「近世後期における歴史意識の生成・展開とその特質」, 岩橋清美, 『歴史評論』, 902, pp19, pp31, 2025年06月01日, 歴史科学協議会
「嘉永六年クリンカーヒューズス彗星にみる土御門家・間家の観測精度比較」, 玉澤春史 岩橋清美 北井礼三郎, 『stars and galaxies』, 6, 2023年12月31日, 兵庫県立大学自然・環境科学研究所天文科学センター
「『赤気』と近世社会-明和七年の『赤気』をめぐる人々の対応と認識ー」, 岩橋清美, 『國學院雑誌』, 123, 2, 1, 21, 2022年02月01日, 國學院大學
「安政五年ドナティ彗星観測にみる土御門家の天文観測技術に関する一考察」, 岩橋清美 北井礼三郎 玉澤春史, 『Stars and Galaxies』, 5, 2023年02月10日, 兵庫県立大学自然・環境科学研究所天文科学センター
「1861年テバット彗星位置測量精度ー土御門家と間家の測量比較を中心にー」, 北井礼三郎 玉澤春史 岩橋清美, 『アジア遊学』, 296号, 92, 102, 2024年09月01日, 勉誠社
Inclined Zenith Aurora over Kyoto on 17 September 1770: Graphical Evidence of Extreme Magnetic Storm, Ryuho Kataoka, Kiyomi Iwahashi, SPACE WEATHER-THE INTERNATIONAL JOURNAL OF RESEARCH AND APPLICATIONS, 15, 10, 1314, 1320, 2017年10月01日, AMER GEOPHYSICAL UNION, 1770年に京都で観測されたオーロラの広がりについて「星解」(松阪市役所所蔵)および山城国紀伊郡伏見村稲荷社(現伏見稲荷大社)社家羽倉信郷(國學院大學図書館寄託東羽倉家文書)の日記を用いて分析を行い、観測史上最大と言われるキャリントン・イベントよりも大規模な磁気嵐が発生した可能性のあることを指摘した。
「『花月日記』にみる松平定信の人間関係と文化活動」, 岩橋清美, 『法政大学 多摩論集』, 37, 2021年03月31日, 法政大学
「近世史料にみるオーロラと人々の認識」, 磯部洋明 岩橋清美 玉澤春史, 『書物・出版と社会変容』, 25, 2020年11月04日, 書物・出版と社会変容研究会
「異分野融合研究で切り拓く歴史的オーロラ研究」, 岩橋清美, 『デジタルアーカイブズ・ベーシックス3 自然史・理工学系研究データの活』, 2020年04月20日, 勉誠出版
「『集古十種』にみる松平定信の個物認識」, 岩橋清美, 『書物・出版と社会変容』, 25, 2020年03月21日, 書物・出版と社会変容研究会
「太陽黒点観測に見る近世後期の天文認識」, 岩橋清美, 『国文学研究資料館紀要 文学研究篇』, 46, 2020年03月31日, 国文学研究資料館
「絵画史料に見る近世人のオーロラ認識」, 岩橋清美, 『法政大学 多摩論集』, 43, 2018年03月31日, 法政大学法政大学
「青山久保町に見る江戸青物市場の特質」, 岩橋清美, 『中央大学人文科学研究所 研究叢書66 地域史研究の今日的課題』, 2018年03月15日, 中央大学出版部
「近世社会における飢饉と言説」, 岩橋清美, 『国史学』, 129, 2016年11月01日, 国史学会
「近世日光をめぐる歴史意識」, 岩橋清美, 『国文学研究史料館研究紀要』文学研究篇, 42, 2016年03月31日, 国文学研究資料館
「歴史叙述と読書」, 岩橋清美, 『シリーズ 本の文化史3 書物文化とその基層』 , 2015年10月21日, 平凡社
「地域社会における歴史意識の生成と展開」, 岩橋清美, 『日本史研究』, 523, 2006年03月01日, 日本史研究会
「村の由緒の形成と伝播」, 岩橋清美, 『日本歴史』, 673, 2004年06月01日, 吉川弘文館
「近世における地域の成立と地域史編纂」, 岩橋清美, 『地方史研究』, 263263, 1996年10月01日, 地方史研究協議会
「書評と紹介:大友一雄・太田尚宏編『バチカン図書館所蔵マリオ・マレガ資料の総合的研究』」, 岩橋清美, 『国史学』, 241, 167, 174, 2024年05月01日, 国史学会
「地震災害情報における摺物(瓦版)の特質」, 岩橋清美, 『関東近世史研究』, 94, 20, 24, 2024年05月30日, 関東近世史研究会
「歴史史料の可能性」, 岩橋清美, 『國學院雑誌』, 125, 4, 40, 41, 2024年04月01日, 國學院大學
「地域の歴史を学ぶ意味」, 岩橋清美, 『史学研究集録』, 46, 1, 6, 2022年03月01日, 國學院大學大学院史学専攻大学院会
「明和七年の赤気ー江戸時代の人々が見たオーロラー」, 岩橋清美, 『神奈川大学評論』, 99, 152, 153, 2021年11月30日, 神奈川大学広報委員会
「文理融合によって切り拓く歴史地震研究の現在」, 岩橋清美 大邑潤三 加納靖之, 『地方史研究』, 405, 2020年06月01日, 地方史研究協議会
「『調布玉川惣画図』と『江戸名所図会』ー『調布玉川惣画図』作成の社会的意義ー』, 岩橋清美, 『パルテノン多摩歴史ミュージアム展示図録 調布玉川惣画図の旅ー』, 2018年07月30日, パルテノン多摩
「江戸時代の人々が見たオーロラ」, 岩橋清美, 『南極と北極の総合誌 極地』, 106, 2018年03月01日, 公益財団法人日本極地研究振興会
「古典籍に見るオーロラ:新たな学融合の扉を開く」, 片岡龍峰 寺島恒世 岩橋清美, 『科学』, 87, 9, 2017年09月01日, 岩波書店
『寛政期の感情・倹約・制度ー勘定奉行中川忠英言行録「令聞余響」の世界ー』, 吉岡孝・岩橋清美, 岩田書院, 2025年02月01日
『近世日本の歴史意識と情報空間』, 岩橋清美, 名著出版, 2010年10月05日
『オーロラの日本史ー古典籍・古文書にみる記録ー』, 岩橋清美 片岡龍峰, 平凡社, 2019年03月19日
『幕末期の八王子千人同心と長州征討』, 岩橋清美 吉岡孝, 岩田書院, 2019年11月01日
『都市紀要 41 明治期東京府の文書管理』, 岩橋清美, 東京都, 2013年01月31日
『新狛江市史』通史編, 岩橋清美 他, 狛江市狛江市, 2021年03月31日
『小金井市史』通史編, 岩橋清美 他, 小金井市, 2019年03月29日
「幕末期彗星観測における土御門家門人の活動とその影響」, 岩橋清美, 第30回天文文化研究会, 2025年12月21日, 天文文化研究会, 大阪工業大学, 國學院大學図書館所蔵土御門家文書をもとに、幕末期の同家の彗星観測記録を支えた門人達の動向を紹介した。
「『感徳録』にみる松平定信の古物認識の特質」, 岩橋清美, 国史学会10月例会, 2025年10月11日, 国史学会, 國學院大學, 本報告は松平定信の言行録「感徳録」をもとに定信の古物認識を明らかにし、古物や史蹟を介して定信が家臣団や民衆とどのような関係を築こうとしていたのかを考えるものである。「感徳録」によれば、石山寺所蔵「古縁起」や春日社所蔵「春日権現記」の模写にあたり定信は、谷文晁に絵師としての「私意」を禁じ、有職故実に基づく「古」の再現を求めた。こうした定信の「古制」の復元と「善写」は結果として文化財の保護にも寄与した。
また、定信は家臣・領民のとの相互理解のツールとして文化を利用しており、家臣に対しては自らの政策の意図を理解させるために使われた。民衆に対しては、扁額の揮毫等を通じて彼らの文化を認めることで関係性を築いていったと言える。
定信は古物をそれにまつわる来歴と一体化して捉える一方で、「モノ」として忠実にその姿を再現し、後世に伝えようとした。寛政期の復古とは、享保改革期に吉宗が志向した「復古」とは異なり、「古」を精密に表現することで、歴史的文脈にあるものを、ある種の視点から再構成したところに特質がある
「近世日本における天変認識の特質―赤気と彗星を中心にしてー」, 岩橋清美, 第11 回國學院大學・南開大学院生フォーラム・東アジア文化研究国際シンポジウム, 2025年09月13日, 國學院大學大学院文学研究科 南開大学東アジア文化研究センター, 國學院大學, 本報告は江戸時代の彗星・赤気に観測記録をもとに、非常に稀な天文現象に対する人々の対応と認識のあり方について述べるものである。
公家をはじめとする知識人層は歴史書や漢籍などを用いて、過去に遡って同様の天変を探し出し、赤気を理解しようとした。それに対し、民衆は村の古老の話や周辺村々からの情報をもとに現象の解明を試みた。また、民衆にあっては、個人の日記だけではなく、祭礼や念仏講などの帳簿類に赤気を記述する傾向が見られ、共同体で管理する帳簿に記しておくことで、非常に稀な天文現象を集団で記憶しようとした様相をみることができる。また、農事記録にも赤気の記述があることから、赤気という天変が干魃などの自然災害と結びつけて理解されていたことがうかがえる。こうした記録あり方や認識の差異は、近世社会の各社会集団における情報の記録・伝達・管理のあり方とも相即するものであると言える。
「近世後期における歴史認識の生成・展開とその特質」, 岩橋清美, 歴史科学協議会第58回大会, 2024年11月30日, 歴史科学協議会, 関西大学
「江戸時代の人々が見たオーロラ」, 岩橋清美, さいたま市立博物館第48回特別展「さいたまと近世の天文ー稲垣田龍が見た夜空-」関連講座, 2024年11月03日, さいたま市立博物館
「賀茂別雷神社日記に見る文政京都地震の被害状況と人々の対応」, 岩橋清美 , 日本地球惑星科学連合 日本地球惑星科学連合2024年大会, 2024年05月30日, 日本地球惑星科学連合, 日本 千葉県, 草山菜摘 濱野未来 北井礼三郎 山本宗尚 大邑潤三 玉澤春史 堀川晴男 加納靖之
「比叡山周辺地域にみる1830京都地震・1854年伊賀上野地震の被害状況の分析」, 岩橋清美 大邑潤三 加納靖之, 日本地球惑星科学連合jpGU2020大会, 2020年07月16日
「近世日本の日記史料にみる天文認識」, 岩橋清美, 日本天文学会2020春季大会, 2020年03月18日
「1830年文政京都地震・1854年伊賀上野地震における比叡山周辺の被害状況」, 岩橋清美 大邑潤三 加納靖之, 地方史研究協議会2019年度第2回例会, 2019年12月09日, 地方史研究協議会
「近世社会における『赤気』と公家」, 岩橋清美, 第59回日本風俗史学会大会, 2018年12月06日, 日本風俗史学会, 琉球大学
「近世における極光と民衆」, 岩橋清美, (財)史学会大会 近世部会, 2016年11月, (財)史学会
SEKKI: Phenomena on September 17 ,1770, K.Iwahashi, R.Kataoka, H.isobe, H.tamazawa, H.Hayakawa , et al, 第6回極域シンポジウム, 2015年11月19日, 国立極地研究所
「近世における飢饉と言説」, 岩橋清美, 国史学会近世部会シンポジウム, 2013年10月
17K03085, 2017, 日本学術振興会, 基盤研究(C), 江戸考証家の古物収集に見る歴史意識の特質とネットワークに関する研究
20H01315, 戦前期東京における住宅開発と生活空間の変容―東京府渋谷区を事例に―, 本研究は、戦前期の東京市近郊地域における住宅と生活空間の変容を、住宅開発を担った開発者たち、その住宅に暮らした生活者たちの双方に着目して明らかにする。研究の対象は、渋谷区代官山の名望家朝倉家の所蔵文書、同区松濤を開発した旧佐賀藩主鍋島家旧蔵文書などの新史料である。この分析から、戦前期渋谷の住宅と生活空間の形成・変容を、開発者と生活者の双方の視点から検討し、渋谷の歴史的基層を複眼的に示していく。;本研究は、戦前期の東京市近郊地域における住宅と生活空間の変容を、住宅開発を担った開発者たち、その住宅に暮らした生活者たちの双方に着目して明らかにする。都市化・人口増と並行した東京の住宅に関する研究は数多くあるが、都心部近郊地域である渋谷・新宿・池袋では史料の多くが失われており、研究は遅れていた。;本研究は、新発見史料、すなわち戦前から渋谷区代官山で不動産経営を営む朝倉家所蔵文書、同区松濤を開発した旧佐賀藩主・鍋島家旧蔵文書により、戦前期渋谷の住宅と生活空間がいかに形成・変容したかを、開発者と生活者の双方の視点から明らかにし、渋谷の歴史的基層を複眼的に示すものである。研究方法として朝倉家文書班・鍋島家文書班を編成し作業・分析に当り、月1回程度の研究会をリモートで開催し、中間報告と研究発表を実施し研究参加者の相互の連絡を図った。;本年度には令和3年度の作業を継続し、朝倉家文書班は文書目録作成を継続し、史料のデータベース化を進めた。また史料撮影も継続し、朝倉家文書中の図面類と、調査の過程で発見された戦前の不動産信託会社「供託社」関係史料、戦後の土地開発史料の一部を撮影した。;鍋島家文書班は、令和3年度に着手した松濤の開発・分譲過程、及び分譲を行った鍋島家の家政運営と旧藩社会・ネットワークの実態を検討した。本年度には佐賀県立図書館・鍋島報效会及び國學院大學・渋谷区立郷土博物館において調査・史料収集を実施し各資料との比較検討を行った。同時に、鍋島報效会所蔵『早引諸集』の翻刻と分析、鍋島家の家政と松濤地区の開発、佐賀と東京にある鍋島家文書の比較調査研究、鍋島家と佐賀の旧藩社会との関係を分析した。;さらに平成4年12月18日、佐賀市において公開シンポジウム「鍋島家の近代を語るー東京渋谷と佐賀―」を実施し、研究成果の一部を地元に公開した。;本年度においては令和3年度の作業を継続し、朝倉家文書班は朝倉家文書の文書目録作成を継続し、生活者の実態がわかる個票のデータベース化を進めた。今年度は史料原典の整理とともに撮影史料の調査・データベース化を実施し、昭和20年東京府の委託で調査した渋谷区の貸家調査などの分析を昨年度に引き続き進めた。また史料撮影も継続し、朝倉家文書中の図面類を撮影するとともに、調査の過程で発見された戦前の不動産信託会社「供託社」関係史料、戦後の土地開発史料の一部を撮影した。昭和20年に焼失した渋谷・目黒地区などの借家経営が判明する基本的な史料であり、今後の検討を予定している。;鍋島家文書班は、令和2年度から着手した松濤の開発・分譲過程、及び分譲を行った鍋島家の家政運営と旧藩社会・ネットワークの検討を続けた。昨年度実施した佐賀県立図書館・鍋島報效会及び渋谷区立郷土博物館における調査・史料収集の成果を受けて、國學院大學所蔵資料との比較検討を継続した。佐賀県調査は、鍋島報效会徴古館事務局長の富田紘次氏を研究協力者として実施し、佐賀県立図書館・鍋島報效会所蔵の関係史料を写真撮影した。渋谷区立郷土博物館所蔵史料は、令和2・3年度の調査・写真撮影の成果を生かし、同館学芸員田原光泰氏の協力のもとに関係史料の検討を実施した。特に、鍋島家の家政とともに、鍋島家が松濤を取得して明治初年から茶園を経営し大正期から宅地分譲していく過程の分析、佐賀学の成果を援用して佐賀と東京にある鍋島家文書の比較調査研究、鍋島家の家族や鍋島家から嫁いで渋谷に住んだ梨本宮伊都子、鍋島家と旧藩社会・ネットワークの実態などについて検討を進めた。 昨年12月佐賀市において公開シンポジウム「鍋島家の近代を語るー東京渋谷と佐賀―」を実施し、研究成果の一部を地元に公開した反響は大きく、地元のメディアでも取り上げられた。;最終年度であり、研究成果を形にしていくとともに今後の研究の方向性も探る。;朝倉家文書班は、土地整理事業、不動産信託・管理に関する文書の分析から、渋谷に暮らす人々の実態と、朝倉家と中小地主・家主による不動産信託会社「供託社」による住宅開発・経営の過程と戦前期の渋谷区の住宅事情について成果をまとめる。ことに住宅開発の分析、昭和20年東京府委託調査の渋谷区貸家調査、及び渋谷区家屋税台帳の分析成果をまとめる。同時に新発見史料の写真撮影を継続し、分析とともに建築史など他分野の研究者と連携し今後の研究の方向性を探っていく。さらに朝倉家文書の所蔵者の意向に添い、資料の保存とアーカイブス構築に協力する。;鍋島家文書班は、今まで分析を進めていた松濤の開発・分譲過程、及び分譲を行った鍋島家の家政運営と旧藩社会・ネットワークの実態を総合的にまとめる。佐賀県立図書館・鍋島報效会及び渋谷区立郷土博物館などにおいて調査・撮影した史料と、國學院大學所蔵資料との比較検討について、研究協力者の鍋島報效会徴古館事務局長富田紘次氏、渋谷区立郷土博物館学芸員田原光泰氏を交えて分析を進める。その他関連機関も調査し、住宅開発の過程、家政運営と旧藩社会・ネットワークの実態を明らかにする。とくに鍋島家の家政と松濤地区の開発、佐賀と東京にある鍋島家文書の比較調査研究、鍋島家の家族や同家出身の梨本宮伊都子と渋谷との関係、鍋島家と旧藩社会・ネットワークの実態などについて今まで進めてきた分析を統合する。;本年度には佐賀の研究分担者・研究協力者が東京に出張し、東京所在の史料を調査するとともに東京・佐賀で相互に進めてきた研究成果を統合し、今後の研究の方向性を模索する。;この機会に地域との連携と研究の地域還元を図り、渋谷区代官山において地域の方々に向けたシンポジウムを実施する。さらにシンポジウム・鍋島家文書の翻刻など成果の一部を刊行する。
17K03085, 江戸考証家の古器物収集に見る歴史意識の特質とネットワークに関する研究, 本研究は18世紀半ば以降、考証家たちが古器物の収集・模写を行い、考証を加えて、書物として出版した意義の解明を、松平定信『集古十種』を中心に行ったものである。『集古十種』に収録された古器物の分析から、武家から庶民にいたるあらゆる階層が所蔵する古器物を網羅的に収集・紹介することが「君臣享楽」の思想に通じることを考察した。;さらに、天理大学附属図書館、東北大学付属図書館、桑名市博物館などにおける松平定信関係史料の調査を通じて、古器物調査が古器物修復や保存に関わる人材の育成や藩の殖産興業にも寄与したことを明らかにした。;本研究は、松平定信『集古十種』の編纂過程および内容分析を通して、18世紀後半から19世紀初頭にかけての古物認識・歴史意識の特質を明らかにした点に特質がある。18世紀中頃までは古物に纏わる由緒が重視される時代であったが、18世紀にいたり、清朝考証学の影響のもと、「モノ」自体の価値を明らかにしようとする時代性が、由緒と「モノ」を切り離し、同種のものを大量に収集し、その細部を拡大していくことで「モノ」と「モノ」との客観的な比較が可能になった。そうした動向を『集古十種』の分析と、『集古十種』編纂過程から見える松平定信の人間関係から明らかにしたところに、本研究の社会的意義がある。
15H03242, 近世における前期国学のネットワーク形成と文化・社会の展開に関する学際的研究, 前期国学と近世の文化・社会・政治の人的ネットワークに注目し、18世紀の社会を総合的に考察した。国学四大人の筆頭荷田春満を中心に論じ、前期国学の始点となる契沖と春満との関係も確定した。春満が享保期の文教政策と深く関係し、儒学者と関係を持ち、彼らの学校設立に啓発され、国学の学校設立を企図した過程を明らかにし、前期国学成立の過程を政治・文化・社会の中で位置付けた。のち養子荷田在満を中心に神道学・歴史学・文学・日本語学・法制史の基礎を築いていく過程も論じた。春満の弟信名の日記から2,194名に上る人名を抽出し、前期国学の人的ネットワークを描き出した。原典の検討により現在流布のテキストも多く訂正できた。;前期国学を18世紀の社会に位置づけて総合的に考察するとともに、新史実を明らかにした。契沖と荷田春満との関係、儒学者と春満が相互に学校設立計画に与えた影響など、近世中期の学問や教育、文化・社会・政治の研究に影響を与える問題である。調査の中心とした京都市東丸神社東羽倉家文書に加え、伏見稲荷大社、京都府総合資料館などの史料収集に努め、総合的に研究を発展させる基礎的な史料を構築した。その他、伏見稲荷の社家や周辺の地域の動向を考察し、信名の孫にあたる信郷の日記や文芸史料の検討から和歌など文芸とネットワークの検出にも繋がった。収集史料のオーロラ記事が天文学研究にも利用され、人文科学以外の学問に貢献できた。
23H01253, 過去400年の京都周辺の地震活動の時空間変化を歴史資料から明らかにする, 京都周辺の過去の地震活動とその背景となった場(例えば南海トラフ巨大地震の発生とその内陸への影響)はどのようなものか、という問いに答えるため、京都周辺における過去400年間の有感地震の発生状況を、寺社史料の詳細な分析から整理する。そして、現在の観測データと組み合わせて、最新の地震統計モデルに基づいて比較分析する。自然科学の研究者と歴史研究者による文理融合チームによる総合研究を進めることに特徴がある。
24K00011, 近世神道の「復古・復興」と「由緒記」ー京都稲荷社を中心としてー, 本研究は、近世期における神道の「復古・復興」の実態解明を進展させることを目的とし、祠官を中心に作成された京都稲荷社の「由緒記」形成過程を、それに関連する史資料から多角的に分析する。;従来「寺社縁起」研究は、古代・中世期が中心であり、近世期の神社「由緒記」については、未だ十分に学術対象とされていないが、あらためて学術研究の対象として捉えなおす。;儒家神道や復古神道の思想面と並行し、有力神社を中心とした実践面における復古や神職地位向上運動などにみる「復古・復興」の歴史的変容の様態を解明するために、思想・実践の両面が凝縮された「結節点」として、神社「由緒記」の学術的研究方法論を開拓していく。
23K25949, 過去400年の京都周辺の地震活動の時空間変化を歴史資料から明らかにする, 京都周辺の過去の地震活動とその背景となった場(例えば南海トラフ巨大地震の発生とその内陸への影響)はどのようなものか、という問いに 答えるため、京都周辺における過去400年間の有感地震の発生状況を、寺社史料の詳細な分析から整理する。そして、現在の観測データと組み 合わせて、最新の地震統計モデルに基づいて比較分析する。自然科学の研究者と歴史研究者による文理融合チームによる総合研究を進めること に特徴がある。
JP23K25949, 過去400年の京都周辺の地震活動の時空間変化を歴史資料から明らかにする, 京都周辺の過去の地震活動とその背景となった場(例えば南海トラフ巨大地震の発生とその内陸への影響)はどのようなものか、という問いに 答えるため、京都周辺における過去400年間の有感地震の発生状況を、寺社史料の詳細な分析から整理する。そして、現在の観測データと組み 合わせて、最新の地震統計モデルに基づいて比較分析する。自然科学の研究者と歴史研究者による文理融合チームによる総合研究を進めること に特徴がある。;京都周辺の過去の地震活動とその背景となった場(例えば南海トラフ巨大地震の発生とその内陸への影響)はどのようなものか、という問いに答えるという本研究の目的を達成するため、京都周辺における過去400年間の有感地震の発生状況を、京都に古くから存在する寺社史料の詳細な分析から整理した。;(1) 賀茂別雷神社(上賀茂神社)文書の「社記」等の撮影を実施した。本年度は、寛政一二年正月から享和二年七月の「社記」合計23点を撮影した。;(2) 撮影した賀茂別雷神社文書の「社記」を解読した。特に文政十三年(天保元年)七月二日(1830年8月19日)に発生した文政京都地震に注目し、同年十月から十二月の「社記」全文を解読した。また、天保十四年から十五年、弘化三年から四年、安政四年から明治二年の合計13年分の「社記」から天気付を抜粋、解読し表にまとめた。;(3) 上記(1)から(3)および前年度の分析により得た史料データを一覧表やGISデータとしてまとめ、地震学および歴史学的な分析の基礎資料を作成した。;このような史料から得られる情報から有感地震の頻度や震央分布などを推定し、機器による観測のない期間の地震活動を明らかにすることができる。さらに現在の観測データと組み合わせ、最新の地震統計モデルに基づいて比較分析することにより、将来の地震発生予測あるいは被害予測に寄与する。さらに、文理融合研究の強みを活かし、賀茂別雷神社文書にも記録される天文記事についても検討した。;地震学的な分析について、予定していた分析に着手できていないため。史料の撮影および解読は順調に進んだ。定期的に研究分担者・研究協力者とのオンライン会議で進捗状況の把握や情報交換を実施したことが順調な進捗につながった。また、研究代表者が運営に関わっている「みんなで翻刻」の「賀茂社関係文書翻刻プロジェクト」に登録された『賀茂社記録』を分析することにより、これまで知られていなかった地震記事を得ることができた。;定期的に研究分担者・研究協力者とのオンライン会議を開催し、地震などの自然科学の研究者と歴史研究者による文理融合チームによる総合研究を進める。地震史料集テキストデータベースを活用し、『新収日本地震史料』などの地震史料集からも小地震までを含めた京都の地震記事の抽出を進める。同データベースに収録されていない地震記事についても収集する。大学の附属図書館あるいは公共図書館に収蔵されている既刊の寺社日記を活用するほか、各寺社に所蔵されている日記についての情報収集を進め、調査を実施する。現代的な地震活動の分析を応用して、史料から得られた地震記事の分析を進める。
JP20H01315, 戦前期東京における住宅開発と生活空間の変容―東京府渋谷区を事例に―, 本研究は、戦前期の東京市近郊地域における住宅と生活空間の変容を、住宅開発を担った開発者たち、その住宅に暮らした生活者たちの双方に着目して明らかにする。研究の対象は、渋谷区代官山の名望家朝倉家の所蔵文書、同区松濤を開発した旧佐賀藩主鍋島家旧蔵文書などの新史料である。この分析から、戦前期渋谷の住宅と生活空間の形成・変容を、開発者と生活者の双方の視点から検討し、渋谷の歴史的基層を複眼的に示していく。;戦前期東京西郊が都市化と人口増大により生活空間が変容する過程の、典型的な二タイプの住宅開発を渋谷において論究した。一は明治初期旧佐賀藩主鍋島家が旧大名屋敷を取得、茶園・農場に開拓し、大正期計画的な住宅開発と分譲により高級住宅地となった松濤地域である。これは鍋島家の東京・佐賀の家政・経営に位置づけられる。二は明治期山林・耕地を名望家の朝倉家が大正末期土地整理事業に着手、人口増大に借家・長屋を建築し、地主たちの不動産管理も代行した代官山地域である。戦前期渋谷の借家率は80%に及び、この借家層の住宅を担ったのが地域の不動産業である。昭和期には近代的間取のアパート経営にも着手し生活空間を変貌させた。;従来研究のなかった戦前期渋谷周辺の住宅開発と生活空間の変容について、散逸史料の収集、新発見史料の調査・整理によって解明し、東京の近現代史研究の推進に寄与した。また、松濤を開発した旧佐賀藩主鍋島家の研究を通じて、地域を超えた研究の連携を深めた。かつ、佐賀市の鍋島報效会、渋谷区立渋谷区郷土博物館・文学館と共同研究を推進し、地域の歴史・文化の発展に寄与できた。さらに代官山朝倉家文書の調査・整理作業を通じて、地域の史料保存とアーカイブの構築に協力した。一方、佐賀市・渋谷区代官山において公開シンポジウムを実施し、研究の一端を公開するとともに、まちづくりを推進するNPO法人などとも協力関係を築けた。
JP24K00011, 近世神道の「復古・復興」と「由緒記」ー京都稲荷社を中心としてー, 本研究は、近世期における神道の「復古・復興」の実態解明を進展させることを目的とし、祠官を中心に作成された京都稲荷社の「由緒記」形成過程を、それに関連する史資料から多角的に分析する。;従来「寺社縁起」研究は、古代・中世期が中心であり、近世期の神社「由緒記」については、未だ十分に学術対象とされていないが、あらためて学術研究の対象として捉えなおす。;儒家神道や復古神道の思想面と並行し、有力神社を中心とした実践面における復古や神職地位向上運動などにみる「復古・復興」の歴史的変容の様態を解明するために、思想・実践の両面が凝縮された「結節点」として、神社「由緒記」の学術的研究方法論を開拓していく。
JP17K03085, 江戸考証家の古器物収集に見る歴史意識の特質とネットワークに関する研究, 本研究は18世紀半ば以降、考証家たちが古器物の収集・模写を行い、考証を加えて、書物として出版した意義の解明を、松平定信『集古十種』を中心に行ったものである。『集古十種』に収録された古器物の分析から、武家から庶民にいたるあらゆる階層が所蔵する古器物を網羅的に収集・紹介することが「君臣享楽」の思想に通じることを考察した。;さらに、天理大学附属図書館、東北大学付属図書館、桑名市博物館などにおける松平定信関係史料の調査を通じて、古器物調査が古器物修復や保存に関わる人材の育成や藩の殖産興業にも寄与したことを明らかにした。;本研究は、松平定信『集古十種』の編纂過程および内容分析を通して、18世紀後半から19世紀初頭にかけての古物認識・歴史意識の特質を明らかにした点に特質がある。18世紀中頃までは古物に纏わる由緒が重視される時代であったが、18世紀にいたり、清朝考証学の影響のもと、「モノ」自体の価値を明らかにしようとする時代性が、由緒と「モノ」を切り離し、同種のものを大量に収集し、その細部を拡大していくことで「モノ」と「モノ」との客観的な比較が可能になった。そうした動向を『集古十種』の分析と、『集古十種』編纂過程から見える松平定信の人間関係から明らかにしたところに、本研究の社会的意義がある。
JP15H03242, 近世における前期国学のネットワーク形成と文化・社会の展開に関する学際的研究, 前期国学と近世の文化・社会・政治の人的ネットワークに注目し、18世紀の社会を総合的に考察した。国学四大人の筆頭荷田春満を中心に論じ、前期国学の始点となる契沖と春満との関係も確定した。春満が享保期の文教政策と深く関係し、儒学者と関係を持ち、彼らの学校設立に啓発され、国学の学校設立を企図した過程を明らかにし、前期国学成立の過程を政治・文化・社会の中で位置付けた。のち養子荷田在満を中心に神道学・歴史学・文学・日本語学・法制史の基礎を築いていく過程も論じた。春満の弟信名の日記から2,194名に上る人名を抽出し、前期国学の人的ネットワークを描き出した。原典の検討により現在流布のテキストも多く訂正できた。;前期国学を18世紀の社会に位置づけて総合的に考察するとともに、新史実を明らかにした。契沖と荷田春満との関係、儒学者と春満が相互に学校設立計画に与えた影響など、近世中期の学問や教育、文化・社会・政治の研究に影響を与える問題である。調査の中心とした京都市東丸神社東羽倉家文書に加え、伏見稲荷大社、京都府総合資料館などの史料収集に努め、総合的に研究を発展させる基礎的な史料を構築した。その他、伏見稲荷の社家や周辺の地域の動向を考察し、信名の孫にあたる信郷の日記や文芸史料の検討から和歌など文芸とネットワークの検出にも繋がった。収集史料のオーロラ記事が天文学研究にも利用され、人文科学以外の学問に貢献できた。