『封氏聞見記』訳注(一〇), 髙瀬奈津子・江川式部, 『札幌大学研究紀要』, 第6号, 362, 344※逆ページ, 2024年03月31日, 札幌大学, 唐・封演『封氏聞見記』巻四・定諡、明堂部分の訳注
『封氏聞見記』訳注(九), 髙瀬奈津子・江川式部, 『札幌大学研究紀要』, 第4号、学系統合号, 352, 335※逆ページ, 2023年03月31日, 札幌大学, 唐・封演『封氏聞見記』巻四部分の訳注
南宋・高邁『夷堅志』の史的研究活用に向けて(六), 須江隆・江川式部, 『日本大学生物資源科学部 人間科学研究』, 第20号, 128, 112※逆ページ, 2023年03月10日, 日本大学, 南宋・高邁『夷堅志』支甲巻の部分訳注
『封氏聞見記訳注』(八), 髙瀬奈津子・江川式部, 札幌大学研究紀要, 第2号 学系統合号, 1, 18, 2022年03月31日, 札幌大学
唐代の藩鎮と祠廟, 江川式部, 國學院雜誌, 第122巻, 第2号, 1, 18, 2021年02月15日, 國學院大學
『封氏聞見記』訳注(七), 髙瀬奈津子・江川式部, 『札幌大学総合研究』, 2020年03月, 札幌大学
唐前半期における儀注編纂について, 江川式部, 『金子修一先生古稀記念論文集 東アジアにおける皇帝権力と国際秩序』, 2020年03月, 金子修一先生古稀記念論文集編集委員会
唐の礼官と礼学, 江川式部, アジア遊学, 第242号, 77, 94, 2020年01月, 勉誠出版
植えて・収穫して・食べる―中国史の中のアブラナ科植物―, 江川式部, 『アジア遊学』, 第235号, 2019年06月, 勉誠出版
中国におけるアブラナ科植物の栽培とその歴史, 江川式部, 『アジア遊学』, 第235号, 78, 91, 2019年06月, 勉誠出版
『大唐開元礼』の“如式”“如常式”について, 江川 式部, 法史学研究会会報, 22, 173, 185, 2019年03月
『封氏聞見記』訳注(六), 髙瀬 奈津子; 江川 式部, 札幌大学総合論集, 11, 164, 138, 2019年03月
『大唐開元礼』礼目の再検討―収載されなかった祭祀儀礼を中心に―, 江川 式部, 明大アジア史論集, 23, 114, 128, 2019年03月
『封氏聞見記』訳注(五), 髙瀬 奈津子; 江川 式部, 札幌大学総合研究, 10, 235, 254, 2018年03月
判文からみた唐代の礼と社会秩序, 江川 式部, 法史学研究会会報, 21, 171, 181, 2018年03月
『封氏聞見記』訳注(四), 髙瀬 奈津子; 江川 式部, 9, 100, 70, 2017年03月
史料紹介 唐・王涇撰『大唐郊祀録』, 江川 式部, 法史学研究会会報, 20, 164, 170, 2017年03月
『封氏聞見記』訳注(三), 髙瀬 奈津子; 江川 式部, 札幌大学総合研究, 8, 105, 130, 2016年03月
南北朝隋唐礼制関連研究文献目録(中文篇3)2010-2014年, 江川 式部, 法史学研究会会報, 19, 153, 164, 2016年03月
唐代の奉勅撰墓誌について, 江川 式部, 法史学研究会会報, 18, 44, 69, 2015年03月
『封氏聞見記』訳注(二), 髙瀬 奈津子; 江川 式部, 札幌大学総合研究, 6, 2015年03月
唐代的上墓儀礼-墓祭習俗編入礼典及其意義-, 江川 式部, 法律訳評, 2013年, 121, 137, 2014年11月
唐代の沙門勅葬について, 江川 式部, 明大アジア史論集, 18, 135, 154, 2014年03月
『封氏聞見記』訳注(一), 江川 式部, 札幌大学総合研究, 5, 27, 44, 2014年03月
唐代の改葬儀礼とその制度, 江川 式部, 東洋史研究, 72, 2, 69, 109, 2013年09月, 東洋史研究会, 改葬とはいちど造った墓を他所へ遷すことである。唐代では、諸事情により各地に仮埋葬されていた柩を祖塋に遷したり、父母を合葬することが、子や孫にとってなかば義務のように理解され、多くの改葬が行われた。本稿では、唐代の社会的な事象でありながら、制度面においてまだ不明な点の多い改葬儀礼について、『大唐開元礼』の改葬条の礼文構成の検討、及び実際に行われた手順やそこから看取される諸問題について整理分析を試みた。唐元和年間に権徳輿が行った事例をとりあげつつ、制度のその運用について検討を加えた。
西安市長安博物館編『長安新出墓誌』, 江川 式部, 東アジア石刻研究, 4, 105, 110, 2012年03月
貞元年間の太廟奏議と唐代後期の礼制改革, 江川 式部, 中国史学, 20, 153, 175, 2010年10月, 朋友書店
唐代の上墓儀礼-墓祭習俗の礼典編入とその意義について-, 江川 式部, 東方学, 120, 34, 50, 2010年07月, 東方学会
顔勤礼碑と顔氏一門, 江川 式部, 東アジア石刻研究, 2, 11, 49, 2010年03月
南北朝隋唐期礼制関連研究文献目録(中文篇2/2001~2009年), 江川 式部, 法史学研究会会報, 14, 143, 154, 2010年03月
南北朝隋唐期礼制関連研究文献目録(中文篇1/1980~2000年), 江川 式部, 法史学研究会会報, 13, 129, 141, 2009年03月
南北朝隋唐期礼制関連研究文献目録, 江川 式部, 法史学研究会会報, 12, 131, 141, 2008年03月
唐朝の喪葬儀礼における哀冊と諡冊-出土例を中心に-, 江川 式部, 明治大学古代学研究所紀要, 5, 3, 23, 2007年10月
唐代酒礼の研究, 江川 式部, 明治大学, 1, 289, 2007年03月
唐朝祭祀における三献, 江川 式部, 駿台史学, 129, 21, 51, 2006年12月
唐朝祭祀における賜酺と賜宴, 江川 式部, 唐代史研究, 8, 2, 25, 2005年08月
唐玄宗期の県令と誡励-山東臨沂「勅処分県令碑」と陝西乾県「令長新誡碑」からみた-, 江川 式部, 明大アジア史論集, 10, 146, 168, 2005年03月
唐の廟享と祼礼, 江川 式部, 明治大学人文科学研究所紀要, 55, 171, 200, 2004年03月
漢熹平石経研究の現状と課題-附日本所蔵熹平石経刻石・拓本調査-, 江川 式部, 明大アジア史論集, 7, 3, 42, 2002年02月
唐朝祭祀における玄酒と明水-『大唐開元礼』の記載とその背景-, 江川 式部, 駿台史学, 113, 1, 25, 2001年08月
唐朝祭祀における五斉三酒, 江川 式部, 明治大学文学研究論集, 14, 187, 202, 2001年02月
吉川忠夫著『顔真卿伝-時事はただ天のみぞ知るー』, 江川式部, 唐代史研究, 第23号, 152, 156, 2020年08月10日, 唐代史研究会
「中国古文書学概論-公文書の様式研究を例に-」, 黄正建著・江川式部訳, 『古文書の様式と国際比較』, 2020年02月08日, 勉誠出版
谷川道雄著『谷川道雄中国史論集』下巻, 江川式部, 『唐代史研究』, 第22号, 2020年08月, 唐代史研究会
唐代の社会と礼, 江川 式部, 44, 185, 188, 2018年03月
礪波護『隋唐佛教文物史論考』, 江川 式部, 唐代史研究, 20, 196, 202, 2017年08月
中国中世の礼制構造―唐朝における礼・敬・孝・恩」を手掛かりに―, 江川 式部, 比較思想研究, 43, 204, 207, 2017年03月
稲田奈津子著『日本古代の喪葬儀礼と律令制』, 江川 式部, 法制史研究, 66, 225, 230, 2017年03月
「佐立治人著「ゆく人来る人―唐儀制令行路条の「去避来」について―」(『関西大学法学論集』62-1)、小野達哉著「唐代後半の路遇礼と官人の秩序」(『文化史学』68号), 江川 式部, 法制史研究, 63, 260, 264, 2014年03月
廣瀬憲雄著『東アジアの国際秩序と古代日本』, 江川 式部, 史学雑誌, 123, 1, 90, 100, 2014年01月
2012年の回顧と展望:隋唐, 江川 式部, 史学雑誌, 2013年5月, 210, 216, 2013年05月
大隅清陽著『律令官制と礼秩序の研究』 吉川弘文館 2011年, 江川 式部, 法制史研究, 62, 138, 143, 2013年03月
趙文成・趙君平編選『新出唐墓誌百種』, 江川 式部, 東アジア石刻研究, 5, 148, 161, 2013年03月
趙振華著『洛陽古代銘刻文献研究』, 江川 式部, 東アジア石刻研究, 3, 90, 94, 2011年03月
中国・台湾史に関するデータベース, 江川 式部, 日本歴史, 740, 30, 34, 2010年03月
中村裕一著『唐令佚文の研究』, 江川 式部, 唐代史研究, 11, 69, 76, 2009年08月
金子修一著『中国古代皇帝祭祀の研究』, 江川 式部, 法制史研究, 57, 318, 325, 2008年03月
金成奎氏「宋代皇帝喪葬儀禮の構造と意義―『儀禮』・『大唐元陵儀注』との比較」報告に関するコメント, 江川式部, 国際研究集会「東アジアの喪葬儀礼と王権」, 2024年12月21日, 伴瀬明美, 大阪市, 韓国・全北大学・金成奎氏の研究報告「宋代喪葬儀禮の構造と意義―『儀禮』・『大唐開元禮』との比較―」についてのコメント報告
唐の弔祭と冊礼, 江川式部, 國學院大學国史学会例会報告, 2019年05月11日
『大唐開元礼』礼目の再検討―収載されなかった儀礼を中心に―, 江川 式部, 第63回 東方学者会議, 2018年05月19日
唐代の社会と礼, 江川 式部, 比較思想学会 近畿支部例会報告, 2018年02月24日
中国隋唐礼制研究の現在, 江川 式部, 國學院大學 国史学会例会報告, 2017年05月27日
唐代礼書の系譜, 江川 式部, 「学術と支配」研究会 例会報告, 2017年02月25日
中国中世の礼制構造―唐朝における礼・敬・孝・恩を手掛かりに―, 江川 式部, 比較思想学会 近畿支部例会報告, 2016年07月23日
唐代の藩鎮と祠廟, 江川 式部, 第57回遼史を読む会 研究報告, 2016年02月28日
唐代の廟碑―祠廟碑・家廟碑とその諸相―, 江川 式部, 「文字文化からみた東アジア社会の比較研究」 研究会報告, 2015年12月19日
唐代の葬儀官給について, 江川 式部, 第177回法史学研究会, 2014年10月17日
唐代の奉勅撰墓誌について, 江川 式部, 第6回中国石刻合同研究会, 2014年02月28日
河北・山西の仏教遺跡と石刻文物の調査報告, 江川 式部, 科学研究費補助金成果報告シンポジウム「六朝隋唐時代をめぐる仏教社会の基層構造」, 2013年01月13日
唐代の弔祭, 江川 式部, 東方学会 平成24年度秋季学術大会, 2012年11月10日
唐の祭祀儀礼と太常寺, 江川 式部, 第34回 立命館史学会大会, 2011年12月11日
唐代の家廟, 江川 式部, 第109回史学会 東洋史部会, 2011年11月06日
中国史のなかの神と皇帝, 江川 式部, 国士舘大学 東洋史講演会, 2010年11月17日
唐代の遷葬, 江川 式部, 第59回 東北中国学会, 2010年05月30日
源氏物語と唐の礼楽思想-物語に書かれなかった“楽”をめぐって, 江川 式部, 明治大学古代学研究所公開シンポジウム「源氏物語と音楽-文学・歴史・文化史の接点-」, 2010年03月19日
貞元年間的太廟奏議和唐代後期的礼制改革, 江川 式部, 2009年09月26日
顔勤礼碑所載の人物について, 江川 式部, 科学研究費補助金成果報告会「中国仏教石刻をめぐる諸問題」シンポジウム, 2009年01月10日
中国近世社会史研究の課題:劉静貞「北宋墓誌書写活動中的女性参与」コメント, 江川 式部, 第一回中国史学国際研究交流会, 2008年03月15日
「礼儀使(礼官)時代の顔真卿とその書-あわせて明大所蔵「顔勤礼碑」拓本の紹介-」, 江川 式部, 明治大学新収貴重拓本展「唐代の石刻と文人文化」特別企画:顔真卿と近年発見の石刻資料シンポジウム, 2008年03月13日
古代東アジアにおける王権と葬儀:呉麗娯「唐代皇帝の喪葬と山陵使」通訳及び中国史関連報告コメント, 江川 式部, 第51回 国際東方学者会議シンポジウムb, 2006年05月19日
石刻史料から探る北朝隋唐仏教の世界-中皇山媧皇宮石経(河北省渉県索堡鎮唐王山)-, 江川 式部, 第二回石刻研究成果公開セミナー, 2006年03月10日
中国石刻史料をめぐる諸問題:北嶽題記よりみた唐代の常祀について, 江川 式部, 第一回石刻研究成果公開セミナー, 2006年01月
唐代における賜酺と賜宴, 江川 式部, 唐代史研究会 夏期シンポジウム, 2004年08月
従唐代儀礼制度来看研究《大唐元陵儀注》的価値, 江川 式部, 中国唐史学会, 2004年07月25日
19H01325, 2019, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 南宋・洪邁『夷堅志』の史的研究活用に向けた史料性及び全容の解明と情報ツールの構築
18H00700, 2018, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 東アジア諸王室における「后位」儀礼比較史の協教的研究
18K01005, 2018, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 祭祀儀礼からみた唐代の藩鎮と地方社会の研究
日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 喪葬文物による,中国古代の西北地域に関する域圏論的研究
日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 隋唐の礼制と石刻資料研究の現在
明治大学, 総合研究, 中国とその周辺における地域社会と宗教をめぐる総合研究
日本学術振興会, 科学研究費補助金 基盤研究(B), 六朝隋唐時代をめぐる佛教社会基層構造の解明と仏教石刻資料データベースの構築
日本学術振興会, 科学研究費補助金 基盤研究(C), 唐代地方社会の祭祀儀礼の研究
19H01325, 南宋・洪邁『夷堅志』の史的研究活用に向けた史料性及び全容の解明と情報ツールの構築, 本研究は南宋時代の筆記史料『夷堅志』に着目し、その史料性及び全容の解明と、史的研究への活用の便をはかるための情報ツールの構築を目的とする。;『夷堅志』は当時の人々の日常性を見出せる史料の宝庫であるが、史料の特質や全容が把握されておらず、とりわけ歴史的研究分野では有効活用されてこなかった。近年、中国学分野で国際的にも注目が集まる筆記史料であるだけに、本研究では、国際的な共同研究のもと、『夷堅志』の全容の見える化をはかり、同書を活用した史的研究の活発化を促進する。;『夷堅志』206巻は、南宋の洪邁が各地で見聞・収集した怪事などを纏めて書き記した書で、志怪小説に分類される。一個人の著作としては空前の書物で、その内容は社会全般に及び、風俗習慣から神仙鬼神、精神生活や医薬の処方など極めて多岐にわたる。そのため、他の著作には見えない、当時の人々の生き生きとした日常性や生活文化の実態、価値観などを窺い知ることができる史料の宝庫である。;本研究では、『夷堅志』を如何に史的研究に活用すべきなのか、どうしたら『夷堅志』活用の便をよりはかれるのか、『夷堅志』を国際的共同研究の素材として推進するためにはどうすべきなのかという課題に取り組み、その成果を公表した。;本研究の学術的意義は、全容の解明が殆ど進んでいなかった『夷堅志』支甲所収の逸話に関わる詳細な訳注稿を作成し、当該箇所に所収されている逸話の見える化をはかったところにある。これらの成果は、中国史研究者のみならず、中国文学や日本文学研究者からも高い評価が得られ、内外の関連学界にインパクトを与えることになった。また着目した各逸話から抽出できた史実は、従来の研究でいわれてきた事実を覆すものも複数含まれていた。;更に本研究での訳注稿の作成・公表は、現代を生きる我々が現実を見つめ直す上で、比較・参照すべき過去の生き生きとした日常的実態が素材として提供されたことを意味するため、社会的意義をも有する。
18K01005, 祭祀儀礼からみた唐代の藩鎮と地方社会の研究, 本研究は、中国唐代の藩鎮が、在地で行っていた祭祀儀礼や祠廟保護の活動について明らかにすることにより、これまでほとんど考察されてこなかった、藩鎮の地域文化への貢献とその意義について、究明することを目的とした。研究の結果、藩鎮が自発的に在地の祠廟を再建し、いちど途切れた祭祀を復活させていた事実が判明した。またそうした在地の信仰に対して、唐朝は寛容であったことも確認できた。;この研究を通して、軍閥としての藩鎮の新たな側面が明らかとなり、唐から宋へと移り変わる混乱の時代の、地方社会とその伝統文化の継承を理解するうえで、重要な知見を得た。;藩鎮は、中国唐~宋初の歴史社会に極めて重要な役割を果たした政治体制であり、したがって、これまでも多くの研究が行われてきた。しかし従来の藩鎮研究は、その軍閥的性格の分析に関心が集中し、在地社会における藩鎮の文化的役割については等閑視されてきた。本研究によって、藩鎮が軍政のみならず、祠廟の保護・再建や祭祀を自発的に行っていたことがわかり、これまでの政治・軍事・経済面からの分析に加え、祭祀儀礼を通じた地方伝統文化の保護継承という、藩鎮研究の新たな切り口を提示することができた。
18H00700, 東アジア諸王室における「后位」儀礼比較史の協業的研究, 前近代東アジア諸王室に共通してみられる「后位」(皇后、王后など)にかかわる儀礼・諸制度の基礎研究を通じて、中国礼制の東アジア地域における〈受容〉と〈独自の発展〉の両側面の在り方を明らかにしたいという根本的な問題意識のもと、東アジア諸地域研究者の協業的研究体制によって、諸王室の礼典・儀礼書の厳密な解読を基盤とする堅実な実証研究に取り組み、中国礼制が東アジア諸地域に継受されていく具体的様相のみならず、多様な受容のあり方、非漢族国家における礼的逸脱とも言うべき特殊性の具体的様相を明らかにした。;前近代東アジア諸王室に共通してみられる「后位」(皇后、王后など)にかかわる儀礼や諸制度に関する実証的な基礎研究を通じて、中国礼制が東アジア諸地域に受容されていく具体的様相を考察し、中国礼制を継受するだけでなく、多様な受容のあり方があり、とくに非漢族国家においては礼的逸脱とも言うべき特殊性がみられることを、その具体的様相を明らかにした。;本研究の成果は、東アジア諸地域における文化的・社会的多様性の歴史的背景の解明に資するものといえるだろう。
16H05678, 域圏論の視点による中国古代地域社会像の構築, 本研究は,出土史料を用いながら,中国古代史における地域社会像を構築することを目的とする.出土史料のなかでも,墓に埋納された文物(喪葬用文物)に注目し,その分布状況や具体的な内容などを手がかりとしながら,喪葬文化圏の解明につとめた.またフィールドとして,中国世界の西北部に位置する河西地域を取り上げた.;河西地域については,中央の為政者・知識人らから一つの「地域」として見られていたが,喪葬用文物の分布状況から見ると,東部とそれ以外では大きな違いが見られた.またそれ以外の地でもおおよそ小地域ごとに内容に違いが見られた.;「地域」をめぐる問題はすぐれて現実的な課題である.しかし「地域」という概念は学術的にはあまりにも多義的であって,理解は容易ではない.本研究は,行政単位のような即自的で可視的な地域ではなく,文化圏というアモルファスで不可視的な地域の剔抉を目ざした.;この可視的な地域と不可視的な地域は全く無関係というわけではなく,重なることもあるという複雑な関係にあるが,文化圏に着目した本研究の成果は,可視的な地域を重視しがちな「地域」論を相対化するための方法としての意義を有している.
15K02913, 隋唐の礼制と石刻資料研究の現在, 本研究は、1960年代以後に行われてきた隋唐礼制研究の研究動向を整理し、またこれまで文献史料に依拠してきた隋唐礼制研究に、新たに石刻資料を活用することを目的とした。研究の結果、唐代後半期において、祠廟に建てられた碑文の多くが、国や地方官署ではなく、藩鎮という軍閥によって建てられていたことがわかり、在地の祠廟やそこで行われる祭祀の保護・継承に、軍閥が深く関わっていた様子が看取された。この研究を通して、次の時代につながる新たな伝統の形成や、社会文化像の理解を考えるうえで、有益な知見を得た。
26300003, アブラナ科植物の伝播・栽培・食文化史に関する領域融合的研究, アブラナ科植物は多岐にわたる品種があり、東アジアの米主食文化では中心的副食の素材であり、搾油原料としても広く栽培されてきた。これらの伝播・受容・栽培という問題に関して、歴史史料と遺伝学的見地からの領域融合的な研究を実施してきた。;その過程で、日本およびアジア各地において、農学・人文学の研究者が共同で栽培形態・食用文化・利用方法や関係技術等を調査しつつ、アブラナ科植物と人間社会の関わりを文化史的・遺伝学的見地から総合的議論を積み重ねてきた。これらの議論や共通認識等の内容については、成果物としてとりまとめを行った。今後、一般社会向けの刊行物として公刊する予定である。
22320144, 六朝隋唐時代をめぐる仏教社会基層構造の解明と仏教石刻資料データベースの構築, 本研究の目的は、魏晋南北朝隋唐時代の本質が「仏教社会」であるとの認識に立って、その社会の構造や特質を、仏教石刻(主に文字資料)を通じて明らかすることにある。本研究では、(1)房山石経、(2)山西・河北仏教石刻、(3)四川仏教石経、(4)華北仏教石刻の4本の柱を立て、現地調査や資料整理と考察を進めた。(1)では4千点以上の隋唐石経の所在状況と題記を整理し、(2)では山西長治地区の仏教に焦点を当て、(3)では洛陽の石刻資料の把握に努め、(4)では四川灌県の仏教石経の所在に迫った。当時の仏教社会の基層を浮き彫りにするにはなお研究の深化が必要となるが、多くの成果により基礎的作業はほぼ終了したと考える。
20520624, 唐代地方社会の祭祀儀礼の研究, 本研究の目的は、中国における「礼」の社会への浸透を、唐代における具体的事例として把握分析することにあった。研究の結果「墓参り」「遷葬」などの具体例が明らかとなり、中国社会における礼の浸透については、唐代が画期となっていたことが鮮明になった。今後は唐代社会におけるこうした動きと、五代・宋以後の社会とのつながり、そして日本及び周辺諸国における唐礼の意義について考察することが可能となる。
18320119, 東アジア仏教確立期における中国仏教石刻文物の資料的地域的研究, 東アジア世界の母体となる中国仏教が確立した6世紀後半、北朝後期から隋初の時期、華北東部一帯に石に刻んだ経典(石経)や石仏が集中的に作られた。末法思想の広まりの中で、仏法を後代に残すために追求された結果がその石刻事業となる。本研究は現地において仏教石刻と遺跡を調査し、関係資料を系統的網羅的に収集整理し、石に刻まれた資料の広汎な存在、当時を知る貴重で多彩な内容が包含される事実を明らかにし、今後の研究の基本情報を提示することができた。
22H00686, 東アジア諸地域における王室儀礼比較史のための国際的研究基盤の構築, 前近代東アジア地域の諸王室は、中国礼制の影響のもと、制度や称号・身位において多くの共通点をもつ。しかし、制度運用の実態や称号・身位のあり方は王室によって大きく異なり、とくに非漢族国家では〈逸脱〉ともいうべき事例が見出せる。;本研究では時代的地理的に広範な東アジア諸地域における王室儀礼を中国礼制と相互に比較し分析することによって、中国礼制の継受から〈逸脱〉まで多様な受容のあり方の具体的様相とその多様性をもたらした歴史的背景を考察し、礼制伝播のあり方という視点から東アジアにおける多様性の歴史的意義の解明を目指す。;また研究に用いた資料・データを公開し、今後の比較史研究にむけた研究基盤を形成する。;前近代東アジア諸地域の諸王室は、中国礼制の影響のもとで、制度や称号・身位において多くの共通点をもつ。しかし制度運用の実態や称号・身位のあり方は王室によって大きく異なり、とくに非漢族国家では礼的〈逸脱〉ともいうべき事例が見出せる。本研究ではそうした多様性が顕著に現れる「后位」(皇后、王后等)関連儀礼を中心に、時代的地理的に広範な東アジア諸地域における王室儀礼を中国礼制と相互に比較し分析することによって、中国礼制の継受から〈逸脱〉まで多様な受容のあり方の具体的様相を明らかにするとともに、その多様性をもたらした歴史的背景を考察し、礼制伝播のあり方という視点から東アジアにおける多様性の歴史的意義の解明を目指している。;本年度は、金(12世紀前半に女真が中心となり東北アジアに勃興)の后位について本格的な研究を開始した。本研究においては、主要礼典・儀礼書における后位関連儀礼の解読、訳注の作成を、礼制受容の多様性を具体的に析出する手段として研究計画の中核としている。現在、金の儀礼書『大金集礼』に収められた皇后・皇太后儀礼を解読することによって、金における皇后や後宮の成立期の様相を考察している段階である。;また、定例研究会である「東アジア后位比較史研究会」では、東アジア非漢族国家である高麗・元・琉球の后位や後宮、皇宮を含む都城に関する研究報告をもとに、各王室の后位や後宮のあり方の多様性について議論・検討を行った。;さらに、北魏・朝鮮・清の后位や後宮に関する最新の研究成果となる中国・韓国研究者の論文を翻訳し、それをふまえて当該地域の后位の独自性や中国礼制からの逸脱的状態について議論を深めた。こうした研究活動の成果の一部は、本科研参画研究者を中心とする研究者の執筆により、東アジア諸地域の後宮をテーマとする単行本に収載される予定である。;研究計画において掲げた訳注対象礼典・儀礼書のうち、2022年度に着手できたのは『大金集礼』のみだが、事前に推測した以上に本研究課題にとって重要な内容を含むものであり、着実な研究成果を得つつある。;関連文献目録の更新・拡充は作業のための人員が難しく、遅れているが、后位・后妃に関する中国語/韓国語による主要関連論文の翻訳は計画以上に進んでいる。;前科研での成果に2022年度における研究成果を加え、中国礼制受容の多様性とその歴史的背景に関する研究書を研究者のみならず一般の方も手に取りやすい単行本として刊行するための準備を行っている。;礼典・儀礼書の訳注については、まずは、研究的に意義の大きい『大金集礼』の訳注に集中する予定である。それとともに、2022年度の研究において、中国礼制からの色濃い独自性が再確認された琉球やベトナムに関して、研究対象を広げることも検討しており、今後、両地域に関する関連学知の獲得につとめたい。そのための場として、ひきつづき東アジア后位比較史研究会を1、2ヶ月に一度開催する。;后位・后妃関連外国語論文の翻訳が順調に進展していることをふまえ、外国語論文翻訳集を中間報告書の形で発刊する。;また、2022年度は実施できなかった儀礼空間の調査について、首里城遺構・玉陵から調査を開始する。
23K21958, 東アジア諸地域における王室儀礼比較史のための国際的研究基盤の構築, 前近代東アジア地域の諸王室は、中国礼制の影響のもと、制度や称号・身位において多くの共通点をもつ。しかし、制度運用の実態や称号・身位のあり方は王室によって大きく異なり、とくに非漢族国家では〈逸脱〉ともいうべき事例が見出せる。;本研究では時代的地理的に広範な東アジア諸地域における王室儀礼を中国礼制と相互に比較し分析することによって、中国礼制の継受から〈逸脱〉まで多様な受容のあり方の具体的様相とその多様性をもたらした歴史的背景を考察し、礼制伝播のあり方という視点から東アジアにおける多様性の歴史的意義の解明を目指す。;また研究に用いた資料・データを公開し、今後の比較史研究にむけた研究基盤を形成する。;前近代東アジア諸地域の諸王室は、中国礼制の影響のもとで、制度や称号・身位において多くの共通点をもつ。しかし制度運用の実態や称号・身位のあり方は王室によって大きく異なり、とくに非漢族国家では礼的〈逸脱〉ともいうべき事例が見出せる。本研究ではそうした多様性が顕著に現れる「后位」(皇后、王后等)関連儀礼を中心に、時代的地理的に広範な東アジア諸地域における王室儀礼を中国礼制と相互に比較し分析することによって、中国礼制の継受から〈逸脱〉まで多様な受容のあり方の具体的様相を明らかにするとともに、その多様性をもたらした歴史的背景を考察し、礼制伝播のあり方という視点から東アジアにおける多様性の歴史的意義の解明を目指している。;本年度は、金(12世紀前半に女真が中心となり東北アジアに勃興)の后位について本格的な研究を開始した。本研究においては、主要礼典・儀礼書における后位関連儀礼の解読、訳注の作成を、礼制受容の多様性を具体的に析出する手段として研究計画の中核としている。現在、金の儀礼書『大金集礼』に収められた皇后・皇太后儀礼を解読することによって、金における皇后や後宮の成立期の様相を考察している段階である。;また、定例研究会である「東アジア后位比較史研究会」では、東アジア非漢族国家である高麗・元・琉球の后位や後宮、皇宮を含む都城に関する研究報告をもとに、各王室の后位や後宮のあり方の多様性について議論・検討を行った。;さらに、北魏・朝鮮・清の后位や後宮に関する最新の研究成果となる中国・韓国研究者の論文を翻訳し、それをふまえて当該地域の后位の独自性や中国礼制からの逸脱的状態について議論を深めた。こうした研究活動の成果の一部は、本科研参画研究者を中心とする研究者の執筆により、東アジア諸地域の後宮をテーマとする単行本に収載される予定である。;研究計画において掲げた訳注対象礼典・儀礼書のうち、2022年度に着手できたのは『大金集礼』のみだが、事前に推測した以上に本研究課題にとって重要な内容を含むものであり、着実な研究成果を得つつある。;関連文献目録の更新・拡充は作業のための人員が難しく、遅れているが、后位・后妃に関する中国語/韓国語による主要関連論文の翻訳は計画以上に進んでいる。;前科研での成果に2022年度における研究成果を加え、中国礼制受容の多様性とその歴史的背景に関する研究書を研究者のみならず一般の方も手に取りやすい単行本として刊行するための準備を行っている。;礼典・儀礼書の訳注については、まずは、研究的に意義の大きい『大金集礼』の訳注に集中する予定である。それとともに、2022年度の研究において、中国礼制からの色濃い独自性が再確認された琉球やベトナムに関して、研究対象を広げることも検討しており、今後、両地域に関する関連学知の獲得につとめたい。そのための場として、ひきつづき東アジア后位比較史研究会を1、2ヶ月に一度開催する。;后位・后妃関連外国語論文の翻訳が順調に進展していることをふまえ、外国語論文翻訳集を中間報告書の形で発刊する。;また、2022年度は実施できなかった儀礼空間の調査について、首里城遺構・玉陵から調査を開始する。
JP23K21958, 東アジア諸地域における王室儀礼比較史のための国際的研究基盤の構築, 前近代東アジア地域の諸王室は、中国礼制の影響のもと、制度や称号・身位において多くの共通点をもつ。しかし、制度運用の実態や称号・身位のあり方は王室によって大きく異なり、とくに非漢族国家では〈逸脱〉ともいうべき事例が見出せる。;本研究では時代的地理的に広範な東アジア諸地域における王室儀礼を中国礼制と相互に比較し分析することによって、中国礼制の継受から〈逸脱〉まで多様な受容のあり方の具体的様相とその多様性をもたらした歴史的背景を考察し、礼制伝播のあり方という視点から東アジアにおける多様性の歴史的意義の解明を目指す。;また研究に用いた資料・データを公開し、今後の比較史研究にむけた研究基盤を形成する。;本研究は、「后位」(皇后、王后等)関連儀礼を中心に、時代的地理的に広範な東アジア諸地域における王室儀礼を中国礼制と相互に比較し分析することによって、中国礼制の継受から〈逸脱〉まで多様な受容のあり方の具体的様相を明らかにするとともに、その多様性をもたらした歴史的背景を考察し、礼制伝播のあり方という視点から東アジアにおける多様性の歴史的意義の解明を目指すものである。;本年度は昨年度につづき、金(12世紀前半に女真が中心となり東北アジアに勃興)の后位儀礼を中心に研究を行った。本研究においては、礼制受容の多様性を具体的に析出する手段として、主要礼典・儀礼書における王室儀礼儀注の解読・訳注の作成を研究計画の中核としており、現在、金の儀礼書『大金集礼』に収められた皇后・皇太后関連儀礼の儀注を解読することによって、金における皇后や後宮の成立期の様相を考察している。;定例研究会である「東アジア后位比較史研究会」では、非漢族王朝である高麗、朝鮮、日本の祭祀儀礼、宗教儀礼に関する研究報告をもとに、各王室の儀礼のあり方の多様性について考察を深めた。現地調査に関しては、本年度は沖縄本島所在の琉球王朝の儀礼史跡についての調査を行った。関連する文献史料を調査した後、喪葬や祖先祭祀に関する史跡を巡見し、明清による冊封下で影響を受ける一方で、王権儀礼においては強い独自性を有した様相を検証した。;また、北魏・朝鮮・高麗の后位や後宮に関する最新の研究成果となる中国・韓国研究者の論文の翻訳を進めた。;さらに、これまでの研究成果を広く公開することを目指し、本研究課題への参画研究者を中心とした内外研究者の執筆による東アジア諸地域の後宮をテーマとした一般向け論文集を編集・刊行した。;研究計画で掲げた訳注対象儀礼書のうち、着手できているのは現在訳注中の『大金集礼』のみだが、本書の訳注により、事前に推測した以上に本研究課題にとって重要な発見が得られているため、重点的に訳注を行う意義があると考える。;また、研究成果を単行本として公表できた点では計画以上に順調である。;本年度に計画していた外国語主要論文集の刊行は、前記単行本編集作業のために次年度に延期したが、翻訳作業は順調に進んでいる。また、現地調査の進捗については計画どおりである。;『大金集礼』の訳注については、現在作業中の第五巻を本年度中に終える見通しであるが、本書の訳注は学術的意義が高いため、ひきつづき巻六・巻七の后妃関連儀礼に進む予定である。;「東アジア后位比較史研究会」においては、南漢、日本、朝鮮半島における后位関連儀礼等を専門とする研究者を招き、議論を通じて関連学知の獲得につとめる。;2024年度は2023年度に刊行できなかった外国語主要論文の翻訳論文集を研究成果報告書として刊行する予定である。;また、文献目録の増補をひきつづき行い、海外の研究動向の把握に努めるとともに、次年度以降の増補分の公開にむけて準備作業を進める。現地調査については、中国(西安)における皇宮空間の調査を行うことを予定している。