K-ReaD( Kokugakuin University Researcher’s Achievement)

大楽 和正
文学部 日本文学科
准教授
Last Updated :2024/08/06

研究者基本情報

氏名

  • 氏名

    大楽 和正, ダイラク カズマサ

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所属・職名

  • 文学部 日本文学科, 准教授

学歴

  • 1999年04月, 2003年03月, 卒業, 國學院大學, 文学部日本文学科
  • 2003年04月, 2005年03月, 修了, 國學院大學, 大学院文学研究科博士課程前期, 日本文学専攻

学位

  • 2005年03月19日, 修士(民俗学), 國學院大學, 文学関係

職歴

  • 2005年04月, 2018年04月, 杉並区立郷土博物館, 嘱託員
  • 2008年05月, 2023年03月, 新潟県立歴史博物館, 学芸課, 研究員
  • 2011年04月, 2023年03月, 新潟産業大学, 非常勤講師
  • 2013年04月, 2023年03月, 長岡造形大学, 非常勤講師

本学就任年月日

  • 2023年04月01日

研究分野

  • 民俗学

研究活動

論文

  • 「えご」の食味はどのように表現できるか?-官能評価と物性評価の記録-, 大楽和正,阿部元春,大菅元晴,鷲山厚,村上茂,松崎千秋,海老名秀,諸橋敬子,松原祐樹, 新潟県立歴史博物館研究紀要, 85, 107, 2023年03月25日, 新潟県立歴史博物館
  • 「えご」をめぐる調査研究と実践-2020-2021 年の活動記録, 大楽和正, 新潟県立歴史博物館研究紀要, 23, 51, 70, 2022年03月25日, 新潟県立歴史博物館, 海藻食「えご」をめぐる様々な活動に博物館学芸員が積極的に介入し、それにかかわる多様な人びととの協働を通して、地域文化の持続や活性化を目指した2020年1月から2021年12月までの2年間の調査研究と実践について記した。保存会の最大のイベントである4年に1度のえごの祭典「えごリンピック2021」の準備から開催までの状況や、新作郷土菓子「えごおきな」の開発、文化庁の「100年フード」の認定申請に向けての動きなど、えご食文化を取り巻く現状と展望を整理した。
  • 盆供のエゴノリとテングサ, 大楽和正, 高志路, 421, 25, 45, 2021年08月17日, 新潟県民俗学会, 盆供のエゴノリとテングサ、さらにはこれを円形に流し固めて供える「鏡えご」「鏡てん」と呼ばれる風習に関する民俗事例を集成し、その分布図を作成して分布状況を視覚的に明らかにした。分布図を読み解く方法として、各海藻食の有無や喫食率、宗派、商業活動など、いくつかの地図を重ね合わせることにより、その分布が生まれるに至った背景や理由について考察を加えた。
  • 鏡えごと鏡てん-盆行事にみる海藻食-, 大楽和正, 新潟県立歴史博物館研究紀要, 22, 1, 35, 2021年03月25日, 新潟県立歴史博物館, 柳田国男によって正月の鏡餅との類似性が初めて指摘され、その後は議論の俎上に上がることのなかった「鏡えご」と「鏡てん」を対象とした研究である。従来の「カガミ」という語彙中心の理解に加え、新たにその形状や供える容器、場所等に着目し、新潟県内の実態を明らかにした。さらに後半では、その製造と販売の現場を対象とし、定期市やスーパーでの販売や、地域の緩やかなつながりの中で行われる分与など、この習俗が現在に続いている背景について指摘した。
  • 「えご」をめぐる調査研究と実践-2019 年の活動記録, 大楽和正, 新潟県立歴史博物館研究紀要, 21, 75, 92, 2020年03月25日, 新潟県立歴史博物館, 海藻食「えご」をめぐる様々な活動に博物館学芸員が積極的に介入し、それにかかわる多様な人びととの協働を通して、地域文化の持続や活性化を目指した2019年の調査研究と実践について記した。調査成果の抄報として、寒天産業を背景にして、えご草が長野県茅野市を経由して全国に出荷されている現状などに触れた。また、調査成果を保存会活動に還元し、会員同士の緊密な情報交換と、会の活動を発展させるための実践例を提示した。
  • 「えご」をめぐる調査研究と実践-2018年の活動記録, 大楽和正, 新潟県立歴史博物館研究紀要, 20, 109, 124, 2019年03月25日, 新潟県立歴史博物館, 海藻食「えご」をめぐる様々な活動に博物館学芸員が積極的に介入し、それにかかわる多様な人びととの協働を通して、地域文化の持続や活性化を目指した2018年の調査研究と実践について記した。伝承者の民俗知識による海藻の分類体系について、生態学的な種の分類・同定結果と照らし合わせ、その関係性について考察した。新しい人と人とのつながりの中で、「えご」をめぐる探求が続けられており、博物館での集い、そこでの深い学習が、新たな知の生産へとつながっている状況をまとめた。
  • 菅江真澄が見た異形の神々, 大楽和正, 真澄研究, 19, 31, 48, 2015年03月26日, 秋田県立博物館菅江真澄資料センター, 菅江真澄が「夜目遠目には百鬼夜行も見驚きぬべし」と記したように、東北地方の村境には異様な姿の藁人形が立つ。真澄の観察姿勢や、地誌での描写法に注目し、これらの信仰に対する真澄の捉え方を把握した。真澄の記録と現状を比べると、真澄が記したほぼ当時のままの姿をとどめるものや、反対に大きく変貌したもの、さらには消滅したものもある。真澄が記した「牛頭天王」という神名は、現在秋田県内で確認できないが、この信仰の背景を探る上で大きな手がかりとなることを指摘した。
  • 森林資源をめぐる共有と分配, 大楽和正, 信濃, 67, 1, 19, 38, 2015年01月20日, 信濃史学会, 新潟県魚沼市干溝の割山制度は、利用する土地を平等に分配するしくみであっても、割山によって割当てられた土地の使い方は個々の利用者に委ねられ、各自が自家の生活に応じて森林利用のあり方を主体的にデザインしていくことができ、平等性とともに個性をもたらすものであった。割山制度は、自然資源の持続的利用や、村落の社会秩序の維持に寄与しただけでなく、人が自然と深くかかわり、いわば自然環境の中に人為的な個性を生みだすシステムとして機能したことを記した。
  • 棚田のくらしを支えたもの, 大楽和正, 日本の原風景・棚田, 14, 14, 22, 2013年07月31日, 棚田学会, 十日町市星峠を調査地として、豪雪地帯における棚田が現在まで維持されてきた特質について論じた。星峠では急速な兼業化が進む中で、やきいも屋などの出稼ぎで得た収入のほとんどを圃場整備や農業の機械化に費やし、農業所得を主とする第一種兼業農家であり続けることで棚田を守ってきた。言い換えれば、星峠地区における兼業化とは、他産業労働への依存度を強めながら脱農へ向かうものではなく、出稼ぎ労働との兼業により経営規模を拡大させながら、農家として生き残るための方策であったことを指摘した。
  • 町境をめぐる屋台運行, 大楽和正, 花輪祭り;鹿角市文化財調査資料, 105, 176, 195, 2013年03月27日, 鹿角市教育委員会, 花輪祭典では、屋台が他町を通過する際のチョウザカイ(町境)や巡行の区切りにおいて、サンサなど特色ある儀礼がみられる。町境における人や屋台の動きを配置図に示しながら分析したほか、町境を担う外交組織や、町境の変遷について調査成果をまとめた。厳かな雰囲気の町境は、撥合わせによる衝突で、その空気を一変させる。町境はこうした静と動の織りなす空間であり、それが祭りを動かす大きな原動力となっていることを論じた。
  • 東日本大震災文化財・歴史資料保全と新潟市歴史博物館・新潟県立歴史博物館の物資支援体制, 大楽和正,森行人, 災害・復興と資料, 1, 16, 24, 2012年03月15日, 新潟大学災害・復興科学研究所危機管理・災害復興分野, 新潟県立歴史博物館と新潟市歴史博物館が共同で実施した東日本大震災の文化財救出と保全活動への物資支援体制についての報告。両館で実施可能な支援を具体的にリストにして書き出し、それをWEBサイト及びメーリングリストで情報発信し、リストに基づく要請があれば即応できる実践例を示した。
  • 魚沼市の道祖神信仰にみられる性表現, 大楽和正, 石仏フォーラム, 9, 1, 9, 2010年06月15日, 新潟県石仏の会, 道祖神信仰には、路傍に石造の双体道祖神碑をまつるほか、小正月の火祭りにおいて藁や木、あるいは雪を用いて男女の神像を製作する行事がある。本稿では魚沼市のサイノカミ行事における藁人形や雪像の神像の実態を把握し、男根や女陰のみを模った造形表現が多くみられることを指摘した。またこれら神像とともに、石造物としての道祖神碑と、道祖神呼称をもつ地名などとの関係性に触れ、道祖神信仰が重層的に展開していることを述べた。
  • 魚沼地方のカンゴロウ鍬, 大楽和正, 新潟県立歴史博物館研究紀要, 11, 59, 70, 2010年03月29日, 新潟県立歴史博物館, 昭和初期から新潟県魚沼地方に普及したカンゴロウ鍬と呼ばれる三本鍬を対象として、鍬の改良による技術と労働形態の変化について検討した。鍬の登場によって、稲株を反転させる鍬の入れ方に変わり、作業の進行方向も縦から横へと変化した。また、個々の技術や方法の変化にとどまらず、ユイから自家へという労働規模の縮小や、女性でも田打ちの仕事をできるようになるなどの新たな労働力の獲得というように、ムラ全体の労働形態へも大きな影響を及ぼしたことを論じた。
  • 藁人形祭祀と近代, 大楽和正, 道祖神研究, 3, 59, 70, 2009年04月30日, 道祖神研究会, 災厄防除を目的として村境に祀られた大きな藁人形が、路傍から排除され、場所や姿を変えて安置されている状況について検討した。近代の風俗統制や宗教者の影響等によって移転を余儀なくされたことや、燃やされた状況を聞き取りや観察から明らかにした。排除という風俗統制の様相を帯びつつも、藁人形の頭部に仮面が取り付けられていたことで、それが大きな足掛かりとなって行事が復活し、現在までその信仰を維持させることにつながったことを指摘した。
  • 秋田における魚食文化-二つの発酵ずしを中心に, 大楽和正, 秋田の食の民俗文化, 31, 38, 2006年09月15日, 秋田民俗懇話会, 秋田県におけるハタハタの食文化や、内陸部の魚食文化を概観した上で、現在も一般に食される「ハタハタずし」のほか、「ハタハタのまま漬け」という調理法に注目して比較検討を行った。この2つの発酵ずしは、糀や酢、他の具材の有無や漬け方が異なる。また、「ハタハタのまま漬け」は内陸部のみに見られる調理法であり、貝焼にして冬の日常食として食された。内陸部と沿岸部では魚食利用のあり方に地域差があり、その保存と発酵をめぐって内陸部では独自の展開をみせた。
  • 杉並の年中行事調査ノート, 大楽和正, 杉並区立郷土博物館研究紀要, 15, 20, 31, 2007年03月, 杉並区立郷土博物館, 杉並区内在住の3名の伝承者への年中行事に関する聞き取り調査報告。八成地区での2月の初午行事では、神社に地口行灯を立て、オビシャと呼ばれる直会を行う。善福寺地区では、アボヘボ(粟穂稗穂)と呼ばれる削りかけの小正月飾りを作り、七夕にはチガヤで2頭のタナバタウマを作るなど、一連の行事を参与観察しながら行事の様子を記録した。本報告と杉並区内の日記史料である『農業日記帳』(明治35~36年)を比較し、年中行事の持続と衰退について考察を加えた。
  • 角館町の仁王様, 大楽和正, 秋田民俗, 31, 63, 73, 2005年06月30日, 秋田県民俗学会, 秋田県仙北市角館町における「ニオウサマ(仁王様)」と呼ばれる藁人形や仮面、石塔の実態を明らかにし、その呼称や形態、祭祀内容について考察を加えた。町東部に仮面、町西部に石塔が分布し、祭祀内容においても念仏の有無で地域差が認められる。石塔が立つ場所を「オニョータテバ」と呼ぶ地域もあり、かつてはその場所で藁人形を製作していたことが示唆される。この祭祀をめぐる場所と行為、モニュメントとの関係性を読み解く必要性を示した。
  • 仙北地方の仁王・鐘馗信仰, 大楽和正, 民具マンスリー, 38, 3, 1, 14, 2005年06月10日, 神奈川大学日本常民文化研究所, 秋田県仙北地方の村境などに立つ「ニオウサマ(仁王様)」や「ショウキサマ(鐘馗様)」と呼ばれる祭祀物について、約120地点で現地調査を行い、呼称と形態を一覧と分布図に整理した。仁王面と鐘馗面の像容については、呼称との整合性をもちながら分布する。また、仮面は平野部、石塔は丘陵部に分布するなどの特徴が挙げられる。その祭祀においても、春秋2回の行事を基本とし、念仏やゴク供養と呼ばれる収穫儀礼、平癒祈願など諸儀礼が重層的に行われていることを論じた。
  • 年齢階梯制の研究-奈良県野迫川村北股の場合, 大楽和正, 伝承文化研究, 3, 20, 31, 2004年03月20日, 國學院大學伝承文化学会, 「年齢階梯制」の理論に、「年齢階梯の原理」、「年齢階梯のシステム化」、「村落社会における意味」という3つの指標を設けて分析を試みた。奈良県野迫川村北股では、ヨナコドモ、ワカシュウ、オリシュウという三段階区分の年齢階梯の原理があり、各世代層の狭間にはゴニンや神主といったトウヤ的諸役が「年齢階梯制のシステム化」の上で重要な役割を果たしている。そのシステム化には、共有林をめぐる平等原理が「村落社会における意味」を与えていることを明らかにした。

Misc

  • 海藻食「えご」と「いご」, 大楽和正, 國學院雑誌, 125, 5, 2024年05月15日, 國學院大學
  • 海藻食「えご」食文化を守る・つなぐ・広める―博物館学芸員と越後えご保存会の取り組み―, 大楽和正, 日本民俗学, 312, 290, 294, 2022年11月30日, 一般社団法人日本民俗学会
  • 鳥取のエゴノリ採取具, 大楽和正, 民具マンスリー, 38, 3, 21, 24, 2020年11月10日, 神奈川大学日本常民文化研究所, 鳥取県で調査した、海藻のエゴノリを採取する竹製漁具について所見を述べた。採取具に用いる竹の種類はハチクで、各節から枝が2本出ている。ハチクのもつ特性を活かして考案された漁具で、束ねた竹の中には重石として石が詰められている。これを船の左右に取り付け、海底を引きずるようにして船はゆっくりと進む。すると、竹の節と枝の鉤状部分にエゴノリが引っかかり、これを引き上げて採る。他に類例のないエゴノリ採取具であり、他の海藻採取具と比較し考察を加えた。
  • 新潟県における盆の砂盛り, 大楽和正, 民俗, 252, 5, 11, 2020年05月, 相模民俗学会, 新潟県長岡市和島地域に見られる、門口に砂を盛り、そこに盆花を立てる盆の習俗について調査報告した。盆の砂盛りの習俗は神奈川県に濃密に分布し、従来の研究では新潟県内の報告例がなかった。新潟県内での分布域を確認するとともに、砂盛りの形態と素材及びその変化のあり方、精霊迎えとの関係などを整理し、先祖を迎えるための屋外に設ける臨時の祭壇であると位置づけた。砂盛りの場における蝋燭の火は、火そのものが精霊の存在を示す象徴として機能することを指摘した。
  • 堆肥と肥穴, 大楽和正, 高志路, 417, 42, 46, 2020年08月17日, 新潟県民俗学会, 鈴木牧之は『北越雪譜』の中で、「かの糞のそりを引てこゝに来り、雪のほかに一点の目標もなきに雪を掘こと井を掘が如くにして糞を入る」と記している。水田に堆肥を入れるための雪穴(肥穴)の掘り方、コイニョウの積みあげ方、残雪のなか橇を曳いて堆肥を運ぶ「肥曳き」の方法、田打ち前のコエチラカシ(肥散らかし)など、豪雪地特有の米づくりについて魚沼市大倉地区の事例を調査報告した。
  • かて飯-ウツギの利用を中心に-, 大楽和正, 高志路, 416, 40, 43, 2020年08月17日, 新潟県民俗学会, 昭和30年代の新潟県内の「かて飯」の状況を雑穀や野菜等の種類別に整理した。東蒲原から南蒲原、魚沼、東頸城にかけての山間部では、タニウツギの葉をかて飯に利用した。ウツギはカジバナ(火事花)とも称され、ウツギを家の中に入れると火事になると伝える地域は多い。また、排泄の際に尻を拭う葉っぱとしてウツギが利用された。ウツギは忌み嫌われる植物でありながらも、ときに人間の尻を拭い、米の不足を補う食糧として大きな役割を果たしてきたことを指摘した。
  • 友の会同士がつながる-新潟県内博物館等友の会連絡会の活動から, 田中洋史,大楽和正,山本哲也, 博物館研究, 53, 2, 19, 21, 2018年02月25日, 日本博物館協会

著書等出版物

  • 講座日本民俗学5 生産と消費, 小川直之編, 朝倉書店, 2023年11月01日
  • 山・鉾・屋台の祭り研究事典, 植木行宣監修,福原敏男・西岡陽子・橋本章・村上忠喜編, 思文閣出版, 2021年04月07日
  • 大学的新潟ガイド, 新潟大学人文学部附置地域文化連携センター編, 昭和堂, 2021年03月30日
  • 日本の食文化-麦・雑穀と芋, 小川直之編, 吉川弘文館, 2019年08月20日, 大豆を含むマメ類の煮えにくさという特性が、より食べやすくするための加工や、料理における高度な技術の発達につながったとされる。その典型とされるのが納豆と豆腐であり、日本における食文化の特色を論じた。納豆については、正月行事において重要な意味をもち、暮れの25日の納豆作り、大晦日の年神への供物・神人共食、小正月の苞の処理や、二十日正月までに納豆を食べ終えるという一連の流れに整理され、鏡餅や注連縄などと同様に正月行事を構成する主要な儀礼食として位置付けた。
  • 信越国境の歴史像-「間」と「境」の地方史, 地方史研究協議会編, 雄山閣, 2017年10月24日, 信越国境域に広がるえご食文化に注目し、その流通と食利用の諸相を明らかにした。北信地域へのえご草の流通においては、関田山脈の峠道が重要な役割を果たしており、行商の時代が終焉を迎えた後も、峠を越えて自ら海に向かうほど、えごに対する執着心と強いこだわりを見せている。物資や人が行き交う大動脈として信越国境を結んだ北国街道と千国街道であるが、えご草の流通とその食文化といった意味では異なった様相を呈しており、信越国境域の歴史的展開を考えるうえで重要な多くの課題が内包されていることを指摘した。
  • 村上まつりのしゃぎり行事総合調査報告書, 村上市教育委員会編, 村上市教育委員会, 2016年03月, 村上まつりの法被は、山道・鱗形・輪違繫・筋交いなどの江戸時代の火消組の印に由来する図柄を多く取り入れていることが大きな特徴である。消防用の法被が役目を終えた今日においても、火消組の意匠はその組に属しているという誇りや絆となって現在の祭りの中で受け継がれている。囃子等を担う子どもが着用する乗り子の衣装は、しゃぎり屋台・お囃子屋台・仁輪加屋台のそれぞれで異なる囃子が演奏されるように、屋台形式によって衣装に相違があることも特色であると指摘した。
  • リレー講演会「災害史に学ぶ」記録誌, 長岡市立中央図書館文書資料室編, 長岡市立中央図書館文書資料室, 2015年03月31日, 地震や水害、疫病、害虫など、災厄防除のために祀られた石仏や民俗行事等を概観し、人びとの災厄への怖れと祈りの姿を報告した。長岡市栃尾地域にはオタチクサマと呼ばれる疫病神を安置した厨子を、順番に次の家へ送る風習がある。災いを疫病神の仕業と考え、その神を自分の家に迎えて祀り、次の家へと送ることで災いを回避する。災いは人びとの生活空間から完全に排除されるものではなく、人・神・自然の関係からその意味を問い直した。
  • 暮らしに息づく伝承文化 芸術教養シリーズ23 伝統を読み直す2, 小川直之・服部比呂美・野村朋弘編, 京都造形芸術大学・東北芸術工科大学出版局藝術学舎, 2014年12月17日, 「盆」では、日本各地の盆行事を概観し、その特質を整理した。「葬送儀礼」では、魂呼びの儀礼がある一方で、死を穢れとみなし遠ざけようとする儀礼があることを述べた。具体的には新潟県東蒲原郡におけるカンムリと呼ばれる布や、被衣などの喪服を取り上げた。「御霊信仰」については、祇園祭のほか、東北地方の疫神鎮送の祭祀や、虫送りと御霊について内容をまとめた。
  • GPS・GISを活用した自然資源の伝統的管理システムと資源利用に関する基礎的研究, 大楽和正編, 新潟県立歴史博物館, 2012年03月, 新潟県魚沼市干溝地区を対象として、割山制度をめぐる自然資源の伝統的管理システムと資源の利用体系を明らかにし、地域社会における持続的な資源利用モデルを提示した。資料編に収録した割山にかかる区有文書の分析により、近代から現在に至るまで割山制度がどのように構築され、維持されてきたのかについて歴史的に明らかにした。聞き取り調査とGPS・GISを活用した土地利用調査、さらに文書調査を組み合わせた共同研究の成果である。
  • 葛飾区の民俗Ⅴ 田んぼのある暮らし, 葛飾区郷土と天文の博物館編, 葛飾区郷土と天文の博物館, 2005年03月25日, かつては純然たる農村地帯であった東京都葛飾区周辺の稲作儀礼の具体相を示し、その特徴を明らかにした。正月儀礼(予祝儀礼)の二十日コガシを含め、稲作の開始に先立つ播種儀礼においては水口にカマダンと呼ばれるカマド状の土壇を設けることが特別な意味をもっている。田植儀礼や収穫儀礼も同様に、カマドあるいは荒神が各儀礼のなかで重要視されており、農耕神的性格を強く帯びていることを指摘した。

競争的資金

  • 20H01230, 佐渡古浄瑠璃の研究基盤構築とデジタル化保存に関する総合的研究, 新潟県佐渡島には、「古浄瑠璃」による人形芝居が伝承されている。近世期の古態を残し、義太夫節では廃絶した近松門左衛門の作品を、今も上演する佐渡の古浄瑠璃人形芝居は、日本の伝統芸能史上、注目すべき特異な芸能である。;本研究では、現在までの個別的研究を総括し、今後の佐渡古浄瑠璃研究の推進に向けた研究基盤を構築する。さらに、早稲田大学演劇博物館などの所蔵機関の協力を得、現地伝承者や研究者の利用が可能となるよう、佐渡古浄瑠璃の音声・映像資料のデジタル化保存、および公開を目指す。こうした総合的研究の成果により、貴重な伝統芸能である佐渡古浄瑠璃人形芝居の、国内外への普及と保存、未来への伝承を期すものである。;2022年度は、コロナ禍がやや落ち着いてきたこともあり、佐渡島への4日間の出張調査を2回実施できた。1回目は、佐渡文化財団主催の佐渡人形芝居保存会定期公演に、研究代表者の田草川と分担者の和田が参加し、記録等を行った。その前後には、実演者のインタビュー、保存されている浄瑠璃本の調査・撮影を実施している。;続く2回目の調査によって、佐渡真明座所蔵の浄瑠璃本52冊の調査・撮影を終えることができた。さらに、佐渡文化財団の協力を得て、佐渡人形芝居保存会の公演が記録されたVHS・EDB等の古いテープのデジタル化に着手した。2022年度中に、3分の1ほどのデジタル化を行っている。;こうした新たな調査に加えて、これまでの研究・調査結果について、研究代表者の田草川が分析を行い、第59回藝能史研究會大会(2022年6月12日)で、「佐渡古浄瑠璃人形芝居の研究と現在」との学会発表を行った。本研究課題の中間発表として、佐渡古浄瑠璃人形芝居の語り本・上演作品・音声資料・映像資料・歴史資料などの一覧化を目指して作成中の各種データを紹介、データ作成過程で確認された事項や問題点について報告するとともに、資料の所蔵等に関して情報の提供を呼び掛けた。;こうした一連の研究・調査によって、佐渡古浄瑠璃人形芝居の、ここ半世紀ほどの動向が明らかになりつつある。その成果は今後の伝承に重要な意味を持つものであり、その具体的な活用方法について、2023年度以降に検討を行い、順次実施していく予定である。;コロナ禍により、島しょ部である佐渡島への渡航、高齢の伝承者との接触が憚られる状況が続き、進捗はやや遅れていた。しかし2022年度は感染状況がやや好転し、事前にPCR検査を受ける等の工夫をした上で、現地での調査を実施することができた。これまでの基礎調査の発表も実施し、研究の進捗状況は大幅に改善した。;現地調査によって撮影した浄瑠璃本の内容を精査し、これまで作成してきた「佐渡古浄瑠璃語り本目録」データベースに情報を追加する。また、3分の1をデジタル化した佐渡人形芝居保存会の公演映像に関しても、内訳を確認し、「佐渡古浄瑠璃録音資料目録」データベースに加えたい。残り3分の2のデジタル化も、2023年度中に終えて、順次内容確認を行う。;これらのデータは、現地での伝承に活かすべく、その方法を模索中である。例えば、人形芝居公演会の前後に、伝承が途絶えがちな稀曲の記録を選んで、解説付きの上映会を実施する、等の企画を考えている。また、早稲田大学演劇博物館、新潟県立歴史博物館等の博物館に録画データの複製を収め、一般の閲覧に供することができるよう、著作権・肖像権等にも留意しつつ、検討を進めたい。;既知のデータに新たな情報が多く加わることになるため、その分析と成果発表についても、引き続き実施していく予定である。
  • 18K01206, 博物館から考える民俗学の実践的応用, 本研究の目的は、ローカル商品や伝統食をめぐる動きに博物館学芸員が積極的に介入し、それにかかわる多様な人びととの協働を通して、地域文化の持続や活性化を図ることにある。本年度は越後えご保存会や福井県立大学、新潟県水産海洋研究所、新潟県農業総合研究所食品研究センターなどと進めているエゴノリの官能評価と物性評価等についての研究成果を『新潟県立歴史博物館研究紀要』第25号にまとめた。;平成30年から令和2年の3か年に漁獲されたエゴノリの粘度値をみると、年が経るにつれて粘度が低くなる傾向にある。えご製造関係者によると、経年劣化したえご草は「力が弱くなる」といわれ、凝固性に大きく影響し、品質が著しく低下するという。それを裏付けるような結果が得られた。えごは一般に7月後半から8月のお盆前が漁期とされるが、お盆前とお盆を過ぎた時期に採取した2種類についても、官能評価と物性評価、粘度及び多糖含量等の分析を行った。その結果、両者間の粘度をはじめとする各種値に大きな差が認められた。実が入ったえごと人びとに認識される採取適期は、各種数値データからみても理に適っていることが明らかになった。;令和4年3月、文化庁による地域の食文化を認定制度「100年フード」に「えご」が認定された。同年5月には新潟県立歴史博物館を会場として、新潟県内で100年フードの認定を受けた団体関係者による情報交換会を講座形式を開催した。食に関するパンフレットや食べ歩きマップを作成する団体もみられ、認定制度を活かした食の活性化の気運が高まっている。;越後えご保存会による催しが一年延期になった影響もあり、やや遅れている。;パンフレットの刊行等を進め、食文化の活性化につながるような支援を進める計画である。
  • 15K03072, ローカル商品をめぐる多元的な語り―博物館学芸員による市民参加型の民俗学的研究, 本研究では特定地域にローカル商品が流通し、消費される状況を明らかにするため、スーパーマーケットの新聞折り込み広告チラシの収集と分析を行った。その情報をもとに、主に海藻の郷土食である「えご」を対象として検討を加えた。その結果、消費者の経験と記憶、販売者の戦略や思惑といった多元的な語りの中で現象が顕在化し、地域を越えた多様なアクターが関わるかたちでローカル商品が展開している動向を把握することができた。;本研究を通して、博物館を核とした市民参加型の調査成果を講座や体験、展示などで発信する手法について考え、博物館学芸員による民俗学的研究の社会的役割や社会実践の方向性を示した。;ローカル商品が現出化する状況を明らかにするにあたり、スーパーマーケットの新聞折り込み広告チラシを媒介にすることで、調査する者から調査される者へという一方的な関係性を越えて、それを取り巻く調査者・販売者・消費者という関係性を設定し、三者のグループ・ディスカッション通して問題にアプローチする手法に大きな特色がある。;本研究での博物館を核とした市民参加型の活動を通して、市民が博物館に求めるニーズに対して、市民が自ら思考し、主体的に問題解決を図る回路を創り出せる可能性を提示した。
  • 24720404, 伝統野菜の創出と文化変容に関する民俗学的研究, 本研究では、減反地に転作された作物が「伝統野菜」といったフレーズのもとで導入され、どこか懐旧的な色彩を帯びながら商品化されていく現象を明らかにした。;その現象は、行政や企業、JA、などの外部アクターが中心となって展開されているものの、農家も家や集落の規模を超えた生産組合を組織し、共同で生産出荷体制に取り組んで販路拡大を図るなど、その動きに戦略的に加担し、伝統野菜が増殖し続けている。伝統野菜の創出は農家が主体的に選択した減反政策への対抗、現代社会への適応といったかたちで現れた文化の創造と改変といえる。
  • 21720335, GPS・GISを活用した自然資源の伝統的管理システムと資源利用に関する基礎的研究, 従来の民俗学では試みられていないGPS(全地球測位システム)およびGIS(地理情報システム)を活用した新たな分析手法を採用し、割山制度をめぐる自然資源の伝統的管理システムと資源の利用体系を明らかにし、地域社会における持続的な資源利用モデルを提示した。
  • 21320151, 縄文集落の集落形成と森林利用に関する考古学・年輪年代学・民俗学的研究, 縄文時代の木柱に年輪酸素同位体分析を加えた年輪年代学的解析を加えることで、新潟県青田遺跡の集落ではBC477年前後とBC530年前後の2回、それぞれ短期間に集中的に10棟以上の建物が建てられたことが明らかになった。縄文の建物に実年代がついたのは初めての成果であり、さらに廃棄層やクリの初期成長の変化などを加えて実年代をつけた詳細な解析が実施できた。また、現生の森林での実験を加えた詳細な花粉分析により、青田遺跡集落の数十m近傍にクリ林が存在していて、人為的な維持管理がなされていたことが確実になった。
  • 23K20077, 佐渡古浄瑠璃の研究基盤構築とデジタル化保存に関する総合的研究, 本研究課題は、佐渡古浄瑠璃人形芝居についての研究基盤を確立すべく、これまでの研究成果を総括および可視化するとともに、音声・映像を含めた関連資料を保存・公開するという総合的研究により、その伝承を確実なものとすることを目的としている。;現地にてカセットテープやVHSビデオで記録されている音源・映像をデジタル化し、これらの情報に、現地伝承者や研究者が簡単にアクセスできるよう、関係者の許諾を得て、WEB上での公開を目指す。これにより、佐渡古浄瑠璃人形芝居研究の進展をも期したい。;2022年度は、コロナ禍がやや落ち着いてきたこともあり、佐渡島への4日間の出張調査を2回実施できた。1回目は、佐渡文化財団主催の佐渡人形芝居保存会定期公演に、研究代表者の田草川と分担者の和田が参加し、記録等を行った。その前後には、実演者のインタビュー、保存されている浄瑠璃本の調査・撮影を実施している。;続く2回目の調査によって、佐渡真明座所蔵の浄瑠璃本52冊の調査・撮影を終えることができた。さらに、佐渡文化財団の協力を得て、佐渡人形芝居保存会の公演が記録されたVHS・EDB等の古いテープのデジタル化に着手した。2022年度中に、3分の1ほどのデジタル化を行っている。;こうした新たな調査に加えて、これまでの研究・調査結果について、研究代表者の田草川が分析を行い、第59回藝能史研究會大会(2022年6月12日)で、「佐渡古浄瑠璃人形芝居の研究と現在」との学会発表を行った。本研究課題の中間発表として、佐渡古浄瑠璃人形芝居の語り本・上演作品・音声資料・映像資料・歴史資料などの一覧化を目指して作成中の各種データを紹介、データ作成過程で確認された事項や問題点について報告するとともに、資料の所蔵等に関して情報の提供を呼び掛けた。;こうした一連の研究・調査によって、佐渡古浄瑠璃人形芝居の、ここ半世紀ほどの動向が明らかになりつつある。その成果は今後の伝承に重要な意味を持つものであり、その具体的な活用方法について、2023年度以降に検討を行い、順次実施していく予定である。;コロナ禍により、島しょ部である佐渡島への渡航、高齢の伝承者との接触が憚られる状況が続き、進捗はやや遅れていた。しかし2022年度は感染状況がやや好転し、事前にPCR検査を受ける等の工夫をした上で、現地での調査を実施することができた。これまでの基礎調査の発表も実施し、研究の進捗状況は大幅に改善した。;現地調査によって撮影した浄瑠璃本の内容を精査し、これまで作成してきた「佐渡古浄瑠璃語り本目録」データベースに情報を追加する。また、3分の1をデジタル化した佐渡人形芝居保存会の公演映像に関しても、内訳を確認し、「佐渡古浄瑠璃録音資料目録」データベースに加えたい。残り3分の2のデジタル化も、2023年度中に終えて、順次内容確認を行う。;これらのデータは、現地での伝承に活かすべく、その方法を模索中である。例えば、人形芝居公演会の前後に、伝承が途絶えがちな稀曲の記録を選んで、解説付きの上映会を実施する、等の企画を考えている。また、早稲田大学演劇博物館、新潟県立歴史博物館等の博物館に録画データの複製を収め、一般の閲覧に供することができるよう、著作権・肖像権等にも留意しつつ、検討を進めたい。;既知のデータに新たな情報が多く加わることになるため、その分析と成果発表についても、引き続き実施していく予定である。

教育活動

担当授業

  • 伝承文学概説I, 2023
  • 伝承文学概説II, 2023
  • 伝承文学演習ⅣA, 2023
  • 伝承文学演習IV, 2023
  • 伝承文学演習ⅣB, 2023
  • 儀礼文化論I, 2023
  • 儀礼文化論II, 2023
  • 日本民俗学I, 2023
  • 日本民俗学II, 2023
  • 民俗文化財論I, 2023
  • 民俗文化財論II, 2023
  • 伝承文学概説I, 2023, 【対面授業】|伝承文学とは、日本民俗学の方法を用いて文学や文化を理解する学問手法です。|伝承文学は日本文学・日本語学と共に、國學院大學の文学研究の特色となっています。|伝承文学概説では、伝承文学と日本民俗学の基礎を学びます。||伝承文学は、日本民俗学の方法を用いて、各時代・地域に生きた普通の人びと(常民)の、ものの考え方や感じ方と、それを基にした生活全般の行為の総体(民俗)から、文学や文化を考察します。|したがって、伝承文学においては文字となった文学のみならず、生業・衣食住・年中行事・民間信仰・祭礼・芸能等、過去から現在に至るまでの幅広い民俗文化全般を対象とします。|中でもとりわけ文学(記載文芸)と関りの深い「口承文芸」――民話や民謡など口伝えの文芸――の領域を重視して進めていきます。||伝承文学概説では、古典文学作品と口承文芸とを比較し、その背後に存在する民俗文化の特性を理解していきます。|さらに口承文芸・記載文芸の国際比較や、現代文化への影響などを通してより広い視野から理解し、その概念や研究方法を学びます。|
  • 伝承文学概説II, 2023, 【対面授業】|伝承文学とは、日本民俗学の方法を用いて文学や文化を理解する学問手法です。|伝承文学は日本文学・日本語学と共に、國學院大學の文学研究の特色となっています。|伝承文学概説では、伝承文学と日本民俗学の基礎を学びます。||伝承文学は、日本民俗学の方法を用いて、各時代・地域に生きた普通の人びと(常民)の、ものの考え方や感じ方と、それを基にした生活全般の行為の総体(民俗)から、文学や文化を考察します。|したがって、伝承文学においては文字となった文学のみならず、生業・衣食住・年中行事・民間信仰・祭礼・芸能等、過去から現在に至るまでの幅広い民俗文化全般を対象とします。|中でもとりわけ文学(記載文芸)と関りの深い「口承文芸」――民話や民謡など口伝えの文芸――の領域を重視して進めていきます。||伝承文学概説では、古典文学作品と口承文芸とを比較し、その背後に存在する民俗文化の特性を理解していきます。|さらに口承文芸・記載文芸の国際比較や、現代文化への影響などを通してより広い視野から理解し、その概念や研究方法を学びます。|
  • 伝承文学演習ⅣA, 2023, 庶民生活の歴史的展開を明らかにするうえで、それらを記録した文献資料は欠かせない。本演習では、近世の文献記録を素材にして、民俗の比較研究の方法を修得することを目的とする。前期は『日本庶民生活資料集成』に収録された「諸国風俗問状答」や「菅江真澄遊覧記」などを一次資料として、各自の関心にもとづいたテーマを設定し、研究発表と討議を行う。民俗研究の基本的な作業を経験することで、卒業論文作成の方法を学ぶことにもなる。
  • 伝承文学演習IV, 2023, 前期の内容については(伝承文学演習ⅣA 渋谷 大楽 和正 火曜6限)を参照してください。後期の内容については(伝承文学演習ⅣB 渋谷 大楽 和正 火曜6限)を参照してください。
  • 伝承文学演習ⅣB, 2023, 庶民生活の歴史的展開を明らかにするうえで、それらを記録した文献資料は欠かせない。本演習では、近現代の文献記録を素材にして、民俗の比較研究の方法を修得することを目的とする。後期は「日本民俗地図」や「市町村史」などを使って比較研究を深める。民俗分布の研究法も用いながら、自分自身の課題について、受講生が研究発表を行う。卒業論文に向けての作業ともなる。|
  • 儀礼文化論I, 2023, 人は自然を神として畏れ、その自然から豊かな恵みを享受してきた。自然に対して感謝の祈りを捧げ、豊穣の願いを込めた祭りや儀礼が各地で継承されている。本授業では、民俗学の立場から、日本での自然をめぐる信仰や儀礼の諸相について解説する。
  • 儀礼文化論II, 2023, 儀礼は私たちの生活のなかに溶け込み、時代とともに複雑な変遷を経て、現在に至っている。本講義では、祭りや年中行事、人生儀礼、家や村の神仏等を取り上げ、現代に続く儀礼の諸相と変化のあり方について解説する。
  • 日本民俗学I, 2023, 雪国の民俗文化を切り口として、民俗学の知識や考え方を学ぶ。自然環境に応じた生業の多様性、雪国独自の衣食住の文化や様式など、過去と現在を対比させながら、雪との関わりから形成される民俗文化について考察する。
  • 日本民俗学II, 2023, 民俗学において画像資料はどのように扱われてきたのだろうか。学史的にその位置づけを検討するとともに、画像資料が民俗研究においてどのような可能性をもつのかを考える。具体的には近世・近現代の絵巻や図絵、写真等から、雪国の生活や風俗を描写した画像資料を取り上げる。画像が写し出された当時の社会的背景や歴史的条件、撮影者・作者による構図とその意図に留意しながら、画像資料を読み解く。
  • 民俗文化財論I, 2023, 文化財保護法による「民俗文化財」について、その法律や制度を紹介しながら学ぶ。前期は有形の民俗文化財を中心に具体例を提示し、民俗文化財の保護や活用の実状のほか、現在の法制度では必ずしも十分ではないことも明らかにする。将来、文化財保護行政職、博物館学芸員、文化財を活かした諸活動に携わりたい人を想定して授業内容を組み立てる。
  • 民俗文化財論II, 2023, 文化財保護法による「民俗文化財」制度について、文化庁の施策やユネスコの世界無形文化遺産にも触れながら学ぶ。後期は無形の民俗文化財を中心に具体例を提示し、民俗文化財の保護や活用の実状や、現在の法制度では必ずしも十分ではないことも明らかにする。将来、文化財保護行政職、博物館学芸員、文化財を活かした諸活動に携わりたい人を想定して授業内容を組み立てる。

学外活動

学外委員等活動

  • 2024年04月01日, 新潟県祭り・行事調査委員会, 委員
  • 2024年02月27日, 出雲崎大祭調査事業実行委員会, 調査員
  • 2024年03月10日, 日本民俗学会第76回年会実行委員会, 実行委員
  • 2023年03月09日, 日本民俗学会第75回年会実行委員会, 実行委員
  • 2022年10月, 2024年09月, 日本民俗学会, 理事・評議員(第34期)
  • 2013年05月, 2023年04月, 新潟県民俗学会, 理事・幹事
  • 2018年05月, 2023年05月, 新潟県石仏の会, 事務局総務
  • 2015年05月, 2023年05月, 新潟県民具学会, 事務局・幹事
  • 2020年10月, 2022年09月, 日本民俗学, 評議員(第33期)
  • 2019年11月, 令和元年度民俗芸能学会長岡大会実行委員会, 事務局
  • 2019年09月, 2022年08月, 日本民具学会, 評議員(第18期)
  • 2013年10月, 第65回日本民俗学会年会実行委員会, 実行委員
  • 2012年10月, 第37回日本民具学会三条大会実行委員会, 実行委員
  • 2010年10月, 2010年11月, 糸魚川市教育委員会, 「根知山寺の延年」用具整備検討委員会委員
  • 2009年05月, 2013年03月, 鹿角市教育委員会, 花輪ばやし調査事業調査委員