにされている。分析の結果、日本では公共性の高い用途を有する敷地で歴史的建造物が保存される傾向が強いことが考察されている。
  • ウルビーノ市歴史的都心部における建築規制の変遷と都市像に関する研究, 清野隆; 杉田早苗; 土肥真人, 「日本建築学会計画系論文集」, 615, 99, 104, 2007年05月, 日本建築学会, イタリア共和国ウルビーノ市における歴史的地区の保全計画を分析し、歴史的地区の保全のあり方を考察している。具体的には、1964年と1983年に作成されたウルビーノ市の歴史的地区の保全計画の内容を分析、比較し、両者が示す都市像の差異を明らかにしている。分析の結果、前者は歴史的地区内の建築遺産の活用を前提とする保全計画であり、生活の場としての都市を構想しており、後者は歴史的地区内の建築遺産の建築的価値の保護を前提とする保全計画であり、文化遺産としての都市の価値を尊重していることが明らかにされている。

著書等出版物

  • はじめてのまちづくり学, 山崎義人、清野隆、柏崎梢、野田満, 学芸出版社, 2021年08月27日
  • 少人数で生き抜く地域をつくる 次世代に住み継がれるしくみ, 佐久間康富、柴田祐、内平隆之、青木佳子、岡田知子、柴田加奈子、清野隆、田口太郎、竹内ひとみ、野村理恵、姫野由香、藤原ひとみ、八木健太郎、山崎義人, 学芸出版社, 2023年04月07日
  • 地域文脈デザイン まちの過去・現在・未来をつなぐ思考と方法, 日本建築学会, 鹿島出版会, 2022年11月15日, 青井哲人、鵜飼修、 木多道宏、窪田亜矢、篠沢健太、清野隆、田中傑、土田寛、中島伸、中島直人、中野茂夫、野澤康、山口秀文
  • 世界都市史辞典, 布野修二, 昭和堂, 2019年11月13日, イタリア中部マルケ州の丘陵都市ウルビノの都市形成史を論じている。アドリア海沿岸から内陸に約30kmの距離に位置する小都市で、その人口は周辺の集落を含めて約1万6千人である。500年を超える歴史を有するウルビノ自由大学を擁し、人口とほぼ同数の登録者を抱えている。そのため、大学は都市の成立基盤として、非常に重要な役割を果たしている。また、旧市街地は1998年に世界文化遺産に登録されたルネサンス都市であり、ヨーロッパ中から人々が訪れる観光都市でもある。画家ラファエロの生誕地としても知られる。 そのウルビノは、紀元前6世紀にエトルリア人によって建設されたとされる。そして、現存するウルビノ旧市街地の原型は、ルネサンス期の都市改造により完成した。19世紀には、近代化の波がウルビノに押し寄せ、部分的に改造(再開発)が施された。第二次世界大戦後、イタリアは高度経済成長を経験したが、ウルビノでは基幹産業である農業が衰退し、若者の転出が進んだ。その結果、旧市街地が衰退し、郊外への拡張が進んだ。これを受けて、旧市街地と郊外の均衡を図るべく総合計画が策定され、都市再生を果たした。
  • 「復興のエンジン」としての観光―「自然災害に強い観光地」とは, 室崎益輝、橋本俊哉, 創成社, 2021年01月19日, 災害弾力性という観点からコミュニティのあり方を検討し,コミュニティ内のつながり,外とのつながりの重要性を論じ,コミュニティの災害弾力性を高める土地の知恵について論じている。さらに,コミュニティという観点から地域の災害弾力性を測る指標,および災害への備えとして整理し,言及している。
  • 地中海を旅する62章―歴史と文化の都市探訪 (エリア・スタディーズ), 明石書店, 2019年02月
  • 住み継がれる集落をつくる 交流・移住・通いで生き抜く地域, 山崎義人; 佐久間康富, 学芸出版社, 2017年08月, 人口減少と高齢化に起因する課題を抱えている中山間地域の集落における居住継続について、全国各地の先進的な取組みや現象を通じて、集落居住の展望を論じている書籍である。具体的には、空家の活用、移住・定住施策、通いと交流といった取り組みによって、集落を地域外の人々に開き、協働することで、集落居住が継続する可能性があることを指摘している。本研究者は、新潟県長岡市山古志地域における交流人口、関係人口による集落活動の支援について紹介している。
  • 山あいの小さなむらの未来‐山古志を生きる人々, 編者; 東洋大学福祉社会開発研究センター; 著者; 長島忠美; 明峯哲夫; 渡辺斉; 佐々木康彦; 青栁聡; 井上洋; 古山周太郎; 清野隆; 川澄厚志; 仁瓶俊介; 水村容子; 山田義文; 菊池章大; 小瀬博之; 渡辺裕美; 齊藤恭平; 神野浩志, 博進堂, 2013年07月, 本書は、2004年に発生した中越地震で甚大な被害に遭った山古志(新潟県長岡市)の復旧と復興のプロセスを産業、福祉、景観、民俗、むらづくりの視点から研究した成果がまとめられたものである。筆者は産業分野を担当し、山古志における農業の担い手、農産物直売所、錦鯉の養殖業の3つのテーマについて、現地で実施したヒアリング調査、アンケート調査の結果をまとめた。具体的には、3つのテーマの震災前後での変化を明らかにし、予測される人口減少と高齢化を踏まえた今後の各産業のあるべき姿を論じている。

創作・作品

  • 生業の転換と空間の適応 ── 宿根木, 日本建築学会, 2018年12月, 日本建築学会 建築討論, 本稿では、新潟県佐渡市宿根木伝建地区の事例研究を通じて、縮退社会における歴史的市街地の保全論を考察している。宿根木伝建地区は江戸期の廻船業を背景とする美しい歴史的市街地を有しているが、近代以降の廻船業の衰退によって歴史的市街地の継承が困難な状況にある。そこで、生業の転換に着目して廻船業の遺産という従来の文脈と異なる視点から歴史的市街地を再読し、宿根木伝建地区の今後を展望する。
  • 東日本大震災以降の都市農村交流のあり方, 2015年03月, 日本観光研究学会 観光研究, 日本観光研究学会の研究分科会「農山村ルネサンス」の研究活動と成果をまとめている。
  • 地域文脈デザインに関する考察, 2013年08月, 日本建築学会都市計画委員会地域文脈デザイン小委員会 「成長時代のコンテクスチャリズムから人口減少・大災害時代の地域文脈論へ」, 日本建築学会・地域文脈デザイン小委員会による研究協議会の資料の一部であり、「地域文脈デザイン」という新しい概念に関する試論である。本論では、地域文脈デザインが、地域システムとも呼ぶべき、空間‐社会システムを構築する手法であると述べ、近代化が推し進められる中で乖離した空間システムと社会システムを結び直す手段の1つとして地域文脈デザインの意義が再確認されるべきことを論じている。「地域システム」を構築する実践事例の分析を通じて、地域文脈デザインの意義を確認し、その可能性について考察している。
  • イタリア・ウルビーノにおける景観論争と文化遺産の保全のあり方, 2013年08月, 立教大学観光学部 交流文化, 本稿は、イタリア共和国の世界遺産に登録される小都市ウルビーノ歴史的地区で発生した景観論争を通じて、文化遺産の保全のあり方について述べたものである。具体的には、地元新聞の記事を収集し、ウルビーノで2000年前後に計画されていた1つの再開発計画をめぐる景観論争について紹介している。また、景観論争は世界遺産の登録抹消が検討されるほど深刻化し、イコモスの介入により結論が出されたものの、文化遺産の保全のあり方を議論するに至らなかったことを問題点として指摘している。
  • 農山漁村の震災復興:都市農村交流による産業とコミュニティの再生, 2012年07月, 日本観光研究学会 「観光研究」, 本稿は、日本観光研究学会による東日本大震災特別研究の助成研究の成果報告である。2011年6月から2012年2月に、宮城県石巻市、南三陸町で実施した震災復旧期における観光の役割に関する調査の成果をまとめている。さらに、調査結果を踏まえて、今後の震災復興において都市農村交流を活用した産業の再生とコミュニティの再生の必要性を提言している。
  • 集落空間の再生と社会システムの継承‐旧山古志村の経験‐, 2012年03月, 日本建築学会都市計画委員会地域文脈形成・計画史小委員会 「東日本大震災と都市・集落の地域文脈-その解読と継承に向けた提言-」, 本稿は、2011年3月に発生した東日本大震災を受け、都市計画や集落計画に「地域文脈」という概念を導入する必要性を提言する文書の一部である。筆者は、新潟県長岡市山古志地区の2004年中越地震からの復旧・復興プロセスを紹介し、その中に看取される「地域文脈」とその特徴を紹介している。具体的には、自然を読み取り、歴史的な蓄積を継承しながら形成されてきた集落空間、地域文化の継承を試みる復興計画、避難生活時に発生した営農活動を紹介し、集落空間の再生、個人の生活再建に地域文脈の継承が必要不可欠であることを論じている。

競争的資金

  • 21H02223, 2021, 日本学術振興会, 科学研究費補助金, 持続可能な地球環境に必要な「変革的な適応」を実現する為のまちづくり研究の再資源化, 本研究は、日常生活を構成するまちづくり活動が、地球の持続可能性に必須とされる「変革的適応」に貢献する可能性と機序を明らかにするも のである。我が国におけるまちづくり活動の経験と研究の蓄積を地球環境の持続可能性のために再資源化する。具体的には、まちづくりの実務 者研究者と協力し全国のコミュニティレベルでのまちづくり活動を抽出、SDGsのターゲットと照合する。次にまちづくり活動のSDGsへの貢献を よ
  • 18H01606, 2018, 日本学術振興会, 科学研究費補助金, 住み継ぎの段階性に着目した集落を継承する少人数社会システムの構築に関する研究, 本研究は、わが国の人口減少局面の中で集落環境を維持管理する担い手が減少し、国土の適正管理が課題となっているなか、少人数の担い手を前提として住まいやなりわいの場である集落を、いかに住み継ぎ、次世代に送り届けることできるかを課題として、地域外住民も含めた多様な担い手によって、集落の居住を次世代へ継承しようとする営みを「住み継ぎ」と定義し、1)集落に関わる各主体により地域がどのように住み継がれていくのか
  • 日本学術振興会, 基盤研究B, 自然災害に対する観光地の「災害弾力性」に関する評価指標の開発
  • 江戸川大学, キャンパス周辺の屋敷林景観の保全活用に関する研究
  • 日本学術振興会, 基盤研究B, 流動的居住に着目した集住地を継承する主体の養成に関する研究
  • 日本観光研究学会, 東日本大震災後の都市農村交流のあり方
  • 日本学術振興会, 基盤C, 震災復興期における都市農村交流を活用した産業とコミュニティの再生に関す る計画論
  • 日本観光研究学会, 農山漁村における震災復興‐都市農村交流による産業とコミュニティの再生
  • 財団法人大林財団, 戦後イタリアにおける都市基本計画にみる都市論と都市計画思想に関する研究
  • 財団法人大林都市研究振興財団, 歴史的建造物保存の実態に関する研究―建造物とその周辺の変化を中心に―
  • 21H02223, 持続可能な地球環境に必要な「変革的な適応」を実現する為のまちづくり研究の再資源化, 本研究は、日常生活を構成するまちづくり活動が、地球の持続可能性に必須とされる「変革的適応」に貢献する可能性と機序を明らかにするものである。我が国におけるまちづくり活動の経験と研究の蓄積を地球環境の持続可能性のために再資源化する。具体的には、まちづくりの実務者研究者と協力し全国のコミュニティレベルでのまちづくり活動を抽出、SDGsのターゲットと照合する。次にまちづくり活動のSDGsへの貢献をより的確に表すターゲットへの修正作業を行い、再照合作業を行う。最後にSDGsに適合しない要素とターゲットの関係を明らかにする。以上、まちづくり活動をSDGsターゲットに関連付けその機序を明らかにする。;本研究は、日常生活を構成するコミュニティレベルのまちづくり活動が地球の持続可能性 に必須とされる変革的適応に貢献する可能性とその機序を、SDGs及びターゲットとまちづくり活動の諸要素との照合を行い直接的間接的な連関の検討を可能にすること、同時にプラットフォームによる共有知の形成を図ることで、未だほぼ未着手の本研究領域における研究方法を確立し、事例研究から本課題の機序を明らかにし、仮説を導出し提案することを目的とする。;2021年度および2022年度に繰越した研究においては、;①研究分担者を通して、活動地域に配意しながら10名のまちづくり実務者、研究者を選定し、協力者が良く知るまちづくり事例について、ディープインタビューを実施した。(2時間程度×2回);②インタビュー結果を、まちづくり活動が有する「既知の価値」および「新しい価値」について整理し、それらをスケールアップした視点、即ち地球環境の持続可能性の視点から検証した。具体的には、まちづくり活動の諸価値を抽出し、SDGsとの適合、不適合を判定し、まちづくりに固有の領域を抽出した。これらの作業を通して、コミュニティレベルのまちづくり活動が全体として地球環境の持続可能性に連結し貢献する可能性を検討した。;③上記基本情報および判定基準の共有、記録のためのプラットフォームをインターネット 上(miro)に構成した。;①2021年度はコロナ禍の状況にあり、まちづくり実務者へのヒアリングを一部2022年度に延期して実施した。(2021年度の繰越申請の通り);②ヒアリングは、各事例2回のヒアリング(各2時間程度)を行う、ディープインタビュー形式を採用した。具体的には、1回目のインタビューで、当該のまちづくり活動の実態を確認し、2回目のインタビューで、それらのまちづくり活動が有する価値をディスカッションも交えて抽出する、というプロセスを採用した。それに伴い、2021年度(2022年度に繰越し部分を含む)のヒアリング対象者の人数を当初の予定の20名から10名とした。;今後の研究推進方策は、以下の3点である。;①まちづくり実務者へのディープインタビューを更に5~10名程度進め、まちづくり活動が有する「既知の価値」および「新しい価値」について整理し、それらをスケールアップした視点、即ち地球環境の持続可能性の視点から、検証する。具体的には、まちづくり活動の諸価値を抽出し、SDGsとの適合、不適合を判定し、まちづくりに固有の領域を抽出する。これらの作業を通して、コミュニティレベルのまちづくり活動が全体として地球環境の持続可能性に連結し貢献する可能性を検討する。;②これまでインタビューしてきた対象者との成果検討会を実施する。(ハイブリット形式で1回予定)こうして、本研究の結果を、コミュニティレベルにおける変革的適応の意義や価値として研究協力者と共有することで、まちづくり活動へとフィードバックする。;③以上をまとめ学術論文として提出する。
  • 18H01606, 住み継ぎの段階性に着目した集落を継承する少人数社会システムの構築に関する研究, 本研究は、少人数の担い手を前提として、住まいやなりわいの場である集落を、いかに住み継がれることができるかを課題としている。多様な担い手によって、集落の居住を次世代へ継承しようとする営みを「住み継ぎ」と定義し、以下を明らかにした。;住み継ぎの要因は、継承されるものを具体化することが効果的であることを導いた。その手法について、第三者が介在すること、信頼を見える化することが効果的であることを明らかにした。地域内部に軸足をおいた地域内外の関係への政策的働きかけから、少人数でも地域が住み継がれる社会の展望が描かれる。これらを、『少人数で生き抜く地域をつくる』(学芸出版社、2023年3月)としてまとめた。;2014年からはじまった地方創生政策以降、各地域で人口増を目指す施策展開が目指され、移住を促すための都市住民の意向調査や移住者と地域住民に着目した研究が重ねられている。「住み継ぎ」という概念を手がかりに、必ずしも人口増ではない、少人数で地域社会を継承することを前提とし、継承されるものの具体化、第三者の介在、信頼の見える化といった研究で得られた知見によって、その社会的なシステム構築にむけた地域社会の展望を描いたところに本研究の意義がある。
  • 16H03334, 自然災害に対する観光地の「災害弾力性」に関する評価指標の開発, 本研究は、調査1:復興を遂げた国内外の観光地の事例分析、調査2:被災地・風評被災地の復興観光研究、調査3:被災観光地における復興への対応プロセスの分析を通して、観光地の「災害弾力性」(災害に対する抵抗力と回復力)を測定する指標を明らかにすることを目的としている。;調査1の事例調査の分析ならびに東日本大震災の被災地域における調査2の継続的な実践の成果が研究領域の異なるメンバー間で共有され、調査3においては、文化財、伝統芸能、自然科学的知識、食と流通、文化的景観、風評等にかかわる具体的な指標が抽出された。;本研究は、これまでの観光研究にはみられなかった「災害弾力性」(災害に対する抵抗力と回復力)の概念を導入し、研究分野の異なる研究者がその妥当性の検証を試みた。これまでにない視点からの総合的な研究成果として、国内・海外の観光地にも援用可能な、観光地の自然災害からの復興と持続的な発展モデルを提示した点に学術的意義を有している。;本研究の社会的意義は、自然災害大国である日本において、観光地の自然災害への備えや被災後の回復、さらには観光地が質的に変容するための指針として、地域が参考にしうる成果を提示している点にある。
  • 26289214, 流動的居住に着目した集住地を継承する主体の養成に関する研究, 研究成果として「住み継がれる集落をつくる」を出版した。概要は以下の通りである。;都市住民の移住・交流を受け入れつつも、集落の側に議論の軸足を移し、集落の空間・社会を持続していくために、集落を質的に転換しつつ、集落が住み「継がれ」ていくありようを描く必要がある。集落を「継ぐ」担い手の養成を、集落が戦略的に展開する必要がある。住んでいる人々が積極的に外部と連携して積極的に交流を展開することで、各自のご縁の量を増やして、住んでいる人々が減っても、集落の活動量(ご縁の量)を落とさないようにできるのではないか。このことで、住み継いでくれる人が現れる偶発的な可能性を広げていけると考える。
  • 24760506, 復興公営住宅における福祉支援及び地域産業との連携に関する研究, 新潟県中越地震の発生から間もなく10年を迎える。震災後、自力再建が困難であった高齢者向けに集落単位で建設された災害復興公営住宅の空洞化に歯止めがかからない。本研究では、医療福祉面での住民支援や地域産業との関係性の現状と課題を明らかにするため、戸別訪問調査を重ねた。災害復興公営住宅の使われ方について、入居者の属性と生活支援の受け方に基づき類型化した。高齢者向けとして生活エリアを集約しすぎることの問題点を把握できた。住宅内では福祉住環境視点からの改善、中山間地ならではの地域における生活上の問題として除雪や移動手段、地域産業面からの生きがい支援の必要性などの課題を同時に解決していく必要がある。
  • 24611023, 震災復興期における都市農村交流を活用した産業とコミュニティの再生に関する計画論, 本研究は、過去に発生した災害で被災した農村地域を対象に、震災に生じる被災地支援と都市農村交流の連続性を検証するものであり、長岡市山古志地域、石巻市小渕浜、南三陸町における被災地支援と都市農村交流の実態を調査し、両者の連続性を分析した。その結果、全ての対象地で被災地支援が都市農村交流に発展する取組みが存在すること、発展する諸要因のうち農村住民と都市住民のつながりを保ち、両者の要求を結びつけるプラットフォームの構築が有効であることが明らかになった。特に震災以前に都市農村交流が成熟していない地域の場合、プラットフォーム構築と様々な取組みの試行がその持続性を育む点を重視すべきことが明らかになった。

教育活動

担当授業

  • まちづくり論, 2023
  • まちづくり論, 2023, まちづくりの理論、およびまちづくりに必要な方法と技術を学ぶ。|まず、まちづくりが成立した社会的、時代的な背景、および思想について学び、まちづくりの意義と価値について理解する。その上で、まちづくりのプロセス(まちを知る、理解する、世話する)、主体と組織化、合意形成・意思決定、規則・ルール、事業化、経営・マネジメントを学び、まちづくりを推進する上で必要とされる方法と技術を理解する。さらに、変動が著しい現代社会で、まちとまちづくりの将来を構想し、展望するために必要とされる、まちとまちづくりのデザイン論について学ぶ。|本科目を通じて、観光まちづくりを学び、実践する上での基礎を身に付ける。

学外活動

学協会活動

  • 日本都市計画学会
  • 日本観光研究学会
  • 日本造園学会
  • 日本建築学会

学外委員等活動

  • 2016年06月, 9999年, 日本観光研究学会, 理事
  • 2015年04月, 2020年03月31日, 日本建築学会, 創造的地域文脈委員会
  • 2014年04月, 9999年, 日本建築学会, 農村計画委員会・集落居住小委員会
  • 2010年04月, 9999年, 日本都市計画学会, 研究交流・共同研究組織都市計画遺産研究会メンバー
  • 2015年08月01日, 2016年03月31日, 農林水産省・H27地域資源の維持・管理の在り方に関する検討会, 委員
  • 2013年04月, 2015年03月, 日本建築学会, 都市計画委員会・地域文脈デザイン小委員会委員
  • 2010年04月, 2014年03月, 日本観光研究学会, 幹事
  • 2009年09月, 2013年03月, 日本建築学会, 都市計画委員会地域文脈形成・計画史小委員会委員