「「美しき幽霊」の誕生」 , 藤澤紫, 『完全ガイドシリーズ290 日本の妖怪と幽霊』 , 24, 27, 2020年07月13日, 晋遊舎
「江戸・明治の玩具絵と「おもちゃ絵芳藤」」, 藤澤紫, 『浮世絵にみる文明開化―子ども文化の変遷と教育ツールとしての玩具絵―』 , 6頁, 16頁, 2020年02月28日, 平成 30年度~令和 2年度 科学研究費助成事業 基盤研究 (C)報告書
「浮世絵の日本美術」, 藤澤紫, 古田亮監修『教養の日本美術史』, 293頁, 312頁, 2019年11月07日, ミネルヴァ書房
〔談話室〕浮世絵は海をこえ、時をこえて, 藤澤 紫, 國學院雑誌, 120, 9, 18, 19, 2019年09月, 國學院大學
「くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵展 江戸の子ども絵・おもちゃ絵大集合!」, 藤澤紫, 『浮世絵芸術』173号, 2018年01月31日, 国際浮世絵学会
展覧会後記/広島県立美術館「くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵展 江戸の子ども絵・おもちゃ絵大集合!」, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 176, 0, 55, 57, 2018年, 国際浮世絵学会
図版 鳥居清広筆 梅樹下の男女(見立玄宗皇帝楊貴妃) (特輯 初期浮世絵), 藤澤 紫, 國華, 123, 4, 61, 64,23, 2017年11月, 國華社 ; 1889-
「浮世絵に描かれた母と子―絵師たちの文明開化―」, 藤澤紫, 『明治維新から150年 浮世絵にみる子どもたちの文明開化』, 2017年10月01日, 町田市立国際版画美術館
春信と錦絵黄金時代の幕開け (鈴木春信 決定版 : 恋をいろどる浮世絵師), 藤澤 紫, 別冊太陽 : 日本のこころ, 253, 22, 31, 2017年08月, 平凡社
装いの基礎知識 : 男女のファッションの見分け方 (鈴木春信 決定版 : 恋をいろどる浮世絵師) -- (ようこそ、春信の世界へ!), 藤澤 紫, 別冊太陽 : 日本のこころ, 253, 43, 47, 2017年08月, 平凡社
描かれた「伊勢」と「源氏」 (鈴木春信 決定版 : 恋をいろどる浮世絵師) -- (ようこそ、春信の世界へ!), 藤澤 紫, 別冊太陽 : 日本のこころ, 253, 110, 113, 2017年08月, 平凡社
コミックス・アニメーション的表現 (鈴木春信 決定版 : 恋をいろどる浮世絵師) -- (ようこそ、春信の世界へ!), 藤澤 紫, 別冊太陽 : 日本のこころ, 253, 144, 147, 2017年08月, 平凡社
春信作品の鑑賞の手引き : 五つの作品にみる魅力と見方 (鈴木春信 決定版 : 恋をいろどる浮世絵師), 小林 忠;藤澤 紫, 別冊太陽 : 日本のこころ, 253, 148, 153, 2017年08月, 平凡社
報告 藝術学関連学会連合 第十一回公開シンポジウム「ニュースになった江戸文化」, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 173, 0, 50, 53, 2017年, 国際浮世絵学会
「北斎を歩く すみだでたどる天才絵師の生涯。」, 藤澤紫, 『東京人』, 12月号, 2016年12月01日, 都市出版, 「画狂人」とも称し70余年に渡って作画に尽力した浮世絵師、葛飾北斎の画業を、ゆかりの地である墨田区の史跡や景観と共に辿った。北斎の作品研究に関しては、しばしば唐絵や洋風画など海外文化の影響が指摘されるが、本稿では作画の根底に流れる伝統的な「やまと絵」の側面に着目し、主題選択や画技の点から指摘した。重ねて雛形本を例に、江戸のメディア業界、更には欧米文化にも影響を与えた北斎の意匠家(デザイナー)としての活動にも触れた。
北斎を歩く すみだでたどる天才絵師の生涯。 (特集 北斎を歩く。), 藤澤 紫, 東京人, 31, 15, 28, 38, 2016年12月, 都市出版
書評 大久保尚子『江戸の服飾意匠 : 文芸、美術、芸能との交流と近代への波及』 (特集 山東京伝 : 町人作者の眼), 藤澤 紫, 文学, 17, 4, 182, 188, 2016年07月, 岩波書店
「江戸出版界が生んだアイドル―伝説になった「お仙」―」, 藤澤紫, 『偶像(アイドル)の系譜―神々と藝能の一万年―』, 2016年04月01日, 國學院大學博物館, 鈴木春信(1725?~70)と明和(1764~71)の評判娘(笠森お仙・本柳屋お藤)を軸に、『飴売土平伝』(舳羅山人(大田南畝)著所載の「阿仙阿藤優劣弁」の記述や、錦絵誕生に沸く江戸出版界の動向を交え、会いに行けるアイドルの誕生から現代まで続く「伝説の美女」誕生の背景を論じた。
「近代文学のなかの浮世絵─泉鏡花と歌川派の絵師を中心に─」, 藤澤紫, 『東洋通信』, 2月号, 2016年02月01日, 東洋大学
「名所絵の機能と広がり―「名所江戸百景」に見る名所絵の「記録」と「記憶」―」, 藤澤紫, 『國學院大學大學院紀要 文学研究科』, 第46輯, 2015年04月01日, 國學院大學大学院, 「名所絵」は、近世における庶民文化の台頭、街道の整備、旅の流行といった社会状況の変化によって需要が拡大し、明和(1764~72)初年に誕生した「錦絵」技法の導入を経て庶民層に広まった。本論では名所絵の定義と流れを確認した上で、近世初期の「洛中洛外図屏風」に見られる俯瞰構図が、鍬形蕙斎らの「江戸一目図」や浮世絵の続き物に導入される過程と構図の変化について論じた。次いで安政の大地震の翌年から刊行された初代歌川広重の「名所江戸百景」の報道性や吉祥性、更に伝統的な四季絵や都市景観図との融合にも触れ、名所絵の多様化について論じた。それによって、名所絵を購入し出版活動を支えた「庶民文化の成熟」も併せて確認することができた。
日本美術における「美人画」の展開 : 「飛鳥美人」から江戸の幽霊画まで, 藤澤 紫, 國學院雜誌 = The Journal of Kokugakuin University, 116, 3, 1, 21, 2015年03月, 國學院大學総合企画部
日本美術における「美人画」の展開 : 「飛鳥美人」から江戸の幽霊画まで, 藤澤 紫, 國學院雜誌 = The Journal of Kokugakuin University, 116, 3, 1, 21, 2015年03月, 國學院大學
新刊紹介 小林忠監修 中城正堯編者『江戸時代子ども遊び大事典』, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 169, 0, 65, 65, 2015年, 国際浮世絵学会
「浮世絵におけるやまと絵と琳派受容―師宣、春信、そして北斎」, 藤澤紫, 『美術フォーラム21』, 29号, 113, 118, 2014年05月30日, 一般社団法人美術フォーラム21, 江戸の人気浮世絵師の画業を「やまと絵」の流れに組み入れて論じ、彼らが日本の伝統的な画技を新たなジャンルに取り入れた過程を明らかにした。 自ら「やまと絵」を名乗った浮世絵の祖・菱川師宣、古典文学を見立て、やまと絵の「雅」の意識を作品に生かした鈴木春信、そして琳派の意匠性を作風に反映させた葛飾北斎の3名を軸に、浮世絵作品を介して江戸庶民にもやまと絵の趣向が普及していった経緯を示した。
浮世絵におけるやまと絵と琳派受容 : 師宣、春信、そして北斎 (特集 やまと絵と琳派の交流), 藤澤 紫, 美術フォーラム21 = Bijutsu forum 21, 29, 113, 118, 2014年, 美術フォーラム21 ; 1999-
名所絵の機能と広がり : 「名所江戸百景」にみる都市景観図の「記録」と「記憶」, 藤澤 紫, 国学院大学大学院紀要. 文学研究科, 46, 1, 40, 2014年, 国学院大学大学院
第十八回国際浮世絵学会秋季大会報告, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 167, 0, 87, 90, 2014年, 国際浮世絵学会
報告 大浮世絵展 国際シンポジウム, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 168, 0, 79, 81, 2014年, 国際浮世絵学会
「江戸の「美男子」-江戸文化の中の男たち」, 藤澤紫, 『江戸の美男子』展図録, 6, 15, 2013年07月01日, 太田記念美術館, 太田記念美術館『江戸の美男子』展図録掲載巻頭論文。 筆者は展覧会の企画、構成にも関わった。論文は本展覧会の基礎概念を示すもので、浮世絵研究では従来行われてこなかった「男性像」全般を整理し、新たに分類を試みた。はじめに江戸の意気について述べ、次いで日本近世絵画史上の男性像の流れと、浮世絵の男性像が持つメディアとしての機能、需要の広がりについて論じた。出版統制下に果敢に作品を手がけた歌麿や国芳の自画像を例に、絵師もまた庶民が好む理想の男性像に自らを重ねて描き、評判を高めたことを新たに指摘した。 6~15頁
「浮世絵と美人 -リアリズムとファンタジー-」, 藤澤紫, 『聚美』, 4号, 74, 93, 2012年06月01日, 青月社, 日本美術の専門雑誌『聚美』(青月社)4号掲載。 近世から近代までの日本絵画史上の名品を軸に、日本の女性表現における写実性と幻想性、創作性について論じた。18世紀後半に開花した美人画の諸相について、浮世絵師鈴木春信の夢幻的な男女像や、喜多川歌麿の妖艶で生命力のある美人画、更には写生を重視した京都の円山応挙の幽霊画を交えて整理した。写楽の個性的な役者絵や、上村松園などの近現代の作家の美人画を交え、リアリズムとファンタジーといった切り口から、優れた美人画には往々にして「美」と「奇」の意識が混在することを指摘した。 74~93頁
第十六回国際浮世絵大会報告, 藤澤 紫, 浮世絵芸術 : 国際浮世絵学会会誌, 0, 163, 91, 93, 2012年, 国際浮世絵学会
浮世絵と美人 : リアリズムとファンタジー (特集 浮世絵の粋と美 : 江戸文化の華), 藤澤 紫, 聚美, 4, 74, 93, 2012年, 青月社 ; 2011-
第十六回国際浮世絵大会報告, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 163, 0, 91, 93, 2012年, 国際浮世絵学会
小林忠先生最終講義および古稀祝賀会のご報告, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 164, 0, 69, 69, 2012年, 国際浮世絵学会
“L’ukiyo-e e la moda di Edo: l’ukiyo-e come mass media”「浮世絵と江戸のファッション~メディアとしての浮世絵~」, 藤澤紫, Porti di Magnin , 73, 122, 125, 2011年05月01日, イタリア・トリノ文化協会, Porti di Magnin 73(イタリア・トリノ文化協会発行)掲載。 平成22年2月にイタリア・トリノで開催されたシンポジウムシンポジウム(テーマ:Tra arte e letteratura, tra Italia e Giappone「美術と文学の間、イタリアと日本の間」・[シンポジウム・海外①参照])にて講演した内容に加筆した論考。日本美術の流れを通覧し、その上で浮世絵を江戸のメディアとして捉えた。美人画を例に、これらの版画が鑑賞品としてのみならず、雛形本(装いの指南書)や広告など、いわゆる情報誌としての機能や役割が課されていたことを述べた。 翻訳者:Massimo Soumaré 122~125頁
「歌川広重画「名所江戸百景」にみるメディア性と吉祥性-報道と祈り」, 藤澤紫, 『國學院雜誌』, 第111巻第11号, 269, 281, 2010年11月01日, 國學院大學, 『國學院雜誌』111(11) (通号 1243) (國學院大學)掲載。 安政3~5年(1856~58)に刊行された歌川広重の遺作「名所江戸百景」を軸に、本作品に込めた報道的な性質と、日本古来の吉祥性について論じた。「名所江戸百景」の特質を「メディア性と吉祥性」、「構図とカメラアングル」をキーワードに検証し、更に平成20年にフィンランドで開催された“Hokusai & Hiroshige, On a Journey to Edo”展での筆者の体験を通じて、本図が「四季絵」の伝統を色濃く継承する作であることを述べた。 269~281頁
歌川広重画「名所江戸百景」にみるメディア性と吉祥性--報道と祈り (特集 知と美の地平), 藤澤 紫, 國學院雜誌, 111, 11, 269, 281, 2010年11月, 國學院大學綜合企画部
「春信の絵本と錦絵-絵を読む楽しみ」, 藤澤紫, 『アジア遊学』, 109号, 104, 112, 2010年03月01日, 勉誠出版, 『アジア遊学』109号(勉誠出版)掲載。 「絵を読む文字を見る 日本文学とその媒体」の特集に際して執筆した論文。江戸の出版界において、絵本と錦絵がどのように発展し享受されたのか、鈴木春信を軸に、浮世絵の黄金期を支えた絵師の作品を通じて論証した。特に江戸時代中期以降、「見立絵」などの文学的な主題操作を加えた作品群が広く流布していることに着目し、江戸の庶民層が身近な出版物を通じて、「絵を読む楽しみ」を享受していたことを具体例と共に示した。 104~112頁
「新出の「酒呑童子絵巻」と国際交流~ジャパニーズ・アニメーションとコミックの源流~」, 藤澤紫, 『國學院大學紀要』, 第48巻, 331, 340, 2010年02月01日, 國學院大學, 『國學院大學紀要』第48巻(國學院大學)掲載。 イタリアで刊行された[学術論文・海外②]の掲載論文を元に、適宜加筆、修正を行った。イタリア・トリノ在住のRaffaele Mondazzi(ラファエロ・モンダッツィ)コレクションの調査で発見された、新出の「酒呑童子絵巻」に関わる論考。菱川師宣の流れをくむ本作は、17世紀後半~18世紀前期の作と推定される状態の良いもので、筆者は絵巻特有の動的な表現に注目し、浮世絵に見る動きの表現等と比較しながら、江戸時代初期の動的表現について述べ、現代のアニメーション、コミックの源流として位置付けた。 331~340頁
新出の「酒呑童子絵巻」と国際交流--ジャパニーズ・アニメーションとコミックの源流, 藤澤 紫, 国学院大学紀要, 48, 331, 340, 2010年, 国学院大学
海外リポート イタリア・トリノでの浮世絵展の開催とコレクション調査の報告--浮世絵から現代のイラストまで--日本の偉大なグラフィックアート展"Dall'ukiyo-e all'illustrazione contemporanea a Torino"(イタリア・トリノ)の企画・調査・開催について, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 160, 61, 64, 2010年, 国際浮世絵学会
海外リポート二・イタリア・トリノでの浮世絵展とコレクション調査の報告, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 160, 0, 61, 64, 2010年, 国際浮世絵学会
「フィンランドの日本美術展に関わる報告と北斎・広重イメージの流布についての考察」, 藤澤紫, 『学習院大学文学部研究年報』, 56輯, 1, 19, 2009年10月01日, 学習院大学文学部, 『学習院大学文学部研究年報』56輯(学習院大学文学部)掲載。 海外で最も著名な日本人絵師として知られる葛飾北斎と、かのゴッホも愛した歌川広重の名所絵を軸とした展覧会、“Hokusai & Hiroshige, On a Journey to Edo”が、平成20年秋にフィンランドのアテネウム美術館・ヘルシンキで開催された。筆者も日本側の研究者として作品の貸借に関わり、現地に赴いた。その体験を生かし、来場者7万人を数える成果を挙げた展覧会の報告を行った。次いで展示作品を通じて、特に欧米文化圏で評価の高い北斎、広重の特質を論じ、海外に発信される日本美術の魅力とは何かを検証した。 1~19 頁
“Gli emaki – All’origine dei fumetti e dell’animazione giapponese”「絵巻・ジャパニーズアニメーションとコミックスの源流」, 藤澤紫, Porti di Magnin , 69, 21, 27, 2009年10月01日, イタリア・トリノ文化協会, Porti di Magnin 69(イタリア・トリノ文化協会発行)掲載。 平成21年10月より、イタリア・トリノで開催された展覧会、“Emakimono, images from Classic Japanese literature”に関わる論考。筆者が平成20年9月にトリノにて現地調査を行い、出品作の選定に関わった。論文では、日本の伝統的な絵画様式のひとつである絵巻物の特質を述べ、日本の現代アニメーション作品との表現上の共通点などを論じた。特に絵巻物独自の「異時同図法」などの表現や、「物語の造形化」の2点から、日本における動画表現の移り変わりについて具体例を交えて論じた。 翻訳者:Massimo Soumaré 21~27頁
「海を渡った日本文化-Hokusai & Hiroshige-」, 藤澤紫, 『東洋通信』, 第46巻4・5号, 12, 15, 2009年07月01日, 東洋大学, 『東洋通信』第46巻4・5号(東洋大学)「学習室」に掲載。 平成20年秋にフィンランドのアテネウム美術館・ヘルシンキで開催された“Hokusai & Hiroshige, On a Journey to Edo”展に関わる展示業務の経緯と、その過程で得た知見について述べた。日本の浮世絵が北欧の美術愛好家にどのように受け止められたか、また浮世絵版画を西欧建築の広い空間内に魅力的に展示するための趣向など、具体例を交えて論じた。日本文化を学ぶことは自国の歴史を知ることに加え、真の国際交流へとつながる近道でもあると締めくくった。
フィンランドの日本美術展に関わる報告と北斎・広重イメージの流布についての考察 : "Hokusai & Hiroshige, On a Journey to Edo"展を中心に, 藤澤 紫, 研究年報, 56, 1, 19, 2009年, 学習院大学
「江戸文化と装い~人気絵師が描いた各種雛形~」, 藤澤紫, 『杉野服飾大学 杉野服飾大学短期大学部紀要』, 7, 2008年12月01日, 杉野服飾大学, 『杉野服飾大学 杉野服飾大学短期大学部 紀要7』(杉野服飾大学)掲載。 現代のデザインブックやスタイル画の先駆的な役割を果たした小袖雛形本は寛文年間に初めて一般に販売され、その後も一定の需要を保っていた。しかし18世紀の後半には出版量も減少、衰退の途をたどる。筆者は雛形本刊行の減少時期と錦絵の創製期が重なることから、多色摺の浮世絵が次世代の雛形本の役割を果たしたと推定、浮世絵師が手がけた美人画と染織、服飾業界の深い関係性について、江戸のファッション誌という観点から新たな指摘を行った。 A1~A5頁
「菱川師宣筆 櫻下美人圖」, 藤澤紫, 『国華』, 114(4) (通号 1357), 2008年11月01日, 朝日新聞出版, 『国華』114(4) (通号 1357、「特輯 新出 菱川師宣の肉筆画」、朝日新聞出版)掲載。 新出の肉筆画、菱川師宣筆「桜下美人図」(絹本著色、掛福、個人蔵)の作品解説を通じ、江戸絵画における女三宮の図像化について新知見を述べた。本作品は「源氏物語」の「若菜上」の女三宮と柏木の出会いを見立てたもので、この場面は江戸時代前期に歌舞伎にも翻案された。女三宮の身分が高いことから、落差を狙い遊女や芸者にやつすことが流行するが、師宣は古典的な女房装束風に描き、彩色も原拠に則している。縫箔師を父に持つ師宣が、とりわけ染織品の表現に細やかな配慮を行っていたことを指摘した。 17、40~42頁
菱川師宣筆 櫻下美人圖 (特輯 新出 菱川師宣の肉筆畫), 藤澤 紫, 國華, 114, 4, 40, 42,17, 2008年11月, 國華社
「日本文化と遊びの美意識~絵画の中の文字と言葉~」, 『東洋』, 第45巻第2号, 4, 7, 2008年05月01日, 東洋大学, 『東洋』第45巻第2号(東洋大学)「オアシス」に掲載。 琳派の工芸や浮世絵の嵌め絵など、近世初期から幕末までの作品を例に、日本の美意識を探るキーワードとして「遊び」と言う切り口を提示した。「文学に遊ぶ~文字絵の楽しみ~」では本阿弥光悦の「舟橋蒔絵硯箱」などを例に「文字」の意匠化の例を挙げ、「脳のトレーニング~判じ絵に見る遊び~」では歌川派の判じ絵や「かまわぬ」などの役者模様を読む楽しみに触れ、日本の造形文化の特質を論じた。 4~7頁
春信の絵本と錦絵--絵を読む楽しみ (特集 絵を読む 文字を見る--日本文学とその媒体), 藤澤 紫, アジア遊学, 109, 104, 112, 2008年04月, 勉誠出版
「浮世絵の美人 メディアとしての機能」, 『浮世絵芸術』, 155号, 6, 15, 2008年02月01日, 国際浮世絵学会, 『浮世絵芸術』155号(国際浮世絵学会)巻頭論文。 浮世絵美人画の機能を、現代のグラビア写真、あるいはファッション誌と重ねて論じ、浮世絵の持つ情報性について検討した。喜多川歌麿の錦絵「歌麿形新模様」と「夏衣裳当世美人」などを例に、美人画が雛形本(ファッション誌)としての機能を有したことを検証した。その結果、従来は美人画の主要な購買者層は男性であるとされてきたが、同性である女性にも情報誌としての需要があった可能性を示し、浮世絵版画の本質が商品としての機能とメディア性にあることを指摘した。 6~15頁
浮世絵の美人--メディアとしての機能 (特集 浮世絵の美人), 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 155, 6, 15, 2008年, 国際浮世絵学会
江戸文化と装い-人気絵師が描いた各種雛形-, 藤澤 紫;Murasaki FUJISAWA, 杉野服飾大学・杉野服飾大学短期大学部紀要, 7, A1, A5, 2008年, 杉野服飾大学
江戸文化と装い--人気絵師が描いた各種雛形, 藤澤 紫;Murasaki FUJISAWA, 杉野服飾大学・杉野服飾大学短期大学部紀要, 7, 1, 5, 2008年, 杉野服飾大学
浮世絵の美人 メディアとしての機能, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 155, 0, 6, 15, 2008年, 国際浮世絵学会
「名所にまつわる江戸文化~絵を読む楽しみ・文化を知る楽しみ~」, 『東洋』, 第44巻第2号, 11, 15, 2007年04月01日, 東洋大学, 『東洋』第44巻第2号(東洋大学)「学習室」に掲載。 「絵を読む楽しみ」、「「名所」の絵画化~瀟湘八景と「近江八景」~」、「「八景もの」と見立の趣向」の3項を軸に、日本絵画における名所絵の伝統と流行の過程を検証した。例えば「瀟湘八景」のような異国の名所が、「近江八景」などの身近な名所を生みだす事例を示した上で、それらが文学や造形の世界の主要なテーマとして広く流布していく過程を、鈴木春信や歌川広重らの作例と共に示した。 11~15頁
マルチメディアによる資料提示の実践的研究(新規重点施策(戦略枠事業)), 佐野 みどり;高橋 裕子;小島 和男;久々湊 直子;藤澤 紫;小松 大秀;藤原 重雄, 学習院大学計算機センター年報, 26, 157, 166, 2005年11月, 学習院大学
「江戸の造形~見立絵の変容・浮世絵と江戸琳派を中心に~」, 『東洋』, 第41巻第10・11号, 20, 31, 2005年01月01日, 東洋大学, 『東洋』第41巻第10・11号(東洋大学)「学灯」に掲載。 江戸文学と造形活動において見立の趣向が愛好されていた事例を示し、次いで見立絵の流行を好事家たちが支えていたことを述べた。更に「抱一と見立~「夏秋草図屏風の謎~」」の項では、尾形光琳筆「風神雷神図屏風」と酒井抱一筆「夏秋草図屏風」の2点を比較し、従来の研究で指摘される「主題上の見立」に加え、「図像上の見立(または連動性)」があることを新たに指摘、見立絵が図像で特定の場面を暗示する「テキストなき物語」絵であると締めくくった。 20~31頁
「春信絵本の諸問題・墨摺絵本に見る図像の継承と展開」, 『武蔵野美術大学研究紀要』, 第29号, 5, 14, 2005年01月01日, 武蔵野美術大学, 『武蔵野美術大学研究紀要 第29号』(武蔵野美術大学)掲載。 江戸時代中期の絵本における作画上の特質を、庶民に普及した簡易な墨摺絵本群を例に検証した。特に鈴木春信に関して、高価な錦絵で評判を得た図像を普及版の絵本に転用している例が多く確認された。従来、先輩絵師の作例から春信が図様を借用した例が多いことが指摘されていたが、自身も同種の図案を繰り返し使用していること、また庶民向けの絵本には比較的平易な図柄を、好事家向けの錦絵には見立の趣向を加えるなど、媒体によって描き分けていることを指摘した。 5~14頁
「鈴木春信画『絵本春の雪』について」, 藤澤紫, 『浮世絵芸術』, 145号, 63, 68, 2003年01月01日, 国際浮世絵学会, 『浮世絵芸術』145号(国際浮世絵学会)掲載。 筆者の作品調査の過程で、新たに発見された『絵本春の雪』下巻について報告した。明和期の版元、山崎金兵衛の書肆目録にその書名は掲載されているものの、伝存例は長らく報告されていなかった。論文には絵本の全図の影印と書誌を掲載し、その特徴や内容を詳しく述べた。「小本」という小ぶりな判型の絵本は比較的安価であったのか、春信作品の中では絵柄も単純で内容も平易な傾向がある。伝存する作例も少なく、今回の発見により春信絵本のカタログレゾネの充実を図ることができた。 63~68頁
「18世紀浮世絵における諸問題~川又常行の画業と作品一覧~」, 『杉野女子大学・杉野女子大学短期大学部紀要』, 33, 1, 10, 2003年01月01日, 杉野女子大学, 『杉野女子大学・杉野女子大学短期大学部紀要 33』(杉野女子大学)掲載。 17世紀前期から中頃にかけて活躍した肉筆画専門の浮世絵師、川又常行の未詳の画業を明らかにすべく、国内、海外の諸機関で実地調査した成果を一覧化し示した。錦絵創製より以前は、彩り豊かな肉筆画に対する安定した需要があり、川又派を筆頭に肉筆画のみを描く浮世絵師が複数活躍していた。常行およびその弟子筋である常正、常辰の作例も挙げ、菱川師宣以降、江戸の中期にかけての美人画制作の一側面を明らかにした。 1~10頁
鈴木春信画『絵本春の雪』について (特集 浮世絵と板本), 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 145, 63, 68, 2003年, 国際浮世絵学会
鈴木春信画『絵本春の雪』について, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 145, 0, 63, 68, 2003年, 国際浮世絵学会
図版解説 鈴木春信画『絵本青楼美人合』の魅力, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 145, 0, 75, 76, 2003年, 国際浮世絵学会
図版解説 鈴木春信画 『絵本千代松』(『絵本千歳種』), 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 135, 0, 33, 33, 2000年, 国際浮世絵学会
「浮世絵と隅田川」, 藤澤紫, 『SD スペースデザイン』, 421号, 101, 103, 1999年10月01日, 鹿島出版会, 『SD スペースデザイン』421号(鹿島出版会)掲載。 「隅田川再生とリバーサイドスペース」の特集に際し陣内秀信、西野真介、藤澤紫、長尾重武(デザイナー、建設局職員、美術史家、建築家)の4名が寄稿。筆者は西側から眺望した隅田川の両岸の景を描いた葛飾北斎の狂歌絵本『絵本 隅田川両岸一覧』を中心に扱った。高輪から吉原までの景を絵巻物のように連続して描いており、絵本としては特異な構成と、場面と共に推移する季節の描写に、日本独自の四季感や名所絵の伝統が生かされていることを指摘した。
浮世絵と隅田川 (隅田川再生とリバーサイドスペース), 藤澤紫, SD, 421, 101, 103, 1999年10月, 鹿島出版会
「鈴木春信絵本研究」, 藤澤紫, 博士学位請求論文, 1999年07月01日, 学習院大学, 学習院大学にて学位を取得(博士)。 国内外の諸機関、および個人コレクションとして伝来する、鈴木春信の絵本作品を実地調査し、確認される16点全てを影印・翻刻し、カタログレゾネを作った。またそれらの成果をもとに、春信絵本の特質を総括的に検証した。鈴木春信は、多色摺木版画「錦絵」の創始に深く関与し、浮世絵の黄金期のきっかけを作った絵師として知られるが、本研究を通じ、春信の絵本作家としての活動と、江戸時代中期の出版界の動向が明らかにされた。なお本論文に加筆して、『鈴木春信絵本全集』[著書③]が平成14年に勉誠出版より上梓された。
図版解説 鈴木春信画「団扇売り」, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 132, 0, 16, 16, 1999年, 国際浮世絵学会
春信絵本の諸問題 : 墨摺絵本に見る図像の継承と展開, 藤澤 紫, 武蔵野美術大学研究紀要, 29, 5, 14, 1998年, 武蔵野美術大学
図版解説 栄之・俊満・春信, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 126, 0, 46, 46, 1998年, 国際浮世絵学会
日本浮世絵協会 平成十年度 大会報告, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 128, 0, 33, 33, 1998年, 国際浮世絵学会
第二回国際浮世絵大会報告, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 126, 0, 52, 52, 1998年, 国際浮世絵学会
新刊紹介 『日本の美術』363号〜368号(浮世絵シリーズ6冊), 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 124, 0, 15, 15, 1997年, 国際浮世絵学会
「春信絵本の研究-初期彩色摺絵本の研究」, 藤澤紫, 『鹿島美術財団年報』, 13, 484, 496, 1996年04月01日, 鹿島美術財団, 『鹿島美術財団年報』(13別冊)(鹿島美術財団編)掲載。 18世紀後半、錦絵の創始と急速な発展に伴い江戸出版界が一挙にカラー化しても、版本は墨摺が主流で多色摺の作例は稀であった。色摺の絵入俳諧書(絵俳書)の登場、豪華な役者絵本『絵本舞台扇』の刊行を経て、鈴木春信の没後に遺作とされる2種類の色摺絵本が刊行された。これらの事情を総合的に検証し、初期多色摺絵本の多くが好事家の支援で上梓された可能性を明示した。(※鹿島美術館財団 「美術に関する調査研究の助成」による研究成果を集約した。) 484~496頁
<論文>十八世紀浮世絵における諸問題 : 川又常行の画業と作品一覧, 藤澤 紫, 杉野女子大学・杉野女子大学短期大学部紀要, 33, 1, 10*, 1996年, 杉野服飾大学
18世紀浮世絵における諸問題--川又常行の画業と作品一覧, 藤沢 紫, 杉野女子大学・杉野女子大学短期大学部紀要, 33, 1, 10, 1996年, 杉野服飾大学
「春信晩年の絵本研究-『絵本春の錦』について」, 藤澤紫, 『学習院哲学会誌』, 第18号, 37, 60, 1994年06月01日, 学習院大学, 『学習院哲学会誌 第18号』(学習院大学)掲載。 明和7年(1770)に人気絵師鈴木春信が没すると、その翌年に多色摺の2冊組絵本『絵本春の錦』が上梓される。序文や奥付の表記からは本書が春信の遺作として刊行されたことがわかるが、作品の構図や人物表現など細部をつぶさに観察すると、本書が春信自身の手によるものとは考え難く、本稿ではこれを春信の高弟であったとされる春重(後の司馬江漢)によるものと推定し、人気絵師が急逝した際に当時の出版界がとる対応を示す一例として提示した。 37~60頁
春信晩年の絵本研究 : 『絵本春の錦』について, 藤澤 紫, 哲学会誌, 18, 37, 60, 1994年06月, 学習院大学
「春信絵本の研究」, 藤澤紫, 修士論文, 1992年03月01日, 学習院大学, 学習院大学にて学位取得(修士)。 錦絵の創製期に活躍し、浮世絵の黄金時代の幕開けを飾った鈴木春信(1725?~70)の作品調査を通じて得た知見を生かし、墨摺絵本と初期多色摺絵本の出版事情について検討した。特に春信最晩年の作『絵本青楼美人合』を軸に、江戸の俳諧文化と浮世絵師の関係、遊里と出版界のつながりについて検討した。あわせて絵入俳諧書、春信没後に出版された『絵本春の錦』などの絵本作品を例に、江戸出版界における版本のカラー印刷化について検証した。
春信絵本の諸問題--墨摺絵本に見る図像の継承と展開, 藤沢 紫, 武蔵野美術大学研究紀要, 29, 5, 14, 1998年, 武蔵野美術大学
春信晩年の絵本研究--「絵本春の錦」について, 藤沢 紫, 哲学会誌, 18, p37, 60, 1994年06月, 学習院大学
フィンランドの日本美術展に関わる報告と北斎・広重イメージの流布についての考察--"Hokusai & Hiroshige, On a journey to Edo"展を中心に, 藤澤 紫, 学習院大学文学部研究年報, 56, 1, 19, 2009年, 学習院大学
新刊紹介・『【歌川広重画】広重の団扇絵 知られざる浮世絵』, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 162, 0, 78, 78, 2011年, 国際浮世絵学会
図版解説 鈴木春信画「風流江戸八景 浅草晴嵐」・同「鉢木」, 藤澤 紫, 浮世絵芸術, 130, 0, 22, 22, 1999年, 国際浮世絵学会
「浮世絵探偵団(1)~(30)」(連載計30回), 藤澤紫, 『週刊 ニッポンの浮世絵』(1)~(30), 2021年04月30日, 小学館
「浮世絵と遊ぼう!(3)とどろく雷にびっくり!」, 藤澤紫, 河北新報、八重山毎日新聞、長野日報、陸奥新報、苫小牧民報, 2018年06月13日, 共同通信
「浮世絵と遊ぼう!(2)江戸のヒーロー参上!」, 藤澤紫, 河北新報、八重山毎日新聞、長野日報、陸奥新報、苫小牧民報, 2018年05月09日, 共同通信
「浮世絵と遊ぼう!(1)江戸の子どもにも人気」, 藤澤紫, 八重山毎日新聞、長野日報、陸奥新報、苫小牧民報, 2018年04月11日, 藤澤紫
「浮世絵美人百年史(4) 月岡芳年・楊洲周延×文明開化 新時代、憧れは海を越え」, 藤澤紫, 日本経済新聞, 2018年02月28日, 日本経済新聞
「浮世絵美人百年史(3) 歌川国芳が描く「ハンサム・ウーマン」 江戸っ子の流行情報源」, 藤澤紫, 日本経済新聞, 2018年02月21日, 日本経済新聞
「浮世絵美人百年史(2)喜多川歌麿 人妻の魅力に着目 「熟女ブーム」の先駆け」, 藤澤紫, 日本経済新聞, 2018年02月14日, 日本経済新聞
「浮世絵美人百年史(1) 鈴木春信が描いた評判の茶屋娘 元祖「会いに行けるアイドル」」, 藤澤紫, 日本経済新聞, 2018年02月07日, 日本経済新聞
「大久保尚子『江戸の服飾意匠 文芸,美術,芸能との交流と近代への波及』」, 『文学』, 第17 巻・第4号, 2016年07月01日, 岩波書店
書評:「広重の団扇絵-粋でお洒落な夏小物-」, 『浮世絵芸術』, 162号, 78, 2011年07月01日, 国際浮世絵学会, 『浮世絵芸術』162号掲載。奥田敦子監修、解説の『広重の団扇絵 知られざる浮世絵』(芸艸堂、2010年11月)の書評。視覚的に夏の涼を呼ぶ団扇は現在も根強い人気を保っているが、江戸時代には身近な商品として愛好され、歌川広重などの人気浮世絵師がその下絵を描き、大いに流行した。江戸の団扇事情を通じて、江戸の人々がどのようにして暮らしの中で涼を得たのか、またそこから我々は何を学ぶことができるのかを、図書紹介を通じて問いかけた。
A4判、全104頁中、担当:書評(78頁) 編:国際浮世絵学会
Dall’ukiyo-e all’illustrazione contemporanea: la rande grafica giapponese, 4, 2010年01月01日, Accademia Albertina di Belle Arti di Torino(アッカデミア・アルベルティーナ美術大学・トリノ), イタリアのAccademia Albertina di Belle Arti di Torino(アッカデミア・アルベルティーナ美術大学・トリノ)で開催された、浮世絵とイラストレーション展のカタログ。トリノ在住のRaffaele Mondazzi(ラファエロ・モンダッツィ)氏所有の日本美術コレクションを軸に、日本の現代作家の作品をあわせて展示。筆者は日本側の代表キュレイターとして、巻頭個所に関係者挨拶を執筆。
於 Accademia Albertina di Belle Arti di Torino(アッカデミア・アルベルティーナ美術大学・トリノ)
A5判、全48頁中、担当:巻頭挨拶(4頁) 編者:Massimo Soumaré、共著者:Guid0 Curto、Rosella Grassi、Akane Fujisawa、Murasaki Fujisawa。
翻訳者:Massimo Soumaré
『日本・ギリシャ修好110周年記念特別展「写楽 幻の肉筆画」』, 82, 104, 2009年07月01日, 読売新聞東京本社, ギリシャのマノスコレクションから、日本近世絵画の秀品を選んだ里帰り展。筆者は主に江戸時代中期の、版画技法の転換期の作品を担当した。司馬江漢「三廻之景」などの銅版画、木版画の作品解説を通じて、技法による表現方法の違いや、洋風表現がどのように絵師や享受者に浸透していったのか、具体例と共に述べた。
於 東京都江戸東京博物館
A4判、全279頁中、担当:作品解説(82~104頁) 編:「写楽 幻の肉筆画」企画委員会、東京都江戸東京博物館、読売新聞東京本社、共著者:浅野秀剛、阿美古理恵、出光佐千子、河合正朝、桑山童奈、小林忠、内藤正人、日野原健司、藤澤紫、山本ゆかり、我妻直美。
「よし藤「おもちゃ絵」」, 『IMPERIAL』, 66号, 13, 27, 2009年01月01日, 帝国ホテル, 『IMPERIAL』66号(特集記事「よし藤「おもちゃ絵」」)掲載。
「おもちゃ絵芳藤」の異名を持つ、歌川芳藤(1828~87)のおもちゃ絵(子供向けの玩具用の版画)を特集した。構成は、「江戸のおもちゃ絵と芳藤」、「日本古来のドールハウス 立版古(組上げ絵)」、「アニメーションの源流 うつし絵」、「漫画のさきがけ 戯画」、「遊んで学ぶ手遊び絵 かわり絵」、「子どもたちの人生ゲーム 絵双六」の計6項目。著書『遊べる浮世絵-体験版江戸文化入門-』の要素を生かし、より具体的に個々の作品の魅力を紹介した。
A4判、全38頁中、担当:特集「よし藤「おもちゃ絵」」(13~27頁) 出版:株式会社帝国ホテル
『北斎と広重展 幻の肉筆画発見 原安三郎秘蔵浮世絵風景画コレクション初公開』, 15, 143, 2005年05月01日, サンオフィス, 2000点に及ぶ、原安三郎氏旧蔵の浮世絵コレクションから名所絵を中心に選出した展覧会。日本橋三越他、国内7会場を巡回。筆者は名所絵の名品として名高い、葛飾北斎画「冨嶽三十六景」、歌川広重画「東海道五拾三次之内」など、出品作品の全シリーズ解説を執筆、あわせて会場放映用のDVD番組「広重とジャポニスム」の原稿、および構成を担当した。同展は平成20年にフィンランドのアテネウム美術館・ヘルシンキでも開催され、筆者も展覧会業務で現地に同行した。
於 日本橋三越、金沢大和香林坊店、札幌西武、青森県立郷土館、京都府京都文化博物館、福岡三越、仙台三越。
A4判、全160頁中、担当:作品解説(15~143頁)監修:山口桂三郎、小林忠、共著者:藤澤紫。
『ホノルル美術館所蔵 浮世絵風景画名品展』, 42, 232, 2003年04月01日, 国際アート, 平成7年に引き続き、アメリカのホノルル美術館にて2度目の作品調査を実地。その成果を生かし、作品選定に関わり、出品作品全点のシリーズ解説を単独で執筆、あわせて和文編集も担当した。展覧会は美術館所蔵の風景画(名所絵)の名品を選抜したもので、葛飾北斎画「冨嶽三十六景」や歌川広重画「東海道五拾三次之内」など、著名な揃物に加え、詩歌や故事に因む見立絵等も展示するなど、幅広い作品が揃った。
於 千葉市立美術館、山口県立萩美術館・浦上記念館
A4判、全263頁中、担当:作品解説(42~232頁) 監修:小林忠、共著者:ステフェン・リトル、ジュリア・M・ホワイト、小林忠、ハワード・A・リンク、樋口利之、藤澤紫、鎌田純子。
「鈴木春信画『絵本青楼美人合』の魅力」, 『浮世絵芸術』, 145号, 75, 76, 2003年01月01日, 国際浮世絵学会, 『浮世絵芸術』145号掲載。
鈴木春信の遺作となった、『絵本青楼美人合』(彩色摺美濃本5巻5冊)の作品解説。初期多色摺絵本の代表作で、明和期の新吉原に実在した遊女167名の姿絵に、自賛の俳諧を寄せた絵入の俳書の形式をとる。木版技法の急速な発展、色摺絵本の登場と普及、出版界や好事家の動向を論じ、錦絵と初期色摺絵本の特質を明らかにした。
A4判、全102頁中、担当:図版解説(75~76頁) 編:国際浮世絵学会
『青春の浮世絵師鈴木春信』, 2002年09月01日, 千葉市美術館、山口県立萩美術館・浦上記念館, アメリカのボストン美術館、イギリスの大英博物館、東京国立博物館等、国内外の諸機関から鈴木春信の錦絵の名品を集めた記念的な展覧会。展示した全ての作品に浮世絵の専門家が解説を付した図録は、300頁を越す長大なものとなった。筆者は「見立八橋」などの古典文学を見立てた作品や、『絵本青楼美人合』をはじめとする各種版本類を中心に作品解説を執筆した。
於 千葉市立美術館、山口県立萩美術館・浦上記念館
A4判、全311頁中、担当:作品解説(95、169~173、191、232~233、240~252頁) 監修:小林忠、共著者:ロジャー・キーズ、立原戌基、下山進、浅野秀剛、吉田洋子、田辺昌子、鈴木浩平、藤澤紫、藤村忠範、松村真佐子。
「鈴木春信画 『絵本千代松』(『絵本千歳種』)」, 『浮世絵芸術』, 135号, 33, 2000年03月01日, 国際浮世絵学会, 『浮世絵芸術』135号掲載。
鈴木春信の墨摺絵本『絵本千代松』(『絵本千歳種』)(墨摺半紙本3巻3冊)の作品解説。春信が手がけた墨摺絵本の中でもとりわけ完成度が高い。和歌を当世風俗に見立てた構成で、庶民向けの平易な観賞用の絵本であるが、錦絵と同一の図柄も多く所載されている。本書の紹介を通じて、和歌と絵画の密接な関係を示し、江戸庶民層へ和歌が広く浸透し、受容されていた事などを指摘した。
A4判、全38頁中、担当:図版解説(33頁) 編:国際浮世絵学会
「鈴木春信画「団扇売り」」, 『浮世絵芸術』, 132号, 16, 1999年07月01日, 国際浮世絵学会, 『浮世絵芸術』132号掲載。
鈴木春信の錦絵「団扇売り」(中判錦絵)の作品解説。団扇は江戸の庶民たちにとって夏の必需品であった。実用品として、更には装いの小道具として愛用され、その下絵を人気浮世絵師たちが担当することも多かった。本図は鈴木春信の手による錦絵で、江戸市中で商品を売り歩く団扇売りの姿を描いている。すっきりした立ち姿の美少年で、物販に携わる人々にも江戸の「粋」を求める傾向があった可能性を指摘した。
A4判、全40頁中、担当:図版解説(16頁) 編:国際浮世絵学会
「鈴木春信画「風流江戸八景 浅草晴嵐」・同「鉢木」」, 『浮世絵芸術』, 130号, 22, 1999年01月01日, 国際浮世絵学会, 『浮世絵芸術』130号掲載。
鈴木春信画「風流江戸八景 浅草晴嵐」(中判錦絵)、鈴木春信画「鉢木」(中判錦絵)の作品解説を執筆。「風流江戸八景 浅草晴嵐」は明和期に実在した楊枝屋、本柳屋の看板娘お藤を描いた作で、他にも笠森稲荷の茶屋娘お仙など江戸市中の美女が評判になり、書籍や錦絵に繰り返し登場した。「鉢木」は北条時頼の故事を見立てたもので、鉢植の木を切りもてなした佐野源左衛門を美女に転じて描く。錦絵創製期を支えた好事家の古典趣味みが反映された作である。
A4判、全36頁中、担当:図版解説(22頁) 編:国際浮世絵学会
「栄之・俊満・春信」, 『浮世絵芸術』, 126号, 46, 1998年01月01日, 国際浮世絵学会, 『浮世絵芸術』126号掲載。
錦絵の名品より、夏から秋の風俗を描いた美人画を選び、鳥文斎栄之画「青楼美人六花仙 越前屋唐土」(大判錦絵)、窪俊満画「六玉川 野路の玉川」(大判錦絵)、鈴木春信画「坐敷八景 鏡台の秋月」(中判錦絵)、鈴木春信画「鉢木」(中判錦絵)の計4点の作品解説を行った。
A4判、全60頁中、担当:図版解説(46頁) 編:国際浮世絵学会(日本浮世絵協会)
『錦絵の誕生~江戸庶民文化の開花~』, 1997年03月01日, 東京都江戸東京博物館他, フランスのギメ美術館、イギリスの大英博物館、アメリカのボストン美術館等、海外の諸機関が所有する江戸時代絵画の名品を集めた浮世絵展。筆者もギメ美術館、大英博物館。ボストン美術館の3館にて実地調査を行い、作品撮影、資料作成、出品作の選定等に関わった。その成果を生かし、鈴木春信画「若衆図」他、主に錦絵作品の解説を執筆した。
於 東京都江戸東京博物館
A4判、全189頁中、担当:作品解説 第4章(80~124、126~129、131~140頁) 共著者:小林忠、藤澤紫、藤澤茜、江口智子、原史彦。
書評:「新刊紹介 『日本の美術』(至文堂)浮世絵シリーズ」, 『浮世絵芸術』, 124号, 15, 1997年01月01日, 国際浮世絵学会, 『浮世絵芸術』124号掲載。至文堂の月刊誌『日本の美術』より、浮世絵を特集した363号〜368号(小林忠著『師宣と初期浮世絵』、狩野博幸著『清長と錦絵』、佐藤康宏著『歌麿と写楽』、大久保純一著『豊国と歌川派』、河野元昭著『北斎と葛飾派』、山梨絵美子著『清親と明治の浮世絵』)の6冊の書評を執筆。
A4判、全40頁中、担当:書評(15頁) 編:国際浮世絵学会
『美人画 Edo Beauties in Ukyiyo-e ホノルル美術館所蔵 浮世絵美人画名品展』, 171, 174, 1995年04月01日, 国際アート, アメリカのホノルル美術館所蔵の浮世絵版画から、保存状態の良い美人画の名品を選んだ里帰り展。錦絵期の作品を中心に選定、鈴木春信、礒田湖龍斎、喜多川歌麿など、美人画で人気を博した絵師の作品が多数展示された。筆者もホノルル美術館にて事前に実地調査を行い、作品撮影、資料作成、出品作の選定等に関わった。図録では出品に関わる全ての浮世絵師の略伝を執筆した。
於 東武百貨店
A4判、全183頁中、担当:「絵師略伝」(171~174頁) 共著者:ジョージ・エリス、ハワード・A・リンク、小林忠、藤澤紫。
『NHK浮世絵EDO-LIFE 東海道五拾三次 描かれた人々の「声」を聴く』 , 藤澤紫(編著)・NHK「浮世絵EDO-LIFE」制作班(編著) , NHK出版 2021年7月 , 2021年07月28日
『NHK浮世絵EDO-LIFE 浮世絵で読み解く江戸の暮らし』 , 藤澤紫 (監修)・NHKプロモーション (著) , 講談社, 2020年12月07日
『日本浮世絵博物館浮世絵名品100選』 , 日本浮世絵博物館(監修)・藤澤紫(責任編集) , 小学館, 2020年09月10日
『浮世絵ガールズ・コレクション―江戸の美少女・明治のおきゃん―』 , 藤澤紫 , 國學院大學博物館, 2019年06月01日
「浮世絵と遊ぼう!(3)とどろく雷にびっくり!」, 藤澤紫, 河北新報、八重山毎日新聞、長野日報、陸奥新報、苫小牧民報, 2018年06月13日
「浮世絵と遊ぼう!(2)江戸のヒーロー参上!」, 藤澤紫, 河北新報、八重山毎日新聞、長野日報、陸奥新報、苫小牧民報, 2018年05月09日
「浮世絵と遊ぼう!(1)江戸の子どもにも人気」, 藤澤紫, 八重山毎日新聞、長野日報、陸奥新報、苫小牧民報, 2018年04月11日
「浮世絵美人百年史(4) 月岡芳年・楊洲周延×文明開化 新時代、憧れは海を越え」, 藤澤紫, 日本経済新聞, 2018年02月28日
「浮世絵美人百年史(3) 歌川国芳が描く「ハンサム・ウーマン」 江戸っ子の流行情報源」, 藤澤紫, 日本経済新聞, 2018年02月21日
「浮世絵美人百年史(2)喜多川歌麿 人妻の魅力に着目 「熟女ブーム」の先駆け」, 藤澤紫, 日本経済新聞, 2018年02月14日
「浮世絵美人百年史(1) 鈴木春信が描いた評判の茶屋娘 元祖「会いに行けるアイドル」」, 藤澤紫, 日本経済新聞, 2018年02月07日
「くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵展 江戸の子ども絵・おもちゃ絵大集合!」(『浮世絵芸術』173号), 藤澤紫, 国際浮世絵学会, 2018年01月31日
『遊べる浮世絵 くもんの子ども浮世絵コレクション』, 藤澤紫・加藤陽介, 青幻舎, 2018年01月24日, 加藤陽介・洲脇朝佳, 「遊べる浮世絵 くもんの子ども浮世絵コレクション」(藤澤紫監修・2018年1月15日~2月12日、広島県立美術館で開催)の図録兼書籍として作成。公文教育研究会が所蔵する3200点の子ども文化関連の資料から厳選し、江戸時代を軸とした浮世絵の秀品を選び、子ども文化の広がりについてまとめた。
『別冊太陽 日本のこころ 253 鈴木春信 決定版』, 藤澤紫, 平凡社, 2017年08月02日, 監修・執筆担当。江戸時代中期に活躍した錦絵の元祖とさせる鈴木春信。男女の恋、何気ない日常、古典への憧憬などの切り口ある作品を読み解くとともに、錦絵の創製といった木版画の技術革新にもスポットを当てた。 巻頭グラビア:驚嘆!!春信の刷りと色 プロローグ:絵師春信と錦絵黄金時代の幕開け ようこそ、春信の世界へ:1恋の駆け引き・2春信とその周辺・3江戸っ子のエスプリ・4 色彩の秘密 小特集:絵本でみる春信の世界 インタビュー:「春信作品はここに注目!」 資料へん:春信略年譜・浮世絵用語辞典・春信ゆかりの地MAP・春信作品に出逢う美術館案内・本誌掲載作品リスト
『浮世絵美人解体新書』(コラム)「人を描かなくても美人画」 「あの世とこの世の美人競べ」 「絵をまとうように」 「美少年を探せ! ! 」, 藤澤紫, 世界文化社, 2014年02月01日, ・第1章「ブロマイド」 (コラム)「人を描かなくても美人画」 ・第2章「ヌード」(コラム)「あの世とこの世の美人競べ」 ・第3章「ファッション」(コラム)「絵をまとうように」 ・第4章「ニュー・ハーフ」(コラム)「美少年を探せ! ! 」 上記を担当。 美人画に特化した書籍で、作品鑑賞を通じて日本人の嗜好、現代につながるメディア業界の活動などを紹介した書籍。各章のコラム4件全てを担当した。第1章「人を描かなくても美人画」では「名所江戸百景 月の岬」に描かれたシルエットの女性について紹介。第2章「あの世とこの世の美人競べ」では、当世の美人と幽霊画を対比し、江戸美人画の広がりを検証。第3章「絵をまとうように」では、江戸小紋、友禅染など江戸の染織と雛形本について解説。第4章「美少年を探せ! ! 」では、江戸の装いと風俗の見分け方を解説した。
「描かれた「異界」-江戸時代絵画と異界表現-」(『超域する異界』), 藤澤紫, 勉誠出版, 2013年02月01日, 「異界」を切り口に、文学、音楽、絵画表象、言語学など各分野の研究者が境界を超えて新知見を述べる事を目的に編纂された。筆者は第2章に「描かれた「異界」-江戸時代絵画と異界表現-」を寄稿。「江戸絵画と異界」、「浮世絵と異界表現」、「幽霊とリアリズム」の3項にわたり、現世思想の流行、伝統芸能文化の動向などを交えて絵画に潜む奇想の意識について論述した。 ※平成23年4月1日~平成24年3月31日、日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(C)助成を受ける(「超域する「異界」-異文化研究・国語教育・エコロジー教育の架け橋として-」研究協力者として)。 ※平成24年4月1日、日本学術振興会科学研究費助成事業科学研究費補助金「研究成果公開促進費」、および東洋大学井上円了記念助成金(刊行助成)を受ける(『超域する異界』刊行に際し研究協力者として)。 A5判、全400頁中、担当:「描かれた「異界」-江戸時代絵画と異界表現-」(205~222頁) 編者:大野寿子、共著者:竹原威滋、溝井裕一、大野寿子、山本まり子、山田利明、松岡芳恵、中山尚夫、藤澤紫、木村一、早川芳枝、石田仁志、池原陽斉、渡辺学、高橋吉文。
「風俗画と浮世絵(『豊穣の日本美術(小林忠先生古希記念論集)』), 藤澤紫, 藝華書院, 2012年03月01日, 編:小林忠先生古希記念会 共著者:藤澤紫、内田欽三、稲墻朋子、田辺昌子、松村真佐子、谷口朋子、ジュリー・ネルソン・デイヴィス、モニカ・ヒンケル、小林優子、吉田洋子、今橋理子、阿美古理恵、池田洋子、ユキオ・リピット、エバ・マホトカ、ヘレン・ミツ・ナガタ、廣海伸彦、神谷浩、高杉志緒、庵原理絵子、タイモン・スクリーチ、ミリアム・ワトルズ、ティモシー・クラーク、加藤陽介、郭在祐、成澤勝嗣、内藤正人、山口真理子、大橋美織、折井貴恵、家田奈穂、ジュリア・セイピン、マシュー・マッケルウェイ、我妻直美、山本ゆかり、岡野智子、出光佐千子、近藤壮、平林彰、桑山童奈、天野一夫、エリザベッタ・ペリーニ、藤元裕二、水野僚子、成原有貴、鎌田純子、松島仁、福田道宏、三宅秀和、吉田恵理、毛利伊知郎、カレン・マック、笠嶋忠幸、村田隆志、野場喜子、荒川正明、正田夏子、小林祐子、ジョン・カーペンター、彬子女王、樋口一貴、両角かほる、三上美和、日野原健司、藤村忠範、プライス・エツコ、ニコル・クリッジ・ルマニエール、松尾知子、加藤弘子、富田智子、瀬川智恵、金靖之、菅原真弓, 学習院大学小林忠教授の古稀記念論集。筆者は巻頭論文を執筆、編集委員としても本書刊行に携わった。「風俗画と浮世絵」、「神仏と王権」、「書と工芸」など9章からなり、国内外の研究者73名による論文を掲載した。筆者は第1章「風俗画と浮世絵」巻頭の「メディアとしての江戸絵画-浮世絵と装い-」を執筆。高松塚古墳壁画以降の人物描写、特に女性表現の特質を近世絵画を軸に述べた。日本絵画の「肉体を露わにすることを好まない」伝統的な描き方を「服飾と人体表現」の観点から論じ、衣服の装飾性が絵画にもたらす効果について新たな指摘を行った。 A4変形判 全584頁中、担当:1章「風俗画と浮世絵」中の「メディアとしての江戸絵画-浮世絵と装い-」(96~101頁)
『「日本美術史」学習指導書』, 藤澤紫, 玉川大学通信教育部, 2012年02月01日, 文部科学省認定通信教育・玉川大学通信教育部の選択科目「日本美術史」の学習指導書。「人はなぜものを作り、またそれらを飾るのだろう」との問いに始まり、日本美術の豊かな特質を理解するための効果的な道のりを示した。「暮らしの中の美術文化史」をテーマに、基礎となる作品の形状、技法、主題、構図、色彩の特質を述べ、次いで先史から近現代までの日本美術の流れを各時代の特質と共に端的に示した。学芸員資格取得にも関わる授業のため、自筆のイラストレーションを用いて作品の取り扱い方も図式化して示した。A5判
『ミネアポリス美術館 浮世絵名品集成』, 藤澤紫, 藝華書院, 2011年11月01日, アメリカのミネアポリス美術館所蔵の浮世絵3000点から300点を厳選し、美人画、役者絵、名所絵、花鳥画、歴史絵、物語絵など諸分野をカラー図版で紹介した豪華本。初期の墨摺絵から最盛期の錦絵まで、浮世絵の流れを通覧し、時代毎の特色を明確にする教育的な側面も持つ。個々の作品には詳細な解説が付されており、筆者は世界的にも評価の高い、葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」を担当、11点の解説を執筆、取材した土地に残る伝承や景観、更に江戸の富士信仰について指摘した。 A4変形判、全368頁中、担当:「作品解説」(202~212頁) 編:ミネアポリス美術館、共著者:ケイウィン・フェルドマン、マシュー・ウェルチ、木村結子、武藤純子、藤澤茜、加藤陽介、浅野秀剛、岩切友里子、藤澤紫、山本野理子。
Worldly Pleasures, Earthly Delights: Japanese prints from the Minneapolis Institute of Arts, 藤澤紫, Minneapolis Institute of Arts, 2011年11月01日, 上記[著書(共著・国内)]③の『ミネアポリス美術館 浮世絵名品集成』のアメリカ版。アメリカのミネアポリス美術館所蔵の浮世絵3000点から300点を厳選し、美人画、役者絵、名所絵、花鳥画、歴史絵、物語絵など諸分野をカラー図版で紹介した豪華本。初期の墨摺絵から最盛期の錦絵まで、浮世絵の流れを通覧し、時代毎の特色を明確にする教育的な側面も持つ。個々の作品には詳細な解説が付されており、筆者は世界的にも評価の高い、葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」を担当、11点の解説を執筆、取材した土地に残る伝承や景観、更に江戸の富士信仰について指摘した。 A4判、全375頁中、担当:作品解説(202~212頁)
『浮世絵大事典』, 藤澤紫, 東京堂出版, 2010年03月01日, 浮世絵研究の基礎となる最新の大事典。江戸時代から近現代までの絵師名に加え、彫師や摺師、版元、更に主要な作品名、技法、画題、各種風俗、芸能、文学など多様な事例を収録。筆者は絵師鈴木春信の伝記をはじめ、明和期に活躍した彫師や摺師、出版文化を支えた好事家など、浮世絵の転換期となった錦絵創製期に活躍した人物の伝記を中心に手掛けた。その他文学的な画題など、計18項目を担当し執筆した。 B5判、全800頁中、担当:「歌かるた」(52頁)、「遠藤松五郎」(92頁)、「岡本松魚」(100頁)、「かるた絵」(146~147頁)、「巨川」(174~175頁)、「小松屋百亀」(205~206頁)、「莎鶏」(214~215頁)、「鈴木春信」(260~261頁)、「関根柯影」(272頁)、「高橋蘆川」(285~286頁)、「鶴見嘉七郎」(322頁)、「藤一宗」(329頁)、「中村如柳」(361頁)、「野代柳湖」(388頁)、「八仙」(400頁)、「湯本幸枝」(500頁)。 編:国際浮世絵学会、共著者:藤澤紫他132名
『ぽち袋』, 藤澤紫, ピエブックス, 2010年02月01日, 弓岡勝美氏が所有するコレクションを軸に、ぽち袋の名品約800点の図案を掲載。筆者は巻頭の論考「ぽち袋の美学」を執筆、日本文化において古くから発展した「包む」(ラッピング)文化には、機能に加え独自の美意識があるということをぽち袋を通じて検証した。同時にぽち袋の卓説したデザイン感覚や高度な印刷技術が、日本の伝統的な出版文化を継承するものであることを示した。日本特有のデザイン感覚や細やかな美意識を凝縮した個性的な冊子になった。 A6判変型、全592頁中、担当:序章「ぽち袋の美学」(2~24頁) 共著者:藤澤紫、高岡一弥、弓岡勝美。
『浮世絵の至宝 ボストン美術館秘蔵 スポルディング・コレクション名作選』, 藤澤紫, 小学館, 2009年11月01日, 平成19年にNHKが高精細デジタル画像として、アメリカの大富豪スポルディング兄弟がボストン美術館に寄贈した6500点の秘蔵浮世絵コレクションを撮影、筆者も上記プロジェクトに参加し、約700点の作品の考証をおこなった。そのプロセスは平成20年3月のNHKスペシャル「歌麿 紫の謎」でも紹介された([メディア]③参照)。本書はそのデータを活用し、作品をオールカラーで掲載、6章にわたり個別に詳細な解説を付す。筆者は浮世絵の黄金期を飾った喜多川歌麿の美人画、計21図を担当した。 菊倍判、全243頁中、担当:喜多川歌麿画「歌撰恋之部/物思恋」他作品解説(129~135、146~147頁) 監修:小林忠、共著者:小林忠、藤澤紫、日野原健司、折井貴恵、桑山童奈、田辺昌子、アン・モース、サラ・トンプソン。
『遊べる浮世絵-体験版江戸文化入門-』, 藤澤紫, 東京書籍, 2008年09月01日, 基礎から学ぶ学生も活用し易いよう、最新の研究成果を生かしながら、浮世絵と江戸文化を「体験的に学ぶ」よう構成した。読者に絵画史料の読み方を具体的に示した点と、実際に描くことで作品理解を促す構成に特色があり、大学の授業や生涯学習等のテキストとしても広く活用されている。1章で浮世絵の主題と基礎的な事柄を押さえ、2章で実践的に絵画情報の読み取り方や、戯画、判じ絵、玩具絵など「遊べる浮世絵」の楽しみを理解し、3章で『北斎漫画』等の絵手本を例に実際に描くことも体験できるような構成になっている。 B5判 (平成23年12月第2刷)
『公文浮世絵コレクション 江戸子ども百景』, 藤澤紫, 河出書房, 2008年05月01日, 日本公文教育研究会は、子どもと教育をテーマに2000点に近い浮世絵作品を収集している。本書はその秀品の鑑賞を通じて、江戸の子ども文化を学ぶことを意図した著作の第2弾。第1章「子どもづくし」、第2章「五節供・年中行事」、第3章「子ども遊び」、第4章「手習・けいこ事」、第5章「金太郎や桃太郎」、第6章「明治の遊び」の6章からなり、筆者は中扉と後扉の用語解説を執筆し、また全作品解説の編集に協力した。 A4判、全95頁中、担当:用語解説(表紙見返し1~2頁、裏表紙見返し1~2頁)、編集協力 監修:小林忠、編集:中城正堯、共著者:小林忠、黒田日出男、鎌田道隆、森洋子、小泉吉永、中城正堯、藤澤紫。
『絵画の制作学』, 藤澤紫, 文教出版, 2008年04月01日, 絵画の制作に関して言語的アプローチや理念的把握が可能なのか、草間弥生氏らの制作者の論考も加え、美学、美術史的観点から多角的に論じた本。筆者は2章「制作学による作家論」にて、江戸の浮世絵師葛飾北斎の制作学を論じた。晩年の名作「冨嶽三十六景」の中でも、酷似した大胆な構図で異彩を放つ「凱風快晴」と「山下白雨」の2点を軸に、これらが琳派の象徴的な画題である「風神雷神図」を見立てた作と指摘。北斎が自身の琳派学習の成果を、あたかも謎かけのように作中に意識的に盛り込んだという新説を提示した。 B5判、全407頁中、担当:2章「制作学による作家論」、「葛飾北斎-江戸絵画史上の風雲児-」(179~189頁) 編者:藤枝晃雄、谷川渥、小澤基弘、共著者:谷川渥、藤枝晃雄、宮下誠、前田英樹、小澤基弘、神林恒道、森田恒之、北川健次、玉蟲敏子、小池寿子、尾崎彰宏、田中英道、渡邊晃一、水野千依、宮下規久朗、藤澤紫、六人部昭典、木下長宏、井上明彦、大島徹也、赤塚祐二、大岩オスカール幸男、草間弥生、塩崎敬子、芝章文、白髪一雄、須賀昭初、館勝生、中上清、中村功、中村一美、根岸芳郎、本田健、松本陽子、真島直子。
『広重 名所江戸百景/秘蔵 岩崎コレクション』, 藤澤紫, 小学館, 2007年07月01日, 歌川広重晩年の代表作で海外でも名高い「名所江戸百景」120図の全てを、国内で最も美しいと称される岩崎本をもとに再現し、論文2本と全図の解説を所載。筆者は、本書の核となる論文「名所江戸百景の背景と意味」と、120図全ての詳細な解説を執筆した。論文では「名所江戸百景」が日本絵画における名所絵の伝統を継承しつつ、安政の大地震を経て復興する「水の都」江戸を描いた「都市の肖像画」であること、かつ、江戸庶民に向けた火除けの「護符」として広く受容された可能性を新たに指摘した。 菊倍判、全216頁中、担当:論文「名所江戸百景の背景と意味」(194~207頁)、「作品解説(全120点)」(146~177頁) 編者:浅野秀剛、共著者:浅野秀剛、藤澤紫
『母子絵百景 よみがえる江戸の子育て』, 藤澤紫, 河出書房, 2007年02月01日, 日本公文教育研究会所有の浮世絵コレクションの紹介と、江戸の子ども文化の豊かさを伝えることを目的とした1冊。第1章「春信・湖龍斎」、第2章「清長・歌麿」、第3章「国貞・国芳」、第4章「英山・英泉他」、第5章「広重・歌川派」の5章からなる。筆者は巻頭箇所の小論文「浮世絵の中の子どもたち」にて、清長、歌麿、広重らの母子絵から、子ども絵にみるリアリズム、特に「子どものまなざし」に着目し、江戸の子育て文化と、その中で生き生きと個性を育む子どもたちの生活風俗について述べた。 A4判、全96頁中、担当:論文「浮世絵の中の子どもたち」(6~8頁) 編者:小林忠、共著者:小林忠、藤澤紫、浅野秀剛、中城正堯、市川寛明、小泉吉永。
「浮世絵春画年表」, 藤澤紫, 平凡社, 2006年10月01日, 『春画 江戸の絵師四十八人』(別冊太陽)掲載。 春画を軸に、菱川師宣、喜多川歌麿、葛飾北斎ら48名の浮世絵師の作品を紹介した書籍。一冊で江戸時代の春画の流れを通覧し、その特質や文化的な背景を理解することができる。「墨摺絵の時代」、「上方浮世絵の世界」、「錦絵組物の時代」、「色摺板本の時代」の4部構成となっている。筆者は、春画の歴史と関連絵師、社会背景を一覧にした年表をまとめた。作成に際しては、本書編者の白倉敬彦編「(春画)年表」(平成7年)をもとに、改訂、加筆を行った。 A4判、全192頁中、担当:「浮世絵春画年表」(184~187頁) 編者:白倉敬彦、共著者:白倉敬彦、阿美古理恵、北川博子、山本ゆかり、樋口一貴、木村了子、佐伯順子、アンドリュー・ガーストル、田中優子、氏家幹人、藤澤紫。
『春画と肉筆浮世絵』, 藤澤紫, 羊泉社, 2006年03月01日, 国内外の諸機関、個人が所蔵する肉筆浮世絵・春画作品の秀品を選出し、詳細な解説を付して魅力を伝える構成。美人画や名所絵、武者絵等と春画の名品をまとめた出版物は珍しく、この一冊で浮世絵の持つ重層性が明らかになる仕組みである。学術的にも最新の研究報告が盛り込まれており、筆者は18世紀初頭から19世紀後半に活躍した絵師の手による掛軸等の肉筆浮世絵(美人画・名所絵)、計29点の作品解説、および担当絵師計22名の略伝を執筆した。 菊倍判、全256頁中、担当:「肉筆浮世絵(美人画・名所絵)」(45~56、59~62、85、91、114~127、253~258頁) 編者:小林忠、白倉敬彦、共著者:小林忠、山本ゆかり、白倉敬彦、藤澤紫、早川聞多、田中優子。
『和歌の図像学』 (和歌をひらく 第3巻), 藤澤紫, 岩波書店, 2006年02月01日, 「和歌と図像学」を軸に、国文学と美術史研究の間にある絵画と言葉の関係を扱った著作集。2章「人物を描く和歌」、「浮世絵美人画と和歌-錦絵にみる文学性」を執筆。江戸時代に多数刊行された『明題和歌全集』などの和歌のアンソロジーを介して、絵画の享受者が比較的簡便に文学的な作品を読み解いた状況について検証した。版本、特に絵画を主体とした絵本作品における「見立」の主題操作を例に、制作の背景や、古典文学や和歌がいかに庶民生活に根付いたものであったのか明らかにした。 A5判、全241頁中、担当:2章「人物を描く和歌」、「浮世絵美人画と和歌-錦絵にみる文学性」(139~155頁) 編者:浅田徹、鈴木健一、渡部泰明、勝原晴希、花部英雄、共著者:鈴木健一、玉蟲敏子、中山圭子、丹羽謙治、西田正宏、長崎巌、片桐弥生、佐々木孝浩、藤澤紫、原道生、堀川貴司、大久保純一、今橋理子、小林一彦、池澤一郎。
『浮世絵師列伝』 (別冊太陽), 藤澤紫, 平凡社, 2005年01月01日, 菱川派、鳥居派、勝川派、葛飾派、歌川派など、浮世絵の主要な12派の絵師の系譜や伝記などを網羅した書籍。筆者は肉筆画に名品を残した初期浮世絵師の川又派の絵師常行、常正と、鈴木春信、栄松斎長喜、鳥高斎栄昌、北尾重政、窪俊満、勝川春潮、礒田湖龍斎、喜多川歌麿、鳥居清長、鳥文斎栄之、歌川豊広、歌川豊春など、錦絵創製期から江戸の後期まで、まさに浮世絵の黄金時代を支えた絵師ら、計14名の伝記、および代表作品の論考を担当した。 A4判、全175頁中、担当:「川又常行、川又常正、鈴木春信、栄松斎長喜、鳥高斎栄昌、北尾重政、窪俊満、勝川春潮、礒田湖龍斎、喜多川歌麿、鳥居清長、鳥文斎栄之、歌川豊広、歌川豊春」(31、38~39、42~47、50~61、68~83、85、100~101頁) 監修:小林忠、共著者:小林忠、内田欽三、藤澤紫、藤澤茜、神谷浩、折井貴恵、菅原真弓。
『「名所江戸百景」復刻物語』, 藤澤紫, 芸艸堂, 2003年01月01日, 東京都の後援で、歌川広重画「名所江戸百景」120図を現代の職人が6年余をかけて復刻。本書は原画とした東京都江戸東京博物館の初摺版画を検証し、当時の絵具や技法を再現する過程をつぶさに紹介した。「浮世絵版画の製作工程と彫・摺の道具」、「浮世絵版画の復刻の技法」、「名所江戸百景 全120図作品解説」、「エッセイ」、「浮世絵版画用語ミニ事典」からなり、筆者は藤澤茜とともに「名所江戸百景」全120図の解説を担当、各地域に残る伝承や、構図上の特質等を個別に解説した。 A4判変形、全104頁中、担当:「名所江戸百景」解説(57~80頁) 監修:小林忠、編:東京伝統木版画工芸協会、共著者:小林忠、折井貴恵、神谷浩、藤澤紫、藤澤茜、山口桂三郎、安達以乍牟、奥山義人、中条甲子雄。
『鈴木春信絵本全集』, 藤澤紫, 勉誠出版, 2000年02月01日, 博士論文「鈴木春信絵本研究」[学術論文(国内)⑱]に加筆し刊行。平成15(2003)年7月改訂新版発行。研究編と2冊の影印編の3巻本。「研究編」では江戸出版界に大きな足跡を残した浮世絵師、鈴木春信(1725?~70)の絵本の総括的な研究を行ない、版画技法の革新により変化する江戸出版界の動向や絵本と錦絵の需要者の違いを明らかにした。「影印・翻刻編」では、国内外諸機関で得た史料を基に、春信絵本のカタログレゾネを作成、計16点、約650丁に及ぶ影印、翻刻資料を掲載した。 ※平成11年4月1日、日本学術振興会科学研究費補助金「研究成果公開促進費」助成を受ける。 ※平成16年6月1日、第20回内山晋米寿記念浮世絵奨励賞新人賞受賞。 A5判、全3巻、全1846頁 A5版、全3巻、全1846頁
『浮世絵の現在 山口桂三郎先生古稀記念論集』, 藤澤紫, 勉誠出版, 1997年01月01日, 国際浮世絵学会会長として浮世絵研究を長く先導した故・山口桂三郎(1928~2012)氏の古希記念論集。筆者は、「鈴木春信の絵本『絵本青楼美人合』」を執筆、鈴木春信の遺作となった彩色摺絵本『絵本青楼美人合』全5冊の作品研究を行った。本書は新吉原に実在した遊女167名の絵姿に彼らの自作の俳諧をそえた絵俳書の形式をとる。筆者は浮世絵と遊里文化、俳諧文化との深い関わりについて論じ、本書が当初は妓楼や好事家などの特定の後援者の入銀により制作された私家版であった可能性を指摘した。 A5判、全494頁中、担当:「鈴木春信の絵本:『絵本青楼美人合』」(114~150頁) 編者:山口桂三郎、共著者:酒井雁高、内田欽三、武藤純子、永田生慈、藤澤紫、浅野秀剛、諏訪春雄、松平進、久保田一洋、小池満紀子、小澤弘、藤澤茜、坂輪宣敬、岩崎均史、岩切信一郎、小林忠。
『ニューオータニ美術館』(肉筆浮世絵大観 第8巻), 藤澤紫, 講談社, 1995年10月01日, 国内有数の美術館、博物館に所蔵される肉筆浮世絵の名品を所載した大型本全集で、従来の未公開作品も多数含まれる。作品全点に付された詳細な解説には、最新の研究情報が盛り込まれている。筆者はニューオータニ美術館所蔵の作品の内、18世紀初頭から19世紀中頃までに活躍した絵師の、主に美人画作品について解説を執筆した。 B4判、全252頁中、担当:作品解説 川又常行筆「花見美人図」、川又常正筆「文の滝図」、闇牛斎円志筆「初日かげ図」計3点(201~203、209~210頁) 編者:浅野秀剛、河野元昭、小林忠、共著者:内田欽三、大久保純一、加藤陽介、神谷浩、河野元昭、小林忠、武田依子、田沢裕賀、田辺昌子、富田智子、内藤正人、延廣真治、藤澤紫、山本ゆかり、横山九実子。
『千葉市美術館』(肉筆浮世絵大観 第10巻), 藤澤紫, 講談社, 1995年10月01日, 国内有数の美術館、博物館に所蔵される肉筆浮世絵の名品を所載した大型本全集で、従来の未公開作品も多数含まれる。作品全点に付された詳細な解説には、最新の研究情報が盛り込まれている。本書には千葉市美術館所蔵の名品が掲載され、筆者は江戸時代中期に活躍した浮世絵師の川又常行筆「草刈り山路」の作品について、典拠を示しながら見立の観点から見どころを述べた。 B4判、全256頁中、担当:作品解説 川又常行筆「草刈り山路」(206頁) 編者:浅野秀剛、河野元昭、小林忠、共著者:浅野秀剛、伊藤紫織、大久保純一、河野元昭、小林忠、佐藤康宏、田沢裕賀、田辺昌子、辻惟雄、富田智子、内藤正人、藤澤紫、松尾知子、松平進。
『太田記念美術館/北斎館/板橋区美術館』(肉筆浮世絵大観 第5巻), 藤澤紫, 講談社, 1995年07月01日, 国内有数の美術館、博物館に所蔵される肉筆浮世絵の名品を所載した大型本全集で、従来の未公開作品も多数含まれる。作品全点に付された詳細な解説には、最新の研究情報が盛り込まれている。本書には太田記念美術館、北斎館、板橋区美術館3館の名品が掲載され、筆者は太田記念美術館と板橋区立美術館の所蔵品を担当、江戸時代中期に活躍した美人画の名手、礒田湖龍齋、北尾重政、川又常正の計3点の掛軸作品について述べた。 B4判、全253頁中、担当:作品解説 礒田湖龍齋筆「雪中美人図」、北尾重政筆「美人戯猫図」、川又常正筆「青楼遊客図」計3点(74~76、234頁) 編者:浅野秀剛、河野元昭、小林忠、共著者:内田欽三、大久保純一、加藤陽介、神谷浩、小林忠、定村忠士、田沢裕賀、田島達也、内藤正人、藤澤紫、古川真弓、八城和彦、安村敏信。
『麻布美術工芸館』(肉筆浮世絵大観 第6巻) , 藤澤紫, 講談社, 1995年07月01日, 国内有数の美術館、博物館に所蔵される肉筆浮世絵の名品を所載した大型本全集で、従来の未公開作品も多数含まれる。作品全点に付された詳細な解説には、最新の研究情報が盛り込まれている。本書には麻布美術工芸館(現在は閉館)旧蔵の名品が掲載され、筆者は江戸時代前期から中期にかけて活躍した川又派の絵師が手がけた屏風、掛軸作品計4点を解説した。 B4判、全262頁中、担当:作品解説 川又常行筆「陰間茶屋図」、川又常正筆「美人十二ヵ月図屏風」、「香焚き美人図」、「雪中遊女道中図」計4点(210~214頁) 編者:浅野秀剛、河野元昭、小林忠、共著者:浅野秀剛、内田欽三、大久保純一、岡本祐美、川口明代、小林忠、佐伯英里子、鈴木廣之、田沢裕賀、田島達也、田辺昌子、富田智子、内藤正人、藤澤紫、丸山伸彦。
『東京国立博物館2』(肉筆浮世絵大観 第2巻) , 藤澤紫, 講談社, 1995年01月01日, 国内有数の美術館、博物館に所蔵される肉筆浮世絵の名品を所載した大型本全集で、従来の未公開作品も多数含まれる。作品全点に付された詳細な解説には、最新の研究情報が盛り込まれている。本書には東京国立博物館所蔵の浮世絵の名品の内、江戸中・後期の作品を中心に掲載している。筆者は江戸時代中、後期に活躍した寡作の絵師たち、弄春斎栄江、鳥園斎栄深、桃源斎栄舟、酔夢亭蕉鹿、鳥橋斎栄里、礫川亭素潾の計6点の美人画作品について述べた。 B4判、全262頁中、担当:作品解説 弄春斎栄江筆「桜下二美人図」、鳥園斎栄深筆「遊女立姿図」、桃源斎栄舟筆「見立女三の宮図」、酔夢亭蕉鹿筆「雪戯美人図」、鳥橋斎栄里筆「梅窓美人図」、礫川亭素潾筆「品川遊女図」計6点(200、211~212頁) 編者:浅野秀剛、河野元昭、小林忠、共著者:浅野秀剛、岩切友里子、内田欽三、大久保純一、岡本祐美、加藤陽介、神谷浩、田島達也、田辺昌子、富田智子、内藤正人、長崎巌、藤澤紫、古田亮、森山悦乃。
『東京国立博物館1』(肉筆浮世絵大観 第1巻), 藤澤紫, 講談社, 1994年10月01日, 国内有数の美術館、博物館に所蔵される肉筆浮世絵の名品を所載した大型本全集で、従来の未公開作品も多数含まれる。作品全点に付された詳細な解説には、最新の研究情報が盛り込まれている。本書には東京国立博物館所蔵の浮世絵の名品の内、江戸時代中期ごろまでの絵師の作品を所載した。筆者は江戸時代中期に活躍した鳥居清信、奥村政信、東艶斎花翁、川又常行、川又常正が手がけた計6点の美人画作品について述べた。 B4判、全256頁中、担当:作品解説 鳥居清信筆「傘差し美人図」、奥村政信筆「小倉山荘図」、「遊女と禿図」、「西行と遊女図」、東艶斎花翁筆「見立小倉山荘図」、川又常行筆「蚊帳美人図」、「団扇持つ美人図」、川又常正筆「浴室脇の男女図」、「桜下遊女と禿図」、「見立許由巣父図」、「婦女観桜図」、川又常辰筆「汐汲み図」計12点(241~247頁) 編者:浅野秀剛、河野元昭、小林忠、共著者:内田欽三、加藤陽介、小林忠、田辺昌子、内藤正人、長崎巌、藤澤紫、松原茂。
『浮世絵の鑑賞基礎知識』, 藤澤紫, 至文堂, 1994年05月01日, 浮世絵の入門書として、また技法や形式、歴史的な諸事情などより専門的な事柄を学ぶ書物としても広く活用されている。「主題」、「生活・風俗」、「形式」、「製作・流通」、「絵師」を知るための基礎知識を順を追って掲載している。筆者は3章「形式を知るための基礎知識」を担当し、浮世絵版画の基本的な版型や技法、それぞれの機能を詳細に示した。あわせて、浮世絵の版画と肉筆画の歴史やそれぞれの特質を、作品を挙げて時代順にまとめた。 B5判、全263頁中、担当:3章「形式を知るための基礎知識」(137~166頁) 共著者:小林忠、大久保純一、森山悦乃、藤澤紫。
講演会「浮世絵 の楽しみ ―「名所絵」でよむ江戸文化」, 藤澤紫, 國學院大學院友会 南多摩支部講演会, 2018年07月08日, 國學院大學院友会 南多摩支部, マロウドイン八王子
講座 「ものがたる美術―江戸絵画にみる『源氏物語』の受容-」, 藤澤紫, 平成30年度伝統文化に学ぶ講座(東京), 2018年07月29日, 國學院大學, 國學院大學学術メディアセンター 常磐松ホール
ミュージアムトーク 「悪は美しい」, 藤澤紫, 多分野連携特集展示「惡―まつろわぬ者たち―」, 2018年07月07日, 國學院大學博物館, 國學院大學博物館 ホール
講演会 「水」色の文化史―日本美術の名品を味わう―, 藤澤紫, 山種美術館 「[企画展] 水を描く ―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお―」, 2018年07月21日, 山種美術館, 國學院大學 院友会館
講演会 「遊べる浮世絵-こんなに楽しい江戸文化-」, 藤澤紫, 広島県立美術館 特別展「くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵展 江戸の子ども絵・おもちゃ絵大集合!」, 2018年01月05日
講演会「遊べる浮世絵」, 藤澤紫, 國學院大學哲学会第33回総会, 2018年10月20日, 國學院大學哲学会, 國學院大學130周年記念5号館2階5201教室
ミニシンポジウム「鏡と神道文化」, 藤澤紫, 一般財団法人神道文化会第20回公開講演会 , 2018年06月17日, 一般財団法人神道文化会, 國學院大學学術メディアセンター 常磐松ホール
第12回国際浮世絵学会賞受賞記念講演 「愛される「美人画」―暮らしとメディア文化―」, 藤澤紫, 第20回国際浮世絵学会春季大会, 2018年06月10日, 国際浮世絵学会, 法政大学 外濠校舎5階S505教室
シンポジウム 「祭りと祈り」, 藤澤紫, 国際浮世絵学会第21回秋季大会, 2016年11月27日, 国際浮世絵学会, 國學院大學学術メディアセンター 常磐松ホール
シンポジウム「ニュースになった江戸文化―浮世絵が創る「時代の顔」―」, 藤澤紫, 藝術学関連学会連合第11回公開シンポジウム, 2016年06月11日, 藝術学関連学会, 早稲田大学戸山キャンパス, 時に人気役者の死や災害をも報道し、庶民の情報源ともなった浮世絵は、暗い話題を扱う時ですら娯楽性を失わず、笑いや洒落といった要素を盛り込む傾向がある。また美人画のように、ブロマイドやファッション誌といった複数の用途を見出せる作例からは、購入者層を広げ販売増加をねらう版元の意図と、商品としての錦絵に求められた価値観を見出すこともできることを述べた。
基調講演「錦絵の誕生と鈴木春信-美人図の百花繚乱-」, 藤澤紫, 国際浮世絵学会第20回秋季大会, 2015年11月18日, 国際浮世絵学会
シンポジウム 「錦絵誕生250年記念 鏡花と錦絵―描かれた美と奇―」, 藤澤紫, 泉鏡花記念館特別展フォーラム「怪異の泉―鏡花 幻影の本棚」, 2015年10月18日, 泉鏡花記念館, 金沢21世紀美術館
「第十六回国際浮世絵大会報告」, 『浮世絵芸術』, 2012年01月01日, 国際浮世絵学会, 『浮世絵芸術』163号掲載。
国際浮世絵学会 平成23年度大会(平成23年11月26日~27日、於 学習院創立百周年記念会館)の報告。第25回理事会を経て、初日は稲墻朋子氏の司会のもと2名の研究発表があった。藤澤紫の司会で小林忠理事長の記念講演、ルネ・バルサ―氏の特別講演が行われた。二日目は武藤純子氏の司会で4名の研究発表が行われた。インゲ・クロンプメーカース氏による基調講演とシンポジウム「国芳-没後150年-」を経て、幕を閉じた。
A4判、全112頁中、担当:大会報告(91~93頁) 編:国際浮世絵学会
「描かれた「異界」-日本の造形文化と異界表現-」, 東洋大学日本文学文化学会2011年度大会シンポジウム, 2011年07月09日, 東洋大学, シンポジウムテーマ:「異界」へのいざない-比較文学文化の視点から-
近世文学や芸能における幽霊譚の流行を背景に、「江戸絵画と怪異表現」についてスライドを交えて論じた。「写生」を得意とした円山四条派の画家たちが、なぜ幽霊画を多く手掛けたのか、彼らを支持した京都の上層町衆の趣向にふれ、特定の享受者層の間で「奇抜な美人画」を好み、幽霊画に対し一定の需要があったことを明らかにした。他の3名からは、「民話における「異界」との交流を可能にする仕掛け」、「黄表紙における「異界」表象」、「現代日本文学における「異界」の諸相」などの発表があった。
参加パネリスト:竹原威滋(奈良教育大学)、松岡芳恵(東洋大学大学院)、藤澤紫、石田仁志(東洋大学)、司会:大野寿子(東洋大学)、木村一(東洋大学)、コメンテーター:中山尚夫(東洋大学)。
L’ukiyo-e e la moda di Edo: l’ukiyo-e come mass media「浮世絵と江戸のファッション~メディアとしての浮世絵~」, 2010トリノ会議, 2011年02月13日, Accademia Albertina di Belle Arti di Torino アッカデミア・アルベルティーナ美術大学・トリノ, シンポジウムテーマ:Tra arte e letteratura, tra Italia e Giappone「美術と文学の間、イタリアと日本の間」
参加パネリスト:Massimo Soumaré(イタリア・翻訳家・キュレイター)、Davide Mana(イタリア・文学研修者・キュレイター)、Raffaele Mondazzi(イタリア・彫刻家・日本美術コレクター) 、藤澤茜(江戸文化研究者)。
トリノ市内のAccademia Albertina di Belle Arti di Torino(アッカデミア・アルベルティーナ美術大学・トリノ)で開催された、浮世絵とイラストレーション展開催を記念したシンポジウム。L’ukiyo-e e la moda di Edo: l’ukiyo-e come mass media、と題し、複数のスライドを駆使して、主に日本の造形文化の特色を、色彩、構図、主題、そして装いの美意識から論じた。また展示作品の紹介も兼ね、浮世絵とコミックス、絵巻とアニメーション文化との関わりについても端的に述べた。
通訳付き。
「隅田川-水の都の風景-」, 第15回国際浮世絵学会秋季大会, 2010年11月14日, 東京都江戸東京博物館, シンポジウムテーマ:「隅田川-水の都の風景」
広重の遺作「名所江戸百景」120図から風俗描写に優れた約30点の作品を選び、スライドを交えて庶民の四季風俗や景観表現、場所の持つ神聖性など、描かれた「都市風俗」について具体例を挙げながら示した。また本作品が安政の大地震の翌年に刊行されていることに留意し、作品に込められた災害への恐怖、水神信仰についても明らかにした。
参加パネリスト:サラ・トンプソン(アメリカ・ボストン美術館)、ロバート・シャープ(アメリカ・グラフィックデザイナー)、大久保純一(国立歴史民俗博物館)、藤澤紫、我妻直美(東京都江戸東京博物館)。
「海外リポート〈二〉 イタリア・トリノでの浮世絵展の開催とコレクション調査の報告 浮世絵から現代のイラストまで-日本の偉大なグラフィックアート展-“Dall’ukiyo-e all’illustrazione contemporanea a Torino”(イタリア・トリノ)の企画・調査・開催について」, 『浮世絵芸術』, 2010年07月01日, 国際浮世絵学会, 『浮世絵芸術』160号掲載。
ピエモンテ州の後援のもと平成17年度から5年をかけて企画され、平成22年1月Accademia Albertina di Belle Arti di Torino(アッカデミア・アルベルティーナ美術大学・トリノ)にて開催された展覧会、Dall’ukiyo-e all’illustrazione contemporanea: la rande grafica giapponese(「浮世絵から現代のイラストまで-日本の偉大なグラフィックアート展-」)の概要を報告。次いで、トリノ市在住のRaffaele Mondazzi(ラファエロ・モンダッツィ)氏のコレクション調査の一部も報告した。筆者は上記展覧会の日本側の代表キュレイターとしてピエモンテ州の招待で渡航、事前調査を行った。重ねて展覧会開催を記念し、期間内に行われた大規模なシンポジウムの企画に関わり、自身もパネリストとして講演した。
A4判、全88頁中、担当:研究情報(61~64頁) 編:国際浮世絵学会
「日本浮世絵協会 平成十年度 大会報告」, 『浮世絵芸術』, 2008年07月01日, 国際浮世絵学会, 『浮世絵芸術』128号掲載。
日本浮世絵協会 平成10年度 大会(平成10年5月31日、於 学習院創立百周年記念会館)の報告。研究発表(午前の部)は新藤茂氏の司会のもと3名の研究発表が行われた。「第37回総会」を経て、研究発表(午後の部)では稲垣進一氏司会のもと2名の研究発表が行われた。「講演会」は総合美術研究所所長の瀬木慎一氏による講演「浮世絵の海外流出」を依頼、武藤純子氏、藤澤紫の司会により同館第4会議室で懇親会も開催され、盛況の内に幕を閉じた。
A4判、全48頁中、担当:大会報告(33頁) 編:国際浮世絵学会(日本浮世絵協会)
「第二回国際浮世絵大会報告」, 『浮世絵芸術』, 2008年01月01日, 国際浮世絵学会, 『浮世絵芸術』126号掲載。
第二回国際浮世絵学会(平成9年10月25日、26日、於 学習院創立百周年記念会館、テーマ「浮世絵の誕生」)の報告。25日は岩田秀行氏、高橋則子氏の司会で研究発表を行い、藤澤紫他計4名の発表が行われた。26日は武藤純子氏、小澤弘氏死の司会で、小林忠氏他計4名が発表。シンポジウム「浮世絵の誕生」では、ハーバード大学ライシャワー研究所特別研究員のマニー・ヒックマン氏を招き、諏訪春雄氏他計4名のパネリストで論議を展開、盛況であった。
A4判、全60頁中、担当:大会報告(52頁) 編:国際浮世絵学会(日本浮世絵協会)
「浮世絵と美人~メディアとしての美人画~」, 第12回国際浮世絵学会秋季大会, 2007年11月15日, 日本女子大学, シンポジウムテーマ:「浮世絵と美人画」
「浮世絵と美人」の特質を述べるにあたり、はじめに高松塚古墳壁画、正倉院宝物の屏風等に描かれた男女像から現代絵画まで、日本絵画における美人表現の推移とその歴史をスライドや資料を活用し端的に述べた。次いで、浮世絵の美人画に江戸の「メディア」としての重要な役割が課されていたことを、遊女評判記、小袖雛形本、広告媒体など、複数の事例を挙げながら、現代のメディア文化と比較して詳しく論じた。
参加パネリスト:中城正堯(くもん子ども研究所)、ケンドール・H・ブラウン(アメリカ・カリフォルニア大学)、藤澤紫。
「マルチメディアによる資料提示の実践的研究」, 藤澤紫, 『学習院大学計算機センター年報』, 2004年04月01日, 学習院大学, 『学習院大学計算機センター年報 vol.26』掲載。
学習院大学計算機センター「平成16年度教材作成支援プロジェクト」助成に関わる研究報告書。授業用画像教材の作製、基調アナログ画像資料のデジタル化、マルチメディアを用いた教育メソッドの探究の3点を軸に、実際に使用可能な教材の作成(絵巻のスクロールビュー)と、それを実践的に授業に生かす方法を検討した。
共同研究者:佐野みどり(研究代表者)、高橋裕子、小島和男、久々湊直子、藤澤紫、小松大秀、藤原重雄。
「春信と絵本」, 藤澤紫, 日本浮世絵協会第2回国際浮世絵大会, 1997年10月25日, 日本浮世絵協会, 学習院大学, 「日本浮世絵協会第2回国際浮世絵大会」にて発表。日本学術振興会特別研究員として、「鈴木春信絵本研究」をテーマに、国内外の複数の諸機関にて江戸時代絵画に関わる綿密な調査を行い成果の一端を口述発表した。シンポジウムのテーマ「浮世絵の誕生」に沿って、浮世絵師が手がけた絵本類がどのように墨摺から多色摺へと移行したのかを、技術、文化の両面から検証し、明らかにした。
「十八世紀美人の移り変わり」, 藤澤紫, 日本浮世絵協会第1回国際浮世絵大会, 1996年12月13日, 日本浮世絵協会, 学習院大学, 「日本浮世絵協会第1回国際浮世絵大会」にて発表。江戸時代絵画に関わる研究の基礎調査として、国内外の諸機関が所有する屏風、掛軸、絵巻などの肉筆美人画の作品調査を行った。その成果の一端を、江戸時代中期の美人画を軸に口述発表した。特に、川又常行、常正、常辰へと続く川又派他、肉筆画を得意とした浮世絵師の作例に着目し、人物表現の推移を整理し、時代の需要とその傾向を具体例と共に述べた。
「鈴木春信作画とされる『絵本春の錦』について」, 藤澤紫, 日本浮世絵協会全国大会研究発表会, 1995年05月14日, 日本浮世絵協会, 学習院大学, 「日本浮世絵協会全国大会研究発表会」にて発表。博士論文執筆の過程で得た知見の中で、特に鈴木春信の死後に出版されたと推定される一連の錦絵作品や版本類に注目した。なかでも、春信の没後半年を経て刊行された『絵本春の錦』は、その画風から二代春信を名乗った春重こと後の司馬江漢の作と推定。上記の作品を例に、人気絵師の急逝により、追悼作品やいわゆる偽作までをも刊行する、江戸の出版業界の動向の一端を明確に示した。
「春信の色摺絵本~『絵本青楼美人合』と『絵本春の錦』~」, 藤澤紫, 日本浮世絵協会全国大会研究発表会, 1994年05月08日, 日本浮世絵協会, 学習院大学, 「日本浮世絵協会全国大会研究発表会」にて発表。学習院大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士後期課程在籍時に、鈴木春信の錦絵、版本作品の綿密な調査を行い、絵本を中心とした版本作品のレゾネを作成した。本発表では特に、春信の晩年の制作状況に言及し、錦絵の誕生と版本の多色摺への移行の時期に差異が生じている理由の一端を明らかにした。
「春信絵本の研究~『絵本青楼美人合』を読む~」, 藤澤紫, 学習院大学哲学会, 1993年06月27日, 学習院大学哲学会, 学習院大学, 「学習院大学哲学会」にて発表。平成4年3月、学習院大学にて学位を取得した修士論文「春信絵本の研究」の成果の一部をまとめた口述発表。春信の遺作となった全5冊の豪華多色摺絵本、『絵本青楼美人合』を軸に、詳細な作品研究を行った。本書は四季に因む構成になっており、巻頭から巻末まで全167図の女性像が移り変わる四季風俗に沿って描かれている。各図の連続性や、江戸座の俳諧と浮世絵師、出版業界、そして吉原遊郭の深いつながりの一端を明示した。
「浮世絵美人百年史(1) 鈴木春信が描いた評判の茶屋娘 元祖「会いに行けるアイドル」」, 日本経済新聞, 日本経済新聞, 2018年02月07日
広島県立美術館 「遊べる浮世絵 くもんの子ども浮世絵コレクション」展 監修, 2018年01月05日
「美人画 トップモデルにアイドル? 江戸の女は、リアルで美しい。」 「役者絵 麗しき姿も生きざまも憧れの的、江戸を代表する粋な男たち。」, 『PEN』, 2014年 1/1・15合併号, 阪急コミュニケーションズ, 2013年12月01日, 『PEN』2014年 1/1・15合併号圭哉。浮世絵を「 江戸庶民の暮らしを彩るポップカルチャー」として位置付けた特集号の取材協力。「美人画 トップモデルにアイドル? 江戸の女は、リアルで美しい。」 の項では、江戸時代文化における浮世絵美人画の機能を紹介。観賞品としてのみならず情報誌やファッション誌としての用途を解説した。「役者絵 麗しき姿も生きざまも憧れの的、江戸を代表する粋な男たち。」では、藤澤茜氏とともに、役者絵の特質とその展開について解説。
「月と遊ぶ(二十六夜待ち)」, 『YUCARI』, 4号, マガジンハウス, 2012年07月01日, 42, 45, 『YUCARI』4号掲載。特集記事「月と遊ぶ」の一環で、江戸時代に流行した風習の一つ、「二十六夜待ち」に関わる取材を受け、文章の構成、掲載作品の選定、編集等の業務に関わった。取材では、当時の江戸の暮らしにおいて「月」がいかに深く関わっていたのか、江戸の暦、祭礼、行事、装い、女性の暮らし、食文化などの各方面から述べた。誌面では、浮世絵版画を絵画史料として活用しながら、上記の事柄をより具体的に示すよう構成した。A4判、全98頁中、担当:特集記事(42~45頁) 出版:マガジンハウス
「ボストン美術館日本美術の至宝展」, NHK学園第13回仏教特別講座, 東京国立博物館・平成館大講堂, 2012年03月30日, 「NHK学園第13回仏教特別講座」講師。平成24年3月20日から6月10日にかけて、東京国立博物館平成館で特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」(主催:東京国立博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社)が開催された。東洋美術の殿堂と称されるアメリカ・ボストン美術館の史上最大規模の日本美術展で、仏画や絵巻、近世絵画の名品の見どころを2名の講師で担当した。筆者は曽我蕭白筆「雲龍図」、能装束など近世の絵画、染織品を解説した。
「日本美術の楽しみ~浮世絵と国際交流~」, 常磐会講演会, 学習院女子中・高等科C館内多目的ホール, 2012年03月08日, 「常磐会講演会」講師。学習院女子中・高等科卒業者の同窓会である、一般社団法人常磐会が主催した、事務局移転記念の講演会。「日本美術と国際交流」をテーマに、美術史研究を通じて得た経験や、国内外の展覧会業事情について講演。自身を振り返り、中・高等科における美術史教育の必要性と、日本の伝統文化に触れる機会を持つことの大切さを述べた。
「春信と歌麿 美人画と色彩の競演」, 中山道広重美術館平成23年度連続講座, 中山道広重美術, 2012年01月28日, 「中山道広重美術館平成23年度連続講座」講師。「浮世絵の華」をテーマとした、岐阜県の中山道広重美術館の講座。内藤正人氏「浮世絵師・勝川春章の人と芸術」、奥田敦子氏「広重の団扇絵 知られざる浮世絵」、浅野秀剛氏「大英博物館所蔵広重筆「木曾路写生帖」をめぐって」、神谷浩氏「北斎 世界で一番有名な日本人」に続く最終講座を担当。浮世絵の黄金期に、「浮世絵の華」と称される美人画界を先導した、鈴木春信と喜多川歌麿を軸に、浮世絵の豊かな色彩表現について述べた。
「遊べる浮世絵-日本美術史と国際交流」, 第16回学習院女子高等科講演会, 学習院大学創立百周年記念会館大ホール, 2011年05月14日, 「第16回学習院女子高等科講演会」講師。学習院女子高等科在学中の全学生および父兄、約500名を対象とした。浮世絵と国際交流をテーマに、スライドや資料を交え、美術史研究を通じて得た経験や、実際に体験した国内外における展覧会業務等、「研究と仕事の楽しみ」について講演した。また卒業生の一人として、美術史研究を志す際の留意点や、専門的な仕事を続けていく上での心構えなどを述べた。終了後は会場の学生から活発な質問が相次いだ。※講演録として、『学習院女子中・高等科講演会記録 第9号』(学習院女子高等科編、平成23年3月)が刊行、67頁にわたり本講演内容が掲載された。
「切手でたどる江戸のメディア浮世絵」, 切手の博物館展覧会記念講演会, 切手の博物館, 2011年02月12日, 「切手の博物館展覧会記念講演会」講師。専門委員をつとめる「切手の博物館」の特別展示、「切手でたどる江戸のメディア浮世絵」開催に因む記念講演会。展示テーマは「切手や郵便から文化を読み解くことができる」。浮世絵に取材した切手は日本国内だけで約170種、海外の例は枚挙にいとまがない。講演会では展示構成に因み、人物、風景、花鳥、その他の別に主題を分類、作品に描かれた場面をスライドで拡大し紹介、「切手は小さな美術品であり、高度な印刷物という点で浮世絵版画との共通性が高い」と締めくくった。
「江戸のメディア浮世絵・海を渡った作品群」, 第62回学習院大学史料館講座, 学習院大学創立百周年記念会館, 2010年06月14日, 「第62回学習院大学史料館講座」講師。学習院関係者を中心に、約550名が集まった。「江戸のメディア」を切り口に、近世絵画の中でも特に異彩を放つ浮世絵の魅力を、絵画史料を読み解く方式で紹介した。スライドで国内、在外の名品を鑑賞しながら、美人画、名所絵の特質とその魅力を解説した。また浮世絵が担った情報媒体としての機能と、個々の作品に託されたメッセージを読みとき、近年の海外調査の報告や展覧会の紹介、海外での浮世絵評価についても述べた。
「ボストン美術館所蔵 浮世絵デジタルデータが語る江戸の食文化」, 平成22年度「食文化セミナー」, キッコーマン本社, 2010年05月31日, 「平成22年度キッコーマン食文化セミナー」講師。東京農業大学客員教授、儀礼文化学会常務理事、日本醤油技術センター理事の懐石近茶流宗家、柳原一成先生とともに、絵画史料を通じて江戸の食文化の特質と魅力を解明した。その基礎資料として、ボストン美術館所蔵のスポルディング・コレクションの浮世絵画像データベースを使用、2000万画素の緻密な画像資料により、描かれた食材や庶民風俗が事細かに解析された。
L’ukiyo-e e i ritratti di bellezze - I media di Edo e l’abbigliamento「浮世絵と美人画-日本文化と装い-」, Museo d'Arte Orientale, MAO美術館・イタリア, 2010年02月12日, トリノに新たに創建された、東洋美術の専門美術館、Museo d'Arte Orientale(MAO美術館)の講演会。現在も国内外で高い評価を得ている浮世絵の魅力を、浮世絵の華と称される美人画を例に紹介。スライドと動画を駆使し、木版画による大量生産を通じて量産された錦絵が江戸の主要な情報媒体でもあったこと、19世紀に西洋に渡り、印象派の画家や音楽家にも強い影響を与え、現在もなお、美の親善大使となっていることに触れ、講演を締めくくった。通訳付き。
「広重と江戸名所」, 中山道広重美術館連続講座, 中山道広重美術, 2009年01月10日, 「中山道広重美術館連続講座」。平成14年度から続く連続講座。広重没後150年を記念し「広重を語る!」の題目で開催。新藤茂氏「広重の構図と遠近法~印象派の人々はなぜ驚いたか?~」、稲垣進一氏「広重と江戸時代庶民の旅」、浅野秀剛氏「江戸後期の浮世絵界と広重」、大久保純一氏「広重と江戸絵画」に続く最終講座を担当。広重が手懸けた江戸の名所絵を軸に、庶民と都市風俗、四季風俗、信仰などについて読み解いた。
「メディアとしての美人画-幕末の歌川派を中心に」, 太田記念美術館土曜講座, 太田記念美術館, 2008年11月22日, 「太田記念美術館土曜講座」講師。太田記念美術館にて開催の「ジャパニーズ・ビューティ」展にちなみ、展示作品を中心に、幕末期に活躍した歌川派の絵師が手がけた美人画の見どころを紹介した。現代のグラビアやファッション誌などと重ねながら、浮世絵美人画が有したメディアとしての機能を論じた。加えて、1枚の浮世絵が持つ情報がいかに豊かであるかを述べ、作品を「読む」ことの重要性を伝えた。
「ボストン美術館浮世絵名品展」, NHK学園浮世絵特別講座, 東京都江戸東京博物館, 2008年10月23日, 「NHK学園浮世絵特別講座」講師。東京都江戸東京博物館で開催された「ボストン美術館浮世絵名品展」の特別講座。明治期にアメリカに渡り、ボストン美術館の秘蔵コレクションとなった浮世絵作品が1世紀余りの時を経て里帰りした記念的な展覧会。初期浮世絵版画の誕生から幕末までの浮世絵の流れを、スライドを用いて紹介、会場でミュージアムトークも行った。
「広重の名所絵」, 特別展「初代広重没後150年記念 初代広重と二代広重の諸国名所絵展-六十余州名所図会と諸国名所百景-」展記念講演, 那珂川町馬頭広重美術館, 2007年10月07日, 那珂川町馬頭広重美術館「特別展 初代広重没後150年記念 初代広重と二代広重の諸国名所絵展-六十余州名所図会と諸国名所百景-」展記念講演会講師。江戸時代の人気浮世絵師、歌川広重が晩年に手懸けた大判錦絵の揃物、「六十余州名所図会」と、二代歌川広重が手がけた同一主題の揃物「諸国名所百景」を対比させながら、江戸時代後期の名所絵の流行と図像の継承について論じた。
『Great Ukiyo-e Masters 春信、歌麿、北斎、広重-ミネアポリス美術館秘蔵コレクションより-』, 浅野研究所, 2007年10月01日, 松濤美術館で開催された「Great Ukiyo-e Masters 春信、歌麿、北斎、広重-ミネアポリス美術館秘蔵コレクションより-」展カタログの学芸協力。アメリカ中西部唯一の総合美術館、ミネアポリス美術館のリチャード・ゲールコレクションを中核とする浮世絵版画3000点から約250点を厳選した展示。初公開となる作品も多く含まれた。A4判、全280頁、担当:学芸協力 出版:浅野研究所
「鈴木春信の絵本と錦絵」, 山口県立萩美術館・浦上記念館 第6回美術講座, 2000年11月18日, 「山口県立萩美術館・浦上記念館第6回美術講座」講師。鈴木春信の絵本と錦絵を比較し、同一の故事や物語などに取材した作例に、表現上の大きな差異があることを明らかにした。そこから、版元や作者などの制作側の人々が、絵本の読者と錦絵の顧客とを区別し、意図的に表現の質を変えていたことを明示。主に貸本屋等を介して普及した墨摺絵本と、高価な初期錦絵の享受者層の違いを明らかにした。