破壊と再生の伊勢神宮, ジョルダン・サンド, 岩波書店, 2023年12月05日
『東京ヴァナキュラー:モニュメントなき都市の歴史と記憶』(池田真歩訳), ジョルダン サンド, 新曜社, 2021年09月24日, 原題は「Tokyo Vernacular- Common Spaces, Local Histories, Found Objects」である。2013年にカリフォルニア大学出版局から刊行されている。
ヴァナキュラーとは、著者によると「住まうことをめぐる地域の歴史によって形づくられた作法・空間・感覚の言語」であるとされ、本書では「土地ことば」と訳されている。原著の副題にあるように、広場や土地の記憶、そこに残られたものを軸に、東京の「土地ことば」をあぶりだしている。東京における都心や副都心、谷中を中心とする下町などにおける「土地ことば」を論じ、空間やものを軸としたすぐれた東京論となっている。
なお、同書は日本語に翻訳以前の2019年に中国語訳が刊行されている。
『帝国日本の生活空間』(天内大樹訳), ジョルダン サンド, 岩波書店, 2015年10月, 原題は「Living Spaces of Imperial Japan- A study of the Japanese empire through material culture」である。第二次世界大戦以前の日本と海外植民地との知識、もの、人の動きなどを通じて、日本帝国が惹起した不平等な出会いと差異の構造を明らかにする6篇の論文から成る論文集。米国では単独の書籍の形式では出版されていない。日本の出版社による独自企画の書籍である。
前著『House and Home in Modern Japan: Architecture, Domestic Space, and Bourgeois Culture,1880-1930』ののちに発表された論考のアンソロジー。筆者はあとがきにおいて「本書は太平洋における帝国の歴史から拾った断片のコレクション」と自ら評し、これによって「帝国の過去と帝国の現在のつながりを考える材料を読者に提供できれば」と述べている。
なお、同書は2017年に韓国語訳が、2019年に中国語訳が出されている。
House and Home in Modern Japan: Architecture, Domestic Space, and Bourgeois Culture, 1880-1930., ジョルダン サンド, ハーバード大学出版局, 2003年12月, 日本の住宅を物的環境のみならず、家族の結束の場であり、コミュニティにおける生活の場からの視点でとりあげ、論じた書籍。日本の住宅の種々の側面を近代日本史と絡めながらひろく概括した書籍として、米国において高い評価を得た。日本近代史に関する名著である。
米国建築史学会のAlice Davis Hitchcock賞をはじめ、米国のアジア研究学会John Whitney Hall賞、英語圏の優れた東アジア史研究に対して贈られるアメリカ歴史学会のJohn King Fairbank賞を受賞している。日本語未翻訳。2021年に中国語訳が刊行されている。
2022年, 外務省, 令和4年度外務大臣表彰,
2022年, John Simon Guggenheim Memorial Foundation, グッゲンハイム奨学金,
2015年, 米国社会科学研究会議(SSRC), 安倍奨学金,
2013年, 東京大学大学院アジア情報社会コース, 優秀教育賞,
2008年, Fulbright Program, フルブライト奨学金,
2005年, アメリカ歴史学会, John King Fairbank賞, 『House and Home of Modern Japan』
2005年, アジア研究学会, John Whitney Hall賞, 『House and Home of Modern Japan』
2005年, 建築史学会, Alice Davis Hitchcock賞, 『House and Home of Modern Japan』, アメリカ
2005年, アジア研究学会, 国際アジア研究学会優秀図書賞最終選考進出図書, 『House and Home of Modern Japan』