2020, ※本授業は、主にPowerPoint を利用した遠隔授業として実施する。|我々個人が、そして企業が日常的に行う取引。それは契約である。意図的に、あるいは意図せずに生じる事故。それは不法行為である。債権各論では、このような人と人の間に生じる民法的な法律関係=債権関係を学ぶ。民法典第3編「債権」は、第1章「総則」であらゆる債権に共通するルールを定めており、債権総論講義でこの部分を学ぶ。続く第2章「契約」、第3章「事務管理」、第4章「不当利得」、第5章「不法行為」は、債権の発生原因と、そこから生じた債権に特有の事柄を定めている。本講義では、このうちの第2章「契約」を対象とする。| 契約は、人の意思に基づいて形成される債権関係である。我々は、財産の私的所有を前提に、他人と様々な取引をすることで自己の欲望をかなえてゆく。朝、借りている部屋を出て、大学の最寄り駅まで鉄道を利用し、コンビニで昼食と飲み物を買って教室へ入る。ありふれた一日の中に、すでに様々な契約がある。相手方との合意さえあれば(公序良俗に反しない限り)どんな契約でも可能であるが、民法典は、13種の典型的な契約と、契約全体に共通するルールを定めることで、我々の活動に一方では指針を与え、他方では契約を結んだ両当事者の間の衡平性を保とうとしている。| 2017年に成立した民法(債権関係)の改正は、2020年4月からその大部分が施行される。このため、本講義では改正後の新しい規定を中心に説明する。受講生が全体像をイメージできる程度に概略を説明する一方、重要な論点や最近の動向をときおり取り上げて丁寧に検討することで民法の法的思考を身につけてもらおうと考えている。
2020, -
2020, 授業は、 主に K-SMAPY を利用した講義資料・課題提示による 遠隔授業として実施する。| 本講義は、民法典第3編「債権」の第2章から第5章、つまりいわゆる「債権各論」と呼ばれるもののうち、「第2章契約(『民法・債権各論A』で扱う)」以外の領域を対象とします。「債権各論」は、大きく2つに分けることができます。1つは、人の合意に基づく債権の発生原因である「契約」であり、もう1つは、法律の定める一定の要件を充たす事実の発生を債権の発生原因とする「事務管理」・「不当利得」・「不法行為」です。本講義は、後者を対象とし、なかでも特に不法行為を中心に解説します(全体の8割程度)。| 不法行為法は、交通事故や医療事故など社会におけるさまざまな事故の被害者を救済するための重要な制度です。不法行為に関する条文は少なく、一見すると簡単そうですが、709条という1つの条文で多様な紛争を解決しており、その分解釈論に委ねられている部分が多く、学説・判例で様々に理解が分かれています。抽象的な議論も多いですが、できる限り具体的な事案から出発して解説していきたいと思います。
2021, ※本授業は、主にPowerPoint を利用した遠隔授業として実施しますが、Zoomを使用することもあります。詳細は、第1回目のオリエンテーションで説明するので、必ず出席してください。。||「民事法」とは、市民と市民のあいだに生じた紛争を解決するための一連のルール群のことを指します。民事法は、大きく二つの性格をもった法律に分けることができます。1つは、私たちにどのような権利や義務があるのかを定めている民事実体法(民法、商法、会社法等)であり、もう1つは、民事実体法に定められた権利を実現するための手続について定めた民事手続法(民事訴訟法、民事執行法、倒産法等)です。これらの法律の本格的な講義としては、「民法総則」、「民事訴訟法IAB」、「商取引法AB」、「会社法AB」をはじめとする、主にカテゴリ5と6に含まれる科目を用意しています。| 本授業では、こうした本格的な講義科目を履修する前の足慣らしとして、民事法の最も代表的な法律である民法の主要領域を取り上げます。民法は、例えば、物の売り買いの約束をしたけど守ってもらえない、交通事故にあってけがをした、結婚・離婚をした、あるいはおじいちゃんが亡くなって相続することになったなど、私たちの日常的な生活関係を規律しています。本授業では、そうした民法の主要領域を取り上げることによって、民法が社会生活にどのように関わっているか、民法のもつ論理体系、民事法領域の基本的な概念、そして民法とその他の民事法とのつながりについて学修します。
2021, 本講義は、民法典第二編「物権」のうち「担保物権」を除いた部分を対象とする。| 日常生活において、人々は「物」に対して多様な利害関係を有するようになる。物権法を学ぶとはつまり、この利害関係がどう調整されるべきかという世の秩序を明らかにすることである。本講義の範囲では、物の所有および利用に関わる利害について理解を深めることをめざすこととなる。| 抽象的な理論も、問題の背景を明らかにし、かつできるかぎり具体例を用いることで、分かりやすく解説するようにしたい。| なお、現在民法物権編と不動産登記法の改正作業が進行中である。状況を見ながら、改正の内容についても紹介する。
2021, 前期の内容については、(民法・物権A 渋谷 岡田 康夫 月曜3限)を参照してください。後期の内容については、(民法・物権B 渋谷 岡田 康夫 月曜3限)を参照してください。
2021, 本講義は、民法典第2編物権のうち、債権回収をより確実にするための仕組みを定めるいわゆる「担保物権法」を対象にします。| 担保とは、債権の満足をより確実にするための手段です。例えば3000万円を貸し付けた場合、相手が約束どおりにきちんと返してくれるか不安になります。このときに、3000万円を返せなかったら、代わりに代官山にある土地(評価額3600万円)を売り飛ばして、その代金から3000万円を優先的に回収できるという権利を持っているなら、とても安心するし、債権回収をし損なうリスクは非常に低くなります。こうした、担保の仕組みとして定められている物権が、担保物権です。| 社会生活、とりわけ商取引においては担保は不可欠の存在であり、担保物権の学習は非常に重要です。もっとも、その内容はいささか難しく技術的に高度な事柄が多く含まれます。しかも多数の利害関係者が登場して複雑な法律関係が問題になることも少なくありません。具体例を多用するなどできる限りわかりやすい講義を心がけます。
2021, 我々個人が、そして企業が日常的に行う取引。それは契約である。意図的に、あるいは意図せずに生じる事故。それは不法行為である。債権各論では、このような人と人の間に生じる民法的な法律関係=債権関係を学ぶ。民法典第3編「債権」は、第1章「総則」であらゆる債権に共通するルールを定めており、債権総論講義でこの部分を学ぶ。続く第2章「契約」、第3章「事務管理」、第4章「不当利得」、第5章「不法行為」は、債権の発生原因と、そこから生じた債権に特有の事柄を定めている。本講義では、このうちの第2章「契約」を対象とする。| 契約は、人の意思に基づいて形成される債権関係である。我々は、財産の私的所有を前提に、他人と様々な取引をすることで自己の欲望をかなえてゆく。朝、借りている部屋を出て、大学の最寄り駅まで鉄道を利用し、コンビニで昼食と飲み物を買って教室へ入る。ありふれた一日の中に、すでに様々な契約がある。相手方との合意さえあれば(公序良俗に反しない限り)どんな契約でも可能であるが、民法典は、13種の典型的な契約と、契約全体に共通するルールを定めることで、我々の活動に一方では指針を与え、他方では契約を結んだ両当事者の間の衡平性を保とうとしている。| 2017年に成立した民法(債権関係)の改正は、2020年4月からその大部分が施行されている。このため、本講義では改正後の新しい規定を中心に説明する。受講生が全体像をイメージできる程度に概略を説明する一方、重要な論点や最近の動向をときおり取り上げて丁寧に検討することで民法の法的思考を身につけてもらおうと考えている。
2021, 前期の内容については、(民法・債権各論A 渋谷 岡田 康夫 月曜6限)を参照してください。後期の内容については、(民法・債権各論B 渋谷 岡田 康夫 月曜6限)を参照してください。
2021, 本講義は、⺠法典第3編「債権」の第2章から第5章、つまりいわゆる「債権各論」と呼ばれるもののうち、「第2章契約(『債権各論A』で扱う)」以外の領域を対象とする。「債権各論」は、⼤きく2つに分けることができる。1つは、⼈の合意に基づく債権の発⽣原因である「契約」であり、もう1つは、法律の定める⼀定の要件を充たす事実の発⽣を債権の発⽣原因とする「事務管理」・「不当利得」・「不法⾏為」である。本講義は、後者を対象とし、なかでも特に不法⾏為を中⼼に解説する(全体の8割程度)。| 講義の中⼼となる不法⾏為法は、交通事故や医療事故など、我々が社会⽣活を営む中で起きるさまざまな事故において、被害者を救済するための重要な制度である。⺠事上のトラブルのかなりの部分を占めるにもかかわらず、不法⾏為に関する条⽂は少ない。このため、判例と解釈論に多くを委ねられている。抽象的な議論も多いが、できる限り具体的な事案から出発し、重要な判例を取り上げながら解説していく。| また、事務管理・不当利得はいずれも契約秩序・物権秩序が崩れた場合の法律関係を規律する、⺠法の裏⽅ともいえる制度であり、これらを学ぶことによって契約法などの理解が深まるはずである。多くの時間を割くことはできないが、事務管理と不当利得の基本的な仕組みが理解できるように、⼯夫して講義する予定である。
2021, 不動産は、我々の生活に欠かせない重要な財産です。近年は、空き家対策、負動産化、所有者不明土地問題といった問題が生じており、これらに対応するために法改正などが活発に進められています。民法の物権編も、改正されようとしています。そこで、不動産をめぐる裁判例を題材にして、民法(と、もしかしたら少しだけ行政法)を学びましょう。| 『不動産法入門』という本の目次から、不動産法がどんな分野なのか眺めてみましょう。「不動産の取引」「不動産の所有」「不動産の利用」という3部構成になっています。物権法を学ぶ、とは限りません。不動産の取引には、売買契約や売主の担保責任、宅建業者の重要事項説明義務などが登場します。不動産の所有には区分所有(マンション)の法律関係や土地の境界をめぐる争いなどが含まれます。そして不動産の利用の中心となるのは、不動産賃貸借、つまり借地や借家の問題です。このように、民法講義が総則・物権といった法典順の学習方法なのとは違った切り口で、民法の様々な事柄を学び直すことができるでしょう。ちなみに不動産の所有には、都市における不動産の開発に関係する事柄も出てきます。これは行政法にあたります。不動産に関係する事柄は、とても幅広いのですが、重要な裁判例を読み、出てくる事柄を少しずつ学んでゆきましょう。| なお、このゼミで取り上げる裁判例は、最高裁のものには限られません。地裁や高裁の裁判例も取り上げます。| 受講人数によって変わりますが、原則として複数のゼミ生で判例発表を行い、その内容をもとにみんなで議論していきます。| コロナ感染症流行のため、コンパや合宿などがやりづらい状況にありますが、可能であれば、これらを実施して親睦を深めたいと考えています。さらに、都内の重要不動産の見学も、構想しております。
2021, 本講義は、民法典第二編「物権」のうち「担保物権」を除いた部分を対象とする。| 日常生活において、人々は「物」に対して多様な利害関係を有するようになる。物権法を学ぶとはつまり、この利害関係がどう調整されるべきかという世の秩序を明らかにすることである。本講義の範囲では、物の所有および利用に関わる利害について理解を深めることをめざすこととなる。| 抽象的な理論も、問題の背景を明らかにし、かつできるかぎり具体例を用いることで、分かりやすく解説するようにしたい。| なお、現在民法物権編と不動産登記法の改正作業が進行中である。状況を見ながら、改正の内容についても紹介する。
2021, 前期の内容については、(民法・物権A 渋谷 岡田 康夫 木曜4限)を参照してください。後期の内容については、(民法・物権B 渋谷 岡田 康夫 木曜4限)を参照してください。
2021, 本講義は、民法典第2編物権のうち、債権回収をより確実にするための仕組みを定めるいわゆる「担保物権法」を対象にします。| 担保とは、債権の満足をより確実にするための手段です。例えば3000万円を貸し付けた場合、相手が約束どおりにきちんと返してくれるか不安になります。このときに、3000万円を返せなかったら、代わりに代官山にある土地(評価額3600万円)を売り飛ばして、その代金から3000万円を優先的に回収できるという権利を持っているなら、とても安心するし、債権回収をし損なうリスクは非常に低くなります。こうした、担保の仕組みとして定められている物権が、担保物権です。| 社会生活、とりわけ商取引においては担保は不可欠の存在であり、担保物権の学習は非常に重要です。もっとも、その内容はいささか難しく技術的に高度な事柄が多く含まれます。しかも多数の利害関係者が登場して複雑な法律関係が問題になることも少なくありません。具体例を多用するなどできる限りわかりやすい講義を心がけます。
2021, 我々個人が、そして企業が日常的に行う取引。それは契約である。意図的に、あるいは意図せずに生じる事故。それは不法行為である。債権各論では、このような人と人の間に生じる民法的な法律関係=債権関係を学ぶ。民法典第3編「債権」は、第1章「総則」であらゆる債権に共通するルールを定めており、債権総論講義でこの部分を学ぶ。続く第2章「契約」、第3章「事務管理」、第4章「不当利得」、第5章「不法行為」は、債権の発生原因と、そこから生じた債権に特有の事柄を定めている。本講義では、このうちの第2章「契約」を対象とする。| 契約は、人の意思に基づいて形成される債権関係である。我々は、財産の私的所有を前提に、他人と様々な取引をすることで自己の欲望をかなえてゆく。朝、借りている部屋を出て、大学の最寄り駅まで鉄道を利用し、コンビニで昼食と飲み物を買って教室へ入る。ありふれた一日の中に、すでに様々な契約がある。相手方との合意さえあれば(公序良俗に反しない限り)どんな契約でも可能であるが、民法典は、13種の典型的な契約と、契約全体に共通するルールを定めることで、我々の活動に一方では指針を与え、他方では契約を結んだ両当事者の間の衡平性を保とうとしている。| 2017年に成立した民法(債権関係)の改正は、2020年4月からその大部分が施行されている。このため、本講義では改正後の新しい規定を中心に説明する。受講生が全体像をイメージできる程度に概略を説明する一方、重要な論点や最近の動向をときおり取り上げて丁寧に検討することで民法の法的思考を身につけてもらおうと考えている。
2022, 我々個人が、そして企業が日常的に行う取引。それは契約である。意図的に、あるいは意図せずに生じる事故。それは不法行為である。債権各論では、このような人と人の間に生じる民法的な法律関係=債権関係を学ぶ。民法典第3編「債権」は、第1章「総則」であらゆる債権に共通するルールを定めており、債権総論講義でこの部分を学ぶ。続く第2章「契約」、第3章「事務管理」、第4章「不当利得」、第5章「不法行為」は、債権の発生原因と、そこから生じた債権に特有の事柄を定めている。本講義では、この第2章から第5章を学ぶ。| 契約は、人の意思に基づいて形成される債権関係である。我々は、財産の私的所有を前提に、他人と様々な取引をすることで自己の欲望をかなえてゆく。朝、借りている部屋を出て、大学の最寄り駅まで鉄道を利用し、コンビニで昼食と飲み物を買って教室へ入る。ありふれた一日の中に、すでに様々な契約がある。相手方との合意さえあれば(公序良俗に反しない限り)どんな契約でも可能であるが、民法典は、13種の典型的な契約と、契約全体に共通するルールを定めることで、我々の活動に一方では指針を与え、他方では契約を結んだ両当事者の間の衡平性を保とうとしている。様々な契約について、受講生が全体像をイメージできる程度に概略を説明する一方、重要な論点や最近の動向をときおり取り上げて丁寧に検討することで民法の法的思考を身につけてもらおうと考えている。| 不法⾏為法は、交通事故や医療事故など、我々が社会⽣活を営む中で起きるさまざまな事故において、被害者を救済するための重要な制度である。⺠事上のトラブルのかなりの部分を占めるにもかかわらず、不法⾏為に関する条⽂は少ない。このため、判例と解釈論に多くを委ねられている。抽象的な議論も多いが、できる限り具体的な事案から出発し、重要な判例を取り上げながら解説していく。| また、事務管理・不当利得はいずれも契約秩序・物権秩序が崩れた場合の法律関係を規律する、⺠法の裏⽅ともいえる制度であり、これらを学ぶことによって契約法などの理解が深まるはずである。多くの時間を割くことはできないが、事務管理と不当利得の基本的な仕組みが理解できるように、⼯夫して講義する予定である。|
2022, 「民事法」とは、市民と市民のあいだに生じた紛争を解決するための一連のルール群のことを指します。民事法は、大きく二つの性格をもった法律に分けることができます。1つは、私たちにどのような権利や義務があるのかを定めている民事実体法(民法、商法、会社法等)であり、もう1つは、民事実体法に定められた権利を実現するための手続について定めた民事手続法(民事訴訟法、民事執行法、倒産法等)です。これらの法律の本格的な講義としては、「民法総則」、「民法債権各論A・B」、「物権法A・B」、「債権総論A・B」、「親族・相続」、「民事訴訟法IAB」、「商取引法AB」、「会社法AB」をはじめとする、主にカテゴリ5と6に含まれる科目を用意しています。| 本授業では、こうした本格的な講義科目を履修する前の足慣らしとして、民事法の最も代表的な法律である民法の主要領域を取り上げます。民法は、例えば、物の売り買いの約束をしたけど守ってもらえない、交通事故にあってけがをした、結婚・離婚をした、あるいはおじいちゃんが亡くなって相続することになったなど、私たちの日常的な生活関係を規律しています。本授業では、そうした民法の主要領域を取り上げることによって、民法が社会生活にどのように関わっているか、民法のもつ論理体系、民事法領域の基本的な概念、そして民法とその他の民事法とのつながりについて学修します。
2022, 本講義は、民法典第二編「物権」のうち「担保物権」を除いた部分を対象とする。| 日常生活において、人々は「物」に対して多様な利害関係を有するようになる。物権法を学ぶとはつまり、この利害関係がどう調整されるべきかという世の秩序を明らかにすることである。本講義の範囲では、物の所有および利用に関わる利害について理解を深めることをめざすこととなる。| 抽象的な理論も、問題の背景を明らかにし、かつできるかぎり具体例を用いることで、分かりやすく解説するようにしたい。| なお、現在民法物権編と不動産登記法の改正作業が進行中である。状況を見ながら、改正の内容についても紹介する。
2022, 前期の内容については、(民法・物権A 渋谷 岡田 康夫 木曜4限)を参照してください。後期の内容については、(民法・物権B 渋谷 岡田 康夫 木曜4限)を参照してください。
2022, 本講義は、民法典第2編物権のうち、債権回収をより確実にするための仕組みを定めるいわゆる「担保物権法」を対象にします。| 担保とは、債権の満足をより確実にするための手段です。例えば3000万円を貸し付けた場合、相手が約束どおりにきちんと返してくれるか不安になります。このときに、3000万円を返せなかったら、代わりに代官山にある土地(評価額3600万円)を売り飛ばして、その代金から3000万円を優先的に回収できるという権利を持っているなら、とても安心するし、債権回収をし損なうリスクは非常に低くなります。こうした、担保の仕組みとして定められている物権が、担保物権です。| 社会生活、とりわけ商取引においては担保は不可欠の存在であり、担保物権の学習は非常に重要です。もっとも、その内容はいささか難しく技術的に高度な事柄が多く含まれます。しかも多数の利害関係者が登場して複雑な法律関係が問題になることも少なくありません。具体例を多用するなどできる限りわかりやすい講義を心がけます。
2022, 我々個人が、そして企業が日常的に行う取引。それは契約である。意図的に、あるいは意図せずに生じる事故。それは不法行為である。債権各論では、このような人と人の間に生じる民法的な法律関係=債権関係を学ぶ。民法典第3編「債権」は、第1章「総則」であらゆる債権に共通するルールを定めており、債権総論講義でこの部分を学ぶ。続く第2章「契約」、第3章「事務管理」、第4章「不当利得」、第5章「不法行為」は、債権の発生原因と、そこから生じた債権に特有の事柄を定めている。本講義では、このうちの第2章「契約」を対象とする。| 契約は、人の意思に基づいて形成される債権関係である。我々は、財産の私的所有を前提に、他人と様々な取引をすることで自己の欲望をかなえてゆく。朝、借りている部屋を出て、大学の最寄り駅まで鉄道を利用し、コンビニで昼食と飲み物を買って教室へ入る。ありふれた一日の中に、すでに様々な契約がある。相手方との合意さえあれば(公序良俗に反しない限り)どんな契約でも可能であるが、民法典は、13種の典型的な契約と、契約全体に共通するルールを定めることで、我々の活動に一方では指針を与え、他方では契約を結んだ両当事者の間の衡平性を保とうとしている。| 2017年に成立した民法(債権関係)の改正は、2020年4月からその大部分が施行されている。このため、本講義では改正後の新しい規定を中心に説明する。受講生が全体像をイメージできる程度に概略を説明する一方、重要な論点や最近の動向をときおり取り上げて丁寧に検討することで民法の法的思考を身につけてもらおうと考えている。
2022, 不動産は、我々の生活に欠かせない重要な財産です。近年は、空き家対策、負動産化、所有者不明土地問題といった問題が生じており、これらに対応するために法改正などが活発に進められています。民法の物権編も、改正されようとしています。そこで、不動産をめぐる裁判例を題材にして、民法(と、もしかしたら少しだけ行政法)を学びましょう。| 『不動産法入門』という本の目次から、不動産法がどんな分野なのか眺めてみましょう。「不動産の取引」「不動産の所有」「不動産の利用」という3部構成になっています。物権法を学ぶ、とは限りません。不動産の取引には、売買契約や売主の担保責任、宅建業者の重要事項説明義務などが登場します。不動産の所有には区分所有(マンション)の法律関係や土地の境界をめぐる争いなどが含まれます。そして不動産の利用の中心となるのは、不動産賃貸借、つまり借地や借家の問題です。このように、民法講義が総則・物権といった法典順の学習方法なのとは違った切り口で、民法の様々な事柄を学び直すことができるでしょう。ちなみに不動産の所有には、都市における不動産の開発に関係する事柄も出てきます。これは行政法にあたります。不動産に関係する事柄は、とても幅広いのですが、重要な裁判例を読み、出てくる事柄を少しずつ学んでゆきましょう。| なお、このゼミで取り上げる裁判例は、最高裁のものには限られません。地裁や高裁の裁判例も取り上げます。| 受講人数によって変わりますが、原則として複数のゼミ生で判例発表を行い、その内容をもとにみんなで議論していきます。| コロナ感染症流行のため、コンパや合宿などがやりづらい状況にありますが、可能であれば、これらを実施して親睦を深めたいと考えています。さらに、都内の重要不動産の見学も、構想しております。
2022, 民法(原則として財産法)の事例問題と最新判例(原則として5年以内に下されたもの)を演習形式で学ぶことによって、民法の基礎学力を高め、各制度間のつながりを理解できるようにする。|受講者は事例問題・最新判例についてあらかじめ調べ、レジュメを作成して報告する。報告内容をもとに、教員を交えて議論することによって理解を深める。
2022, 前期の内容については、((専)民法応用演習Ⅰ(2) 渋谷 岡田 康夫 金曜2限)を参照してください。後期の内容については、((専)民法応用演習Ⅱ(2) 渋谷 岡田 康夫 金曜2限)を参照してください。
2022, 民法(原則として財産法)の事例問題と最新判例(原則として5年以内に下されたもの)を演習形式で学ぶことによって、民法の基礎学力を高め、各制度間のつながりを理解できるようにする。後期の応用演習Ⅱでは、取り上げる事例問題を、複数の論点を含む発展的なものにする。|受講者は事例問題・最新判例についてあらかじめ調べ、レジュメを作成して報告する。報告内容をもとに、教員を交えて議論することによって理解を深める。
2023
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2023, 本講義は、民法典第二編「物権」を対象とする。| 日常生活において、人々は「物」に対して多様な利害関係を有するようになる。物権法を学ぶとはつまり、この利害関係がどう調整されるべきかという世の秩序を明らかにすることである。物の所有および利用に関わる利害について理解を深めることをめざすこととなる。| 民法の規定はまず物権全体に共通する総則が置かれ、続いて各種の物権に関する規定が置かれている。本講義はこの法典の順序に従って物権法を学んでゆく。| ところで、授業の後半は留置権・先取特権・質権・抵当権といういわゆる担保物権を扱うことになる。担保とは、債権の満足をより確実にするための手段である。例えば3000万円を貸し付けた場合、相手が約束どおりにきちんと返してくれるか不安になる。このときに、3000万円を返せなかったら、代わりに代官山にある土地(評価額3600万円)を売り飛ばして、その代金から3000万円を他の債権者に優先して回収できるという権利を持っているなら、とても安心するし、債権回収をし損なうリスクは非常に低くなる。こうした、担保の仕組みとして定められている物権が、担保物権である。いわば債権の強化パーツである。| 抽象的な理論も、問題の背景を明らかにし、かつできるかぎり具体例を用いることで、分かりやすく解説するようにしたい。
2023, 「民事法」とは、市民と市民のあいだに生じた紛争を解決するための一連のルール群のことを指します。民事法は、大きく二つの性格をもった法律に分けることができます。1つは、私たちにどのような権利や義務があるのかを定めている民事実体法(民法、商法、会社法等)であり、もう1つは、民事実体法に定められた権利を実現するための手続について定めた民事手続法(民事訴訟法、民事執行法、倒産法等)です。これらの法律の本格的な講義としては、「民法総則」、「民法債権各論A・B」、「物権A・B」、「債権総論A・B」、「親族・相続」、「民事訴訟法IAB」、「商取引法AB」、「会社法AB」をはじめとする、主にカテゴリ5と6に含まれる科目を用意しています。| 本授業では、こうした本格的な講義科目を履修する前の足慣らしとして、民事法の最も代表的な法律である民法の主要領域を取り上げます。民法は、例えば、物の売り買いの約束をしたけど守ってもらえない、交通事故にあってけがをした、結婚・離婚をした、あるいはおじいちゃんが亡くなって相続することになったなど、私たちの日常的な生活関係を規律しています。本授業では、そうした民法の主要領域を取り上げることによって、民法が社会生活にどのように関わっているか、民法のもつ論理体系、民事法領域の基本的な概念、そして民法とその他の民事法とのつながりについて学修します。
2023, 我々個人が、そして企業が日常的に行う取引。それは契約である。意図的に、あるいは意図せずに生じる事故。それは不法行為である。債権各論では、このような人と人の間に生じる民法的な法律関係=債権関係を学ぶ。民法典第3編「債権」は、第1章「総則」であらゆる債権に共通するルールを定めており、債権総論講義でこの部分を学ぶ。続く第2章「契約」、第3章「事務管理」、第4章「不当利得」、第5章「不法行為」は、債権の発生原因と、そこから生じた債権に特有の事柄を定めている。本講義では、このうちの第2章「契約」を対象とする。| 契約は、人の意思に基づいて形成される債権関係である。我々は、財産の私的所有を前提に、他人と様々な取引をすることで自己の欲望をかなえてゆく。朝、借りている部屋を出て、大学の最寄り駅まで鉄道を利用し、コンビニで昼食と飲み物を買って教室へ入る。ありふれた一日の中に、すでに様々な契約がある。相手方との合意さえあれば(公序良俗に反しない限り)どんな契約でも可能であるが、民法典は、13種の典型的な契約と、契約全体に共通するルールを定めることで、我々の活動に一方では指針を与え、他方では契約を結んだ両当事者の間の衡平性を保とうとしている。| 2017年に成立した民法(債権関係)の改正は、2020年4月からその大部分が施行されている。このため、本講義では改正後の新しい規定を中心に説明する。受講生が全体像をイメージできる程度に概略を説明する一方、重要な論点や最近の動向をときおり取り上げて丁寧に検討することで民法の法的思考を身につけてもらおうと考えている。
2023, 不動産は、我々の生活に欠かせない重要な財産です。近年は、空き家対策、負動産化、所有者不明土地問題といった問題が生じており、これらに対応するために法改正などが活発に進められています。民法の物権編も、2021年に改正されました。そこで、不動産をめぐる裁判例を題材にして、民法(と、もしかしたら少しだけ行政法)を学びましょう。| 『不動産法入門』という本の目次から、不動産法がどんな分野なのか眺めてみましょう。「不動産の取引」「不動産の所有」「不動産の利用」という3部構成になっています。物権法を学ぶ、とは限りません。不動産の取引には、売買契約や売主の担保責任、宅建業者の重要事項説明義務などが登場します。不動産の所有には区分所有(マンション)の法律関係や土地の境界をめぐる争いなどが含まれます。そして不動産の利用の中心となるのは、不動産賃貸借、つまり借地や借家の問題です。このように、民法講義が総則・物権といった法典順の学習方法なのとは違った切り口で、民法の様々な事柄を学び直すことができるでしょう。ちなみに不動産の所有には、都市における不動産の開発に関係する事柄も出てきます。これは行政法にあたります。不動産に関係する事柄は、とても幅広いのですが、重要な裁判例を読み、出てくる事柄を少しずつ学んでゆきましょう。| なお、このゼミで取り上げる裁判例は、最高裁のものには限られません。地裁や高裁の裁判例も取り上げます。| 受講人数によって変わりますが、原則として複数のゼミ生で判例発表を行い、その内容をもとにみんなで議論していきます。| コロナ感染症流行のため、コンパや合宿などがやりづらい状況にありますが、可能であれば、これらを実施して親睦を深めたいと考えています。さらに、都内の重要不動産の見学も、構想しております。