K-ReaD( Kokugakuin University Researcher’s Achievement)

黒澤 直道
文学部 外国語文化学科
教授
Last Updated :2024/03/06

研究者基本情報

氏名

  • 氏名

    黒澤 直道, クロサワ ナオミチ

所属・職名

  • 文学部 外国語文化学科, 教授

学位

  • 2003年03月, 博士(学術), 東京外国語大学, 博甲第38号

本学就任年月日

  • 2004年04月01日

研究分野

  • 中国語、中国民族研究、ナシ学

研究活動

論文

  • ナシ族トンバ経典『ドゥとスの戦い』の翻訳と注釈(2), 黒澤直道, Walpurgis, 2024, 1, 16, 2024年02月28日, 國學院大學文学部外国語文化学科, Walpurgis2023に掲載した(1)に引き続き、ナシ族トンバ経典『ドゥとスの戦い』第十一葉から第二十四葉までの翻訳と注釈を示した。
  • ナシ族トンバ経典『ドゥとスの戦い』について, 黒澤直道, 國學院雑誌, 124, 11, 45, 59, 2023年11月15日, 國學院大學, ナシ族トンバ教の経典、『ドゥとスの戦い』について、その背景とテクスト、梗概を示し、その性質を考察した。
  • ナシ族トンバ経典『ドゥとスの戦い』の翻訳と注釈(1), 黒澤直道, Walpurgis, 2023, 1, 19, 2023年02月28日, 國學院大学文学部外国語文化学科, 中国雲南省西北部を中心に居住するナシ族は多様な伝統文化を有するが、その中でも独特の象形文字で書かれたトンバ経典(東巴経)は、かねてから多くの学者によって注目されてきた。トンバ経典の中には長編の物語が含まれており、『ドゥとスの戦い』はその代表的なものの一つである。このテクストについては、これまで漢語への翻訳が複数なされているが、日本語での紹介は概要など部分的なものに留まって来た。その原因は、やはり言語の壁にある。少数民族の言語によるテクストである以上、漢語の翻訳のみではその実態に迫ることが出来ないのは自明であるが、さらにトンバ経典は文字テクストでありながら口頭伝承的な性質を併せ持ち、そのテクストの状況も複雑であるため、正確にその内容を把握するには、ナシ語に対するアプローチが不可欠である。本稿では、これが初めてとなるナシ語から日本語への翻訳に加え、並列する複数のテクストを比較し、語句やテクストの異同について注釈と考察を加えた 。
  • ナシ語ローマ字表記法の作成と変遷, 黒澤直道, 國學院雑誌, 124巻, 2号, 2023年02月15日, 國學院大學, ナシ語には複数の文字があるが、その中で現在のナシ語を記す上で使われているのが、「納西族文字方案」と呼ばれるローマ字による表記法である。現地では、現在もこの表記法を用いて書かれた書籍の出版が綿々と続けられている。この表記法の作成には紆余曲折があるが、当初の資料が入手しにくいこともあり、表記法の細部にわたりその変遷を辿った研究は、これまでほとんど行われていない。本稿は、筆者がこれまでに入手した資料から、「納西族文字方案」の作成の経緯と変遷をたどり、その全体像を明らかにすることを試みた。
  • ナシ語小学校用教科書『語文』について, 黒澤直道, Walpurgis, 2022, 73, 90, 2022年02月28日, 國學院大學外国語文化学科, ナシ語で書かれた小学校用教科書『語文』について、ナシ語のローマ字表記法と出版物、ナシ語版『語文』の全体像、出版時期の違いと完成度などの観点から論じたもの。
  • ナシ族のトンバ文字による家譜――廸慶チベット族自治州三壩ナシ族郷の『習氏家譜』――, 黒澤直道, 東洋学報, 第102巻, 第2号, 2020年09月17日, 東洋文庫, 本論文は、雲南省廸慶チベット族自治州三壩ナシ族郷で見出されたトンバ文字による家譜について、その読音を記録して解釈を行い、かつ他のナシ族の家譜資料との比較を行ったものである。本論文でとり上げた家譜は、トンバ文字のテクストとしては珍しく、縦書きで書かれていることに特徴がある。また、家譜に記された祖先名には、接頭辞的な特徴が見られ、これが末端レベルのナシ族社会における過去の変化を明らかにする手がかりとなることが期待される。
  • ナシ族におけるテクスト―その形成と背景, 黒澤直道, 中国雲南の書承文化―記録・保存・継承(山田敦士編), 11, 24, 2019年02月28日, 勉誠出版, 中国雲南省西北部に居住するナシ族におけるテクストについて、宗教経典資料、ローマ字表記法による資料、ナシ語のリテラシー、映像・音楽資料などの観点から論じた。
  • 情死の調べ―ナシ族の「ユプ」―, 黒澤直道, 『万葉集』と東アジア(辰巳正明編), 501-530頁, 2017年09月10日, 竹林舎, 中国雲南省に居住するナシ族には、かつて独特の「情死の文化」が存在した。本稿は、情死の最後に歌われる「ユプ」について、ナシ語の原語テクストと和訳を示し、解説を加えたものである。
  • 中国ナシ族の過去と現在―急速な観光地化にゆれる生き様と「共存」, 黒澤直道, 共存学4:多文化社会の可能性, 2017年03月15日, 弘文堂, 中国雲南の高原に住むナシ族は、周囲の様々な民族の影響を受けながら生きてきた。現在、ナシ族の住む土地は急激な観光地化のただ中にある。筆者は1990年代の後半、ナシ族の居住地域に3年間滞在し、その後も折に触れて現地を訪れてきた。本稿は、過去から現在に至るナシ族の生き様と、最近20年間に現地に起こった大きな変化について述べたものである。
  • ナシ族のトンバ経典に見られる語気助詞について, 國學院雑誌, 第116巻10号, 2015年10月01日, 國學院大學,  中国雲南省を中心に居住するナシ族の宗教経典「トンバ経典」に見られる語気助詞について、それがどのように用いられ、また、文字としてどのように表現されているかを考察した。ナシ語の語気助詞全体から見ると、文字で書かれる語気助詞はごく限定されており、それが出現するのは経典における会話文であることが多い。また、複数の経典の比較から、語気助詞を文字として記すか否かには、経典によってかなり傾向の違いがあることが明らかになった。
  • 納西族東巴経文本的基礎研究―根拠出現頻率抽出“結構”(中国語), 黒澤直道, 納西学研究新視野, 2014年12月01日, 中央民族大学出版社, 2009年に雲南省昆明市で行われたNew Horizons in Naxi Studies(The 16th World Congress, The International Union of Anthropological and Ethnological Sciences(IUAES),Yunnan University,Kunming.)で行った口頭発表に加筆し、論文として発表したもの。
  • ナシ族におけるナシ語意識―ナシ語メディアを中心に, 『國學院雜誌』, 第115巻11号, 2014年11月15日, 國學院大學,  本論文は、中国西南部に居住するナシ族の自民族の言語に対する意識について、ナシ語が用いられる現地メディアを主要な資料として考察したものである。本論文では、ナシ族の置かれた状況の変化に着目し、1990年代までの時期と、2000年以降ごく最近までの二つの時期に区分して分析を行い、ナシ語意識の変遷とその背景について考察した。
  • 様々な“文字”をめぐって ~ナシ語~, 黒澤直道, 東京外国語大学オープンアカデミー2012年度後期開講講座「言葉とその周辺をきわめる」, 2014年03月20日, 東京外国語大学語学研究所, 平成24年度東京外国語大学オープンアカデミー『言葉とその周辺をきわめる』の講演内容をもとに書き下ろしたもの。中国西南部に居住するナシ族について、その言語や文字の基本的状況、これまでに作られたナシ語を記す様々な文字、言語の周辺に見られる文化などを紹介し、その背景についても考察した。
  • ナシ(納西)語の文字とその背景, 『國學院雑誌』, 第114巻第7号, 2013年07月15日, 國學院大學, ナシ語は、中国の少数民族の一つ、ナシ(納西)族によって話されている言語である。ナシ語を記す文字としては、「トンバ文字」と呼ばれる特徴的な「象形文字」が知られているが、ナシ語にはこれ以外にも複数の文字がある。本論文では、これらの文字の概要について記述し、その現状と背景について論じた。
  • 「中国ナシ族の言語伝承―情死の経典『ルバルザ』を例として」, 黒澤直道, 『語りの講座 昔話の声とことば』, 265, 291, 2012年12月01日, 三弥井書店, 中国西南部に居住するナシ族には、かつて男女の情死が多く見られた。ナシ族独特の「トンバ教」の中で、情死者を弔う経典が『ルバルザ』である。本論はこの『ルバルザ』を例として、そのナシ語のテクストと文字の使われ方を解説し、これがナシ族の習俗や言語伝承と深い関わりを持っていることを述べた。
  • 「ナシ(納西)語大研鎮方言の音韻体系―先行研究との比較を中心に」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』, 第77号, 2009年10月01日, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, ナシ(納西)語は、中国西南部に居住するナシ族によって話されている言語である。ナシ語の音韻論においては、これまでになされた諸研究の間には様々な見解の相違や対立が存在する。これらの問題を解決するためには、ナシ語の「標準音」と認められている麗江県大研鎮(現・古城区)のナシ語の音韻体系について再検討を行う必要がある。そこで本研究では、筆者が大研鎮方言のインフォーマントに対して行った調査に基づいてその音韻体系を提示し、先行研究との異同について考察を行った。
  • 「ナシ族トンバ経典文字テクストの基礎的研究―出現頻度に基づいた「骨組み」の抽出」, 『國學院雑誌』, 第110巻第3号, 2009年03月01日, 國學院大學, ナシ族の宗教で用いられる経典は、トンバ文字と呼ばれる独特の文字で書かれている。トンバ文字は、言語の各要素とは十分に対応しない極めて不確定な文字であり、経典の内容を暗記しているトンバ以外には、読むことができないとされてきた。しかし、同一の内容を記した複数の経典の文字テクストを対照させてみると、これらの文字の中には、ほとんど全ての経典に書かれる「確定的」な文字と、一部の経典にしか書かれない「非確定的」な文字とがあることに気づく。「非確定的」な文字を取り除いた、「確定的」な文字の列は、言わば経典の「骨組み」である。ある経典の「骨組み」を想定することは、これまで研究者や探検家によって収集されながら、トンバによる朗誦やその記録を経ないまま、世界各地の図書館や研究機関に眠っている経典の内容的な弁別に役立つ可能性がある。本稿では、ナシ族の創世神話の冒頭を例として、「確定的」な文字の連続である「骨組み」を抽出し、さらに「骨組み」が意味するものについて若干の考察を加えた。
  • 「ナシ(納西)語熟語の基礎的研究-形容詞・その他の熟語編、および補編-」, 『Walpurgis 2009』(國學院大學外国語研究室・外国語文化学科紀要), 2009年03月01日, 國學院大學外国語研究室・外国語文化学科, 本稿は、「ナシ(納西)語熟語の基礎的研究-名詞熟語編-」(『Walpurgis 2006』)、「ナシ(納西)語熟語の基礎的研究-動詞熟語編-」(『Walpurgis 2007』)、「ナシ(納西)語熟語の基礎的研究-副詞熟語編-」(『Walpurgis 2008』)の続編である。本稿ではこれらに引き続き、ナシ族の楊福泉氏によって作成された口語ナシ語のテクスト、Stories in Modern Naxi(1988)に見出される形容詞およびその他熟語について例文とともに記し、さらに先の3篇の補足を加えた。
  • 「ナシ(納西)語による出版物について」, 『國學院大學紀要』, 第47号, 2009年02月01日, 國學院大學, ナシ語には、「トンバ文字」などの伝統的な文字のほかに、ラテンローマ字による表記法である「ナシ族文字方案」があり、1980年代以降、雲南省で発行されたナシ語の出版物に用いられてきた。本稿では、これらの出版物の数量と分類、背景と特徴などについて分析した。ナシ族の文化の最大の特徴は、一口に言えばトンバ文化と呼ばれる独特の宗教文化であり、これまでのナシ族に関する先行研究は、トンバ文字とそれに関連する宗教文化に集中してきた。この傾向は、ナシ語出版物にも確実に影を落としている。しかし、ナシ語の出版物には宗教とは関わらない内容のものも含まれており、日常で用いられる口語のナシ語に関する極めて重要な言語資料である。
  • 「ナシ(納西)語熟語の基礎的研究-副詞熟語編-」, 『Walpurgis 2008』(國學院大學外国語研究室・外国語文化学科紀要), 2008年03月01日, 國學院大學外国語研究室・外国語文化学科, 本稿は、「ナシ(納西)語熟語の基礎的研究-名詞熟語編-」(『Walpurgis 2006』)、および「ナシ(納西)語熟語の基礎的研究-動詞熟語編-」(『Walpurgis 2007』)の続編である。本稿ではこれらに引き続き、ナシ族の楊福泉氏によって作成された口語ナシ語のテクスト、Stories in Modern Naxi(1988)に見出される副詞熟語について、例文とともに記した。
  • 「ナシ(納西)族トンバ(東巴)教の現状について-2006年の調査から-」, 『國學院雑誌』, 第108巻第6号, 1, 10, 2007年06月01日, 國學院大學, ナシ族は、中国の雲南省と四川省に居住する人口約31万人の少数民族である。ナシ族の宗教は「トンバ教」として知られ、その名称はナシ族の祭司である「トンバ」に由来する。トンバ教の核心とも言えるトンバの人数やその実際に関する資料は、これまでにも複数公表されているが、それらは基本的にはトンバが多数存命していた1990年代初頭までの記録である。1990年代以降は、高齢となった多くのトンバが世を去っており、トンバの全体数が大きく減っているであろうという大枠の認識はあるものの、その実際については十分に報告されていない。そこで本論文では、近年の資料の不足を補うものとして、筆者が2006年8月から9月に行った現地調査においてナシ族出身の研究者から行った聞き取りをもとに、その現状を報告し、問題点と今後の研究の方向性について考察を加えた。
  • 「ナシ(納西)語熟語の基礎的研究-動詞熟語編-」, 『Walpurgis 2007』(國學院大學外国語研究室・外国語文化学科紀要), 43, 57, 2007年03月01日, 國學院大學外国語研究室・外国語文化学科, 本稿は、『Walpurgis 2006』に掲載した、「ナシ(納西)語熟語の基礎的研究-名詞熟語編-」の続編である。「名詞熟語編」では、ナシ族の楊福泉氏によって作成された口語ナシ語のテクスト、Stories in Modern Naxi(1988)の中で見出された名詞熟語について記述したが、本稿ではそれに引き続き、同テクストに見出される動詞熟語について、例文とともに記した。ナシ語の文章を正確に読解するためには、本稿に記述したような熟語や慣用句の意味を理解することが不可欠である。
  • 「中国少数民族宗教テクストの一研究-ナシ族のトンバ経典-」, 黒澤直道, 『日本文化と神道』第3号(國學院大學21世紀COEプログラム「神道と日本文化の国学的研究発信の拠点形成」成果論文集), 509, 524, 2006年12月01日, 國學院大學21世紀COEプログラム研究センター, ナシ族のトンバ経典は、独特の文字で書かれた宗教経典であり、トンバと呼ばれる祭司にしかそれを読み書きすることができないとされる。これまでの研究においてトンバ経典に訳注を付したテクストは多く作成されてきたが、それらのテクストを相互に比較すると、経典の文字と読音、そして解釈には数多くの異同が見られる。本稿では、筆者が1996年から現地で学んだナシ語の知識を生かし、経典の記述や解釈における相違の具体例を示してナシ族の宗教経典の性質を考察した。
  • 「ナシ(納西)語熟語の基礎的研究-名詞熟語編-」, 『Walpurgis 2006』(國學院大學外国語研究室・外国語文化学科紀要), 41, 57, 2006年03月01日, 國學院大學外国語研究室・外国語文化学科, ナシ語は、中国雲南省の西北部と四川省の一部の地域に居住する、人口約31万人のナシ族によって話されている言語である。これまでになされてきた先行研究においては、ナシ族独特の文字に研究者の興味が集中し、ナシ語の口語に対するアプローチは少ないのが実情であった。しかし、ナシ語の文章を正確に読解するためには、熟語や慣用句の意味を理解することが不可欠である。そこで本稿では、ナシ語の口語で書かれた資料における実際の用例に基づいて、これらの熟語や慣用句の意味を解説した。
  • 「雲南省麗江におけるナシ(納西)語教育の現状」, 『國學院雑誌』, 第106巻第8号, 1, 11, 2005年08月01日, 國學院大學, 本論文は、中国雲南省のナシ族の居住地における、ナシ語の教育について考察したものである。ナシ族の居住地域は、元代に中国王朝の支配地域に組み込まれて以来、次第に漢化が進行してきた。現在では、ナシ族はほぼナシ語と漢語のバイリンガルであると言ってよい。近年、ナシ族の間では自民族文化の核であるナシ語の消滅という危機感が生まれ、ナシ語の教育が試みられるようになってきた。本論文では、筆者が2004年の9月に行った現地調査などを踏まえ、その現状と問題点について考察を行った。
  • 「ナシ(納西)語における漢語・漢文化の影響」, 『中国言語文化論叢』, 第7集, 2005年03月01日, 東京外国語大学中国言語文化研究会, ナシ語は、中国少数民族の言語の一つで、雲南省の西北部に居住するナシ族によって話されている言語である。ナシ語はシナ・チベット語族チベット・ビルマ語派に属し、イ語やリス語と近縁関係にあるが、ナシ族の生活文化は歴史的に漢民族の文化の影響を強く受けており、現在のナシ語には大量の漢語から借用語が存在する。本論文は、ナシ語の中に取り入れられた漢語由来の借用語の状況と、ナシ族が漢民族の文化を吸収していった歴史的背景をたどり、ナシ語における漢語と漢民族文化の影響について考察したものである。
  • 「ナシ(納西)族の言語と口頭伝承-「ツェジュ」の事例から」, 『中国民話の会通信』, 第70号, 26, 33, 2004年03月01日, 中国民話の会, 本研究は、ナシ族の口頭伝承によく見られる「ツェジュ」と呼ばれる言語技法を具体例とし、口語のナシ語を基礎において、その口頭伝承を検討するアプローチの可能性を検討したものである。「ツェジュ」は、主としてナシ族の民謡に見られる修辞的技法であるが、ナシ族の宗教経典にも見られることがある。本研究では両者の関係を考察することにより、ナシ族の民謡と宗教経典の関係の深さを明らかにすることができた。
  • 「中国少数民族口頭伝承の研究-ナシ(納西)語音声言語の検討によるトンバ(東巴)文化の再検討」, 2003年03月01日, 東京外国語大学地域文化研究科博士論文, 本研究は、中国雲南省の西北部に居住するナシ(納西)族の特徴的な文化とされる「トンバ文化」に対して再検討を行ったものである。筆者は、ナシ族の宗教経典の言語と、口語や民謡などの口頭伝承資料との比較を行い、ナシ族の宗教経典の言語を、「ナシ族口頭伝承」という概念の一構成要素として位置づけた。このことにより、ナシ族の宗教経典を特殊な象形文字の経典としか捉えてこなかったこれまでの諸研究に対し、全く新しい考え方を提示することができた。
  • 「中国少数民族言語の学習方法-雲南省のナシ(納西)語を例として」, 『中国語』, 2002年11月号(第514号), 26, 31, 2002年10月01日, 内山書店, 本論文は、中国の少数民族言語の習得方法とその意義について、筆者の現地調査に基づいて論述したものである。これまでは、現地滞在の制限などの諸般の事情により、中国の少数民族の言語は習得が困難とされてきたため、特にその言語文化の研究にはなかなか迫ることができないという問題があった。本論文では、筆者の雲南省でのナシ(納西)語の習得過程を、中国語(漢語)の媒介言語としての役割とともに具体的に論述した。
  • 「ナシ(納西)語緊喉母音論争の意義-中甸県三壩郷白地方言に見られる音声現象からの考察」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』, 第61号, 241, 250, 2001年03月01日, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, ナシ(納西)語は、中国雲南省・四川省のナシ族において、中国語(漢語)と併用されながら話されている言語である。このナシ語の緊喉母音については、中国の言語学者の間でその存否をめぐる論争が存在していた。本論文は、筆者の現地調査によって得られた言語資料に基づき、中甸県のナシ語方言においては緊喉母音が確かに存在することを見出し、それが他のナシ語方言や、宗教教典資料と関連を持つことを指摘したものである。
  • 「形態から見た中国少数民族民話の比較研究-文化的背景との関連の有無」, 黒澤直道, 『物語の発生学』第1号(共同研究プロジェクト「物語と民衆の認識世界:物語の発生学」成果報告書), 1, 39, 1997年03月01日, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 本研究は、中国地域内に居住する少数民族の民話を対象として、「民話の形態論」と呼ばれる諸研究における理論的枠組を利用し、民話とそれを育む民族の文化的背景との関連の有無を考察したものである。「民話の形態論」は、言語学における構造主義に端を発する、構造主義的な文化研究の一部分となった理論であり、本論文はそれを中国地域の具体的な民話テクストに適用し、各民族の婚姻・居住様式と、民話の間の関係を考察した。

Misc

  • ナシ族研究の現在―「ナシ学研究新視野論壇」に参加して, 黒澤直道, 日本と中国, 2044, 2009年11月15日, (社)日中友好協会, 2009年7月に雲南省昆明市で開かれた「ナシ学研究新視野論壇」(国際人類学民族学連合のナシ族専門分科会)に参加した経験を踏まえ、中国の少数民族であるナシ族に関する研究の現状を紹介した。
  • ナシ族の歴史・言語・文学―雲南の高原で育まれた文化, 黒澤直道, FIELDPLUS, 11, 2014年03月31日, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 中国西南の高原に住むナシ族は、漢民族やチベット人といった大勢力の狭間で、独自の文化を育みながら生きてきた。本稿では、ナシ族の歴史とその特色ある言語や豊富な文学の一端を紹介した。
  • 那天的麗江―我的納西語學習和實地調査(中国語), 黒澤直道, 田野與文獻:華南研究資料中心通訊, 81, 2015年10月15日, 香港科技大學華南研究中心, 1997年以降、筆者が雲南省麗江市を中心に行ったナシ族の言語・文化に関わるフィールドワークの概要について、中国語で述べたもの。少数民族を対象とするフィールドワークにおける、現地語学習の方法とその重要性について重点的に述べた。
  • ナシ族トンバ文字経典・ナシ族ゴバ文字経典(展示品解説), 黒澤直道, 「解読!アジアの古代文字(2021)」パンフレット, 2021年11月11日, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所に所蔵される二種のナシ族宗教経典について、それが使用される儀式とタイトルページの文字の解説を行った。
  • トンバ文字とゴバ文字の研究, 黒澤直道, 「解読!アジアの古代文字(2021)」パンフレット, 2021年11月11日, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, ナシ族が伝承するトンバ文字とゴバ文字に関する研究について概説した。
  • ナシ族の文字と漢字, 黒澤直道, FIELD PLUS, 2020年07月01日, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 中国西南部に居住するナシ族の文字と漢字の関わりについて、具体例を挙げて解説した。
  • 東アジアの象形文字と漢字, 黒澤直道, 漢字文化事典, 442, 443, 2023年11月30日, 丸善出版, ナシ族のトンバ文字などの象形文字と、漢字の関係について述べたもの。
  • ナシ族トンバ文字経典 ナシ族ゴバ文字経典(展示品解説), 黒澤直道, 解読!アジアの古代文字(2023), 2023年11月06日, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
  • ナシ族の文字の研究, 黒澤直道, 解読!アジアの古代文字(2023), 2023年11月06日, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
  • 雲南省社会科学院東巴文化研究所編訳『納西東巴古籍訳注全集 全100巻』, 黒澤直道, 『東洋学報』, 第85巻第3号, 95, 103, 2003年12月01日, 東洋文庫, 1999年から2000年にかけて出版された『納西東巴古籍訳注全集』は、中国大陸で1980年代から始まった、ナシ族のトンバ(東巴)経典の翻訳作業の集大成と言える書籍である。本稿では、雲南省社会科学院に属する東巴文化研究所においてこれまで行われてきた翻訳作業の経過を紹介し、さらにこの全集の配列や構成について概説した上で、ナシ語の言語資料として見た場合のいくつかの問題点についても指摘した。

著書等出版物

  • 『納西語地名彙編』, 黒澤直道、和力民、山田勅之, 社会科学文献出版社(北京), 2020年09月30日, 各種文献資料に見られるナシ語の地名を収集し、ナシ語の発音に従って配列した初めてのナシ語地名辞典。各地名項目には漢語による地名、現在の行政地域名、歴史参考史料などを記述し、漢語名と行政区名による索引を付した。
  • ナシ族の古典文学―『ルバルザ』・情死のトンバ経典, 雄山閣, 2011年11月25日,  本書は、中国雲南省西北部に居住するナシ族のトンバ経典、『ルバルザ』の邦訳である。『ルバルザ』は、ナシ族がおかれた特異な背景の下で、かつて多く発生した情死の霊を弔うための経典である。本書では、この経典の複数のナシ語のテクストを検討した上で、原語になるべく忠実な形で翻訳し、さらにナシ族の言語や様々な文化について解説した。
  • 『ナシ(納西)族宗教経典音声言語の研究:口頭伝承としての「トンバ(東巴)経典」』, 雄山閣, 2007年02月01日, 本書は、2003年3月、東京外国語大学大学院地域文化研究科に提出した博士論文、『中国少数民族口頭伝承の研究-ナシ(納西)語音声言語の検討による「トンバ(東巴)文化」の再検討』を、改訂・加筆したものである。本書では、ナシ族宗教経典の音声言語に対する検討を論述の中心に据え、一部の項目について新たに加筆した。本書の特色は、ナシ族宗教経典の言語と、筆者が自身で採集・記述した口語による伝承資料などとの比較を通して、ナシ族宗教経典の言語を「ナシ族口頭伝承」という概念の中に位置づけたことである。
  • 『ツォゼルグの物語:トンバが語る雲南ナシ族の洪水神話』, 雄山閣, 2006年06月01日, 本書は、筆者が現地調査で採集した中国雲南省のナシ族の洪水神話を収録し、さらにナシ族の居住する地域やナシ族の生活文化を紹介する解説を付したものである。洪水神話のテクストは、逐語訳を付したナシ語の原文と、日本語による全訳の双方を収録している。ナシ族は雲南省の麗江市を中心に居住する少数民族であり、日本ではこれまで主としてその独特の象形文字について紹介されてきたが、本書では文字ばかりでなく、ナシ族の話し言葉や、衣服、食べ物、宗教などについても解説した。

講演・発表

  • ナシ族の文字と文献に関する近年の研究, 黒澤直道, AA 研共同利用・共同研究課題「アジア文字研究基盤の構築(2)」2022年度オンライン公開ワークショップ「中国ナシ族の文字と文献」, 2023年03月18日, 中国西南部に居住するナシ族の文字と文献について、近年の研究の潮流を紹介し、さらにAA 研GICAS所蔵ゴバ文字文献の内容について述べた。
  • 【文字研究術語解説案】「線状性違反」, 黒澤直道, 共同研究プロジェクト「アジア文字研究基盤の構築1:文字学に関する用語・概念の研究」2019年度第1回研究会, 2019年06月08日, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, ナシ族のトンバ文字に見られる線状性違反について、①現実世界の空間感覚の反映、②中心的文字と非中心的文字、③文字の結合などの特徴から述べた。
  • Publishing and Using of Naxi Language Texts and its Background, Naomichi KUROSAWA, East Asian Anthropological Association 2019, 2019年09月28日, East Asian Anthropological Association, Chonbuk National University, Jeonju, Korea
  • “中国西南少数民族研究”在日本, 黒澤直道, 中国西南諸民族在日本的研究系列講座, 2019年09月12日, 西南民族大学国際交流与合作処・西南民族大学民族研究院, 中華人民共和国成都市, 日本における中国西南民族の研究について、①1960-80年代までの研究、②物質文化を中心とする学際的研究、③1980年代以降の現地語学習による研究の三つに分け、それぞれの特徴を述べた。
  • 『ナシ語地名彙編(附・歴史参考史料)』の作成について, 黒澤直道, 科学研究費補助金基盤研究C(18K01018)「ナシ学確立を目指した歴史史料の基盤整備と前近代ナシ族社会経済史の研究」平成30年度第1回国内研究会, 2018年12月16日, 大谷大学(京都), 科学研究費補助金事業で作成中の『ナシ語地名彙編』について、作成の目的、出版計画とスケジュール、構成と作成作業上の問題点について述べた。
  • 「口語ナシ(納西)語とトンバ(東巴)経典言語の比較研究」, 2002年07月01日, 共同研究プロジェクト「西南中国非漢族の歴史に関する総合的研究」(於 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所), 本研究は、中国雲南省西北部に居住するナシ(納西)族の特徴的な文化である「トンバ文化」やその宗教経典を、発表者の現地調査で得られた言語資料を用いて再検討したものである。ナシ族は漢族王朝やチベットなど周囲の複雑な状況の中で独自の文化を創出し、その代表とされているのが「トンバ経典」だが、その成立には中国語(漢語)をはじめとする周辺言語の文字の影響が強いことが発表者の研究により提示された。
  • 「ナシ(納西)族の言語伝承における漢語の受容について」, 黒澤直道, 日本中国語学会関東支部7月例会(於 東京外国語大学), 2003年07月01日, 本研究は、中国雲南省に居住するナシ族が使用しているナシ語における、漢語の受容の側面について考察したものである。発表者は、現在のナシ語の中で用いられている借用語としての漢語の状況や、ナシ族によって作られた、漢語とナシ語の二通りの発音で解釈できる独特の漢詩文の技法などを紹介し、独特の「象形文字」による宗教経典や多様な民謡を含み、独自の広がりを持っているナシ族の言語伝承における、漢語の位置とその機能について考察した。
  • 「ナシ語資料の現状と研究の展望」, 黒澤直道, 仙人の会6月例会(於 法政大学), 2007年06月01日, ナシ族の言語であるナシ語を含む資料には、トンバ(東巴)経典の記録・翻訳資料や、ナシ族の民謡を記録した資料、また、ナシ語の表記法であるナシ族文字方案による各種の出版物などがある。本報告では、まず、これまでに公刊されたこれらの資料について概観し、それぞれの資料の特徴や相互の関係について考察した上で、これらの資料を対象とした今後の研究の展望について述べた。
  • 「ナシ語の学習とナシ族の言語伝承」, 黒澤直道, 中国民話の会11月例会, 2006年11月01日, 独特の文字経典である「トンバ(東巴)経典」を含むナシ族の言語資料を検討するには、現在でも話されている口語のナシ語を分析の基礎とすることが不可欠である。本報告では、報告者の1997年から2000年までの現地でのナシ語学習の経過や、ナシ語のテクストとして見るトンバ経典の特徴などについて述べた。
  • 「納西族東巴経文本的基礎研究―根拠出現頻率抽出“結構”」, 黒澤直道, New Horizons in Naxi Studies,The 16th World Congress, The International Union of Anthropological and Ethnological Sciences (IUAES), Yunnan University, Kunming., 2009年07月29日, 『國學院雑誌』第110巻第3号に掲載した「ナシ族トンバ経典文字テクストの基礎的研究」に加筆・改訂を行い、中国語で発表したもの。ナシ族の宗教で用いられる経典はトンバ文字と呼ばれる独特の文字で書かれ、経典の内容を暗記しているトンバ以外には読むことができないとされる。しかし、同一の内容を記した複数の経典の文字テクストを対照させると、これらの文字の中には、ほとんど全ての経典に書かれる「確定的」な文字と、一部の経典にしか書かれない「非確定的」な文字とがあることに気づく。本研究では、ナシ族の創世神話を例に「確定的」な文字の連続である「骨組み」を抽出し、「骨組み」が意味するものについて考察を加えた。
  • 「中国のナシ族―ナシ語教育とトンバ文化伝承の現状について」, 黒澤直道, 関西大学人権問題研究室合宿研究会(於 関西大学セミナーハウス), 2012年07月28日,  中国西南部に居住するナシ族は、特徴的な象形文字「トンバ文字」を用いることで知られる。トンバ文字で書かれた経典は「トンバ経典」と呼ばれ、トンバ経典とそれに関わる文化は「トンバ文化」と呼ばれている。一方、ナシ族の話すナシ語には、この他にもいくつかの文字があり、現代のナシ語を記す文字としては、1950年代に草案が作られた「ナシ族文字方案」がある。本報告では、ナシ族文字方案を用いたナシ語の教育と、トンバ文化伝承の現状ついて解説した。
  • 雲南納西族的語言和神話-語言學習和資料記錄(中国語), 黒澤直道, UGC AoE Scheme: The Historical Anthropology of Chinese Society(卓越學科領域計劃:「中國社會的歷史人類學研究」)(於 香港科技大學華南研究中心), 2015年03月12日,  The Historical Anthropology of Chinese Society(Areas of Exellence Scheme(Fifth Round), University Grants Committe, Hong Kong SAR)において行われた招待講演(中国語)。ナシ語を学習した経過と、ナシ族の神話資料をナシ語を用いて採集・記録した経験、およびその問題点について中国語で講演した。
  • 纳西语学习与纳西语语言资料研究(中国語), 黒澤直道, “西方学术视野下的纳藏关系研究”系列讲座(於 西南民族大学), 2014年10月25日,  西南民族大学民族研究院(中国四川省成都市)による研究プロジェクト、「西方の学術的視野におけるナシ・チベット関係研究」において行われた招待講演(中国語)。ナシ族居住地でナシ語を学習した経過や、それを用いて行ったナシ語資料の研究方法、およびその成果と問題点について、中国語で講演した。
  • 纳西语记音经验(ナシ語), 黒澤直道, 玉龙纳西族自治县抢救出版纳西族语言遗产系列丛书项目记音培训(於 丽江市古城区老年活动中心), 2014年08月22日,  中国雲南省麗江市玉龍ナシ族自治県「ナシ語言語遺産叢書」出版プロジェクトの講習会において行われた招待講演(ナシ語)。ナシ族居住地でナシ語を学習した経過と、ナシ語の言語資料を採集しそれを記録した経験、およびその中で直面した様々な問題について、ナシ語で講演した。
  • 雲南ナシ族の言語意識とその現状―観光化の功罪―, 黒澤直道, 中國語文學會 第149回定例学術研究発表会(於 東京語文学院), 2015年06月21日,  本発表では、雲南省に居住するナシ族の言語意識について、観光化の功罪という視点から分析を行った。特に、現地の世界遺産登録がもたらした意識の変化と、それに伴う現地の商業化が引き起こしたナシ族人口の激減等について、2014年に行ったフィールドワークで得られた知見を基に解説した。
  • 納西語裡面的漢語借詞(中国語), 黒澤直道, 納西語工作坊(於 香港中文大学中国文化研究所呉多泰中国語文研究中心), 2014年09月12日, 香港中文大学中国文化研究所の呉多泰中国語文研究中心において行われたナシ語に関する研究会において、ナシ族とナシ語の基本的な状況とナシ語の中に見られる漢語借用語の様々な形態について概説したもの。
  • ナシ語テクストの全体像, 黒澤直道, 共同研究プロジェクト「中国雲南におけるテクスト研究の新展開」(於 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所), 2015年12月06日,  ナシ語は、中国雲南省を中心に居住するナシ族によって話されている言語である。本研究では、これまでにナシ語で記述・出版されたテクストについて、ジャンルとその変遷、テクスト作成の主体、ナシ語の記述方式とリテラシーなどの側面から分析を行い、ナシ語テクストの全体像を明らかにした。
  • ナシ族の文化とことわざ, 黒澤直道, ことわざ学会 2月例会(於 法政大学), 2016年02月20日,  ナシ族は、中国西南部の雲南省を中心に居住する民族である。本報告では、ナシ族の概要と、言語、文化、宗教の特徴を述べた上で、ナシ族に伝承されていることわざを、ナシ族独特の文字であるトンバ文字とともに紹介した。
  • ナシ語の辞書・語彙集・用例集について, 黒澤直道, 平成29年度科学研究費助成事業(基盤研究C)「中国雲南省大理白族の白文資料の基礎的研究―白文語彙・用例の収集と解読法の確立」2017年度第1回国内研究集会(於 東海大学), 2017年07月16日, 本発表は、ナシ族の話すナシ語について、これまでに作成された辞書・語彙集・用例集について、その概要と全体的な特徴について報告したものである。ナシ族には、トンバ文字と呼ばれる独特の文字があり、これまでに作られた辞書や用例集のほとんどがトンバ文字に関わるものであった。一方、語彙集や口語の辞書はごく近年まで多くはなかった。また、トンバ文字の辞書は、1940年代までにはほぼ作成が終わっていたと言える。
  • ナシ文字, 黒澤直道, 公開ワークショップ「チベット・ビルマ系言語の文字学」(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同利用・共同研究課題「アジア文字研究基盤の構築1:文字学に関する用語・概念の研究」), 2018年02月17日, 中国雲南省に居住するナシ族の独特の文字ついて、その造字や運用上の特徴について紹介した。

その他

  • 「雲南維西のリス族村にて」, 『國學院雑誌』, 第108巻第5号, 國學院大學, 2007年05月01日, 18, 19, 中国雲南省の西北部に位置する維西リス族自治県には、漢民族のほかリス族やナシ族などの複数の民族が居住する。本稿は、筆者の当地でのフィールドワーク中に体験した出来事を紹介したもの。
  • 「ナシ(納西)族の村を歩く」, 『中国語』, 2002年1月号(第504号), 内山書店, 2001年12月01日, 12, 13, 中国雲南省西北部のナシ(納西)族の居住する地域(麗江ナシ族自治県)で、特に農村部を訪問する場合のいくつかの状況について、1997年から2000年にかけて行った筆者の現地フィールドワークでの体験に基づいて解説したもの。この地域での、農村部への交通手段の確保の仕方と、その際に払うべき注意点や、少数民族語学習の方法、そして農村部を訪問する際に少数民族語を用いることによって得られる大きな利点などについて述べた。
  • 「ナシ族老人、世界へ発信」, 『人民中国』, 2000年11月号(第569号), 人民中国雑誌社(北京), 2000年11月01日, 42, 45, 中国の少数民族の一つであるナシ(納西)族が居住する、雲南省西北部の麗江ナシ族自治県の概括的な状況を、1997年から2000年にかけての筆者の現地滞在の経験をもとに解説したもの。歴代の漢民族王朝やチベット王朝、あるいは周辺の強力な民族王朝などが絡んだ、当地の複雑な歴史的背景や、近年に至って急速に進行している観光開発の状況などを、ナシ族の老人に特徴的に見られる開放的な性格を軸として述べた。

競争的資金

  • 18K01018, ナシ学確立を目指した歴史史料の基盤整備と前近代ナシ族社会経済史の研究, ・概要:本年度も昨年度に引き続き、コロナウイルスの世界的感染拡大に伴い、研究活動が大きく制約された1年であった。一昨年度から延期していた雲南省シャングリラ市北部と四川西部の現地調査(チベット語史料『シトゥパンチェン自伝』記載のチベット語地名の同定)は、本年度も延期した。また、同様に2020年度予定していた「ナシ族歴史史料の基盤整備」をテーマにした第1回国際シンポジウムを再延期し、さらに2021年度「前近代ナシ族社会経済史研究」をテーマとした第2回国際シンポジウムも再延期を強いられた。このような中で、以下の作業、及び成果発表を行った。;・歴史史料の基盤整備:①ナシ族歴史史料目録(石刻)原稿校訂。②麗江及びその周辺、鶏足山の石碑拓本の翻刻。③ナシ族トンバ経典中チベット文字の同定と解釈、などである。;・研究成果:論文2編と翻訳1編。研究会発表。詳細は別途参照。;以上から、本研究課題を1年延期することとした。;理由;現在までの進捗状況は以下の通りである。①ナシ族歴史史料目録(石刻)原稿校訂。これについては概ね完成している。②麗江及びその周辺、鶏足山の石碑拓本の翻刻。『北京図書館藏中国歴代石刻拓彙編』と『中国西南地区歴代石刻彙編』、2018~2019年度現地調査における写真撮影などで収集した金石史料の翻刻を進めているが、全体としては3分の一程度の進捗状況である。③ナシ族トンバ経典中のチベット文字の同定と解釈。『納西東巴古籍訳注全集』掲載トンバ教典中に散見されるチベット文字の同定と解釈。同定は概ね終了しているが、その解釈を進めているところである。経過報告は実施済み(2023年3月18日(金)東京外国語大学AA研)。④麗江土司木増著、シトゥパンチェンチベット語訳『ターラーの偈頌』の和訳。和訳は概ね終了している。令和5年度では成果発表を行う予定である。⑤現地調査で収集した家譜の翻刻と読み下し。⑥『シトゥパンチェン自伝』「第1回麗江訪問」訳出。和訳は概ね終了している。令和5年度では成果発表を行う予定である。;上述の通り、国内での作業が概ね順調に進捗する一方で、コロナウイルスの世界的感染拡大に伴い予定していた現地調査と国際シンポジウムの開催が延期となった。;以上から、「やや遅れている」と評価する。;上記のうち未完の、②麗江及びその周辺、鶏足山の石碑拓本の翻刻、③ナシ族トンバ経典中のチベット文字の同定と解釈。④麗江土司木増著、シトゥパンチェンチベット語訳『ターラーの偈頌』の和訳。⑤現地調査で収集した家譜の翻刻と読み下し、⑥『シトゥパンチェン自伝』「第1回麗江訪問」訳出、の完成を目指す。また、昨年度と一昨年度実施できなかった国際シンポジウムの開催、及び上記の現在進捗中の作業の完成を目指す。一方、本年度も引き続きコロナウィルス感染流行や日中間の政治情勢、および国際情勢の影響を受けて、予定している研究者の招聘が困難となる可能性も否定できない。その場合、国際シンポジウムの開催は断念せざるを得ないが、国内における研究会の実施と成果報告書の作成に注力していきたい。
  • 18720088, 中国西南ナシ(納西)族の言語伝承および文字の研究, 中国西南部に居住するナシ(納西)族は、独特の文字で書かれた宗教経典によって知られてきた。しかし、ナシ族の言語の研究はこれまで十分とは言えず、トンバ経典の言語的側面に対する研究も不十分であった。そこで本研究では、現地調査によってナシ語の言語資料を収集し、それを基礎として宗教経典の新たな研究方法を考案した。

教育活動

担当授業

  • 入門中国語, 2021, 初めて中国語を学ぶ学生を対象に、中国語の発音、語彙、文法の基本を学ぶ。始めの段階では、正しい発音の習得に重点を置く。発音をある程度把握できた段階で、実際の会話に役に立つフレーズを学ぶ。同時にその基礎にある文法を理解する。この授業半期のみの授業であるため、さらに中国語を学びたい学生には、年間を通じた中国語Ⅰ・中国語Ⅱの履修を強く勧める。
  • 外国語総合演習A, 2021, 中国を中心とするアジア地域の言語を対象として、受講者各自の関心に基づいて調査を行い、授業で発表・討論しながら理解を深めてゆく。中国を中心とするアジア地域には、中国語(漢語)のような大言語はもちろんのこと、それ以外にもおびただしい数の民族によって話される多数の言語が存在する。また、中国語(漢語)のような大言語にも、数多くの方言が存在する。そして、それらの言語や方言は、民族・文化・社会といった背景と密接に関連している。さらに、これらの言語に見られる文字も多様性に富んでいる。この授業では、言語に対する視点から、言語(方言)とその背景を理解することを目的とする。
  • 外国語総合演習B, 2021, 中国を中心とするアジア地域の言語を対象として、受講者各自の関心に基づいて調査を行い、授業で発表・討論しながら理解を深めてゆく。中国を中心とするアジア地域には、中国語(漢語)のような大言語はもちろんのこと、それ以外にもおびただしい数の民族によって話される多数の言語が存在する。また、中国語(漢語)のような大言語にも、数多くの方言が存在する。そして、それらの言語や方言は、民族・文化・社会といった背景と密接に関連している。さらに、これらの言語に見られる文字も多様性に富んでいる。この授業では、言語に対する視点から、言語(方言)とその背景を理解することを目的とする。
  • 中国地域文化論I, 2021, 中国地域には、中華人民共和国の領内だけでも、漢民族を含めて56を数える民族が居住しているが、これらの民族の文化的な多様性については、未だ十分に理解されているとは言いがたい。この授業では、中国地域をいくつかの地区に分け、そのうち特に、東北・内蒙古地区、西北地区、西南地区(北部)について、それぞれの地域に居住する諸民族の生活文化や、最大多数の人口を擁する漢民族との関係について解説する。また、これらの地域に居住する諸民族は、朝鮮、モンゴルや、旧ソ連領内の各国などに、国境を跨る形で居住していることも多いため、中国地域とこれらの周辺地域との関係も視野に入れながら、講義を進めてゆく。
  • 中国地域文化論II, 2021, この授業では、前期の中国地域文化論1に引き続き、中国諸民族の文化的な多様性を考察する。地域区分としては、特に西南地区(南部)と東南地区(台湾を含む)に居住する諸民族について、それぞれの民族の生活文化や、最大多数の人口を擁する漢民族との関係など、具体的な事例を挙げながら解説する。西南地区(南部)と東南地区は、居住する民族の数も多く、中国地域の中でもとりわけ民族的多様性に富む地区である。また、陸続きである東南アジア各国の領内に、国境を跨る形で居住している民族も多いため、周辺地域との関係も視野に含めて講義を行う。
  • 中国語I, 2021, 初めて中国語を学習する受講者を対象に、中国語の基礎的学習事項を学ぶ。授業の初期の段階では、特に各自の正確な発音の習得に重点を置き、その上で、初級段階で必須とされる文法事項と基礎的な語彙を盛り込みつつ、実際の会話でも役立つフレーズの習得を目指す。この前期の授業と続く後期の授業を通じて、基礎的な文法事項を学び終え、2年次から始まる読解の授業への準備とする。また、適切な時期に発音・文法などの小テストを行うことで、常に学習者が自己の学習効果を確認できるようにしていく。
  • 中国語II, 2021, 初めて中国語を学習する受講者を対象に、中国語の基礎的学習事項を学ぶ。授業の初期の段階では、特に各自の正確な発音の習得に重点を置き、その上で、初級段階で必須とされる文法事項と基礎的な語彙を盛り込みつつ、実際の会話でも役立つフレーズの習得を目指す。この後期終了までに基礎的な文法事項を学び終え、2年次から始まる読解の授業への準備とする。また、適切な時期に発音・文法などの小テストを行うことで、常に学習者が自己の学習効果を確認できるようにしていく。
  • 中国語演習IIA, 2021, 初級の段階で学習した基礎的な文法や語彙の知識をもとに、中級レベルの学習にふさわしいテクストを用いて、中国語の読解力を高めてゆく。さらにそれを活用し、会話力、聴解力のレベルアップを目指す。適切な時期に発音に関する小テストを行い、常に学習者が自己の学習効果を確認できるようにしていく。
  • 中国語演習IIB, 2021, 本授業では、初級の段階で学習した基礎的な文法や語彙の知識をもとに、中級レベルの学習にふさわしいテクストを用いて、中国語の読解力を高めてゆく。さらにそれを活用し、会話力、聴解力のレベルアップを目指す。適切な時期に発音に関する小テストを行い、常に学習者が自己の学習効果を確認できるようにしていく。
  • 入門中国語, 2022, 初めて中国語を学ぶ学生を対象に、中国語の発音、語彙、文法の基本を学ぶ。始めの段階では、正しい発音の習得に重点を置く。発音をある程度把握できた段階で、実際の会話に役に立つフレーズを学ぶ。同時にその基礎にある文法を理解する。この授業半期のみの授業であるため、さらに中国語を学びたい学生には、年間を通じた中国語Ⅰ・中国語Ⅱの履修を強く勧める。
  • 入門中国語, 2022, 初めて中国語を学ぶ学生を対象に、中国語の発音、語彙、文法の基本を学ぶ。始めの段階では、正しい発音の習得に重点を置く。発音をある程度把握できた段階で、実際の会話に役に立つフレーズを学ぶ。同時にその基礎にある文法を理解する。この授業半期のみの授業であるため、さらに中国語を学びたい学生には、年間を通じた中国語Ⅰ・中国語Ⅱの履修を強く勧める。
  • 中国地域文化論I, 2022, 中国地域には、中華人民共和国の領内だけでも、漢民族を含めて56を数える民族が居住しているが、これらの民族の文化的な多様性については、未だ十分に理解されているとは言いがたい。この授業では、中国地域をいくつかの地区に分け、そのうち特に、東北・内蒙古地区、西北地区、西南地区(北部)について、それぞれの地域に居住する諸民族の生活文化や、最大多数の人口を擁する漢民族との関係について解説する。また、これらの地域に居住する諸民族は、朝鮮、モンゴルや、旧ソ連領内の各国などに、国境を跨る形で居住していることも多いため、中国地域とこれらの周辺地域との関係も視野に入れながら、講義を進めてゆく。
  • 中国地域文化論II, 2022, この授業では、前期の中国地域文化論1に引き続き、中国諸民族の文化的な多様性を考察する。地域区分としては、特に西南地区(南部)と東南地区(台湾を含む)に居住する諸民族について、それぞれの民族の生活文化や、最大多数の人口を擁する漢民族との関係など、具体的な事例を挙げながら解説する。西南地区(南部)と東南地区は、居住する民族の数も多く、中国地域の中でもとりわけ民族的多様性に富む地区である。また、陸続きである東南アジア各国の領内に、国境を跨る形で居住している民族も多いため、周辺地域との関係も視野に含めて講義を行う。
  • 外国語総合演習A, 2022, 中国を中心とするアジア地域の言語を対象として、受講者各自の関心に基づいて調査を行い、授業で発表・討論しながら理解を深めてゆく。中国を中心とするアジア地域には、中国語(漢語)のような大言語はもちろんのこと、それ以外にもおびただしい数の民族によって話される多数の言語が存在する。また、中国語(漢語)のような大言語にも、数多くの方言が存在する。そして、それらの言語や方言は、民族・文化・社会といった背景と密接に関連している。さらに、これらの言語に見られる文字も多様性に富んでいる。この授業では、言語に対する視点から、言語(方言)とその背景を理解することを目的とする。
  • 外国語総合演習B, 2022, 中国を中心とするアジア地域の言語を対象として、受講者各自の関心に基づいて調査を行い、授業で発表・討論しながら理解を深めてゆく。中国を中心とするアジア地域には、中国語(漢語)のような大言語はもちろんのこと、それ以外にもおびただしい数の民族によって話される多数の言語が存在する。また、中国語(漢語)のような大言語にも、数多くの方言が存在する。そして、それらの言語や方言は、民族・文化・社会といった背景と密接に関連している。さらに、これらの言語に見られる文字も多様性に富んでいる。この授業では、言語に対する視点から、言語(方言)とその背景を理解することを目的とする。
  • 中国語演習IA, 2022, 初めて中国語を学習する受講者を対象に、中国語の基礎的学習事項を学ぶ。授業の初期の段階では、特に各自の正確な発音の習得に重点を置き、その上で、初級段階で必須とされる文法事項と基礎的な語彙を盛り込みつつ、実際の会話でも役立つフレーズの習得を目指す。この前期の授業と続く後期の授業を通じて、基礎的な文法事項を学び終え、2年次から始まる読解の授業への準備とする。また、適切な時期に発音テストを行うことで、学習者が自己の学習効果を確認できるようにしていく。
  • 中国語演習IB, 2022, 初めて中国語を学習する受講者を対象に、中国語の基礎的学習事項を学ぶ。授業の初期の段階では、特に各自の正確な発音の習得に重点を置き、その上で、初級段階で必須とされる文法事項と基礎的な語彙を盛り込みつつ、実際の会話でも役立つフレーズの習得を目指す。この後期終了までに基礎的な文法事項を学び終え、2年次から始まる読解の授業への準備とする。また、適切な時期に発音テストを行うことで、学習者が自己の学習効果を確認できるようにしていく。
  • 中国語演習IIA, 2022, 初級の段階で学習した基礎的な文法や語彙の知識をもとに、中級レベルの学習にふさわしいテクストを用いて、中国語の読解力を高めてゆく。さらにそれを活用し、会話力、聴解力のレベルアップを目指す。適切な時期に発音に関する小テストを行い、学習者が自己の学習効果を確認できるようにしていく。
  • 中国語演習IIB, 2022, 本授業では、初級の段階で学習した基礎的な文法や語彙の知識をもとに、中級レベルの学習にふさわしいテクストを用いて、中国語の読解力を高めてゆく。さらにそれを活用し、会話力、聴解力のレベルアップを目指す。適切な時期に発音に関する小テストを行い、学習者が自己の学習効果を確認できるようにしていく。
  • 入門中国語, 2023
  • 入門中国語, 2023
  • 中国地域文化論I, 2023
  • 中国地域文化論II, 2023
  • 外国語総合演習A, 2023
  • 外国語総合演習B, 2023
  • 中国語演習IA, 2023
  • 中国語演習IB, 2023
  • 中国語演習IIA, 2023
  • 中国語演習IIB, 2023
  • 入門中国語, 2023, 初めて中国語を学ぶ学生を対象に、中国語の発音、語彙、文法の基本を学ぶ。また、中国語の背景にある文化についても理解を深める。始めの段階では、正しい発音の習得に重点を置く。発音をある程度把握できた段階で、実際の会話に役に立つフレーズを学ぶ。同時にその基礎にある文法を理解する。この授業半期のみの授業であるため、さらに中国語を学びたい学生には、年間を通じた中国語Ⅰ・中国語Ⅱの履修を強く勧める。【※中国語母語話者の受講はできません。】
  • 入門中国語, 2023, 初めて中国語を学ぶ学生を対象に、中国語の発音、語彙、文法の基本を学ぶ。また、中国語の背景にある文化についても理解を深める。始めの段階では、正しい発音の習得に重点を置く。発音をある程度把握できた段階で、実際の会話に役に立つフレーズを学ぶ。同時にその基礎にある文法を理解する。この授業半期のみの授業であるため、さらに中国語を学びたい学生には、年間を通じた中国語Ⅰ・中国語Ⅱの履修を強く勧める。【※中国語母語話者の受講はできません。】
  • 中国地域文化論I, 2023, 中国地域には、中華人民共和国の領内だけでも、漢民族を含めて56を数える民族が居住しているが、これらの民族の文化的な多様性については、未だ十分に理解されているとは言いがたい。この授業では、中国地域をいくつかの地区に分け、そのうち特に、東北・内蒙古地区、西北地区、西南地区(北部)について、それぞれの地域に居住する諸民族の生活文化や、最大多数の人口を擁する漢民族との関係について解説する。また、これらの地域に居住する諸民族は、朝鮮、モンゴルや、旧ソ連領内の各国などに、国境を跨る形で居住していることも多いため、中国地域とこれらの周辺地域との関係も視野に入れながら、講義を進めてゆく。
  • 中国地域文化論II, 2023, この授業では、前期の中国地域文化論1に引き続き、中国諸民族の文化的な多様性を考察する。地域区分としては、特に西南地区(南部)と東南地区(台湾を含む)に居住する諸民族について、それぞれの民族の生活文化や、最大多数の人口を擁する漢民族との関係など、具体的な事例を挙げながら解説する。西南地区(南部)と東南地区は、居住する民族の数も多く、中国地域の中でもとりわけ民族的多様性に富む地区である。また、陸続きである東南アジア各国の領内に、国境を跨る形で居住している民族も多いため、周辺地域との関係も視野に含めて講義を行う。
  • 外国語総合演習A, 2023, 中国を中心とするアジア地域の言語を対象として、受講者各自の関心に基づいて調査を行い、授業で発表・討論しながら理解を深めてゆく。中国を中心とするアジア地域には、中国語(漢語)のような大言語はもちろんのこと、それ以外にもおびただしい数の民族によって話される多数の言語が存在する。また、中国語(漢語)のような大言語にも、数多くの方言が存在する。そして、それらの言語や方言は、民族・文化・社会といった背景と密接に関連している。さらに、これらの言語に見られる文字も多様性に富んでいる。この授業では、言語に対する視点から、言語(方言)とその背景を理解することを目的とする。
  • 外国語総合演習B, 2023, 中国を中心とするアジア地域の言語を対象として、受講者各自の関心に基づいて調査を行い、授業で発表・討論しながら理解を深めてゆく。中国を中心とするアジア地域には、中国語(漢語)のような大言語はもちろんのこと、それ以外にもおびただしい数の民族によって話される多数の言語が存在する。また、中国語(漢語)のような大言語にも、数多くの方言が存在する。そして、それらの言語や方言は、民族・文化・社会といった背景と密接に関連している。さらに、これらの言語に見られる文字も多様性に富んでいる。この授業では、言語に対する視点から、言語(方言)とその背景を理解することを目的とする。
  • 中国語演習IA, 2023, 初めて中国語を学習する受講者を対象に、中国語の基礎的学習事項を学ぶ。授業の初期の段階では、特に各自の正確な発音の習得に重点を置き、その上で、初級段階で必須とされる文法事項と基礎的な語彙を盛り込みつつ、実際の会話でも役立つフレーズの習得を目指す。この前期の授業と続く後期の授業を通じて、基礎的な文法事項を学び終え、2年次から始まる読解の授業への準備とする。また、適切な時期に発音テストを行うことで、学習者が自己の学習効果を確認できるようにしていく。
  • 中国語演習IB, 2023, 初めて中国語を学習する受講者を対象に、中国語の基礎的学習事項を学ぶ。授業の初期の段階では、特に各自の正確な発音の習得に重点を置き、その上で、初級段階で必須とされる文法事項と基礎的な語彙を盛り込みつつ、実際の会話でも役立つフレーズの習得を目指す。この後期終了までに基礎的な文法事項を学び終え、2年次から始まる読解の授業への準備とする。また、適切な時期に発音テストを行うことで、学習者が自己の学習効果を確認できるようにしていく。
  • 中国語演習IIA, 2023, 初級の段階で学習した基礎的な文法や語彙の知識をもとに、中級レベルの学習にふさわしいテクストを用いて、中国語の読解力を高めてゆく。さらにそれを活用し、会話力、聴解力のレベルアップを目指す。適切な時期に発音に関する小テストを行い、学習者が自己の学習効果を確認できるようにしていく。
  • 中国語演習IIB, 2023, 本授業では、初級の段階で学習した基礎的な文法や語彙の知識をもとに、中級レベルの学習にふさわしいテクストを用いて、中国語の読解力を高めてゆく。さらにそれを活用し、会話力、聴解力のレベルアップを目指す。適切な時期に発音に関する小テストを行い、学習者が自己の学習効果を確認できるようにしていく。

オフィスアワーの実施時期・曜時

  • 2018, 渋谷キャンパス研究室。火曜3限。

学外活動

学協会活動

  • 中国語文学会, 2013年06月09日
  • 日本中国学会, 1995年06月
  • 日本口承文芸学会, 1996年06月
  • 東京外国語大学中国言語文化研究会, 1997年09月
  • 日本中国語学会, 2003年06月

学外委員等活動

  • 2023年04月01日, 2026年03月31日, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 共同研究員, 共同研究利用・共同研究課題「アジア文字研究基盤の構築(3)ー文字研究術語集の構築」
  • 2020年04月01日, 2023年03月31日, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 共同研究員, 共同利用・共同研究課題「アジア文字研究基盤の構築2」の共同研究員
  • 2017年04月01日, 2020年03月31日, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 共同研究員
  • 2011年04月, 2014年03月, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 共同研究員

社会貢献活動

  • 「めぐろシティカレッジ」, めぐろシティカレッジ振興会, 「言葉って、楽しい、そして深く、重い」, 2021年11月20日, 2021年12月04日, 第一回「少数言語の魅力1:中国雲南省のナシ語を学ぶ」、第二回「少数言語の魅力2:ナシ語から見るトンバ文字」
  • 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員, 2023年04月01日, 2026年03月31日