K-ReaD( Kokugakuin University Researcher’s Achievement)

大久保 桂子
文学部 史学科
教授
Last Updated :2019/04/02

研究者基本情報

氏名

  • 氏名

    大久保 桂子, オオクボ ケイコ

所属・職名

  • 文学部 史学科, 教授

学位

  • 文学修士

本学就任年月日

  • 1990年04月01日

研究分野

  • イギリス近代史

研究活動

論文

  • 「成立期のイギリス・ジャーナリズムにかんする覚え書き」, 『西洋史学』, 54, 69, 1981年12月01日, わが国では,本格的に論じられたことがなかったイギリスのジャーナリズムの成立事情を明らかにし,初期のジャーナリズムの特徴と発展の実態を論じたもの。初期の新聞の発行部数,編集方法,流通ルートなどを初めて明らかにし,さらに政治とジャーリズムの関係を指摘し,読者層の推定をおこなった。また同時代に発展した地方新聞の得意な性格にも言及している。
  • 「名誉革命体制とジャコバイト問題」, 『史学雑誌』, 29, 56, 1985年12月01日, ジャコバイト(名誉改革を否定し,前国王ジェイムズ2世およびその直系男子の王位を主張する勢力)を対象とする政治論文。名誉革命直後のイギリスの政治にジャコバイト問題がどのような影響を与えたかを,1701年の王位継承法および1702年の「放棄宣誓法」の成立過程を解明しつつ明らかにし,王位継承問題とフランスとの外交関係がイギリス国内のジャコバイト問題と密接に関わっていたことを論じた。
  • 「日曜は「読書」の日-都市民衆の活字メディア」, 川北稔編『非労働時間の生活史』, 65, 92, 1987年03月01日, リブロポート, 19世紀を中心に,近代イギリスの活字メディアの歴史を,とくに民衆の娯楽と情報伝達という側面からあとづけたもの。活字印刷とともに始まるブロードサイドやチャップブックなど民衆の「よみもの」の系譜と,18世紀に発展する新聞や雑誌との違いを歴史的に明らかにし,19世紀の大衆新聞の成立の背景を論じた。あわせて読み書き能力の浸透,新聞規制策の推移を指摘して,20世紀のマス・メディア成立への展望を示した。
  • 「サフラジストのアトリエから」, 『歴史評論』, 479, 84, 92, 1990年03月01日, 学術論文「シンボルとしての参政権」を発展させて,19世紀末から20世紀初頭のイギリスにおける婦人参政権運動を,女性のシンボリズムという視点からとらえなおしたもの。婦人参政権運動を単なる政治運動としてではなく,イギリス女性がデモやポスターを通じて自らを表現する文化的な機会であったことを指摘し,従来の女性史研究における婦人参政権運動の解釈を批判した。
  • 「ヨーロッパ「軍事革命」論の射程」, 『思想』, 1997年10月01日, 岩波書店
  • 「戦争と女性・女性と軍隊」, 『岩波講座 世界歴史25』, 1997年12月01日, 岩波書店
  • 「奨学金制度の課題-私立大学の視点から」, 『大学と学生』, 第7号(通巻481号), 6, 14, 2004年10月10日, 日本学生支援機構

Misc

  • J.P.ケニヨン『近代イギリスの歴史家たち』, 1988年10月01日, ミネルヴァ書房, 今井 宏、大久保桂子, 同書の翻訳を行った。
  • P.J.マーシャル/G.ウィリアムズ『野蛮の博物誌-18世紀イギリスのみた世界』, 1989年07月01日, 平凡社
  • ジェフリ・パーカー『長篠合戦の世界史-ヨーロッパ軍事革命の衝撃 1500~1800年』, 1995年07月01日, 同文舘
  • イエン・アング「中国語を話さないことについて」, 『思想』, 61, 87, 1999年09月01日, 岩波書店, 近年学問領域として確立されつつあるカルチュラル・スタディズの分野で、最近最も話題をよんだアングのディアスポラ論の翻訳。伝統的な学問分野を揺さぶるカルチュラル・スタディズのメッセージは多様であるが、インドネシア系在外中国人であるアング氏のアイデンティティに対する執拗なまでの追求は、日本の論壇でも大きくとりあげられた。なお歴史学とならんで、このような人文学の新しい分野の発言を翻訳紹介することも、ここ数年来の課題であり、今後の研究活動の目標である。
  • ディペシュ・チャクラバルティ「インド史の問題としてヨーロッパ」, 『別冊思想:トレイシーズ』, 第1号No.918, 11, 37, 2000年11月01日, 岩波書店, インド近代史、とりわけサバルタン・スタディズと歴史理論の分野で、現在第一線で活躍する歴史家チャクラヴァルティによる歴史論の翻訳。インド近代史研究が抱える西洋的歴史主義の呪縛を指摘し、ポストコロニアル状況における「ヨーロッパの地方化」を歴史研究の枠組み自体に導入するよう訴えたこの論文は、西洋近代のパラダイムを受け継いだ歴史学の発想が孕む「西洋」を問題化したコンテンポラリな力作である。なお、掲載誌『トレイシーズ』は、現代思想が抱える諸問題をグローバリゼーションのコンテクストで再検討することをめざして創刊されたカルルチュラル・スタディズのための多言語専門誌で、日本・韓国・中国・アメリカ合衆国・オーストラリア・ドイツで同時発行される。今後も編集協力者としてこの企画に参加するつもりである。
  • ウルリヒ・ヨハネス・シュナイダー「知の横領は海賊行為ではない」, 『別冊思想:トレイシーズ』, 第1号No.918, 200, 211, 2000年11月01日, 岩波書店, ドイツの若手哲学研究者による、「対話」「物語」概念批判論文の翻訳。知識が受容・継承される経路としての「対話」、過去からの伝統を秩序ある系譜として提示する「物語」(=歴史叙述)は、いずれも政治的差異と知的ハイアラーキーを内在していると論じ、知的理解とは他者の知的・文化的所有物を横領する行為に等しいが、そこに一定の文化伝達のルールが必要だと説く。なお、掲載誌『トレイシーズ』は、現代思想が抱える諸問題をグローバリゼーションのコンテクストで再検討することをめざして創刊されたカルルチュラル・スタディズのための多言語専門誌で、日本・韓国・中国・アメリカ合衆国・オーストラリア・ドイツで同時発行される。今後も編集協力者としてこの企画に参加するつもりである。
  • ジョン・ブリュア『財政=軍事国家の衝撃-戦争・カネ・イギリス国家 1688-1783』, 2003年07月01日, 名古屋大学出版会

著書等出版物

  • 『「非労働時間」の生活史』, リブロポート, 1987年09月01日
  • 『世界歴史大系 イギリス史2<近世>』, 山川出版社, 1990年03月01日, 今井 宏、清水祐司、小泉 徹、青木 康、大久保桂子, 16世紀から18世紀後半までのイギリス史の詳細な通史。大学における教育および研究の前提になるべく,最新の研究成果をとりいれた新しいイギリス史叙述を提供することをめざして政治史を中心に経済史,社会史も網羅している。執筆担当部分は,第7章と第10章で,前者では1660年の王政復活から1714年のハノーヴァ朝成立までの政治と外交を,後者では商業革命,都市ルネサンスなど,新たな視点をとりいれた社会史を記述した。
  • 『イギリス文化史入門』, 昭和堂, 1994年09月01日, 井野瀬久美恵、指 昭博、小関 隆、松浦京子、大久保桂子, 16世紀から現代までのイギリスを,文学や芸術など狭義の文化史ではなく,多彩な角度から分析しなおし,イギリス史理解の新しい展望と方法を提示した叙述。扱われるテーマは,階級,宗教と教会,余暇,メディア,老人と子供,女性,大英帝国内のコミュニケーションなどで,これらをとおしてイギリス社会の歴史が学ばれうる。分担執筆部分の第4章では読者とメディアの発展を16世紀以降現代まで跡づけ,第5章「軍隊と社会」ではイギリス人にとっての将兵の意味,軍隊観を紹介した。
  • 『ヨーロッパ近世の開花』(中公『世界の歴史』17), 中央公論社, 1997年03月01日
  • 『歴史学事典 第7巻〈戦争と外交〉』, 弘文堂, 1999年12月01日, 加藤友康、他218名, 歴史学のテーマ別事典として刊行が続いている『歴史学事典』第7巻に、編集段階で項目選定に協力し、西洋を中心とする軍事史関係の解説を25項目にわたって執筆した。2000字以上の長文の解説項目は次の通り。遠征、階級(軍隊の)、火薬革命、下士官、将校、軍医療制度、軍事革命、軍編制、攻囲戦、戦術、戦略、兵站、弓矢(ヨーロッパの)、海軍、軍艦、兵器。
  • 『西洋中世史研究入門』, 名古屋大学出版会, 2000年04月01日, 佐藤彰一、池上俊一、高山博、他33名, わが国最初の西洋中世史研究のための入門・案内書。巻末に詳細な文献目録を付す。主として史学科で西洋史を専攻する学生の指導を目的とするが、他分野の研究者の参考文献案内書としても役立つよう編集された。全18章から成り、前半はテーマ別、後半は地域別の構成で、各分野の第一線の研究者が各章の分担執筆にあたった。担当部分では、15からアンシャン・レジーム期にかけてのヨーロッパ史について、「近世」という時代像を明示し、国家形成とプロト工業化の研究状況と問題点を論じた。 /専門の研究者34名が執筆に参加し、最新の研究状況と書誌データを提供した日本最初の本格的な西洋中世史研究案内。対象時期は5世紀~16世紀。前半はテーマ別、後半は地域別の構成をとり、前者はゲルマンの部族国家から中世の民衆文化まで10のテーマを、後者ではイングランドからビザンツ帝国まで8つの地域を網羅する。学生だけでなく他分野の研究者の参照をも想定して詳細な文献データを付した。担当部分は第10章の<近世社会への展望>の項で、近年の西洋近世史研究の展開をもとに、中世と近世の連続と断絶の諸側面を整理して論じた。
  • 『ヨーロッパ近世の開花』, 中央公論新社, 2009年01月25日, 長谷川輝夫、土肥恒之, 1997年発行の中央公論社版『世界の歴史シリーズ』の改訂新版。旧版を加筆修正したうえ、旧版発行後10年間の研究を紹介し、ヨーロッパ近世史への展望を述べた「文庫版あとがき」を新たに書き下ろした。

その他

  • 学界動向:「回顧と展望/近代・イギリス」, 『史学雑誌』, 1999年05月01日, 343, 349, 前年の歴史学の業績と動向を分析紹介する『史学雑誌』第五号の例年の特集号で、近代イギリス史研究の部分を担当。98年の近代イギリス史の研究業績はおよそ200本に達したが、そのうちおよそ25点をとりあげ、エコ・ヒストリの登場、コロニアリズムと帝国史の関連、ブリティッシュ/イングリッシュ・アイデンティティの問題、ジェントルマン資本主義論の現状、先端の社会史研究の問題点等を指摘した。

競争的資金

  • 04610236, イギリス陸軍史および陸軍兵士と女性をめぐる社会史的研究, 平成4年度の本研究は,平成4年11月の追加交付決定後に開始された。現段階での研究成果は以下のとおりである。;1.イギリス陸軍兵士の募兵方法は20世紀初頭までvoluntaryであって,特に明文化された規定は存在しない。したがってその実態を16世紀にまでさかのぼって解明し,ミリシア(民兵隊)との連関,貧民・受刑者が兵士の供給源の1つであったことを確認し,都市部と農村部の差異について知見を得た。16世紀から18世紀までは,兵士の妻帯は特に禁止されていたわけではなく,18世紀以降に進行した兵舎(barrack)建設とともに,兵舎の収容能力と扶養の点から妻帯が徐々に否定されていったことを明らかにした。;2.1をうけて,兵士に対する結婚規制策が,18世紀以降の正規軍兵力の増強と民間人住居・施設への宿泊(billeting)の減少とともに,連隊単位で決定・実行されていたこと,したがってその実態も一様ではないことを究明した。;・4ヵ月間の成果は以上のとおりであり,今後は19世紀の兵士の妻帯をめぐる諸問題を追及していく予定である。
  • 03610204, イギリス陸軍史および陸軍兵士と女性をめぐる社会史的研究, 平成3年度の本研究は、平成3年11月の追加交付決定後に開始されたため、実質的には4カ月ほどの期間に限られた。その間の研究成果は以下のとおりである。;1.イギリス陸軍の制度史的研究;(1)近代陸軍成立にかかわるミリシア(民兵)の制の意義,および17世紀前半における「新規軍」,17世紀後半の常備軍成立にいたるイギリス陸軍の制度史上の連続と断絶を確認した。;(2)(1)をつうじて,ヨ-ロッパ近世・近代史における「軍事革命」テ-ゼが,当該期のイギリスに適合しえない事実を発現した。さらに、近年このテ-ゼをめぐって論争が発生し,むしろ18世紀にヨ-ロッパ軍事史上の転換を見出す見解も存在することに注目した。この間の論争はわが国ではほとんど紹介されていないため、Geoffrey Parker,The Military Revolution(Cambridge UP,1988)の翻訳出版を1993年度をめどに計画している。;2.近代イギリス陸軍の構造分析;(1)将校層の社会出自については,買官制の成立と展開について確認し,陸軍将技のジェントルマンシップとその限界について知見を得た。;(2)兵士の社会出自については、現在史料を収集中である。;3.陸軍兵士の社会史的考察;兵士の結婚規制策をめぐる諸問題について,現在史料収集と整理を進めている。なおこの部分の研究成果は1992年度西洋史学会大会(於東京大学)で報告する予定である。

教育活動

担当授業

  • 史学基礎演習B, 2019, 史学科2年次前期のこの演習では、歴史学の方法に習熟するために、西洋近代史を手がかりとした学習をおこなう。具体的には、①歴史学の専門論文の読み方、②専門論文をもとにしたレポートの書き方、③口頭発表と報告用レジュメの作り方、以上技法を習得することを目的とする。担当教員の専門はイギリス近代史である。そこで西洋近世・近代史の諸テーマを手がかりに、上の作業を通じて、西洋近代史を学ぶのに必要な基礎知識を習得してもらう。高等学校までの世界史学習とは異なる西洋史学の専門的方法にもふれてもらうことにしたい。
  • 史学基礎演習C, 2019, 西洋近代史を研究するのに必要な方法を習得し、西洋史の問題意識を育成するための演習。研究史の学び方に習熟し、日本語論文の学問的な内容を理解する訓練をおこなう。授業は日本語の研究論文の報告、ヒストリオグラフィの研究報告の二本立てとする。出席厳守。
  • 史学展開演習I(外国史), 2019, 西洋近代史研究の問題意識を鮮明にし、研究の方法論に習熟すること。卒業論文に結実する西洋史学の諸能力を研磨すること。以上を目標に、研究報告と英文読解を並行しておこなう。なお、3年生の卒論準備、および4年生に対する卒論執筆に向けた個別指導は、授業とは別におこなう。
  • 史学展開演習II(外国史), 2019, 西洋近代史研究の問題意識を鮮明にし、研究の方法論に習熟すること。卒業論文に結実する西洋史学の諸能力を研磨すること。以上を目標に、研究報告と英文読解を並行しておこなう。授業内容は、前期の「史学展開演習1」と継続しているので継続履修をしてもらいたい。なお、3年生に対する卒論題目指導は、授業とは別におこなう。
  • 史学基礎演習A, 2019, 史学科1年次後期の演習であることを踏まえて、2年次以降の学修に向けて基礎をかためるために、①歴史学の専門書と歴史読み物の見分け方、②歴史学の専門書の読み方、③専門書や論文をもとにしたレポートの書き方、④口頭発表のしかた、⑤口頭発表のための報告レジュメの作り方、以上5点の技法を習得することを目的とする。担当教員の専門はイギリス近代史である。そこで西洋近世・近代史の諸テーマを手がかりに、上の5つの作業を通じて、西洋近代史を学ぶのに必要な基礎知識を習得してもらう。高等学校までの世界史学習とは異なる西洋史学の専門的方法にもふれてもらうことにしたい。
  • 西洋史特殊講義, 2019, 21世紀に入って最も注目されているGlobal Historyという研究分野について、西洋史学の視点から検証を行う。Global Historyと英語表記にしたのは、日本においてグローバルヒストリという分野が認知されているとは言いがたいからである。しかし受講生は日本の歴史学のなかにいるので、この講義では、まず日本におけるカタカナのグローバルヒストリの多様性、及びいわゆる「世界史」との峻別をおこなう。次に、今日の歴史学でGlobal Historyが提唱されているコンテクストを理解し、過去20年にわたるGlobal Historyのヒストリオグラフィをたどる。以上を前提に、今日の歴史学がGlobal Historyの代表とみなすいくつかの歴史解釈(ブローデル、システム論、生態史、「大分岐」、勤勉革命など)をとりあげ、その方法と議論を紹介する。最後に、Global Historyに対する批判を考察し、Global Historyが今後どのような展開をたどりうるかを展望する。
  • 外書講読, 2019, 歴史学研究に必須の英語の読解力をつけるための演習授業。英語は今日の世界のリンガフランカ(世界共通語)であり、あらゆる学問研究にあって必須の言語である。特に史学科で外国史学(西洋史・中国史を除く東洋史)を専攻しようとする2年生には、ぜひ履修してもらいたい。この授業では、英語で書かれた文献及び資史料を読んで、英語による学問的議論の要点をつかむ訓練をする。受講生の英語力次第では、英文一次史料(すなわち古い英語)を読む練習にも取り組む。予習必須。各授業時に小テストまたはアサインメントに対する学修状況の点検を実施する。英語辞書(英英、英和いずれでも可)を授業時に持参すること。
  • 史学応用演習(西洋史), 2019, 4年次必修のこの演習は、史学科の学修の総仕上げとなるべき授業である。前期は、3年次までに学んできた西洋近現代史をさらに深化させるために、テーマ別研究報告を実施する。後期は、卒論の進捗状況報告をはさんで、英文テキストの読解を中心に授業を進め、適宜小テストを実施する。なおこの授業は3年生の展開演習との合併で行われるので、3年生に対して、西洋史の研究方法や研究テーマの絞り方などを積極的に教示できることが期待される。
  • 卒業論文, 2019

オフィスアワーの実施時期・曜時

  • 2018, 月曜11.00~12.00 1210研究室。

学外活動

学協会活動

  • 史学会
  • 日本18世紀学会
  • 西洋史学会