障がいのある子どもの余暇活動に対する支援について, 夏秋英房, 國學院大學人間開発学研究, 第8号, 171, 178, 2017年02月, 國學院大學人間開発学会
東ティモールにおける学校教育とカトリック教会:独立への歴史的経緯に注目して, 夏秋英房, 國學院大學人間開発学研究, 第7号, 135, 156, 2016年02月, 國學院大學人間開発学会
「学級に於ける言語-社会学的考察-」, 1985年01月01日, 本論文は、教育現象、とくに学級に於ける相互作用を、言語的コミュニケーションに焦点をあてて、言語社会学的に考察したゆくものである。とくにB.バーンスティンの教育的伝達論をもとに、社会現象としての言語活動を微視的な局面に於いて、記述・説明する視角からの研究である。まず、言語活動をめぐる諸科学を概観し、ついで社会学的方法と理論を提示し、授業研究の理論について検討した
「学級における言語的相互作用研究の視点と方法について(ノート1)」, 『上智教育学研究』, 第10号, 1, 9, 1985年03月01日, 学級内のコミュニケーションについて、B.バーンスティンの言語的社会化論をもとに、言語社会学の視覚から研究する方法とその意義を論じる。対面的相互作用の言語を環境との関連で記述することには2つの次元がある。ひとつは言語運用と文法の関係、いまひとつは会話の構造・機能と社会経済変数との関連である。学級で交わされる言語は、子どもの社会文化的背景を学級内へ媒介し、子どもの学級内での遂行にとって障壁となるのである。
「学級の相互作用研究の方法について-言語分析の観点から-」, 『聖徳学園短期大学研究紀要』, 第22号, 121, 129, 1988年12月01日, 学級内のコミュニケーションについて、教授論的な意味づけを授業分析にできるだけ持ち込まずに、むしろ言語学からの会話分析の枠組-すなわち文法と意味との間に状況が関与する根拠を根本的に明らかにしようとする立場からの研究方法について考察した。
「 私立短期大学研究についての一考察-カトリック系短期大学の動向を手がかりとして-」, 『聖徳大学研究紀要短期大学部』, 第24号(Ⅰ), 67, 77, 1991年12月01日, 私立短期大学教育の独自性を実証的に明らかにするための視点と方法を考察した。私立短期大学の中でも建学の精神を明確に持ったカトリック系短期大学に焦点をあて、その設立と発展の経緯を数量的に分析し学科開設の動向を類型化する試みを紹介した。
「地方都市における児童の食生活に関する実態調査-第一報:家庭・学校生活と食生活との関連-」, 『聖徳大学研究紀要短期大学部』, 第25号(Ⅰ), 253, 263, 1992年12月01日, 平成4年2月に実施した、科学研究費助成を受けた総合的調査のうち、高知市内の小3・小5・中2の児童・生徒を対象とした質問紙調査から、とくに小学生855名を対象とした分について分析し、報告した。分析の焦点は食生活と家庭・学校生活との関わりを構造的に明らかにすることである。成果としては、学校給食の楽しさが、児童の学校への適応傾向と強い相関があり、また塾通いや就寝時刻の遅さ、就寝時間の短さが児童の家庭での食生活に影響していることが明らかになった。
「カトリック教会における体験学習的生涯養成の試み-横浜教区「環境を考える集い」の事例研究-」, 『聖徳大学研究紀要短期大学部』, 第26号(Ⅰ), 137, 143, 1993年08月01日, 夏秋英房・佐伯節子, 【査読あり】成人を主な対象とした環境教育の、事例研究。事例は、カトリック教会の横浜教区が1991年に実施した「環境を考える集い」で、方法は参与観察法によった。この「集い」の実践過程を検討しながら、社会問題である環境問題を教会がその成員の養成課程で取り上げる意義と方法およびその問題点について明らかにした。根底には、キリスト教思想と環境問題の関連についての省察、第二バチカン公会議以後の教会変革の動きがある。
「地方都市における生徒の食生活に関する実態調査-第二報家族形態および母親の就労との関連を中心に-」, 『川並弘昭先生還暦記念論集』, 577, 591, 1993年12月01日, 聖徳大学出版会, 1992年2月に実施した、高知市内の小3・小5・中2の児童・生徒を対象とした質問紙調査から、とくに中学2年生365名を抜き出し、家族形態や母親の就労が生徒の食生活や生活習慣に及ぼす影響に焦点をあてて分析した。その結果、核家族であることや母親が就労していることが、子どもの食生活や生活態度に負の影響を及ぼしているとは一概に結論づけられないこと、むしろ、三世代家族に問題があることが明らかになった。
「地域社会に根ざした福祉教育の研究-福島県立川口高等学校の事例をめぐって-」, 『聖徳大学研究紀要短期大学部』, 第28号(Ⅰ), 33, 40, 1996年12月01日, 1993年の川並弘昭還暦記念論集に発表した福祉教育の社会学的な考察をふまえ、福島県立川口高等学校の10年間にわたる福祉教育の実践を、インテンシヴに調査した。奥会津の金山町という雪深い山村において、過疎と超高齢の社会において高等学校が存立の危機に直面しながらも、生徒の生活課題としての福祉と郷土理解を教育課程の中心に据えて、大胆に学校教育の革新を行っている。その経緯と成果を教育社会学の視点から分析した。
「子どもの遊びの変化とその要因についての一考察-「子どもの遊びと生活」調査の基礎集計をもとにして-」, 『聖徳大学研究紀要短期大学部』, 第30号(Ⅰ), 107, 113, 1997年12月01日, 夏秋英房・有働玲子, 3歳児から小学4年生までの母親を対象にした調査をもとに、3歳から10歳までの幼児・児童の遊び場所、遊び内容、遊び仲間、遊び時間を母子間、あるいは学年間で比較し考察した。聖徳大学児童学研究所・子どもの遊びと生活班が松戸市を中心に行った調査データを基に、とくに電子ゲームで遊び率が3歳から10歳にかけて単調に増加すること、また、塾・稽古事通いは3歳児ですでに4割を超え、4年生では85%に達することを指摘し、それと母親の遊びの意義についての意識との関わりを示唆した。
「児童の遊びに関する一考察」, 『児童学研究――聖徳大学児童学研究所紀要』, 第2号, 19, 24, 2000年01月01日, 本論文では、子どもの行動学研究会「子どもの遊び」調査の再分析を行った。外遊び以外の遊びの形態も子どもの基本的な遊び欲求に応える遊び足り得るのではないか、という視点から、子どもが遊び環境との関わりで遊び意欲を方略的に抱くものと仮説し、どのような遊び意欲を抱き、またそれが遊びの活動や仲間との関係においてどのように変化するのかを明らかにした。そこで、環境に合わせた遊び意欲の発露として、外遊びへの意欲、内遊び意欲と少人数交友意欲の3つを析出した。これらの遊び意欲はそれぞれに遊び内容と結びついているが、とくに少人数交友意欲は、多忙な生活の合間をぬって固定されたメンバーで効率よく遊ぶための遊びの形態と結びつき、電子ゲームなど新たな遊び財を使用した遊び活動の展開と関連するものと考えられた。また、葛藤経験をめぐって放課後の仲間関係の有無によって子どもの対処方略が異なり、その違いによって遊び意欲が内向きの指向をとってしまうかどうかの分岐点があることが明らかになった。
「千葉県市川市における2つの事業と児童の地域生活の形成」, 『児童学研究-聖徳大学児童学研究所紀要』, 第5号, 1, 11, 2003年03月01日, 千葉県市川市は1980年からスクールコミュニティ事業を展開した。それは学校と地域の連携・融合を大きく先取りする取り組みであった。ところが1996年からこの事業を解体し、学校と地域の機能を分化して地域の教育力を子どもの遊びを促進するボランティア活動を育成するナーチャリング・コミュニティ事業を立ち上げた。この経緯と先進性と課題を考察するとともに、市川市内の2つの中学校区の児童を対象としたアンケートをとおして、地域特性によって適切な事業の在り方が異なることを実証的に論証した。
「愛知県半田市の総合型地域スポーツクラブの展開と運動部活動」, 『聖徳大学生涯学習研究所紀要 生涯学習研究』, 創刊号, 15, 24, 2003年03月01日, 地域の生涯学習活動へと学校部活動が移行しつつある例として、半田市の総合型地域スポーツクラブの成立の経緯と学校・生徒への影響について調査考察した。生徒指導担当の一教員が地域と連携して生徒の生活改善を図るなかで成岩地区のスポーツクラブを結成し、それが全市的な展開を見せる過程を検証した。
「自然と観光の共生をめざした生涯学習-沖縄県国頭村におけるツーリズムによる村おこしの実践から-」, 『聖徳大学生涯学習研究所紀要 生涯学習研究』, 第2号, 21, 30, 2004年03月01日, 住民が自然と共生できる村おこしに取り組んでいる沖縄県国頭村の事例を取り上げ、面接聞き取り調査に基づいてその特質と課題を検討した。国頭村は独自のツーリズムの理念によって住民が学習活動を展開し、行政およびコンサルの支援を受けて協会を設立し、人材育成活動や体験プログラムの提供、学校教育や環境省野生生物保護センターとの連携による青少年の育成活動を展開している。本研究は平成15年度学術フロンティア推進事業の一部として実施された。
「小学生にとって勉強がもつ意味~過去20数年の調査を振り返って~」, 『児童学研究―聖徳大学児童学研究所紀要』, 第7号, 1, 15, 2005年03月01日, 子どもの行動学研究会が行った20数年にわたる調査モノグラフから、小学生の「勉強」に対する意識や実態の変化を追って社会的背景と関連づけつつ分析した。とくに勉強をめぐって「成績モノカルチャー」の支配がゆとり教育のなかで果たして軽減したのかどうかを蓄積されたデータに基づき検証した。
「中山間地における地域社会と中学生との関わり-長野県K中学校生と地域の大人との関係に焦点をあてて-」, 『聖徳大学生涯学習研究所紀要 生涯学習研究』, 第5号, 37, 42, 2007年03月01日, 夏秋英房・岡崎友典, 【査読あり】長野県K中学校2,3年の全生徒および保護者への意識調査の第1次集計結果を基に、K中学校の生徒が地域の大人とどのように関わっているかについて分析した。とくに大人が誉めることと叱ることと子どもの生活意識や態度の関わりについて考察した。
学生の集団・自然体験に関する一考察~2009年度総合講座の学生アンケートの分析を中心に~, 『國學院大學人間開発学研究』, 第1号, 78, 84, 2010年02月01日, 國學院大學人間開発学会, 宮川八岐, 【査読あり】「自然の中での集団宿泊や体験活動を通じて人間力を育成する」ことをテーマに、国立妙高青少年自然の家において人間開発学部1年生全員を対象に実施された総合講座について、事前・事後アンケートを行い、「生きる力」(IKR評定尺度)の変化と、指導者としての自覚の高まりとについて、総合講座が学生に与えた影響を検証し、改善すべき点を考察した。
地域芸能の継承様式の変容に関する社会学的研究~長野県小海町の人形三番叟をめぐって~, 國學院大學紀要, 49, 17, 40, 2011年03月01日, 國學院大學, 牧野修也, 長野県小海町親沢集落では、人形三番叟という芸能が特異な様式をもって継承されている。入会林など経済社会構造に裏付けられた集落のあり方が変容・崩壊するなかで、集落の青年層が子方となり、その親方、おじっつぁからの擬似家族的で閉鎖的な継承の様式が変容しつつある過程とその社会的な意味を社会学的な質的調査をもとに明らかにしている。
教員の「質保証」システムの一環としての教育インターンシップ~往還的な学びによる人間開発をめぐる一考察~, 國學院大學人間開発学研究, 第5号, 36, 44, 2014年02月28日, 國學院大學人間開発学会, 人間開発学部は初年次から卒業まで一貫して教育現場と連携した教員養成を志向してきた。2年次生以上を対象とした「教育インターンシップ」という実践体験型実習科目の教員養成カリキュラムにおける位置づけと意義を、自律的な質保証という観点から多元的に考察した。現場体験の質保証とはなにか、学校教育の相対的理解と教職へのアイデンティティ形成を学生自身が遂げていくことができる開放系としての組織モデルの開発を提唱した。
『地域における子ども・子育て支援の実情と大学における人材育成のあり方』(平成29年度國學院大學人間開発学部学部共同研究成果報告書), 夏秋英房, 國學院大學人間開発学部, 2018年03月
『地域コミュニティと教育~地域づくりと学校づくり』, 夏秋英房, 放送大学教育振興会, 2018年03月
『地域教育・保育支援プラットフォームの構築過程の研究』(平成27年度國學院大學特別推進研究助成金研究成果報告書), 夏秋英房, 國學院大學人間開発学部, 2016年07月
『教育の基礎と展開』, 夏秋英房, 学文社, 2016年04月
『地域社会の教育的再編'12』(放送大学ビデオ教材全15巻), 夏秋英房, 丸善出版, 2012年03月
子どもの視点にたって子どもと共に遊びを援助できる保育者の養成(平成26年度國學院大學「特色ある教育研究」報告), 夏秋英房, 國學院大學人間開発学部, 2015年03月
『教師のための教育学』, 建帛社, 1991年04月01日, 浅野博夫・夏秋英房・池田光・河田喬夫・古屋野素材・佐藤順一・百瀬和男, 第1章「人間観と教育目的」では第1節から第3節まで古代から近代にいたる変遷を述べたのを受けて、第4節では教育の社会的側面を、(1)社会的行為、(2)社会化、(3)近代公教育制度に分けて論じた。第5節では学校教員の性格と文化の特質を論じた。
『福祉コミュニティの研究』, 多賀出版, 1996年02月01日, 佐藤守・白鳥元雄・木村敬子・佐藤智美・高尾公矢・夏秋英房, 平成5~6年度文部省科学研究費補助金(一般研究(A)代表:佐藤守)の研究成果を中心にした研究書である。担当箇所はまず、第3章第8節「伝統的介護福祉コミュニティ-沖縄県平良市-」沖縄県平良市は宮古島の高齢者の生活実態を「潜在的介護力」を試算して分析した。また、市内でも伝統的に高齢者を敬う伝統の強い地区で聞き取り調査を行ない、労働形態が無償性原理から等量交換原理へ移り変わることと並行して高齢者の介護の在り方とその基盤としての家族関係が変化した過程を析出した。最後に平良市の高齢者福祉の今後の課題を指摘した。
ついで、第4章第2節「地域に根ざした福祉教育の実践」福島県立川口高等学校の10年間にわたる福祉教育の実践を分析した。超高齢社会の金山町にあって金山高校は学校存立の危機に直面しながら、地域社会と共にある学校つくりを、福祉教育を全教育課程の中核に据えて、福島県唯一の福祉コースを開設し全国でも先進的な取り組みを展開している。筆者は教育社会学の視点から、本校のカリキュラム改編の経緯と実践の形態を分析した。主体性・無償性・連帯性のエーストを醸成し地域の社会的連帯のネットワークのなかに生徒と学校を位置付けてゆく。福祉教育を推進することは学校教育を地域社会へと新たに開く革新の運動にほかならない。
『新・現代教育要論-教職教養の教育学』, 日本文化科学社, 2000年05月01日, 松島鈞・志村鏡一郎・天野正治・巽幸孚・古橋和夫・西屋成憲・夏秋英房・鈴木三平・長名洋次・大武茂樹・別府愛・佐藤淳介・田口康明, 社会化の観点から教育とはなにか。個人と社会は、文化を伝達する社会化の作用をとおしてどのようにつながるのか、(2)学歴社会が産業社会のなかで出現したのはなぜか。また学校教育システムはどのような社会的機能を果たしているのか、個別の学校教育は、どのように社会的に構成されているのか。以上の問いに答える形で、日常的に「あたりまえ」のこととして展開している教育活動の社会的意味を問うた。構成は第一節社会化と教育、第二節学校教育の拡大と社会的機能、第三節学校教育の組織と教師学校組織・カリキュラム・教育過程である。
『児童福祉の諸問題に関する基礎的調査』, ブレーン出版, 2001年01月01日, 深津時吉・松本祐子・大橋薫・高尾公矢・草野篤子・佐藤貴美子・山本ツタ子・会津力・加藤敏子・小杉洋子・木村敬子・夏秋英房・佐伯節子・片平敬子・白野幸子・阿部和子・細井雅生・藤野信之・寺村周一・長谷川彰, 高知市の児童生徒の生活を、健康と食生活の両面から分析した、文部省科学研究費補助金一般研究A(平成3~5年度、代表:大橋薫)の研究成果をまとめた。担当した第2章「児童生徒の生活と健康問題」は、学校生活における児童生徒身体的な健康と食生活は、その学習活動や意欲に全般的な関わることを考察した。質問紙調査の分析を元に、高知市の児童生徒の健康と食生活の問題を保健衛生学、栄養学、教育社会学の学際的な観点から分析し、食育の福祉的意義を実証的に検証したものである。構成は、第1節はじめに、第2節学校・家庭生活と健康問題、第3節食生活と健康問題、第4節保健室利用、である。
『福祉教育・ボランティア学習の構造と実践に関する総合的研究』, 2001年03月01日, 菊地栄治・伊藤隆二・岩崎久美子・永田佳之・夏秋英房・山崎美貴子・山本慶裕・横田正雄・井上健・大野道夫・沖清豪・加納明彦・佐藤全・井口高志・菊地みほ・仁平典宏, 本研究に研究分担者として参加した報告書である。執筆分担は第4章「地域学習を核とした福祉教育の事例」である。報告書の基調は、すべての人間が助け合い共に生きる社会を目指すことが福祉と教育の根本的課題であるとらえる視点にある。事例として福島県立川口高校では、過疎の町にある高校という条件を積極的に活かして、「地域学習」を核として全体のカリキュラムを構成している。地域課題を学習課題とし、郷土教育と体験的な学習とを組み合わせることによって、生徒の価値形成とキャリア形成を実現した優れた実践である。そのカリキュラムと教育成果と金山町の地域課題との関連ついて、インタビューや実践記録をもとに分析した。
『特別活動の家庭・地域社会への連携・移行過程に関する研究』, 平成9年度~11年度科学研究費補助金(基盤研究C―2)研究成果報告書(研究代表者:夏秋英房), 2002年11月01日, 日本学校心理学会 (編集)・福沢 周亮 (編集)・ 小野瀬 雅人 (編集)・ 石隈 利紀 (編集), 学校教育の特別活動の領域を、地域と連携あるいは統合していく移行過程にあると考え、その移行形態を4様態あると仮説した。カリキュラム統合型、地域社会教育移行型、地域事業・学校教育連動型、地域活動移行型である。その様態を規定する地域条件と、移行過程にある組織・運営・政策的課題を検討し、さらに移行によって子どもの生活体験がどのように変質するかを明らかにしようとした。構成は、第1編:理論編、第2編:特別活動の移行事例(北海道苫小牧市、岩手県胆沢町、東京都品川区)、第3編:街づくりに関わる事例(千葉県市原市、千葉県浦安市、三重県伊勢市、愛知県半田市、千葉県市川市)である。
特別活動の領域が学校から地域社会へと移行する場合に鍵となるのは児童・生徒と地域住民との人間関係の結節と地域参加体験の積み重ねである。子ども自身が地域参画をとおして自己決定の機会に恵まれ、自己指導能力を発揮し、生涯学習や地域作りに取り組む地域住民との共感をとおして地域意識を高め、市民としての自己のあり方を認識し主体性や社会性、参画意欲を形成していくことができる。体験的な活動をとおして子どもの価値態度の形成が図られるからである。
『学校心理学ハンドブック~「学校の力」の発見』, 教育出版, 2004年05月01日, 日本学校心理学会 (編集)・福沢 周亮 (編集)・ 小野瀬 雅人 (編集)・ 石隈 利紀 (編集), 日本学校心理学会編の大項目形式のハンドブック。第1章 学校心理学とは何か(学校心理学の意義、学校心理学の内容ほか)、第2章 学校心理学の扱う領域―学校教育をめぐる課題を理解する(子どもをめぐる課題、家庭をめぐる課題 ほか)、第3章 学校心理学に基づく実践―心理教育的援助サービスの方法を知る(心理教育的アセスメント―子どもと子どもをとりまく環境の理解カウンセリング―直接的な援助サービスとして ほか)
第4章 学校心理学を支える心理学・行動科学的基盤―関連の深い学問領域の理解(育つこと―発達心理学的基盤、学ぶこと・教えること―教育心理学的基盤 ほか)、第5章 学校心理学を支える学校教育学的基盤(教育学学校組織・教育制度 ほか)
『少子社会における子どものための地域活動の展開(学術フロンティア推進事業第2部門「少子社会における青少年の健全育成」平成16年度研究成果報告書)』, 聖徳大学生涯学習研究所(平成15年度~19年度学術フロンティア推進事業『少子・高齢社会の活性化』に関する総合的な研究』), 2005年03月01日, 夏秋英房・齊藤ゆか・細戸一佳・西村美東士・有働玲子, 主任研究員として4名の学内研究員とともに執筆した。構成は、1.少子社会における地域活動をめぐる諸課題、2.ボランティア学習・教育の国内外の展開、3.学校と地域社会の連携による道徳教育、4.自然と観光の共生をめざした生涯学習、5.若者にとっての「地域」、6.地域社会・家庭・学校における読み聞かせ運動、である。このうち1と4を執筆し、1においては、私的利害を基盤としながら「私」をこえて創る「共」の領域(共同性)と相互性の先に公共性が、子どもを含む中間集団を形成する過程として地域活動のなかで展望できることを論じている。2においては、自然資源を活かしたまちづくりに取り組む沖縄県国頭村における成人の生涯学習活動と児童・生徒の環境教育の関わりをヒアリング調査をもとに考察した。
『全国生涯学習市町村協議会・第2分科会[編]「市民が主役の生涯学習まちづくり」における市民参画の実態と効果的な形態に関する研究報告書』, 全国生涯学習市町村協議会, 2006年03月01日, 福留強・清水英男・西村美東士・夏秋英房・齊藤ゆか・松澤利行・豊村泰彦・赤崎隆三郎・工藤日出夫・坂井茂子・関福生, 文部科学省委託研究『継続的な地域づくりの「仕組み」に関する調査研究』の第2分科会を全国生涯学習まちづくり協会が受託して研究報告した。執筆分担箇所:「広島県瀬戸田町の事例~合併を前にして住民主導のまちづくりに取り組む「創年」たち~」「千葉県市川市にみる市民が主役のまちづくり~コミュニティサポートシステムの取り組みを中心に~」。瀬戸田の事例では、尾道市への併合合併を目前にして、行政ではなく生涯学習講座の学習成果を地域に還元しようという住民の活動の経緯と成果をまとめた。市川市の事例ではコミュニティサポートシステムを新たに構築し、各学校に専門の主任を置くなど学校と地域が連携する仕組みを充実し、2004年からはナーチャリングコミュニティ事業をコミュニティクラブ事業へと発展させた。その現状と成果を学区の特性を踏まえつつ検証した。子どもの健全育成の方策は、地域特性を踏まえて、住民の流動性の高い地域ではイベントを中心に、低い地域では旧来からの地元の人間関係も含めた継続型の活動の展開が有効である。
『子ほめ運動と地域の教育力の向上に関する研究(学術フロンティア推進事業平成17年度研究成果報告書第2部門)』, 聖徳大学生涯学習研究所(平成15年度~19年度学術フロンティア推進事業『少子・高齢社会の活性化』に関する総合的な研究』), 2006年03月01日, 清水英男・夏秋英房・細戸一佳・木村善保・有働玲子, 「児童・生徒の表彰に関する条例・規則」(略称:子ほめ条例)を制定している21の市町村の事例を元に、子どもを地域ぐるみで見守り評価し顕彰することが青少年の健全育成に果たす意義と効果を研究した。執筆を担当した第2章では、家庭や地域社会で子どもを誉めることの意味を、社会化の視点から原理的に考察したのち、実証的に検証した。家庭については全国調査データを再分析した。親から誉められ、かつ叱られる子どもは肯定的な自己イメージを抱き、成績や人間関係、地域生活に満足する。また思春期になっても子どもを誉めかつ叱る親は子どもの相談相手となると同時に、自律性を尊重している。地域社会については中山間地での調査データから、地域住民に誉められることで社会規範を伝達され、地域住民を重要な他者として判断や行動の準拠枠とすることを論証した。子どもを家庭と地域社会で誉めて育てることは、子どもの健全な価値意識形成の鍵となる。
『教職入門~未来の教師に向けて~』, 萌文書林, 2007年04月01日, 古橋和夫・矢萩恭子・寺田博行・夏秋英房・西智子・塚本美知子・森田司郎・野上遊夏・細戸一佳・吉田佐治子・柴山英樹・田口康明・大澤裕, 幼稚園教諭及び小学校教諭教職課程履修者を主たる対象としている。執筆を担当した第4章「現代社会の子ども」では、高度経済成長期以降、子どもたちの生活世界は大きく変容し社会化環境は構造的に変動してきた。教育社会学の視点から、幼児及び児童の生活世界の現状を検討し、地域社会が幼児期から児童期の社会的発達にとってどのような意味があり、またそれをどのように再構築していけばよいかを園や小学校の教師の資質の養成を主眼において考察した。構成は、第1節:子どもの社会的発達の過程と社会化、第2節:社会的発達環境の変容、第3節:仲間集団の現状と子どもの社会的発達、第4節:地域社会の教育力の再構成、である。
『地域教育の創造と展開~地域教育社会学~』, 放送大学教育振興会, 2008年03月01日, 岡﨑友典・高島秀樹・夏秋英房, 教養学部の印刷教材として本書を作成し地域教育の理論的考察を主として行い、併せて放送教材において各地の事例を取材して紹介している。第8章「地域福祉と教育」、第9章「地域社会の活性化と教育事業」、第10章「国際化と地域社会~多文化共生と教育~」、第13章「コミュニティ・アートと地域スポーツ」の4章を執筆し、それぞれの地域課題に対応した地域住民の教育・学習活動によって地域社会の課題解決や活性化がなされると共に、住民自身の自己変容過程が存在することを主眼に各章で理論的にまた事例をもとに考察を進めた。
『中山間地における地域社会の変容と子どもの生活~長野県・組合立小海中学校区における調査から~(学術フロンティア推進事業第2部門「少子社会における青少年の健全育成」平成19年度研究成果報告書)』, 聖徳大学生涯学習研究所, 2008年03月01日, 岡﨑友典・春日清孝・牧野修也・岩瀬章良・富江英俊・竹内弘枝・夏秋英房, 学術フロンティア推進事業第2部門の研究として、放送大学「地域の教育」研究会(代表:岡﨑友典)と共同して、長野県の組合立小海中学校区の生徒、保護者、地域住民を対象とした調査票および面接調査によって、中山間地の持つ地域特性と変容の過程をとらえ、子どもの地域活動や地域観と社会的発達の関連を、地域社会学、教育社会学および家族心理学の視点から分析し、考察し、青少年の健全育成に関わるまちづくりの提言を行った。第1章第5節では、テキスト分析システム「Mining Asistant」を使用して、生徒の地域観に関わる自由記述回答の分析を試みた。地域観は子どもの地位参加の度合いによって左右されることが明らかになった。
第4回東京都子ども基本調査報告書『大都市における児童・生徒の生活・価値観に関する調査』, 東京都生活文化局, 1987年12月01日, 武内清・樋田大二郎・油布佐和子・酒井朗・上杉賢士・菊地栄治・夏秋英房・久慈洋子・望月重信・志水宏吉, 3年ごとに実施される都内の小学3年生・小学5年生・中学2年生約2000名とその父母をペアリングした調査の分析報告書。担当箇所:第8章「母親のしつけ、ライフスタイルと児童・生徒の生活」内容:新しい傾向として「ニューマザー」を折出し、そのタイプの母親が子どもの学校・家庭生活全般にわたって好影響を与えていることを見出した。
第5回東京都子ども基本調査報告書『大都市における児童・生徒の生活・価値観に関する調査』, 東京都生活文化局, 1990年10月01日, 武内清・樋田大二郎・浜名陽子・渡部真・木村敬子・上杉賢士・藤村素子・菊地栄治・大野道夫・吉原美恵・河野銀子・伊藤茂樹・夏秋英房・望月重信・北村久美子, 東京都の小学3年生・小学5年生・中学2年生約2000名とその父母を対象に平成元年に行われた調査の報告書である。執筆分担:「母親の就労と児童・生徒の生活」第12章。内容:母親の就労の実態を、子どもの学年・性別、学歴と関連させ、また、それが父親から受ける影響、そして子どもの生活に与える影響を分析した。母親の就労は多様な構造的関連の所産であり、また、就労を援助する社会的資本(施設などの公共財)が不十分な中で就労率のみ上昇している。
第6回東京都子ども基本調査報告書『大都市における児童・生徒の生活・価値観に関する調査』, 東京都生活文化局, 1993年10月01日, 武内清・樋田大二郎・河野銀子・伊藤茂樹・渡部真・永井聖二・菊地栄治・吉原美恵・大野道夫・木村敬子・
夏秋英房・望月重信・深谷野亜・布村育子, 東京都の小学3年生・小学5年生・中学2年生2001名とその父母を対象に平成4年に行われた調査の報告書である。執筆担当はまず、第9章第1節「母親の子どもへの関心・態度と子どもへの影響」で、母親の関心は学校・成績面で強まっており、家族中心のライフスタイルが増加する傾向がある。しつけや教育について両親が意志を疎通することが子どもに影響するなどが明らかになった。つぎに第11章「母親の就労と児童・生徒の生活」で、母親の就労とそれが児童・生徒に及ぼす影響について分析した。内容は1.母親の就労を左右する条件、2.母親の就労の児童・生徒の生活への影響、3.母親の就労と親子関係である。母親の有職率は3年間で4%伸びた。母親の就労と子どもの成績との関連は、学歴を統制すれば有意差はなかった。母親の就労によって、しつけや庇護的態度の有無に差が見られた。
第7回東京都子ども基本調査報告書『大都市における児童・生徒の生活・価値観に関する調査』, 東京都生活文化局, 1996年10月01日, 武内清・樋田大二郎・河野銀子・鈴木匡・永井聖二・菊地栄治・吉原美恵・渡部真・夏秋英房・木村敬子・大野道夫・望月重信・深谷野亜・黄順姫, 東京都の小学3年生・小学5年生・中学2年生約2000名とその父母を対象に平成7年に行われた調査の報告書である。今回は第9章を担当した。私生活志向が強まっていることともに、テレビのしつけをする家庭が減少したこと、父母のコミュニケーションが多いと母親が安定し、子どもと父親の関係がよくなり学習面・生活面で好影響があること、子どもの自立に不安があったり規範意識が崩れてきたりすると、母親は子育てに自身を失う、などの点を明らかにした。
第8回東京都子ども基本調査報告書-『大都市における児童・生徒の生活・価値観に関する調査報告書』, 東京都生活文化局, 1999年11月01日, 武内清・浜島幸司・河野銀子・永井聖二・布村育子・住田正樹・中田周作・志田倫子・菊地栄治・吉原美恵・夏秋英房・木村敬子・黄順姫・望月重信・深谷野亜・大野道夫・渡部真・樋田大二郎・堀健志・岩瀬章良, 東京都の小学3年生・小学5年生・中学2年生約2000名とその父母を対象に平成10年に行われた調査の報告書である。とくに今回は、母親の子どもへの関心が勉強中心から共に楽しむことへとかわり、子育てを楽しむ母親が増加した。また、テレビに関わるしつけがこの10年間で弱まったことが特徴的であった。また、分析においては、「父母コミュニケーション度」を指標としたことと、テレビ視聴規制に焦点をあてたこと、育児不安についての自由記述を分析したことが新たな試みである。
子どもの発達社会学--教育社会学入門, 北樹出版, 2011年01月25日, なぜ日本では少子化傾向が極端に進んでしまったのか。また、少子化によってどのような教育課題に直面しているかを概観し考察した。構成は、第1節:家族の変質と少子化の深刻化、第2節:少子化と教育課題、第3節:子どもへの教育投資と「子どもの貧困」の拡大、第4節:少子社会を生きる子どもの発達を保障するために、である。
『子どもの教育の原理~保育の明日をひらくために』, 萠文書林, 2011年10月05日, 齊藤美代子、西智子、松浦真理、村田カズ他全12名, 乳幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う、きわめて重要な時期であり、また子どもが自ら伸びよう、成長しようとする自発性と能動性に富んだ時期である。幼児教育や保育について生涯学習の視点から捉え直し、日本と国際社会の保育観や調査データをふまえて、保育者の今後の課題を考察する。
地域社会の教育的再編~地域教育社会学~, 放送大学教育振興会, 2012年03月20日, 岡崎友典, 地域社会が構造的に大きく変容するなかで、住民はさまざまな生活課題に直面している。住民が多様な学習活動や教育事業をとおして地域課題に対応し、あらたな地域社会の形成と活性化に取り組んできた歴史と現状を理論的に、また事例を挙げながら考察した。印刷教材に合わせて放送教材(テレビ)を作成した。
「対面的相互作用における言語的コミュニケーション」, 第38回日本教育社会学会(京都大学), 1986年10月01日, 学級におけるコミュニケーションを言語社会的視覚から解明するための、言語学および言語社会学的基礎についてとくに非言語的交渉の分析方法に焦点を当てて論じた。
「短期大学教育の現状と革新動向-カトリック系短期大学の特質を中心に-」, 第13回日本カトリック教育学会(明の星女子短期大学), 1988年09月01日, 夏秋英房・井上健, カトリック系短期大学を全国の短大の40年の軌跡と比較しながら、開設校数や学科開設の動向、学校法人の特徴など数量的に把握できる諸側面から、カトリック短大の特質と今後の「学校淘汰」の時代に向けての問題点を明らかにした。
「環境教育のカトリック的意義と方法-横浜教区における体験学習的生涯養成をとおして-」, 第16回日本カトリック教育学会(長崎純心女子短期大学), 1992年09月01日, 生涯学習のひとつとして環境教育を行う場合、主催する団体によりその特質が内容や方法に反映するものである。カトリック教会がその構成員の養成の一貫として実施した1年間のプログラム(1991年度)を事例として取り上げ、環境問題や生涯学習が教会の世界観、価値観、信徒観などに根本的な見直しを促すことを報告した。
「保健室に来る子と来ない子の健康、学校生活、家庭生活の相違点」, 第39回日本学校保健学会(名古屋中小企業振興会館), 1992年11月01日, 片平敬子・白野幸子・夏秋英房, 1992年2月に実施した、高知市内の小3・小5・中2の児童・生徒を対象とした質問紙調査から、とくに中学生を対象に保健室の利用状況と、家庭・学校生活との構造的関係を分析し、報告した。とくに従来の「保健室に来談する生徒の分析」ではなく「保健室に来ない生徒」に焦点を当て、問題を抱えた生徒が潜在化している様相を明らかにしようとした。
「子どもの食生活とその影響に関する一考察-高知市における調査研究を中心として-」, 第46回日本教育社会学会(椙山女学園大学), 1994年10月01日, 1992年から93年にかけての共同研究の成果として、高知市内の小3・小5・中2の児童・生徒を対象とした質問紙調査から、とくに児童生徒の食生活とそれを左右する要因との関連の分析結果を発表した。
「家庭の情報環境と小学校におけるコンピュータ利用」, 日本教育情報学会第14回年会(聖徳大学), 1998年08月01日, 情報環境としての家庭においては父母が子どもの情報活用モデルであること、また、家庭の情報環境の格差が学校における情報教育への適応を左右することを、報告した。
「コミュニケーション能力形成に関する母親調査とその考察」, 第50回日本教育社会学会(大阪大学, 1998年10月01日, 聖徳大学児童学研究所の「子どもの遊びと生活」班の共同研究の成果から、母親の子どもへの関わり方が幼児から児童期の子どものコミュニケーション能力に影響することを類型化して報告した。
講演:「電子メディアと子どもたち」, 日野市立東光寺小学校家庭教育学級, 1999年01月01日, 子どもと電子メディアとの接触・遊びの意味を既存の、また直近のデータを元に考える。
「電子メディアと子どもたち」, 聖徳大学児童学研究所研究会例会, 1999年02月01日, 幼児と児童の電子メディアとの関わりを、聖徳大学児童学研究所の「子どもの遊びと生活」班の共同研究の成果から報告した。
「子どもたちの「遊び」体験に関する考察」, 日本子ども社会学会
第6回大会(龍谷大学), 1999年06月01日, 夏秋英房・中澤智恵, 子どもの行動学研究会が行った調査について、すでにベネッセ教育研究所からモノグラフとして報告書を刊行したが、さらに分析枠組みを精緻化して報告した。その内容は、聖徳大学児童学研究所紀要第2号に論文として掲載した。
「遊びを通して育む多様な人間関係を考える ~遊びによって育まれるもの~」, 川崎市中原市民館「家庭教育学級」, 2002年11月01日, 子どもの発達にとって、遊びが持つ意味を、とくに人間関係を中心に、さまざまなデータを紹介しながら論じた。
「主題:子どもを知る 話題:小学生にとっての『勉強』~過去10数年の調査を振り返って~」, 聖徳大学児童学研究所 研究会(聖徳大学), 2004年10月01日, 子どもの行動学研究会が約20年間行ってきた調査の蓄積から、子どもの「勉強」の様態や意味づけ、動機付けの変化について論じた。
講演:「いま、子どもの生命の力を育むには (1)生活リズムと遊び」, 社会福祉法人小鳩会 つくし保育園(埼玉県三郷市), 2004年11月01日, 保育園の園児にとって、保護者の帰宅時間に合わせるためにどうしても就寝時刻が遅くなるなど、生活リズムが狂いがちである。遊びをとおして生活リズムを取り戻そう。
講演:「いま、子どもの生命の力を育むには (2) 学びと遊び」 , 社会福祉法人小鳩会 つくし保育園(埼玉県三郷市), 2005年02月01日, 保育園の園児にとって遊びとはなにか。テレビゲームの功罪とともに、遊びを通して成長する幼児の学びの過程を知る
「地域教育の形成と変容~市川市のコミュニティサポートシステムの取り組みを中心に~」, 日本青少年育成学会第6回研究集会(聖徳大学), 2005年09月01日, 千葉県市川市が30年来取り組んでいる地域教育事業の最新のものとして、コミュニティサポートシステムの現状とその効果を学区の特性を踏まえつつ整序して発表した
「PTAと学校の連携の現状と課題」, 平成17年度千葉県東葛地区社会教育振興大会シンポジウム, 2005年10月01日, 学校教育活動に地域の特性がどのような影響を及ぼすか、また、学校評議員制をめぐるPTAの認識や参加意欲などのデータをもとにPTAの課題を指摘した
「中山間地における地域社会と家族と教育に対する意識-長野県K中学校親子調査の結果から-」, 日本教育社会学会第58回大会(大阪教育大学), 2006年09月01日, 岡崎友典・春日清孝・牧野修也・夏秋英房・冨江英俊・岩瀬章良, 長野県K町K中学校の生徒と保護者を対象にして地域との紐帯や地域意識、教育観などについて親子セットの調査票調査と聞き取り調査を実施した。その第1次集計の報告を行った。とくに、地域住民との関係や携帯電話使用の実態について報告を分担した。
講演:「子どもの成長発達と社会関係」, 東京都江戸川区BBS会・保護司会学習会, 2006年11月01日, 東京都江戸川区BBS会と保護司会の学習会において、子どもの社会的発達の基礎的な概念と、子どもの生活環境の構造的変容の過程、地域づくりと地域社会の教育力の再構成という課題について講演した。
「中山間地における地域社会の変容と子どもの生活」, 日本子ども社会学会 第14回大会(昭和女子大学), 2007年07月01日, 岡崎友典・春日清孝・牧野修也・夏秋英房・冨江英俊, 長野県K町K中学校の生徒と保護者を対象にした調査票調査と、住民への聞き取り調査を前年度から実施してきた。そのうち、地域社会の変容と子どもの自然観、地域活動と人間関係、道徳観の形成との関わりについて報告を行った。
「中山間地における地域社会と家族と教育に対する意識Ⅱ~長野県K中学校区調査の結果から~」, 日本教育社会学会第59回大会(茨城大学), 2007年09月01日, 岡崎友典・春日清孝・牧野修也・夏秋英房・冨江英俊・岩瀬章良, 長野県K町K中学校区での質問紙調査の結果を踏まえ、さらに地域住民や行政の福祉・社会教育担当者や学校校長への面接調査を踏まえ、自由記述の分析を行った。とくに子どもの地域活動の内実と地域観との関係や、携帯電話使用の意味について分析を担当し、報告した。
地域文化の生成/伝承を通した学び環境構築の試みと可能性について, 日本子ども社会学会第17回大会(京都女子教育大学), 2010年07月04日, 地域文化はあるとき生成され、長年にわたり継承されてきた。それは人びとを統合しまた排除する機能をもっていた。地域文化の意味を理論的に整序すると共に、その文化政策の在り方について考察する。取り上げる事例は長野県小海町松原地区と同親沢地区に継承されてきた地域祭礼および芸能である。
『地域コミュニティと教育'18』(放送大学ビデオ教材、全15回) , 放送大学, 2018年04月, 玉井康之 岩永雅也 宮田美恵子
「米国における政教分離とカトリック学校」, 『カトリック教育研究』, 第4号, 日本カトリック教育学会, 1987年07月01日, 80, 81, 【査読あり】“カトリック教育の動向”欄に執筆。アメリカ合衆国における公教育と宗教(キリスト教)との関係は微妙な関係をはらんでいる。合衆国の教育政策の流れを概括し、教育と宗教の関係を裁いた連邦最高裁の判例を紹介し、レーガン政権下でのカトリック教会と学校の反応の過程を文献を元にまとめた。
「母親は変わったか-若い世代のお母さん-」, 『モノグラフ小学生ナウ』, Vol.17-1, ベネッセ教育研究所, 1997年05月01日, 深谷昌志・深谷和子・熊沢幸子・石川洋子・夏秋英房・川村真理子・中澤智恵・網野武博, 幼稚園児から小学1年生までの子どもの母親を対象に行った質問紙調査の分析報告。母親のジェンダー観には個人的属性が反映するが、性役割を受容するかどうかは生活への満足度が反映し、満足しているほど性役割を受け入れ、伝統的なジェンダー観を保持していることを明らかにした。
「子どもとメディア」, 『モノグラフ小学生ナウ』, Vol.17-2, ベネッセ教育研究所, 1997年11月01日, 深谷昌志・田村毅・夏秋英房・遠田瑞穂・井上健・中澤智惠, 首都圏4県の小学5、6年生を対象にした質問紙調査の報告。家庭間、学校間の情報格差がどのように子どもの生活や学習に影響するかを検証した。家庭のパソコン所有によって子どものパソコン体験が変わり、父親がメディア活用モデルとなる、また、学校がメディア教育に取り組んでいると子どものパソコン体験が増える。パソコンは楽しい道具であり、かつ課題として子どもに受け止められる。授業への導入はゲーム感覚のソフトから始めたほうが抵抗が少ない。
「子どもたちの遊び」, 『モノグラフ小学生ナウ』, vol.19-1, ベネッセ教育研究所, 1999年07月01日, 深谷昌志・井上健・三枝惠子・遠田瑞穂・及川研・中澤智惠・夏秋英房・深谷和子, 執筆担当は、第6章「遊びに対する意欲と経験」である。遊びについての意欲と子どもの仲間関係に中心をおいて、子どもが本来持っている遊び欲求が、仲間関係などの社会化環境により異なった遊び意欲をもつと仮説を立て、調査を行った。「子どもが遊びの中で経験すること」「3つの遊び意欲」「仲間同士の葛藤と遊び意欲」「すきま遊びと遊び意欲」について報告した。
「子どもは変わったか」, 『モノグラフ小学生ナウ』, vol.19-3, ベネッセ教育研究所, 2000年02月01日, 深谷昌志・夏秋英房・遠田瑞穂・中澤智惠・島田美佐江・土橋稔・戸塚智・深谷和子 , 子どもの行動学研究会がおおよそ20年前に行った調査から抽出した質問項目を使って現代の児童に調査を行い、その変化を見た。「学習、遊び、一日の充実」「食生活をめぐって」分析し報告した。
『胆沢町第3次教育課題調査報告書胆沢町教育課題-21世紀への提言--』, 岩手県胆沢町教育委員会, 2000年03月01日, 深谷昌志・夏秋英房・中澤智惠・井上健・三枝惠子・深谷野亜, 岩手県胆沢町の教育計画策定のための基礎調査を1年間実施し、保護者の子育てや小学生について生活時間、放課後の過ごし方、親の姿、自己像、将来像、胆沢町への愛着についてまとめながら、提言を行った。
「子どもの放課後」, 『モノグラフ小学生ナウ』, vol.21-3, ベネッセ教育研究所, 2002年02月01日, 深谷昌志・戸塚智・島田美佐江・夏秋英房・三枝惠子・深谷昌志・深谷和子, 子どもの生活空間としての地域に焦点をあて、子ども達の放課後の生活や地域社会とのつながりを検証し、地域の自然や施設、地域住民、親の地域活動への参加との関わりを検証した。とくに地域への感情を分析し、地域住民との関わりの深さが子どもの地域生活の質を左右していることがわかった。
「小学生にとっての「勉強」」, 『モノグラフ・小学生ナウ』, vol.24-1, ベネッセ教育研究所, 2004年07月01日, 深谷昌志・三枝惠子・木村治生・夏秋英房, 教科の学習時間と内容が削減され、学力低下が社会問題となるなかで、小学生の勉強の実態と意識を明らかにすることを目的としたモノグラフである。構成は、「「勉強がわからない」のとらえ方」「学校での勉強」「家庭での勉強」、「小学生の勉強観」(執筆担当)、「まとめに代えて」である。
「モノグラフにみる小学生のすがた」, 『モノグラフ・小学生ナウ』, 特別号, ベネッセ教育研究所, 2005年03月01日, 深谷昌志・深谷和子・土橋稔・三枝惠子・熊澤幸子・夏秋英房・川村真理子・小川正代・及川研・斎藤浩子・石川芳子・平野真穂, 1981年に創刊され、24年間にわたって小学生とその保護者を主な対象として181本の調査データを積み重ねてきた『モノグラフ・小学生ナウ』の休刊にあたり、この間の子ども像や生活の変化を描いた。担当は第6章「地域と放課後」で、とくに学校週5日制導入の前後の変化や、学習意欲と家での学習習慣の低下について指摘した。
「ネットワーク家族」, 『応用倫理学事典』(編集代表 加藤尚武), 丸善, 2008年01月01日, 898, 899, 大項目形式の事典で、小此木啓吾が唱えた「ネットワーク家族」という概念の意味とその時代背景、アメリカの家族構造の多様化・複雑化と日本の家族の変容の見通し、そしてこの概念の変遷と現代社会にもつ意義について、小此木の著作や現代のこの用語の用法に当たりながら批判的に紹介した。
「子ども活動」, 福留強監修、齊藤ゆか、河井隆仁編『創年のすすめ』, ぎょうせい, 2008年02月01日, 193, 204, 団塊の世代が定年を迎えて地域活動を活発に展開し始めるときの1つのターゲットとなる「子ども活動」について、その意味と視点、歴史的にみて「子宝」としての子どもと子ども文化の誕生が江戸時代に見られること、また、子ども活動には自発的で自然発生的なものと、制度的組織としてのものがあり、子どもの自律的な活動を創年世代が支援するためには、魅力的な子ども文化の継承と創造が必要であることを論じた。
「「細井夫妻と仲間たち」および座談会記録」, 「ボランティア活動の実践記録と提言」, №10, 神奈川県社会福祉協議会, 1986年03月01日, 17, 23, ALSという難病の夫と身体障害者の妻が、介助と看護にあたる若者や近隣住民の協力を得て、寝たきりで人工呼吸器をつけても日本国中を旅して回り、在宅で自由に生きることを証していった活動の記録。著者を含む若者たちが、夫妻との活動を通して障害をこえて共に生きることを学習してゆく過程を描いた。
「正しい評価方法の検討を」, 『教職研修』, 教育開発研究所, 1991年05月01日, 25, 28, 短期大学の推薦入試をめぐって、文部省の高等教育審議会の答申を受ける形で、その現状と問題点を高等学校、高校生、短期大学の3者の視点から既存のデータを基に分析した。
「人気がある塾の秘密-補習塾を中心に-」, 『児童心理』, 第49巻第8号, 金子書房, 1995年06月01日, 947, 953, 学校教育にくらべて「わかりやすい」「面白い」と評判がたつ学習塾について、とくに補習塾のなかで人気のある塾の特徴について調査し紹介した。
「社会認識」, 『教職研修増刊号心の時代の教育』, №3 個性尊重時代の「価値の教育」, 1996年08月01日, 24, 29, 現代の青少年の社会認識を、情報化社会のなかで団塊ジュニア世代のもつ価値観の特徴とこれまでの価値観の変化を諸資料をもとに描き、私生活志向と集団同調的仲間志向が強まるなかで、青年が前向きな生活態度を形成する鍵は、豊かな人間関係を結ぶことであり、それを結ぶ機会を準備することが今日の学校の責務である、と論じた。
「あんな子こんな子~放送メディアが育てるこころとからだ」連載第4回,第6回,第8回,第9回,第10回,第12回, 『放送教育』, 第54巻4号、同6号、8号、9号、10号、12号, 日本放送教育協会, 1999年07月01日, 2000年03月, 五十野惇・夏秋英房・藤田知子, 幼児の生活や幼児教育と放送メディアとの関わりについて、具体的な例を交えて記述した。五十野惇と隔月で交替して連載した。幼稚園教育の実践者として藤田知子へのインタビューを交えることもあった。
「兄弟ゲンカがたえない/親のサイフから金を取った」, 『児童心理』, 金子書房, 1999年12月01日, 52, 55, 父母からの相談に応じる形式を取って構成された記事で、問題の背景にある子どもの心理や親として取るべき対応について紹介した。
「テレビゲームと子どもの生活(その1)」, 『聖徳大学児童学研究所児童学研だより』, №6, 1999年11月01日, 3, 4, テレビゲームの遊びが子どもに及ぼす影響を、テレビのしつけの緩みと関連づけながらデータを交えて紹介した。
「テレビゲームと子どもの生活(その2)」, 『聖徳大学児童学研究所児童学研だより』, №7, 2000年02月01日, 5, 6, 幼児のテレビゲームの遊びが実は父親と一緒に遊ぶところから始まり、兄弟、仲間へと広がることをデータを交えて紹介した。
「子どもは家庭で何をしているか――データにみる小学生の生活と学習――」, 『児童心理』, 第58巻第8号 №772, 金子書房, 2002年08月01日, 19, 24, 既存のデータをもとに、子どもの生活時間の変化を遅寝の進行とテレビ視聴の長時間化としてとらえ、しかし学習時間は減少している実態を指摘し家庭生活の問題点を浮き彫りにした。
「遅寝になる子どもたちとその影響」, 『聖徳大学児童学研究所児童学研だより』, №16, 2003年03月01日, 4, 5, 幼児と児童・生徒の生活リズムが崩れ、遅寝になっていることとその影響を、既存のデータと東京都での調査データをもとに示し、早起きの重要性を指摘した。
「夢をもちにくい時代の子どもたち」, 『児童心理』, 第58巻 第1号 №799, 金子書房, 2004年01月01日, 21, 28, 子どもの社会化環境の構造的変容と昨今の経済状況のもとで、青少年は容易に夢を抱きにくい。努力信仰がいまだに保護者と子どもの間に根強い一方で、社会的無力感も広がっている。子どもたちの地域社会への参加意欲は強いので、地域における育成活動の展開によって親子ともに夢を抱ける社会づくりができることを既存の国際比較調査データなどをもとに論考した。
「子どもの育ちと「正しい」食生活」, 『聖徳大学児童学研究所児童学研だより』, №26, 2006年02月01日, 2, 3, 食生活は科学的根拠を持って「正しさ」が強調される規範性の強い生活分野である。しかし、栄養面での「正しさ」の強調だけではなく、家族関係や社会的関係のなかで食事の「あり方」に注目して、それを多様な社会文化的観点から分析し、学校と家庭が連携していく方策をとらないと、「正しさ」の啓蒙だけでは効果が挙がらないことを論じた。
講演:「つながることをとおして学ぶ」, 放送大学東京足立学習センター同窓会総会 講演, 2010年04月10日, 人は様々な「縁」のネットワークに支えられて生きてきたが、「無縁社会」となった日本でどのように縁を再生すればよいのか。(1)中山間地の、地域芸能の伝承の事例、(2)首都圏郊外の障がい者地域自立支援活動(NPO)の事例を紹介し、つながることをとおして人は己を変えることを学ぶ。
講演:「大都市における子育て支援を考える」, 青葉6大学連携講座, 2010年10月16日, 内閣府が発表した『平成22年度版 子ども・子育て白書』にいたる、「少子化対策」から「子育て支援」への政策動向の社会的背景について考え、都市部における地域社会の再編との関わりにおいて子育て支援を考えた。
地域社会の教育的再編(テレビ放送教材), 放送大学教育振興会, 2012年03月01日, 岡崎友典, 放送大学「地域社会の教育的再編」の印刷教材と対をなす放送教材で頒布されている。内容は印刷教材をさらに焦点化して解説し、さらに全国各地の地域学習・教育活動の事例を取材して紹介した。成功事例ばかりではなく、地域課題に応じた取り組みの現状と課題を紹介し、受講生の参考に供している。