K-ReaD( Kokugakuin University Researcher’s Achievement)

小手川 正二郎
文学部 哲学科
准教授
Last Updated :2021/07/21

研究者基本情報

氏名

  • 氏名

    小手川 正二郎, コテガワ ショウジロウ

所属・職名

  • 文学部 哲学科, 准教授

学位

  • 2012年11月, 博士(哲学), 慶應義塾大学, 甲第3759号

本学就任年月日

  • 2014年04月01日

研究分野

  • フランス近現代哲学、現象学

研究活動

論文

  • 「フェミニズムの哲学」が可能だとしたら、それはどのようにしてか?, 小手川正二郎, 哲学の探求, 48, 2, 22, 2021年05月01日, 哲学若手研究者フォーラム
  • 難民の哲学―定義や条文解釈をめぐる議論に何が欠けているのか, 小手川正二郎, 難民研究ジャーナル, 10, 74, 87, 2021年03月01日, 難民研究フォーラム
  • 人種の現象学――人種化する経験と人種化される経験から人種差別を考える, 小手川正二郎, 國學院雑誌, 121, 8, 1, 2020年08月01日, 國學院大学
  • 反出生主義における現実の難しさからの逸れ――反出生主義の三つの症候, 小手川正二郎, 現代思想, 47, 14, 179, 188, 2019年11月01日, 青土社
  • 「人格と真理――レヴィナス『全体性と無限』の理性論」, 博士学位請求論文, 2012年11月07日,  本論は、慶應義塾大学に提出された博士論文であり、現代フランスの哲学者レヴィナスの第一の主著『全体性と無限』(1961年)を、人格論・理性論・真理論という観点から体系的に理解することを試みたものである。しばしばユダヤ的思想家とみなされてきたレヴィナスの中心課題を、本論は「自我が他人を理解する」という事態と捉え、彼の議論を三つの観点から哲学的に吟味した。人格論は「人格」として現れる〈他人〉と自我の関係を、理性論は自我が他人を「理解する」とはいかなることなのかを、真理論は「自我の知の在り方が他人によって問い直される」という事態から真理概念を捉え直すレヴィナスの議論の正当性を論じた。
  • 「顔と偶像――レヴィナスにおける哲学と芸術(序論)――」, 『フランス哲学・思想研究』, 第13号, 108, 117, 2008年01月01日, 日仏哲学会
  • 「偶因的表現と無意義性――『論理学研究』における〈私〉をめぐる一考察――」, 『現象学年報』, 第25号, 79, 88, 2009年01月01日, 日本現象学会
  • L’intériorité et la choséité du sujet : le cartésianisme lévinassien, 『フランス哲学思想研究』, 第15号, 113, 122, 2010年01月01日, 日仏哲学会
  • 「理性と意志――レヴィナスの意志論」, 『哲学』, 第62号, 221, 236, 2011年01月01日, 日本哲学会, 『全体性と無限』第三部の意志論・理性論の構造を、発展史的観点から読解し、「自分が知りえなかったもの」を他人に教わるという「教え」の議論を哲学的に論究したもの。
  • 「〈存在の彼方〉の痕跡――レヴィナス哲学におけるプロティノスの「痕跡」」, 『新プラトン主義研究』, 第11号, 125, 136, 2012年01月01日, 新プラトン主義協会,  本論は、現代の哲学者レヴィナスが「存在の彼方」という新プラトン主義の問題系を独自の仕方で継承していたことに光をあてる思想史的研究であると同時に、彼によるプロティノスの「痕跡」概念再解釈の意義を解明する哲学的研究でもある。
  • 「〈他人〉との対話と〈他者〉への愛――レヴィナス『全体性と無限』における「エロスの現象学」の位置づけ」, 『フランス哲学・思想研究』, 第17号, 133, 141, 2012年01月02日, 日仏哲学会, レヴィナスの主著『全体性と無限』第四部の「エロスの現象学」を諸批判から擁護し、「現われざるものの現象学」という従来の解釈とは異なる形で、その哲学的意義を論じたもの。
  • 「真理と実在――フッサールとレヴィナスの真理概念(二)」, 『現象学年報』, 第28号, 121, 129, 2012年01月03日, 日本現象学会, フッサールの真理論とレヴィナスの真理論を、実在についての両者の見方(レヴィナスによるフッサールの「ドクサ的定立」の解釈および深化)という観点から論じたもの。
  • 「レヴィナスの「知覚の現象学」――『全体性と無限』におけるメルロ=ポンティとの対話」, 『メルロ=ポンティ研究』, 第17号, 66, 77, 2013年01月01日, メルロ=ポンティサークル
  • 「他人を「理解」すること――レヴィナスの理性論序説」, 『人文』, 第12号, 25, 39, 2014年01月01日, 学習院大学, 「他人を理解する」とは、どのようなことか。自分の理解の枠組みに他人を切り縮めることなく、いかにして他人を理解することができるのか。本論文は、フランスの哲学者レヴィナスの特異な理性概念に着目して、彼が主著『全体性と無限』(1961年)で「他人を理解すること」をどのような事態として捉えるに至ったかを考察・吟味したものである。
  • 「レヴィナスにおける他人(autrui)と〈他者〉(l’Autre)――『全体性と無限』による「暴力と形而上学」への応答」, 『哲学』, 第65号, 2014年04月01日, 日本哲学会
  • 「いかにして「自己の内なる良心」に目覚めるのか――」, 『ハイデガーフォーラム』(電子ジャーナル), 第8号, 2014年04月02日, ハイデガーフォーラム
  • 「レヴィナス『全体性と無限』における現象学的方法と存在論的言語――「転回」解釈への一批判――」, 『現象学年報』, 2014年04月03日, 日本現象学会
  • 「レヴィナスにおける還元の問い」, 『フッサール研究』(平成19年科学研究費補助金(基盤研究B)「いのち・からだ・こころ」をめぐる現代的問題への応用現象学からの貢献の試み(課題番号18320003)資料集), 第6号, 239, 250, 2008年01月01日
  • Epoché and Teleology : The Idea of Philosophy as ‘Infinite Task’ in Husserl, 慶應義塾大学グローバルCOE成果報告書, vol. 1, 2008年01月02日
  • 「真理と知――フッサールとレヴィナスの真理概念」, 『フッサール研究』(電子ジャーナル), 第9号, 71, 84, 2011年01月01日, フッサール研究会
  • Comment la subjectivité découvre-t-elle la quotidienneté ou l’universalité ? La question du « tiers » chez Levinas, Cahier de CEM, n° 6, 58, 69, 2013年01月01日, Centre d’études multiculturelles de la maison du Japon
  • 「第三者は他人の眼を通じて私を見つめる」――レヴィナスのいう「第三者」とは誰なのか, フランス哲学・思想研究, 19, 2014年01月01日
  • 恥の現象学――サルトルとウィリアムズを手がかりに, 國學院雑誌 , 115(12) , 2014年01月01日
  • « Le tiers me regarde dans les yeux d’autrui » : qui est le « tiers » d’E. Levinas ?, Revue internationale Michel Henry , 6, 2015年01月01日, Presses universitaires de Louvain
  • レヴィナスは「他者への暴力」を批判したのか――レヴィナスにおける「倫理」の意味――, 倫理学年報, 64, 2015年01月01日, 日本倫理学会
  • 「責任を負うこと」と「責任を感じること」――レヴィナスの責任論の意義, 國學院大學紀要, 54, 2015年01月01日, 國學院大學
  • 「女性的な」身体性と「男性的な」身体性――メルロ=ポンティとレヴィナスからフェミニスト現象学を再考する, メルロ=ポンティ研究, 20, 2016年01月01日, メルロ=ポンティサークル, 従来の現象学的分析では光があてられてこなかった女性の身体的経験(月経、妊娠、出産、乳房のある身体)に着目し、従来の分析に潜んでいた男性バイアスや健常者中心の見方を露わにするフェミニスト現象学は、現象学の方法論的枠組みや諸概念の妥当性自体を問い直す可能性を秘めている。本論では、メルロ=ポンティ、レヴィナス、ヤングの分析を手掛かりに、フェミニスト現象学の根幹に関わる一連の問い、すなわち(1)フェミニスト現象学の記述はいかなる妥当性を有するのか、(2)フェミニスト現象学の出発点として有効な身体論はどのようなものか、(3)フェミニスト現象学は、「男性的な」身体性を論じることはできるのかを検討・考察した。

Misc

  • エドワード・S・ケイシー、小手川正二郎訳、「境界線と境界地帯――環境のうちへ切り込む――」, 『現代思想 総特集メルロ=ポンティ』, 322, 346, 2008年12月12日, 青土社
  • ジャン=ミシェル・サランスキ、小手川正二郎訳、「レヴィナスに対する諸反論について」, 『現代思想 総特集レヴィナス』, 2012年02月14日, 青土社
  • 書評:「伊原木大祐『レヴィナス 犠牲の身体』」, 『フランス哲学・思想研究』, 124, 129, 2011年01月01日, 日仏哲学会
  • 書評:「ハイデッガー二次文献(仏語)」, ハイデガー研究会編『科学と技術への問い』, 2012年08月01日, 理想社
  • Recension de Daïsuké IBARAGI, Levinas : le corps du sacrifice, in: Cahier d’études lévinassiennes n° 11, Jérusalem: Institut d’études lévinassiennes, 217, 219, 2012年01月01日
  • 書評:村上靖彦『レヴィナス――壊れものとしての人間』, 『フランス哲学・思想研究』, 2013年01月01日, 日仏哲学会
  • 評伝レヴィナス――生と痕跡, 2016年01月01日, 慶應義塾大学出版会, ユダヤ教の中に一つの哲学的洞察を認め、自らそれを生きた哲学者レヴィナス。レヴィナスを一つの結節点とする知的ネットワーク、20世紀ヨーロッパ・ユダヤ精神史を描く、レヴィナス評伝の決定版。

著書等出版物

  • 現実を解きほぐすための哲学, 小手川正二郎, トランスビュー, 2020年03月25日, 性差、人種、親子、難民、動物の命について―― いま、世界には社会の分断を生む問題が山積している。 こうした問題についての議論は、往々にして、それぞれの立場から非難の応酬になりがちだ。 では、意見の異なる人と対話し、世の中をより良くしていくためには、何が必要なのだろうか? 著者は、一人ひとりが「自分の頭で考える」こと、そして「かわるまでわかる」ことが大切だと説く。 網の目のように複雑にからまった現実を、どのように解きほぐすことができるのか。 それぞれの問題について、丁寧な思考の歩みを示していく。 哲学は、偉大な学者の言葉や思想をありがたがることではなく、現実に向き合うことから始まる。 本当の意味で考えるための入門となる一冊。
  • 甦るレヴィナス――『全体性と無限』読解, 小手川正二郎, 水声社, 2015年03月01日, 『全体性と無限』がもつ真の革新性を救い出す―これまで顧みられなかった理性論という観点から『全体性と無限』がもつ独自性に光をあて、主体論においてハイデガーと対峙し、いまなお影響力をもつデリダ的読解を糺す。“生きている”レヴィナス哲学を甦らせる変革の書。
  • フェミニスト現象学入門——経験から「普通」を問い直す, 小手川正二郎, ナカニシヤ出版, 2020年06月01日
  • 『顔とその彼方――レヴィナス『全体性と無限』のプリズム』, 知泉書館, 2014年02月01日
  • 続・ハイデガー読本, 法政大学出版局, 2016年01月01日
  • 終わりなきデリダ, 法政大学出版局, 2016年01月01日

講演・発表

  • Prayer and Scepticism: Levinas’ Rationalism, Nordic Society for Phenomenology, 2008年04月01日, Vytautas Magnus University, Kaunas, Lithuania
  • Epoché and Teleology : The Idea of Philosophy as ‘Infinite Task’ in Husserl, The XXII World Congress of Philosophy, 2008年07月01日, Seoul University, Seoul, South Korea
  • La prière et le scepticisme : le rationalisme de Levinas, The Tentative Program of Special Session by Ph.D Students, 2008年07月01日, Keio University, Mita, Tokyo
  • La violence et la force du langage dans la philosophie de Levinas, Colloque internationale sur l’oeuvre d’Emmanuel Levinas. , 2010年07月01日, Lecture de Difficile liberté, Toulouse University, France
  • Sensation and Subjectivity : Husserl, Merleau-Ponty and Levinas, The 4th Symposia Phaenomenologica Asiatica (Sensibility and Transcendence from Husserl to Merleau-Ponty), 2010年08月01日
  • Realism and Reason in Totality and Infinity, NALS, 2011年05月01日, Texas A&M university, USA
  • Levinas vis-à-vis de l’histoire: sur le rapport entre la réalité et l’histoire dans Totalité et Infini, Colloque « Levinas et histoire », 2011年07月01日, Fondation de Treilles, France
  • Truth and Subjectivity : the Notion of Being in Husserl and Levinas, The 5th Symposia Phaenomenologica Asiatica, 2011年08月01日
  • L’être et la vérité: pourquoi est-ce mal s’il n’y a que l’être ?, Colloque international pour commémorer le 50e anniversaire de Totalité et Infini d’Emmanuel Levinas, 2011年11月01日, Meiji University, Tokyo
  • Comment la subjectivité découvre-t-elle la quotidienneté ou l’universalité ?, La question du « tiers » chez Levinas, la séance du Centre d'Études Multiculturelles (CEM), 2012年04月28日, La maison du Japon à la cité universitaire de Paris, Paris
  • « Le tiers me regarde dans les yeux d’autrui » : qui est le « tiers » chez Emmanuel Levinas ?, ASPLF, 2013年04月01日
  • 「レヴィナスにおける還元の問い」, フッサール研究会, 2007年03月01日, 関西大学飛鳥文化研究所
  • 「顔と偶像――レヴィナスにおける哲学と芸術――」, フランス哲学セミナー, 2007年06月01日, 東京大学
  • 「他者と偶像――レヴィナスにおける哲学と芸術(序論)――」, 日仏哲学会, 2007年09月01日, 学習院大学
  • 「エポケーと目的論――フッサールにおける「無限の課題」としての哲学の理念――」, 日本現象学会, 2007年11月01日, 大阪大学
  • 「内面性と誤謬――レヴィナスの合理主義と〈内面性の神話〉をめぐって――」, 若手哲学研究者フォーラム, 2008年07月01日, 国立オリンピック記念青少年総合センター
  • 「祈りの真摯さ――レヴィナスの合理主義――」, 日仏哲学会, 2008年09月01日, 東京大学
  • 「偶因的表現と無意義性――『論理学研究』における〈私〉をめぐる一考察――」, 日本現象学会, 2008年11月01日, 専修大学
  • Sur la conférence de M. Rogozinski, J. Rogozinski教授講演会(三田哲学会主催), 2008年11月01日, 慶應義塾大学
  • 「真理と知――フッサールとレヴィナスにおける真理概念――」, フッサール研究会, 2010年03月01日, 関西大学飛鳥文化研究所
  • 「理性と意志――レヴィナスとアウグスティヌス――」, 日本哲学会, 2010年05月01日, 大分大学
  • 「意志と作品――レヴィナスとヘーゲル――」, 日仏哲学会, 2010年09月11日
  • 「存在と痕跡――プロティノスとレヴィナスの言語論をめぐって――」, 新プラトン主義協会, 2010年09月25日, 鹿児島
  • 「真理と実在――フッサールとレヴィナスにおける真理概念(II)」, 第33回日本現象学会個人研究発表, 2011年11月01日, 立命館大学
  • 「〈他人〉との対話と〈他者〉への愛――『全体性と無限』における「エロスの現象学」の位置づけ、第33回日本現象学会ワークショップ「レヴィナス『全体性と無限』とエロスの現象学――『全体性と無限』刊行50周年を記念して」, 2011年11月01日, 立命館大学
  • 「他人と〈他者〉――レヴィナスと分析哲学における他人論」, UTCPワークショップ「レヴィナスを開く:研究の現在とこれから」, 2011年11月01日, 東京大学駒場キャンパス
  • 「レヴィナスの知覚の現象学」, シンポジウム「レヴィナスとメルロ=ポンティ――実現しなかった対話を考える」提題, 2012年09月29日, 東京電機大学
  • 「他人を「理解」すること――レヴィナスの〈他人〉論」, 三田哲学会, 2012年10月27日, 慶應義塾大学
  • 「存在だけしかないことがなぜ悪いのか――レヴィナスによる『存在と時間』の真理論との対決」, ハイデガー研究会, 2013年02月17日, 法政大学
  • 「レヴィナスは「他者への暴力」を批判したのか――『全体性と無限』による「暴力と形而上学」への応答(2)」, 哲学倫理学セミナー, 2013年02月23日, 文京区民センター
  • 「レヴィナスにおける他人(autrui)と〈他者〉(l’Autre)――『全体性と無限』による「暴力と形而上学」への応答」, 日本哲学会, 2013年05月12日, お茶の水女子大学
  • 「人格と理性――レヴィナスの人間主義」, 日本哲学会公募ワークショップ「「理性をもつ動物」とは誰か?――人格概念への現象学的アプローチ」提題, 2013年05月12日, お茶の水女子大学
  • 「いかにして自己の内なる良心に目覚めるのか――ハイデガーのカント解釈の射程と問題」, ハイデガーフォーラム, 2013年09月22日, 関西大学
  • 「レヴィナスにおける「倫理」の意味――レヴィナスは「他者への暴力」を批判したのか」, 日本倫理学会, 2013年10月06日, 愛媛大学
  • 「レヴィナス『全体性と無限』における現象学的方法と存在論的言語――「転回」解釈への一批判――」, 日本現象学会, 2013年11月10日, 名古屋大学

その他

  • 「震災が哲学に問うていること。哲学が震災について問いうること」, 『三色旗』, 第764号, 慶應義塾大学, 2011年01月01日, 19, 23, 本論は、東日本大震災を人間の生の問題として考察する特集「哲学が日本社会について語ること」に寄せられたものである。時事的性格が強い論考ではあるが、過去の思想に依拠することなく、「哲学がなしえないこと」・「震災について何をどのように語るか」・「冷静さと冷ややかさ」という三つの事柄について筆者自身の言葉で論じた。
  • 「新しくレヴィナスを読むために 研究・文献ガイド」(「哲学」の項), 『現代思想 総特集レヴィナス』, 3月臨時増刊号, 青土社, 2012年02月14日, 338, 342
  • 「レヴィナスの思想は「他者」論なのか」(「研究手帖」), 『現代思想』, 2012年5月号, 青土社, 2012年05月01日, 254, 254
  • 日本現象学会ワークショップ報告文「レヴィナス『全体性と無限』とエロスの現象学――『全体性と無限』刊行五〇周年を記念して」, 『現象学年報』, 第28号, 日本現象学会, 2012年01月01日, 63, 69

競争的資金

  • 17H06346, 顔と身体表現の比較現象学, H29年度は採択結果が6月に出て、実際に研究に従事できるようになったのが7月からのため、実質的に半期程度の活動となったが、以下の研究を実施できた。;1、領域会議への参加と領域内での研究計画のすり合わせと交流:9月11日のキックオフシンポジウム、12月1日の第1回領域会議において本計画班の目的と5年間の計画、基本的な理論を発表し、領域内で共有した。また12月2日の第2回公開シンポジウムでは、比較現象学の立場を打ち出し、領域全体をどのように哲学的に統括していくかについて論じた。3月初頭では、バリ島ワークショップで、本計画班から菊竹智之氏と赤坂辰太郎氏に口頭発表してもらい、バリ舞踊やガムランの研究者たちと議論を展開できた。;2、自主シンポジウム:3月13日、14日、16日にフランスの現象学的身体論の第一人者、B・アンドリュー氏(パリ第5大学)、A・ルジェンドル氏を招聘して、講演会とシンポジウム「間とあいだの比較現象学」を実施した。全体で12名の発表者による15回の口頭発表が行われ、参加者は延べ60名ほどであった。日仏米の比較から、時間的でありかつ空間的で、質的でもある「ま、あいだ、あわい」をめぐって、その記述方法や生活世界における意味について議論がなされた。;3、顔身体カフェ:12月23日の代官山クラブヒルサイドサロンにて、領域代表の山口氏を講師に招き、第1回顔身体カフェを、本領域のアウトリーチ活動のサイエンスカフェとして行った。参加者60名。第二回は、金沢21世紀美術館の協力で1月20-21日に美術館のレアンドロ・エルリッヒの展示を開設した後に、アートと身体性をテーマとした哲学対話を行った。参加者40名。;4、比較現象学のためのアプリケーションの開発:本研究での現象学を遂行するための映像分析アプリケーションを開発した。特許の申請を考えている。;H29年度は採択結果が6月に出て、実際に研究に従事できるようになったのが7月からのため、実質的に半期程度の活動となったが、「領域会議への参加と領域内での研究計画のすり合わせと交流」「自主シンポジウム」「顔身体カフェ」「比較現象学のためのアプリケーションの開発」と予定していたことにはすべて着手できた。;30年度は、いよいよ研究を本格化して、領域全体と連携しつつ、以下の三つの研究を行っていく予定である。;1)顔身体学の現象学的理論化: 新学術領域「顔身体学」の理論的な基盤を、現象学的に整理しながら、領域の各分野を位置付けて体系化する作業を行う。;2)比較現象学という方法論の確立: 国内外の多様な地域から講演者を招集し、顔身体運動に見られる表現の文化社会的な側面に関して共同研究発表と情報交換を行う。8月末にはAlia Al-Saji 氏 (McGill University)氏とHelen Ngo氏 (Deakin University)氏を国内に招致して、顔身体の人種性に関して現象学的記述に関する自主シンポジウムを実施する。11月の日本現象学会大会では、Shaun Gallagher氏、Daniel Hutto氏などと共同してシンポジウム(又はワークショップ)を実施する。;3)身体加工の比較現象学の構築: 8月北京にて開催される世界哲学大会にて、Al-Saji 氏、Helen Ngo氏、Eric Chelstrom氏 (St. Mary's University)を招致して「人種の現象学」というワークショップを主催する。また化粧や整形による身体意識の変化とその社会的評価との関連性について、化粧学や文化人類学との共同研究を通じて進めていく。;さらに領域全体のアウトリーチ活動として、「顔身体カフェ」を開催し、市民と研究者がフラットな関係で議論できる場を3回程度設けるつもりである。
  • 16H03346, 北欧現象学者との共同研究に基づく人間の傷つきやすさと有限性の現象学的研究, 平成29年度は、「老い」を共同研究の核に据えて、それにまつわる身体的変容・老いと誕生・老いと性・老いと病い・老いと障がい・老いと痛み・老いと死といった諸問題に焦点を当てること、また、それぞれが取り組んで来た問題に相互乗り入れをすることで共同研究を深め、本研究の共通テーマのワークショップを開催することも計画した。前年度からの繰り越しとなった研究分担者の北欧諸国への派遣により、ストックホルム大学でセミナー“Feminist Phenomenology: Perspectives from Japan”(2017/6/12)を開催し、中澤と中がを発表を行い、ストックホルムの研究者と意見交換をし、また、トロンハイムのノルウェー科学技術大学での北欧現象学会(2017/6/15-17)にて、浜渦がPlenary session “On Dis/Ability in Husserl’s Phenomenology”を、稲原、小手川の2人が、Irina Poleshchuk(Finland, Helsinki University)とLisa Folkmarson Kaell(Sweden, Stockholm University)とともにParallel session “Nordic-Japanese Panel: The Phenomenology of Vulnerability - Birth and Aging”を行った。また、国内での研究会として、第4回研究会を日本大学(2017/5/27)にて、第5回研究会を神戸大学(2017/9/30)にて、第6回研究会を大阪大学(2018/1/29)にて行い、特に第6回研究会は、東アジア哲学会議「現象学・臨床哲学・倫理学を繋ぐ」も兼ねて、中国語圏の研究者を7人(広州から2人、香港から1人、台北から4人)招いて開催した。;第4回研究会では、スウェーデンおよびノルウェーで発表予定の浜渦、小手川、稲原、中、中澤がそれぞれ本番と同様に英語での発表を行い、研究協力者である英国人研究者Michael Gillan Peckitt講師からのコメントを得ることができた。第5回研究会では、研究分担者の石原孝二(東京大学大学院総合文化研究科)「認知症の哲学」、筒井晴香(東京大学CBEL)「身体変容の倫理的正当化:美容的アンチエイジングと性別移行」、および、研究分担メンバー以外から古怒田望人(大阪大学大学院人間科学研究科)「レヴィナスにおける老いの時間的構造-ジャンケレヴィッチをとおして-」、川崎唯史(国立循環器病研究センター)「生命倫理における弱者性/傷つきやすさ:現象学との関係に注目して」という4人の研究発表会を行なった。前述のようにスウェーデン・ストックホルムでのセミナー、ノルウェー・トロンハイムでの北欧現象学会での発表を通じて、北欧現象学者たちとの多くの意見交換を実現することができた。他方、研究分担者の多くは、これまで10年来の北欧現象学会との繋がりのみならず、14年来の東アジア現象学会議との繋がりも持って来ているが、後者の繋がりでこれまで出会った中国語圏の研究者たちのうち、「傷つきやすさと有限性の現象学的研究」という関心を共有してきた研究者として、広州中山大学の廖欽彬、李樺、香港中文大学の張政遠、台北政治大学の汪文聖、林遠澤、林鎮国、台北陽明大学の許樹珍の7人を招いて、第6回研究会を東アジア哲学会議と兼ねて開催した。これは、北欧出張を計画していた研究分担者の1人が、所属変更があり新しい勤務先で出張をすることが難しく翌年度に延期したために残った予算を当てることで実現したが、これにより、本科研の研究にも拡がりができることになった。;来年度は「死」を共同研究の核に据えて、それにまつわる誕生と死、老いと死、病いと死、障がいと死、痛みと死、性と死、看取りといった諸問題に焦点を当てる。北欧への派遣、北欧からの招へいも前年度と同様に考えているが、最終年度となるので、これまでの共同研究の成果をそれぞれの立場から公表・公開する作業へ比重を移して行くことになる。来年度も、日本現象学会から北欧現象学会への派遣として、研究分担者の池田、小手川、筒井の3人がポーランド・グダニスクで開催される北欧現象学会に参加・発表する予定である。また、第6回研究会と兼ねて行われた東アジア哲学会議で新しく作られた繋がりにより、第2回東アジア哲学会議を台北政治大学にて開催する計画を立てており、これにより、北欧現象学者との共同研究として始まった本科研の研究は、東アジア現象学者との共同研究としても発展していく可能性が出てきている。年度末には、3年間の研究成果をまとめて報告書を刊行するとともに、その研究成果をまとめた書物(仮題『人間の傷つきやすさと有限性--日本と北欧の現象学的共同研究』)を近い将来に出版して、その成果を世に問うことを目指している。
  • 16H03338, 哲学分野における男女共同参画と若手研究者育成に関する理論・実践的研究, 1.男女共同参画推進および若手研究者支援に関して先駆的取り組みを展開している英国哲学会理事のJoe Morrison博士を日本に招聘し,第76回日本哲学会大会ワークショップ「どう変わる!日本哲学会」(2017年5月21日,於・一橋大学)において啓発的な講演と率直な議論を重ねる機会を企画実践した。またMorrison博士によるレクチャーは,千葉大学,東北大学,京都大学においても開催され,幅広い層の研究者たちと共に議論を深めることができた。特に男女共同参画を確実に実践するために英国哲学会が策定した「Good Practice Scheme」について哲学的視点に基づく論拠をMorrison博士を交えて再検討する機会を得たことは有意義であった。日本の哲学分野における男女共同参画および若手研究者支援に関して,今後も英国哲学会と緊密に連絡を取り合いながら積極的に推進する方針が確認された。2.哲学分野で活動する若手研究者を対象に実施した大規模アンケート結果を分析・公表すると共に,諸方策について提言をとりまとめた。3.日本学術会議総合ジェンダー分科会と協力しながら,日本哲学会大会の時機に合わせた人文・社会科学系学協会男女共同推進連絡会の正式発足会合に向けて実質的な貢献を積み重ねた。また日本学術会議公開シンポジウムにおいても哲学分野における男女共同参画推進・若手研究者支援の取り組みについて報告と提案を行った。4.国際会議「ジェンダー研究と哲学史」(於・一橋大学)を共催開催した。5.若手研究者を対象にした査読論文指導ワークショップを開催した(於・立教大学)。6.日本全国の諸大学における哲学分野の専任教員ポストに関して調査を行った。7.日本哲学会の機関誌『哲学』第69号特別企画「ハラスメントとは何か?ー哲学・倫理学からのアプローチ」を取りまとめ諸論点を提起した。;本研究課題を有効に推進するために編成された理論班,調査班,実践班それぞれ相互の協力体制が良好に機能しており,本研究課題の進捗状況はおおむね順調に進展していると判断される。;1.理論班においては,引き続き「平等概念」や「ジェンダー平等推進」そして「若手研究者育成」に関する哲学的考察を深化させると共に定期的に研究会を開催し検討を重ねる。また哲学分野において従来個別的に活動してきた地方諸学会との連携体制を構築し,地域や学閥に束縛されない研究者相互の意見交換が忌憚なく可能なシンポジウムやワークショップを立案実施する。2.調査班においては,これまで複数回実施した大規模アンケート結果を踏まえ,また海外の関連諸学会(特に英国哲学会)が提示する指針や取り組みの内実を調査分析しながら,最終的に我が国における哲学分野において男女共同参画推進や若手研究者支援の進展に資する具体的かつ実効的な最終的提言を取りまとめると共に,特に高等教育課程における哲学分野専任ポストの意義と役割について説得的なヴィジョンを構築する。3. 実践班においては,若手研究者育成に有益な各種ワークショップを開催すると共に,大学における研究職以外の活躍の場を視野に入れた哲学分野ならではのキャリアパスの開拓に関して,他分野の研究者や官公庁ならびに一般企業の協力を得ながら具体的な道筋を提案する。4. 本研究成果を総括し持続的な活動を有効に支える具体的体制の提案と基本理念を広く共有するために,今年度末に国際学会を実施する。5. 理論班・調査班・実践班相互の諸成果を総合的見地から取りまとめ,ブックレットを作成する。6. 男女共同参画推進や若手研究者支援において先駆的取り組みを展開している英国哲学会との協力体制を一層充実させる。
  • 26770013, フランス現象学の新局面とその展開可能性, 本研究は、20世紀後半にフランスで生じた現象学的哲学、とりわけ「神学的転回」以後の現象学の諸潮流に注目し、その哲学的意義を再評価することを目的とするものであった。フランスの現象学の多様な分析がどれほど具体的な事態に迫っているかを検討することで、現象学の思想史的研究に寄与すると共に、抽象的な思弁に陥りやすいフランス現象学の具体的な展開可能性を明らかにすることを試みた。より具体的には、レヴィナスの後期哲学を主たる手掛かりとして、性差、家族、責任という三つの主題に関して、現代の倫理学や政治哲学との連関や相違を示すことができた。

教育活動

担当授業

  • 卒業論文, 2019
  • 哲学演習, 2020, 【本授業は、主にZoom を利用した双方向型授業として実施します】|一般に、近代以降の倫理学においては、「人々の行為が道徳的かどうかに関する評価は、当人の意志した行為に限られ、運に左右されてはならない」とみなされてきました。しかし、私たちの意志や状況も様々な外的要因に影響されているなら、道徳は運の問題と無縁ではありえません。私たちは倫理的なあり方と運の関係をどのように考えたらいいのでしょうか。|本演習では、哲学史的な観点からこの問いに取り組む古田徹也『不道徳的倫理学講義—人生にとって運とは何か』の講読を通じて、受講者と一緒に道徳・倫理と運の関係について考えたいと思います。その際、近代哲学(デカルトやパスカルやスピノザ)のテキストにも随時立ち返って議論することを試みます。
  • 西洋哲学史IIA, 2020, 【本授業は、主にPowerPoint を利用した遠隔授業として実施します】|コロナウィルスの感染拡大を受けて、自由を奪われた状況を多くの人が生きています。この不自由な状況の中で、自由について考えてみることは大きな意義をもつと思います。|香港のデモに代表されるような自由を求める闘いは、現代でも世界各地で起こっています。日本に住んでいると自由であることが当たり前のように感じられたり、自由であるがゆえに逆に悩んだり迷ったりすることもあるかもしれません。しかし、私たちは実際、どの程度自由であり、私たちの自由はどこまで尊重されるべきものなのでしょうか? | 例えば、未知のウィルスに感染した疑いがある人の移動の自由は、制限されてよいものなのでしょうか? 表現の自由はどこまで認められるべきなのでしょうか? 自由という価値は、他の様々な価値(伝統的な価値観や宗教的な価値観)よりも常に優先されるべきものなのでしょうか?| 本講義では、自由をめぐる西洋の近現代哲学史(ロック、モンテスキュー、ルソー、ヒューム、カント、J・S・ミル、バーリン、ロールズ、ヤング等)を学ぶことで、このような一連の問いを受講者自身が「自分自身で考える」ことができるようになることを目指します。
  • 西洋哲学史IIB, 2020, 【本授業は、主にPowerPointのスライドショー機能 を利用したオンデマンド型の遠隔授業として実施します】|様々な文化が交錯する現代において、自分とは異なる習慣を認めたり尊重したりすることが必要である一方で、他人や自分自身の悪しき習慣(性差別的な習慣や人種差別的な習慣)に敏感であったり、場合によってはそれを批判したりすることも必要になります。|他人や自分に根づいた習慣を尊重したり、批判したりするためには、習慣とはそもそもいかなるものかを考える必要があります。 | どこからどこまでを習慣と言えるのか? 習慣とは自分で変えられるものなのか? 習慣の多様性は、どこまで尊重され、どこからは許容されえないのか?| 本講義では、習慣をめぐる西洋の近現代哲学史(モンテーニュ、パスカル、ヒューム、デューイ、メーヌ・ド・ビラン、ラヴェッソン、ブルデュー等)を学ぶことで、このような一連の問いを受講者自身が「自分自身で考える」ことができるようになることを目指します。
  • 応用倫理学A, 2020, 【本授業は、主に講義資料を利用した遠隔授業として実施します】|「応用倫理学」は、現に問題となっている事柄や、これから直面することになる倫理的難問を、現実に即して具体的に考えることを目指すものです。本講義では、実社会で問題となっている具体的な問題を取り上げ、教科書『フェミニスト現象学入門』の読解をもとに、そうした考え方の前提に立ち戻って考えることを試みます。|具体的には、(1)フェミニズム(2)性的マイノリティ、(3)障碍、(4)容姿差別をめぐる問題をとりあげ、それぞれ以下のような問いについて考える予定です。 | (1)「女らしさ」・「男らしさ」って何なのか? | (2)自分が女性/男性で異性愛者だとなぜ言えるのか?| (3)「生まれてよい命」とは? 新型出生前診断は障碍者差別を助長する?| (4)「人は見た目が9割」??| こうした問題について、広く流布している通説を鵜呑みにすることなく受講者自身で考える力を養うことを目指します。
  • 応用倫理学B, 2020, 【本授業は、主に講義資料を利用したオンデマンド型の遠隔授業として実施します】(ゲスト講師の回や映像資料の回では、Zoom録画の視聴を用います)|「応用倫理学」は、現に問題となっている事柄や、これから直面することになる倫理的難問を、現実に即して具体的に考えることを目指すものです。本講義では、実社会で問題となりつつある具体的な問題を取り上げ、代表的な考え方を紹介したうえで、そうした考え方の前提に立ち戻って検討することを試みます。|具体的には、(1)難民の受け入れ、(2)報道倫理、(3)食物倫理、(4)温暖化などの環境問題をとりあげ、それぞれ以下のような問いを考える予定です。| (1)難民:難民をどの程度受け入れるべきか? *国内で難民支援に携わるゲスト講師登壇予定| (2)報道倫理:「真実」なんてない?| (3)食物倫理:何を食べるかは好き嫌いだけの問題ではない?| (4)環境問題:自分たちと将来の世代のために何をすべきか?| こうした問題について、講義ではグループディスカッションなどを通じて受講者が自分の考えとは反対の立場の意見を正しく理解し、広く流布した通説を鵜呑みにすることなく受講者自身で考える力を養うことを目指します。
  • 基礎演習IIA, 2020, 【本授業は、主にZoom を利用した双方向型授業として実施します】|現代哲学の一潮流をなす「現象学」は、われわれの日常的経験に立ち戻って「普通」に感じられている事柄を分析してそれを問い直す試みです。本演習では、平明な文章で書かれた『フェミニスト現象学入門—経験から「普通」を問い直す』第1部を用いて現象学の基本的な分析方法を学び、それを受講者一人一人が活用して自分の身体経験や身近な事柄、社会的問題を哲学的に思考し、議論していくことを試みます。第1部では、女らしさ/男らしさ、妊娠、 月経、外見、セクハラ、一人暮らしを扱い、関連する文献も読解して議論を深められたらと思います。| レポート作成を通じて、レポートの書き方なども指導していきます。
  • 基礎演習II, 2020, -
  • 基礎演習IIB, 2020, 【本授業は、主にZoom を利用した双方向型授業として実施します】|現代哲学の一潮流をなす「現象学」は、われわれの日常的経験に立ち戻って「普通」に感じられている事柄を分析してそれを問い直す試みです。本演習では、平明な文章で書かれた『フェミニスト現象学入門—経験から「普通」を問い直す』第2部を用いて現象学の基本的な分析方法を学び、それを受講者一人一人が活用して自分の身体経験や身近な事柄、社会的問題を哲学的に思考し、議論していくことを試みます。|第2部では、セクシュアリティ(同性愛・異性愛)、性別違和とトランスジェンダー、 男らしさ、人種、障害、老いを扱い、関連する文献も読解して議論を深められたらと思います。| レポート作成を通じて、レポートの書き方なども指導していきます。
  • 哲学特殊講義IIIA, 2020, 【本授業は、主に講義資料を利用した遠隔授業として実施します】|現代哲学の一潮流をなす「現象学」は、私たちの日常的経験に立ち戻り、私たちが「普通」や「あたり前」とみなしがちな事柄を記述し、問い直してきました。本講義では、教科書『現実を解きほぐすための哲学』の読解をもとに、【1】性差と【2】人種について、私たちが「普通」だとみなしやすい事柄を再考することを試みます。より具体的には、以下の主題を扱う予定です。| 【1】性差をめぐって|  (1)「男女を見分ける」とは?|  (2)「女らしさ」を問い直す|  (3)「男らしさ」を問い直す|  (4)セクシュアリティを問い直す:異性愛、同性愛|  (5)性自認を問い直す:自分の性的身体の捉え方(シスジェンダー、トランスジェンダー)|| 【2】人種をめぐって|  (1)人種は存在しない?|  (2)相手を「特定の人種として見る」とは?:「黒人」/「白人」として見ることの違い|  (3)自分が「特定の人種として見られる」とは?:「ハーフ」/「黄色人」として見られること|  (4)外見に基づかない「人種差別」:アジア系ハーフや在日コリアン||こうした主題に関して、受講者自身が自らの体験や他人の体験に即して具体的な事柄を自分自身で分析する力を養うことを目指します。
  • 哲学特殊講義IIIB, 2020, 【本授業は、主に講義資料を利用したオンデマンド型の遠隔授業として実施します】(Zoom録画による回もあります)| 現代哲学の一潮流をなす「現象学」は、私たちの日常的経験に立ち戻り、私たちが「普通」や「あたり前」とみなしがちな事柄を記述し、問い直してきました。本講義では、まず現象学についての基本的な分析方法を紹介した後、【1】家族(親子・きょうだい・ペット)と【2】「他者」について、私たちが「普通」だとみなしやすい事柄を再考することを通じて、それらに係わる「自己」のあり方を問い直すことを試みます。| 【1】家族の現象学|  (1)親にとって子どもとは?:子どもの虐待と私物化|  (2)大人と子どもの境目とは?:少年法改正をめぐって|  (3)きょうだい:きょうだい間の比較やトラブル|  (4)ペット:家族と所有物の境目|| 【2】「他者」と「自己」の現象学|  (1)他人に対する責任:自分がしたわけではないことの責任を負うべきなのか?|  (2)国内の他者への依存と責任:沖縄の基地問題|  (3)国外から来た他者への依存と責任:移民への依存と責任、難民受け入れの責任|  (4)国外の他者への依存と責任:グローバル企業||こうした主題に関して、受講者自身が自らの体験に即して具体的な事柄を自分自身で分析する力を養うことを目指します。
  • 哲学演習, 2021, 一般に、近代以降の倫理学においては、功利主義や義務論といった倫理学理論が行為の正しさを議論する際に必要だと考えられてきました。しかし、近代の幕開けにおいて、モンテーニュ(1533-1592)は倫理学理論とは異なる仕方で、人々の生き方や倫理をめぐる問いを「エッセイ」という形で思考しようと試みています。| 本演習では、モンテーニュの『エセー』で扱われる諸問題(幸福、生き方、価値の多様性、残酷さ)に接近するために、現代において、こうした思考を引き継ぎ、従来の道徳哲学を批判的に乗り越えようとしたバーナード・ウィリアムズ『生き方について哲学は何が言えるか』とあわせて読むことで、倫理をめぐる哲学的思考について受講生と一緒に考えることを目指します。
  • 西洋哲学史IIA, 2021, 私たちは日々、喜びや悲しみ、愛や妬み、怒りや嫌悪感等、様々な感情を抱いて生きています。それぞれの感情をどのように捉えるか、生じた感情にどう向き合うか、他人にどのような感情を抱くのが望ましいされるか、といったことについては、西洋哲学のなかで長く議論されてきました。哲学史を学ぶことは、自分や他人がいかに感情を抱き、それをどのように捉えるかについての枠組みや前提を理解し直すことにつながるでしょう。| 本講義では、感情をめぐる西洋の近現代哲学史(デカルト、ヒューム、ルソー、アダム=スミス、ニーチェ、キング牧師、ヌスバウムらの女性の哲学者たち等)を学ぶことで、以下のような一連の問いについて受講者自身が「自分自身で考える」ことができるようになることを目指します。|・行為を決めるのは感情か理性か?|・感情は合理的なのか?|・共感は道徳に必要か?|・なぜ恐怖・羞恥・妬みは共感を阻むのか?|・愛すること・共感することとはいかなることか?|・女性が「感情的」と差別されてきたのはなぜか?
  • 西洋哲学史IIB, 2021, 私たちは日々、言葉を用いて考えたり、記録したり、他人とコミュニケーションをとっています。言語と思考とはどのような関係にあるのか、他人との会話において私たちは何をなしているのかといったことについては、西洋哲学のなかで長く議論されてきました。哲学史を学ぶことは、言葉が思考を促すこともあれば逆に阻んでしまうこともあるのはなぜか、言葉がなぜ人を励ましたり、傷つけたりしうるのかについて、私たちがもっている枠組みや前提を理解し直すことにつながるでしょう。| 本講義では、言語および言語行為をめぐる西洋の近現代哲学史(ホッブズ、アルノー、ルソー、ヘルダー、ミル、ウィトゲンシュタイン、オースティン、ファノン、エメ・セゼール、チョムスキー、アンスコム、マリ・マツダおよび関連する思想家たち)を学ぶことで、言語について私たちがもっている枠組や前提について、受講者自身が「自分自身で考える」ことができるようになることを目指します。
  • 応用倫理学A, 2021, 応用倫理学は、現に問題となっている事柄について、議論の前提に立ち戻りながら、現実に即して具体的に考えることを目指すものです。本講義では、(1)性差別、(2)人種差別、(3)報道倫理、(4)ケア(育児・介護)をとりあげ、それぞれ以下のような問いを考える予定です。| (1)性差別:フェミニズムは誰のため?| (2)人種差別:日本に人種差別なんて存在しない?| (3)報道倫理:マスコミは「偏向」している? *ゲスト講師(新聞記者)登壇予定| (4)ケア(育児・介護):ケアは誰が担うべきか?家族?移民?それとも…| こうした問題について、講義では代表的な議論を紹介したうえで、そうした議論の前提をなす考えに立ち戻って検討することを試みます。また、小レポートの相互採点・ディスカッションなどを通じて受講者が自分の考えとは反対の立場の意見を正しく理解し、広く流布した通説を鵜呑みにすることなく受講者自身で考える力を養うことを目指します。
  • 応用倫理学B, 2021, 応用倫理学は、社会で現に問題となっている事柄について、議論の前提に立ち戻りながら、現実に即して具体的に考えることを目指すものです。本講義では、(1)性的マイノリティ、(2)障がい、(3)表現の自由と規制、(4)難民と移民をとりあげ、それぞれ以下のような問いを考える予定です。| (1)性的マイノリティ:「多様性」(ダイバーシティ)の尊重とは?| (2)障がい:「健常者」はどこがずれているのか?| (3)表現の自由と規制:どこまでが「表現の自由」? | (4)難民と移民:どれほど受け入れるべきか? *ゲスト講師登壇予定| こうした問題について、講義では代表的な議論を紹介したうえで、そうした議論の前提をなす考えに立ち戻って検討することを試みます。また、小レポートの相互採点・ディスカッションなどを通じて受講者が自分の考えとは反対の立場の意見を正しく理解し、広く流布した通説を鵜呑みにすることなく受講者自身で考える力を養うことを目指します。
  • 基礎演習IIA, 2021, 現代哲学の一潮流をなす「現象学」は、われわれの日常的経験に立ち戻って「普通」に感じられている事柄を分析してそれを問い直す試みです。本演習では、平易な文章で書かれた『フェミニスト現象学入門—経験から「普通」を問い直す』第1部を用いて現象学の基本的な分析方法を学び、それを受講者一人一人が活用して自分の身体経験や身近な事柄、社会的問題を哲学的に思考し、議論していくことを試みます。| 第1部では、女らしさ/男らしさ、妊娠、 月経、外見、セクハラ、一人暮らしを扱い、関連する文献も読解して議論を深められたらと思います。| レポート作成を通じて、レポートの書き方なども指導していきます。
  • 基礎演習II, 2021, 前期の内容については、(基礎演習ⅡA 渋谷 小手川正二郎 金曜4限)を参照してください。後期の内容については、(基礎演習ⅡB 渋谷 小手川正二郎 金曜4限)を参照してください。
  • 基礎演習IIB, 2021, 現代哲学の一潮流をなす「現象学」は、われわれの日常的経験に立ち戻って「普通」に感じられている事柄を分析してそれを問い直す試みです。本演習では、平易な文章で書かれた『フェミニスト現象学入門—経験から「普通」を問い直す』第2部を用いて現象学の基本的な分析方法を学び、それを受講者一人一人が活用して自分の身体経験や身近な事柄、社会的問題を哲学的に思考し、議論していくことを試みます。| 第2部では、セクシュアリティ(同性愛・異性愛)、性別違和とトランスジェンダー、 男らしさ、人種、障害、老いを扱い、関連する文献も読解して議論を深められたらと思います。| レポート作成を通じて、レポートの書き方なども指導していきます。
  • 哲学特殊講義IIIA, 2021, 性差(ジェンダー)に関して、私たちはどのように哲学的に考えることができるのでしょうか? 近年、フェミニズム関連の書籍がこれまでにない売り上げを見せている一方で、フェミニズムに対して「過激」「攻撃的」といったイメージを抱く人も少なくありません。哲学においても、理性や客観性を重視してきた伝統的な哲学に対して、フェミニズムの側から男性中心的であるという批判が投げかけられてきました。| 本講義では、性にまつわる差別や抑圧をなくす政治運動としてのフェミニズムと、特定の政治的立場を前提としないとされる哲学の間で、いかなる関係や接合が可能かを受講者と一緒に考えてみたいと思います。授業では、「フェミニズムの哲学」をめぐる様々な立場を紹介すると共に、受講生が自身の性差、性的身体、男らしさ/女らしさといったジェンダー規範、セックスやポルノグラフィといった性に係わる事柄を、自分の頭で考えることを目指します。最終的には、性をめぐって異なる立場に立つ人たちの間で、実りある議論をしていくためにどうしたらいいのかを考えていけたらと思います。
  • 哲学特殊講義IIIB, 2021, 哲学や倫理学は、客観的な根拠や理性的な推論に基づく論証を通じて議論すると考えられてきました。しかし、哲学者も倫理学者も古来から、様々な文学作品を用いて思考したり、逆に作家が文学作品を通して哲学的・倫理的な思考を提示したりすることも稀ではありません。| 本講義では、たんなる例として文学作品を用いるのではなく、文学作品(の読解)を通して哲学的・倫理的思考を試みてきた哲学者たちを取り上げて、文学と哲学の接点や、文学(の読解や解釈)を通した哲学の可能性について、受講者と一緒に考えてみたいと思います。具体的には、文学とのつながりが深い実存主義哲学(サルトル、カミュ、メルロ=ポンティ、ボーヴォワール)や、分析哲学の伝統に属する女性哲学者たち(マードック、ヌスバウム、ダイアモンド、クラリー)による文学を通した哲学的思考について取り上げる予定です。また、日本の作家(大岡昇平、川上未映子、宇佐美りん等)の作品も取り上げて、そこからいかなる思考が可能かを受講生と一緒に考えてみたいと思います。| 最終的には、受講生が、自分が読んだ文学作品からいかなる哲学的・倫理的思考が可能かを、自分で考えて発表できるようになることを目指します。

オフィスアワーの実施時期・曜時

  • 2018

学外活動

学協会活動

  • 日本哲学会
  • 日本現象学会
  • 日仏哲学会
  • 新プラトン主義協会
  • メルロ=ポンティサークル
  • 日本現象学会