道教における男の霊魂と女の霊魂―召魂儀礼の男旛・女旛および女人十四魄をめぐって―, 浅野 春二, 新國學, 16, 1, 19, 2024年12月01日, 國學院大學院友学術振興会
天に昇るための切符―道教の死者救済儀礼における「昇天券」をめぐって―, 浅野 春二, 田中 文雄編『冥府考―死者の世界―』, 251, 292, 2023年03月31日, ノンブル社
魂魄雑考―亡人の三魂「不過三寸」をめぐってー, 浅野 春二, 新國學, 復刊第14号, 31, 47, 2022年12月01日, 國學院大學院友学術振興会, 道蔵所収の儀礼文献である寗全真授・王契真纂『上清霊宝大法』などに見られる、亡人の霊魂が「不過三寸」または「不過三尺」であるという記載をめぐって、霊魂の大きさ、姿形について考察する。「不過三寸」「三魂七魄の図」「魂魄の姿形」「生前の姿形と相似した亡魂」「おわりに―亡魂を目に見える形で出現させる術」からなる。
中国における霊魂の儀礼文化―魂魄・五臓の神・三魂七魄と招魂儀礼―, 浅野 春二, 儀礼文化学会紀要, 第9・10号, 25, 56, 2022年03月30日, 一般社団法人儀礼文化学会, 中国の霊魂観について、魂魄・五神・三魂七魄を取り上げ、こうした霊魂観に基づく招魂儀礼について考察する。「はじめに」「一、魂魄」(魂と魄と/幽霊は魂か魄か/水と死者/死体が感じる不快感/幽霊と魂魄/「幻影」あるいは「影」の霊魂/伯有の幽霊)「二、五蔵の神」(神・魄
魂・意・志/五蔵と七神/五蔵の神と「流れる身体」)「三、三魂七魄」(三つの魂と七つの魄/身体から遊離する三魂と七魄/一陽二陰とされる三魂/三魂の本宮/身体に降る三魂/「説魂魄」における七魄/不老不死への修行と三魂七魄説)「四、招魂儀礼」(楚辞の「招魂」と喪礼における「復」と/斉人少翁の方術と劉根の方術と/道教における召魂)「おわりに」からなる。
「招兵」儀礼に見られる陰兵を招く方法について―中国湖南省藍山県の過山ヤオ族を中心に, 浅野 春二, 瑶族文化研究所通訊, 第8号, 89, 94, 2021年07月27日, 一般社団法人 ヤオ族文化研究所, 過山ヤオ族の「招兵」儀礼は、離散した「五穀兵」と「家先兵」を家に連れ戻す儀礼である。神々の證明を得て、橋を架け、「陰兵」を派遣し、旛旗を用いる。「五穀兵」については「五穀糧」(五穀の穂を束ねたもの)を使って穀物倉庫に収め、「家先兵」は「剣」を使って「家先壇」に収める。こうした儀礼に用いられる方法について整理し、分析を加える。
全形儀と祭薬王儀―亡魂の「疾患」「傷損」を治療する儀礼をめぐってー, 浅野 春二, 儀礼文化学会紀要, 第7・8号, 179, 196, 2020年03月31日, 一般社団法人儀礼文化学会, 死者の霊魂の病気やケガを治療する儀礼について、道教儀礼文献と台湾南部のフィールドワークによって考察する。
台南道教の進表符について, 浅野 春二, 儀礼文化学会紀要, 第6号, 2, 42, 2018年03月30日, 一般社団法人儀礼文化学会, 進表科儀に用いる符について、台湾南部台南地区のフィールドワークに基づいて考察する。
八門召魂壇における摂召儀について―南宋期道教の神虎召魂法から―, 浅野 春二, 儀礼文化学会紀要, 第5号, 8, 43, 2017年03月30日, 一般社団法人儀礼文化学会, 「八門召魂壇」は、道教の「神虎召魂法」で用いる壇の一つであるが、そこでは藁人形を棹秤に掛けて、藁人形が重くなって下がることによって亡魂が来たことを確かめる方法が用いられている。寗全真授、王契真纂『上清霊宝大法』を中心に、南宋以降の黄籙斎に関する儀礼書によって、「八門召魂壇」で行われる召魂(摂召)儀の考察を行う。
八門召魂壇において用いる芻人について―南宋期道教の神虎召魂法から―, 浅野 春二, 國學院中國學會報, 62, 106, 127, 2016年12月25日, 國學院大學中國學會
全形儀小考―南宋期道教の黄籙斎から―, 浅野 春二, 國學院雑誌, 117, 11, 223, 243, 2016年11月15日, 國學院大學
「招兵」における五穀兵・家先兵・元宵神―中国湖南省藍山県の過山ヤオ族の事例から―, 浅野 春二, 廣田律子編著『ミエン・ヤオの歌謡と儀礼』, 221, 246, 2016年04月20日, 大学教育出版
明代道教における小規模な開度・祈禳儀礼の節次について―周思得修集『上清靈寶濟度大成金書』を資料として―, 浅野 春二, 儀礼文化学会紀要, 3・4, 102, 125, 2016年03月30日, 儀礼文化学会, 黄籙斎の儀礼伝統では、一日三回の「行道」儀礼が三日間繰り返される「三日正齋九時行道」の形が基本であった。小規模なものでは、「一日」に「三時行道」を行う形が行われてきた。唐末から南宋にかけての儀式書においてはそうした形が確認できる。それが、元代に成立した林靈眞の『靈寶領教濟度金書』や明代に編纂された周思得の『上清靈寶濟度大成金書』に至ると、「行道」を一度だけ行うような儀礼の形(「単朝行道」)が見られるようになってくる。現代台南で行われている斎醮儀礼(祈安醮・抜度斎)では、二日間や三日間の儀礼において、「行道」の流れを汲む「道場進茶」(道場科儀)が一度だけ行われる形が一般化しているが、そうした儀礼のプログラムの源流は、ここに見出せるのではないかと思われる。
明代道教の黄籙斎における召魂から煉度に至る儀礼について―周思得修集『上清靈寶濟度大成金書』讃道節次品を中心に―, 浅野 春二, 『國學院中國學會報』, 61, 45, 68, 2015年12月25日, 國學院大學中國學會
招五穀兵について―中国湖南省瑤族(過山瑤)の還家願儀礼から―, 浅野 春二, 『瑤族文化研究所通訊』, 5, 52, 63, 2015年03月23日, ヤオ族文化研究所
台南道教の開光儀について, 浅野 春二, 『國學院雑誌』, 第116巻第2号, 1, 17, 2015年02月15日, 國學院大學, 「開光」は「開光点眼」とも称する神像・魂身(死者を象った人形)等に霊魂(神霊・亡魂等)を入れる呪術的儀礼とされる。この「開光」にかかわる台湾道教の科儀書に基づいて、身体の部分に宿る霊的なものと精神的・人(神)格的なものとして考えられる霊的なものとの相違や両者の関係について考察する。「序」「一、『開光科儀』」「二、『開通冥路科儀』、『引魂科儀』その他」「三、開光と霊魂(神霊・亡魂)を入れること」「四、身体の部分に宿る霊魂」「小結」よりなる。
神虎召魂法の儀礼構成における発玉札と建陰陽二壇について―南宋期道教の黄籙斎から―, 浅野 春二, 國學院中國學會報, 60, 44, 63, 2014年12月25日, 國學院大學中國學會, 神虎官将に命じて亡魂を連れてくる神虎召魂法の研究の一環として、「發玉札」儀を取り上げた。寗全眞授、王契眞纂『上淸靈寶大法』の「建陰陽二壇式」によって、まず「發玉札」「建陰陽二壇」「召攝亡魂」という儀礼構成を捉え、儀礼構成上の「發玉札」「建陰陽二壇」とそれにまつわる問題について、南宋期の黄籙斎について記した儀式書の記載を比較検討した。
八門召魂壇に用いる鐵跡臺光寶章について―南宋期道教の神虎召魂法から─, 浅野 春二, 國學院中國學會報, 59, 42, 59, 2013年12月25日, 國學院大學中國學會, 「序」「一、名称の異同」「二、符形と呪文」「三、書法と用法」「結」よりなる。道教における招魂法研究の一環として進めている、南宋期から明代における神虎召魂法研究の一部をなすものである。「八門召魂壇」において用いられる「鐵跡臺光寶章」という符について、名称、書符の際に唱える呪文、書法、用法等を検討し、この符が「八門召魂壇」で行われる召魂の呪力の源泉になっていることを指摘する。
神虎召魂法における八門召魂壇―南宋期道教の黄籙斎から―, 浅野 春二, 『儀礼文化学会紀要』, 1, 133, 162, 2013年03月30日, 一般社団法人儀礼文化学会, 道蔵所収の儀式書による神虎召魂法の研究である。「序」「一、建八門召魂壇式」「二、壇を立てる場所について」「三、壇の形状と八門」「四、茭郭と八門召魂壇」「結」よりなる。八門召魂壇では、蒭人と称する藁人形を使った召魂儀礼が行われる。この儀礼については南宋期の黄籙斎に関するいくつかの儀式書に記されている。その概要は以下の通りである。八方に門を開いた壇を立て、壇の中心に仙薬湯を貯えた浄盆を置き、その中に「鐵跡臺光寶章」という符を浸す。蒭人を秤の鈎に懸けて地面から少し浮いた状態にする。壇の左右に召魂旛を立てて召魂儀を行い、亡魂がやって来ると蒭人が重くなって下がり、地面に着く。こうした召魂儀礼について、壇を設置する場所、壇の形状、八門の名称等を中心に考察する。そして、儀式書相互の記述の違いから、神虎堂の中央部に八門召魂壇が建てられる方式が定着する以前に、様々な方式が行われていた可能性を示した。
八門召魂壇に用いる召魂旛について―南宋期道教の神虎召魂法から―, 浅野 春二, 國學院中國學會報, 58, 72, 90, 2013年03月23日, 國學院大學中國學會, 道蔵所収の南宋期の儀式書による神虎召魂法の研究の一環として召魂に用いる旛を考察する。「序」「一、八門召魂壇の設備と召魂旛」「二、召魂に用いる旛」「結」よりなる。王契真纂の『上清霊宝大法』の「建八門召魂壇式」によれば、「召魂旛」は、壇の左右に立てる「男旛」と「女旛」である。この「男旛」と「女旛」は、「鐵跡臺寶光章(または鐵跡臺光寶章)」の六文字を二分してそれぞれ記したものである。「鐵跡臺寶光章」は一種の符であり、浄盆中の仙薬湯に浸し、「八門召魂壇」の「壇心」に据える。これが呪力の源泉になっていると思われる。おそらく「建八門召魂壇式」は、「八門召魂壇」を用いた召魂法の元の形を伝えており、旛については、壇の左右に「鐵跡旛」と「寶光旛(または光寶章)」を立てるのが本来の形であり、それが「召魂旛」であったのであろう。
バイエルン州立図書館所蔵『招魂書』に見るヤオ族の招魂儀礼について, 浅野 春二, 瑤族文化研究所 通訊, 3, 103, 137, 2011年11月10日, 神奈川大学ヤオ族文化研究所, ドイツ・バイエルン州立図書館所蔵のヤオ族(ユーミエン)写本である『招魂書』記載の招魂儀礼について考察を行う。テキストの主要部分に記されている招魂儀礼の概要は以下の通り。まず、鶏の呪力を五方に及ぼした上で、橋を架け、差兵発将する。さらに童子を派遣する。その上で、五方での招魂、贖魂、魂の居そうな所へ向けての招魂を重ねて行い、孤独な一人住まいになってしまうぞと脅し、家では家族・親類が待っているぞと誘う。そして最後に総括的に招魂し霊魂を導く。このように多様な招魂技法を併用しているところに一つの特徴を見いだせる。資料として、バイエルン州立図書館蔵『招魂書壹本 奏星在内』(Cod.Sin.382)の録文を付す。
神虎堂中の陰陽二壇について(中), 浅野 春二, 國學院中國學會報, 56, 44, 61, 2010年12月25日, 國學院大學中國學會, 「四」「五」「六」「七」よりなる。黄ろく(竹+録)斎の十二堂陛の一つとして設けられる「神虎堂」の中に、召魂のための施設として陰陽二壇が設けられる。この陰陽二壇について、道蔵所収の儀式書を主要な資料として検討を行う。「四」では陰陽二壇の形状・大きさ状・大きさについて考察する。「五」では、陰陽二壇の設備と建壇儀礼の考察の一環として、王契真纂『上清霊宝大法』の巻三十五「建陰陽二壇式」を検討する。「六」では、引き続き「召将行持式」の検討を行い、この際に用いる「存思」について考察する。「七」では、陰陽二壇の設備と建壇儀礼の考察の一環として、神虎法で用いる印と祭印法について検討する。
洞視法と神虎法─南宋期の靈寶齋の儀式書に見える修行法と召魂法とについて, 浅野 春二, 東方宗教, 116, 47, 72, 2010年11月10日, 日本道教学会, 「一、混元玉札と洞視法・神虎法」「二、洞視法の内容」((一)霊宝大法における洞視法の位置づけ(二)三洞と洞視(三)玉札の伝授(四)玉札の呑服法(五)元始内観(六)通視百霊)「三、洞視法と神虎法について」((一)霊宝法と洞視法・神虎法(二)洞視法の内容的特徴と神虎法)よりなる。南宋期の儀式書に記されている招魂法である神虎法の研究の一環として、道士の修行法の一つである洞視法を検討し、神虎法と洞視法の関係を考察する。
神虎堂中の陰陽二壇について(上), 浅野 春二, 國學院中國學會報, 55, 57, 75, 2009年12月25日, 國學院大學中國學會, 「一」「二」「三」よりなる。黄ろく(竹+録)斎の十二堂陛の一つとして設けられる「神虎堂」の中に、召魂のための施設として陰陽二壇が設けられる。この陰陽二壇について、道蔵所収の儀式書を主要な資料として検討を行う。「一」では神虎堂中の陰陽二壇と八門召魂壇に関する資料の概要を述べる。「二」では陰陽二壇の名称および陰壇・陽壇でそれぞれ対象とする霊魂について考察する。「三」では神虎堂の場所と設備について考察する。
神虎法による召魂儀礼の性格―魂覓ぎ・嘯・招魂歌の観点から, 浅野 春二, 國學院中國學會報, 54, 99, 116, 2008年12月25日, 國學院大學中國學會, 楚辞「招魂」を参照しつつ、南宋期の道教の儀式書に見られる「神虎法」による召魂儀礼の性格を考察する。「神虎法」は基本的には霊魂をあまねく探し求める魂覓(ま)ぎの性格が強いものであるが、魂魄に直接働きかける局面では、楚辞「招魂」に見られるような招魂歌の伝統が顕在化してくることを明らかにする。併せて「神虎法」中に見られる「嘯」の技法についても考察する。「一 神虎法と楚辞「招魂」と」「二 魂覓ぎ」「三 嘯の技法」「四 招魂歌の発想(a召魂呪/b斗章)」より成る。
儀礼文化から見た道教儀礼-台湾南部の調査から-, 浅野 春二, 『儀礼文化』, 第38号, 7, 37, 2007年02月01日, 儀礼文化学会, 「祭りの三部構成」説を適用して台湾南部の祈安醮を考察する。廟において道教の醮儀を行うのは、廟神に威力・霊力をふりつけるためである。併せて普度の法会を行うのは、孤魂滞魄を呼び集めて送り出すためである。こうした儀礼によって地域に平安がもたらされる。「はじめに」「一 外来儀礼の受容様式をめぐって(a道教儀礼としての醮と民衆の祭りとしての醮と/b神祭りへの受容)」「二 三部構成をめぐって(a道教儀礼としての醮の構成/b三部構成の適用/c境主としての廟神と民衆の祭りとしての醮と/d人々の平安を脅かす鬼と普度と/e民衆の祭りとしての祈安醮)」「おわりに」から成る。
台湾南部の慶成祈安醮における符-比較研究へ向けての現地調査から-, 浅野 春二, 『日本文化と神道』第3号(國學院大學21世紀COEプログラム「神道と日本文化の国学的研究発信の拠点形成」成果論文集), 15, 38, 2006年12月01日, 國學院大學21世紀COEプログラム研究センター, わが国の符(お札)との比較研究を視野に入れた、台湾南部の道教儀礼に用いられる符の研究である。平成十七年十一月に行われた台湾南部台南県南化郷天后宮の慶成祈安醮を事例として、道教儀礼の中で使用される符の考察を行う。「はじめに」「一 調査事例について」「二 使用された符について」「三 符の使用状況について((1)清浄符/(2)小円鏡に記された符形)」「四 いくつかの問題点」「おわりに」より成る。
神虎法による招魂儀礼について, 浅野 春二, 國學院中國學會報, 第52輯, 64, 74, 2006年12月01日, 國學院大學中國學會, 甯全真(1108~1181)授、王契真纂『上清霊宝大法』(道蔵SN1221)を資料とした、召魂のための呪術的技法である神虎法の研究である。神虎官将に命じ、「玉札」という一種の符命の力によって死者の霊魂を連れてくるというのがその内容であり、「召将」「発玉札」「建陰陽二壇」「召摂亡魂」が主要な儀礼である。「序」「一 神虎法による召魂儀礼の概要」「二 黄籙斎全体のプログラムにおける位置」「三 陰陽二壇と八門召魂壇」「結」より成る。
道教儀礼の依頼者と道士-台湾南部の閩南系漢族社会から, 浅野 春二, 堀池信夫・砂山稔編『道教研究の最先端 第一九回国際宗教学宗教史会議世界大会道教パネル論集』, 133, 163, 2006年08月01日, 大河書房, 道教儀礼の依頼者である民衆と道士との関係から、台湾南部の閩南系漢族社会における「道教」を考察する。台湾南部の閩南系漢族社会では、「道教」は依頼者の民衆の必要によって道士に依頼される儀礼として現出してくる。「はじめに」「(一)依頼者(a「道教」の信者でも「仏教」の信者でもない民衆たち/b必要に応じて選択される宗教儀礼)」「(二)道士(a儀礼の専門家である道士/b「道教」の伝統と民衆の要求をつなぐ役割)」「(三)依頼者と道士」「おわりに」より成る。
慶土科儀に用いられる鏡符について, 浅野 春二, 國學院雑誌, 第106巻第11号, 321, 341, 2005年11月01日, 國學院大學, 台湾南部で行われる道教儀礼に使用される符の研究である。慶成祈安醮における「慶土科儀」で使用される「鏡符」について、全体の形状、符形を事例に基づいて示したのち、この符に対して行われる儀礼について取り上げ考察する。「はじめに」「一 鏡符の形状(a五枚組の鏡符/b二枚組の鏡符)」「二 鏡符に対する儀礼(a醮壇における符の配置/b祭煞の儀礼)」「おわりに」からなる。
黄籙斎における道士と斎主─『无上黄籙大斎立成儀』を例として, 浅野 春二, 福井文雅博士古稀・退職記念論集刊行会編『福井文雅博士古稀記念論集 アジア文化の思想と儀礼』, 407, 423, 2005年06月01日, 春秋社, 『无上黄籙大斎立成儀』に記された黄籙斎を例として、道士と依頼者である斎主との関係、およびそれぞれの儀礼への関わり方を考察する。「一 はじめに」「二 斎主から法師への依頼」「三 道士および執威儀道童、写文字書生(六職および副職/執威儀道童/写文字書生)」「四 斎主」「五 おわりに」からなる。
道教の祭りと供物-現代台湾南部の事例から-, 浅野 春二, 國學院大學日本文化研究所編『東アジアに見る食とこころ 中国・台湾・モンゴル・韓国・日本』, 69, 113, 2004年10月01日, おうふう, 台湾における建醮(しょう)祭典を例とした道教儀礼における供物の研究である。現代台湾における供物の概要を示した後、そうした供物の源流を考察する。「はじめに」「一 現代台湾南部の斎醮(しょう)儀礼における供物」「二 道教儀礼における供物の源流(1 盟約のしるし/2 神をもてなす飲食物)」「三 葷食をめぐって」「おわりに」「資料」から成る。
台湾南部の奠安土府醮について, 浅野 春二, 宮澤正順博士古稀記念論文集刊行会編『宮澤正順博士古稀記念 東洋-比較文化論集-』, 167, 179, 2004年01月01日, 青史出版株式会社, 台湾南部で行われる小規模な醮についての研究である。土地の精霊の祟りを鎮める目的ないしはそれを予防する目的で行われる奠安土府醮を二例紹介し、ほとんど同じ儀礼構成で行われる慶成祈安醮との差異について考察する。
一九三〇年代以降の道士と道教儀礼をめぐるいくつかの変化-台湾南部台南地区の調査から-, 浅野 春二, 福井文雅責任編集『東方学の新視点』, 271, 316, 2003年10月10日, 五曜書房, 一九二七年に生まれた一人の道士からの聞き取り調査を中心に、一九三〇年代から現在に至るまでの、台湾南部台南地区の道士と道教儀礼とをめぐる変化を考察する。「序」「道士の世襲的慣習における変化」「道長の人数の増加(世襲的に道長の職を伝えた時代/道長が増加していく時代)」「儀礼における変化(大規模な醮/功徳)」「結」「参考文献」から成る。
廟神の信仰と道教儀礼-台湾南部の醮を例として-, 浅野 春二, 國學院雑誌, 103, 11, 145, 157, 2002年11月01日, 國學院大學, 漢人社会におけるさまざまな宗教的現象は、道教・仏教・儒教および民間信仰が併存し複雑に絡み合う中で生起している。重層・複合化している中国宗教文化の中で道教儀礼はいかなる位置を占めているのか。それを台湾南部で行われた醮の祭りによって考察する。「序」「一 事例の概要」「二 動機の形成」「三 儀礼の複合的構成」「四 廟神の信仰と道教儀礼」「結び」から成る。
折口信夫の文学発生論についてのノート-溯るようで溯らない起源溯及, 浅野 春二, 滝川国文, 第18号, 11, 24, 2002年03月01日, 國學院短期大学国文学会, 「訣らぬ」「ぼんやりとした」ものにこだわる折口信夫の視線は、「作者」や「作為」を越えた何者かをとらえており、そうしたこだわりが、「前代」「伝承性」の議論を引き出している。折口信夫の「前代」「伝承性」に関する議論は、詞章に兆す隙間・亀裂とそれを埋めようとする動きとをとらえているところが重要であり、そこに折口信夫の「発生」論の特徴があるとする。
台南道教の要用物品単, 浅野 春二, 儀礼文化, 30, 87, 115, 2002年02月01日, 儀礼文化学会, 台湾南部台南地区の道教儀礼で供えられる供物についての研究である。「要用物品単」は道士から依頼者に渡される儀礼に必要な品物のリストである。これに基づいて台南地区における道教儀礼の供物の現状を紹介するとともにこうしたリストの来歴について若干の考察を行う。「はじめに」「一台南地区における現況」「二『文検』所収の『要用物品単』」「三『要用物品単』の内容」「おわりに」からなる。末尾に資料としていくつかの「要用物品単」を掲げる。
Offerings in Daoist Ritual, 浅野 春二, Daoist identity : history, lineage, and ritual, 274, 294, 2002年01月01日, University of Hawai‘i Press, 道教の供物の研究である。まず台湾の現状を紹介したのち、道教は基本的には葷食(肉やにおいの強い野菜)を供物として用いないこと、それから果物や文房具を供物として重視することを指摘する。さらに葷食の扱いをめぐって、台湾の道教儀礼の現状では葷食が用いられていることを取り上げ、道教のアイデンティティーの観点からこれを考察する。
台湾南部の醮儀に用いられる血と肉の性格について-道教儀礼における供物と身体の表象-, 浅野 春二, 東北大学東北アジア研究センター叢書, 3, 155, 179, 2001年03月31日, 東北大学東北アジア研究センター, 道教儀礼に用いられる血・肉において、祭る者と祭られる者との身体の表象がどのように現れ機能するかを、血・肉に認められる三つの意味の相から考察する。
台湾南部の民間祠廟と道教儀礼, 浅野 春二, アジア遊学, 16, 35, 49, 2000年05月20日, 勉誠出版, 台湾南部に行われる神仏の誕生日を祝う祝寿醮を例にして、民間信仰の施設である祠廟の神の信仰と道士の担う道教との関係を、祠廟の年間祭祀暦、道教儀礼における祠廟の祭神の位置づけなどから考察する。
『捜神記』に見る供物の諸相, 浅野 春二, 滝川国文, 16, 17, 31, 2000年03月23日, 國學院短期大学国文学会, 二十巻本『捜神記』に見られる供物の記事を通して、中国祭祀文化・食文化の一端を考察する。中国の祭祀文化には、犠牲の動物を殺してその血肉を供える血食祭祀の伝統があるが、『捜神記』にはそれを積極的に行う記事のほかに、簡単に酒と干し肉だけを供える記事、肉類を一切供えない記事が見出される。そうした記事からは、血食祭祀の伝統をめぐって展開していた複雑な様相を窺い知ることができるとする。
『無上黄籙大斎立成儀』における幽魂・正薦亡位への供物, 浅野 春二, 國學院中國學會報, 45, 36, 52, 1999年12月01日, 國學院大學中國學會, 宋代の霊宝斎の儀礼書である『無上黄籙大斎立成儀』によって、黄籙斎における救済の主たる対象となる死者および祭り手のない死者である鬼への供物を考察し、神への供物と比べてどのような特徴が認められるのかを論じる。
道教儀礼における供物と身体の表象-血・肉についての三つの相から-, 浅野 春二, 『平成9年度-平成10年度科学研究費補助金(基盤研究©(1))研究成果報告書 東アジアの儀礼・芸能における身体と社会の表象(課題番号:09610310)』, 3, 16, 1999年03月31日, 東北大学成澤勝研究室
道教儀礼の供物-血食否定と果実・文房四宝, 浅野 春二, 國學院大學日本文化研究所紀要, 83, 289, 311, 1999年03月01日, 國學院大學日本文化研究所, 果実と文房四宝とを血食祭祀を否定した道教儀礼における代表的な供物ととらえ、それにどのような意味づけがなされているのかを考察する。
捜神記に見るシャーマニズム的要素, 浅野 春二, 滝川国文, 14, 29, 46, 1998年03月23日, 國學院短期大学国文学会, 二十巻本『捜神記』に見られる憑霊現象・脱魂現象に関わる記述を取り上げ、台湾の漢人社会に見られるシャーマニズム的要素と比較し、漢人社会におけるシャーマニズム的現象の類型を考察する。
台湾における廟と道士の儀礼, 浅野 春二, 滝川国文, 第13号, 1, 12, 1997年03月23日, 國學院短期大学国文学会, 民衆は日常的には廟神を中心とした民間信仰的な枠組みの中で宗教的活動を営んでいるが、做醮と呼ばれる大規模な祭典に際しては、道教の宗教的職能者である道士に儀礼を依頼する。道士の担っている道教は、廟神を中心とした信仰の枠組みの外部にあるといえるが、外部にあるからこそ、特別に神々へ感謝し祈願する際に必要とされる。こうした廟神と道教の関係を台湾南部の事例によって考察する。
道士の提携関係と道士団-台湾南部における斎の事例から-, 浅野 春二, 國學院中國學會報, 第42輯, 73, 86, 1996年12月01日, 國學院大學中國學會, 台湾南部の事例によりながら、都市に居住する道長と周辺村落に居住する道士との関係を検討し、柔軟に編成される道士団の背後に存在する道士間の提携関係を明らかにする。
慶土科儀の供物-台湾南部金籙慶成祈安醮の事例から-, 浅野 春二, 儀礼文化, 23, 62, 89, 1996年11月10日, 儀礼文化学会, 土地に関わる神々・精霊に働きかける儀礼である慶土科儀の供物を分析し、道教儀礼における道教本来の伝統と民間信仰的な血食祭祀の伝統とが相克する様相を明らかにし、民間に行われる道教儀礼において、道教的な伝統と民間信仰的伝統とが巧みに使い分けられている実態をとらえる。
道教儀礼の供え物-現代台湾南部の事例から-, 浅野 春二, 東方宗教, 86, 24, 55, 1995年11月10日, 日本道教学会, 中国民間祭祀文化における供物を、現代台湾に行われる道教儀礼を例として考察する。現代台湾の道教儀礼における供物は、道蔵所収の資料との比較により、道教本来の伝統をある程度正しく伝えていることが確認される。しかし、一部には民間信仰的な要素も取り入れられている。供物を通して、道教的な伝統と民間信仰的な伝統とが巧みに使い分けられている民間の祭祀活動の実態をとらえ、民衆文化の一端を考察する。
民衆の中の道教儀礼, 浅野 春二, 國學院中國學會報, 40, 43, 55, 1994年12月10日, 國學院大學中國學會, 本格的な道教儀礼である斎・醮は、基本的には同一の枠組を持った儀礼であると考えられるが、これらは民衆の欲求によって多種多様な儀礼に分化している。儀礼の分化は、規模の細分化と、動機・目的に応じた特殊儀礼の付加という形で表れている。さらに、いくつかの種類を組み合わせた形も見られるようになっている。こうした儀礼の多様化は、民衆の依頼によって行われている道教儀礼が、どのように民衆の欲求を受け止めているのかという観点から解釈できるとする。
道士と道士団-現代台湾南部の事例から-, 浅野 春二, 道教文化研究会編『道教文化への展望-道教文化研究会論文集』, 5, 49, 1994年11月30日, 平河出版社, 在家の職業道士である台湾南部正一派道士の活動に関する研究である。本格的な道教儀礼である斎や醮を行うには、複数の道士や楽師を必要とする。そこで道士たちは、民衆たちの依頼によって儀礼を行うに際して道士や楽師を集めて道士団を結成する。現地調査の資料により、彼らの結成する道士団が、教団や師弟関係に拘束された固定的な集団ではなく、非常に実際的で柔軟な組織に基づく集団であり、道士間の広い提携関係に基礎を置いたものであることを明らかにする。
冠句の開巻・披講-滋賀県湖西地方の事例から-, 浅野 春二, 儀礼文化, 第21号, 94, 132, 1994年09月20日, 儀礼文化学会, 近世以来の伝統を持つ雑俳の一種である冠句の開巻・披講の方式を、滋賀県湖西地方の事例によって記述し、同好者の中核となる年齢層の変化、同好者の広がりにおける指導者としての宗匠の役割を中心に検討する。
現代台湾の道教祭祀における供え物について, 浅野 春二, 國學院大學日本文化研究所紀要, 73, 157, 190, 1994年03月30日, 國學院大學日本文化研究所, 道教儀礼における供え物の研究である。台湾南部の台南市で行われた三朝の慶成祈安醮を事例として、醮壇内の供え物を記述し、考察を加える。供え物には、一日中各卓に供えられたままになるものと、特定の儀礼だけに供えられるものとがある。また、供えるにあたって儀礼的な所作を伴うものと、伴わないものとがある。基本的には血食を避けるが、儀礼によっては、あえて肉等を用いることがある。こうした点は、儀礼の性格との関係で注目されるとする。
中国宗教文化における道教的儀礼と儒教的儀礼-現代台湾の事例から-, 浅野 春二, 儀礼文化, 20, 100, 134, 1994年02月10日, 儀礼文化学会, 民衆の宗教的な活動における、道教的儀礼と儒教的儀礼の占める位置に関する研究である。道教や儒教の儀礼は、民衆の宗教的活動において必要に応じて使い分けられている。その様相を、現代台湾の事例によって検討し、そのそれぞれがどのような局面で必要とされているのかを明らかにする。
折口信夫の物語要素論, 浅野 春二, 國學院雑誌, 第94巻第11号, 33, 46, 1993年11月01日, 國學院大學, 折口信夫の物語要素論が、中世・近世に発達した小説・戯曲文学に見られるある種の偏向をその基礎となる信仰や生活から跡づけようとした議論であり、物語要素の代表とされる貴種流離譚も、そうした物語要素論の中に位置づけられることを明らかにする。
地域の儀礼文化としての文芸-滋賀県湖北地方の句歌会の事例から-, 浅野 春二, 儀礼文化, 19, 90, 139, 1993年07月30日, 儀礼文化学会, 文学の形式・発想が伝承される場として注目される滋賀県湖北地方の句歌会についての研究である。湖北地方の句歌会は、俳句・冠句・情歌を種目とし、地域の祭りや行事等ともかかわって開催されている。近世以来の俳諧や雑俳の作法が現在も伝えられている点でも貴重であり、注目に値する。「おこない」の余興として行われた事例を二つ取り上げ、行事等の基礎的な記述を行うとともに、文芸競技の型としての検討を加える。
折口信夫の「たのむのかり」解釈について, 浅野 春二, 阿部正路博士還暦記念論文集刊行会編『阿部正路博士還暦記念論文集 日本文学の伝統と創造』, 56, 70, 1993年06月01日, 教育出版センター, 『伊勢物語』第十段の「たのむのかり」という言葉の解釈に関する研究である。「たのむのかり」は、古注釈でもさまざまな解釈が行われてきた言葉であるが、折口信夫は、これに対して、言語伝承に関する独特の理解から新たな解釈を提示している。この解釈は、単にこの一語にかかわるだけではなく、この一段の物語の成立にまで及ぶものであり、刺激を持った「詞」と、その「詞の力」を見据えた文学発生論になっていることを明らかにする。
南化郷慶祝懐恩堂落成大法会-台湾道教の二朝黄籙斎-, 浅野 春二, 國學院中國學會報, 38, 173, 203, 1992年10月01日, 國學院大學中國學會, これまで実例による報告がなかった現代台湾の黄籙斎に関する研究である。黄籙斎は、六朝隋唐以来の長い歴史をもつ、死者の霊魂を超度するための道教儀礼である。ここで取り上げる南化郷の事例は、日本統治下の台湾に起こった抗日事件の一つであるターパニイ事件(または玉井事件、西来庵事件)の犠牲者を超度の対象としたものである。儀礼文書や「懐恩堂碑記」等を資料として、黄籙斎が行われるに至った動機・目的を分析するとともに、儀礼の実施の状況を明らかにする。
台南地区の做功徳-地域的差異および道士団の構成について-, 浅野 春二, 儀礼文化, 17, 67, 109, 1992年06月30日, 儀礼文化学会, 死者供養のための做功徳として営まれる道教の斎は、民間信仰と密接にかかわっており、台南地区においても、さまざまな地域的差異が認められる。地域的差異を事例によって検討するとともに、そうした地域的習慣の違いに儀礼を請け負う道士たちがどのように対応しているのかを、道士団の構成とのかかわりから論じる。
折口信夫の文学発生論-咒詞の威力および対偶欲求性・母胎を追求する欲望を中心として-, 浅野 春二, 折口博士記念古代研究所紀要, 第6輯, 207, 221, 1992年05月31日, 折口博士記念古代研究所, 折口信夫が文学の発生の仕組みをどのように考えていたのかについて、その著書『日本文学の発生 序説』の最初の四章によって検討する。折口信夫は、詞章の維持・反復の原理と変化・展開の原理を一つのものとしてとらえており、「無関心でいられない」言葉に対する人間の欲求の働き方から文学発生の契機を考えている。そこに、折口信夫の言語伝承に対する独特の考え方が窺えると同時に、発生の問題を考える手掛かりが見出されるとする。
台湾南部における醮の研究-種類・名称および程序について-, 浅野 春二, 國學院大學紀要, 第30巻, 203, 249, 1992年03月20日, 國學院大學, 台湾南部の道教儀礼から醮の儀礼を取り上げて、種類、名称、程序に検討を加える。醮の儀礼は、地域社会や信徒集団が、神に対して日頃の加護を感謝し、さらなる加護を祈る儀礼である。儀礼文書である榜文や意文に記される名称によって、多様な醮の儀礼を分類・整理するとともに、程序(プログラム)を検討することによって、程序の基本的な形と、儀礼の動機・目的に合わせて付加される特殊儀礼の実態を明らかにする。
小規模な醮の種類・名称・程序について, 浅野 春二, 『國學院大學漢文學會會報』, 第37輯, 64, 75, 1991年12月25日, 國學院大學漢文學會, これまでまとまった報告がなかった小規模な醮について、台湾南部の事例に基づき、その名称とプログラムを明らかにする。小規模な醮にも動機・目的によってさまざまな種類が存在するとともに、同一の規模・種類の醮でも、いくつかのバリエーションが認められることを指摘する。
台湾南部の做功徳における設備と要用物品について, 浅野 春二, 國學院大學大学院紀要―文学研究科―, 第22輯, 225, 253, 1991年03月01日, 國學院大學大学院文学研究科, 台湾南部に行われる做功徳の儀礼について、儀礼空間の構成および神画・供物・法器・楽器等の配置を、いくつかの事例によって記述し、その実態を解明する。儀礼に用いられる品物についての基礎的な研究である。
台湾南部の做功徳の儀礼, 浅野 春二, 國學院大學漢文學會會報, 第36輯, 188, 205, 1990年10月27日, 國學院大學漢文學會, 台湾南部における道教式の功徳儀礼と仏教式の功徳儀礼を取り上げ、比較検討する。漢民族社会において喪礼の一環として行われる功徳儀礼は、伝統的な巫術の要素や演劇的な要素を取り込んだ複雑な儀礼であり、道教式のものと仏教式のものとが存在するが、儀礼の空間的構成および時間的構成から見た場合、両者には著しい類似が認められる。その類似からは、道教・仏教という宗教の違いを越えた枠組の存在が想定される。
台湾南部の道士の行う「功徳」について-その種類と名称を中心として-, 浅野 春二, 國學院雑誌, 第90巻第12号, 60, 88, 1989年12月15日, 國學院大學, 台湾南部の道教儀礼から功徳儀礼を取り上げて検討を加える。功徳儀礼は、死者の供養のために行われる儀礼であり、道教儀礼としては、斎の儀礼に属する。事例の具体的な記述を通して、種類・名称の組織を明らかにするとともに、それに対応する儀礼構成の実態を解明する。
貴種流離譚から見た文公重耳説話, 浅野 春二, 國學院大學漢文學會會報, 第34輯, 17, 33, 1988年12月01日, 國學院大學漢文學會, 中国先秦時代の『国語』に伝えられる晋の文公重耳の廻国説話を貴種流離譚の観点から考察し、重耳の伝承像に「貴種」性・「流離」性をとらえる。廻国中の重耳には、天意を受けた者としての性格と同時に従属的弱者としての性格がとらえられ、そこに重耳の「貴種」性が確認される。また亡命廻国中の困難な状況には「流離」性が見出される。重耳の廻国は、「貴」性完成のための旅であり、「貴種流離」として理解できるとする。(A5判)
折口信夫の物語要素論と貴種流離譚, 浅野 春二, 國學院雑誌, 88, 3, 34, 45, 1987年03月01日, 國學院大學, 文学心の発育の問題を中心に「貴種流離譚」概念を検討し、「貴種流離譚」が折口信夫の発生論的方法と密接にかかわった文学史的な概念であることを明らかにする。
台南道教の祭薬王儀礼について, 浅野 春二, 儀礼文化研究会, 2019年02月24日, 儀礼文化学会, 日本・東京
招魂・鎭魂固魄等について―道藏所收の資料から―, 浅野 春二, 國學院大學中國學會第六十回大会(於國學院大學渋谷キャンパス5201教室), 2017年06月18日, 國學院大學中國學會, 日本・東京
Gods and Soldiers in the Yao Summoning Soldier Ritual 瑤族招兵儀式中的神和兵, 浅野 春二, 第四回日米道教研究会議 Fourth Japan-American Daoist Studies Conference, 2016年03月29日, 日米道教研究会議, パシフィック ルザーン大学、タコマ、ワシントン州、アメリカ合衆国
周思得修集『上清靈寶濟度大成金書』に見る儀礼節次について, 浅野 春二, 國學院大學中國學會例会(於國學院大學渋谷キャンパス), 2016年01月09日, 國學院大學中國學會, 日本・東京
招兵願における五穀魂・陰兵・元宵神について, 浅野 春二, 国際シンポジウム“瑤族の歌謡と儀礼”(於神奈川大学横浜キャンパス), 2015年11月28日, 神奈川大学ヤオ族文化研究所, 日本・横浜
ヤオ族の招兵願儀礼―五穀兵と陰兵を招く方法をめぐって―, 浅野 春二, 儀礼文化研究会(於儀礼文化学会研修室), 2015年07月26日, 儀礼文化学会
「還家願儀礼における「招兵願」について」, 2015年06月07日, 第54回ヤオ族文化研究会(於東京学芸大学), 2015年1月の補足調査の資料により、中国湖南省藍山県のヤオ族の「招兵願」について報告した。
「道教の開光と招魂の儀礼―魂を招く手順・方法についての若干の考察―」, 2014年11月01日, 儀礼文化研究会(於儀礼文化学会研修室), 「開光」は「開光点眼」とも称し、儀礼で用いる神像や魂身(死者を象った人形)の眼・耳・鼻・口等に朱点を打ち、魂を入れる儀礼とされる。わが国でも行われる「開眼」と同じものである。しかし、「開光」によって眼・耳・鼻・口等を開くことが、ただちに魂が入ったことを意味しない。台湾の資料を中心として、「開光」の意義と招魂儀礼の中での位置づけを行い、神霊や死者の霊魂を迎える際の手順・方法や、霊魂にまつわるイメージについて、若干の考察を行った。
「進表科儀に用いる符について―台南道教の祈安醮から―」, 2014年06月22日, 國學院大學中國學會第五十七回大会(於國學院大學渋谷キャンパス1201教室), 進表科儀は、斎醮儀礼の科目の一つであり、祈安醮においては、玉皇上帝に表文をたてまつる儀礼として、野外に設けられた「棚」とその前の空間を用いて行われる。台湾南部台南地区の祈安醮の中では、進表科儀は、慶土科儀とともに多くの符を用いる科目である。 進表科儀に用いる符には、次のようなものがある。「冠」「笏」「服」に用いる浄符、「棚」の「東方」「南方」「西方」「北方」「中央」に貼る安鎮符、玉皇上帝にたてまつる表文を入れた黄函に貼る「開天符命」、舞剣に際して七星剣の剣先で空中に描く符形、道士が身に帯びるとともに焼いて水に入れて「平安水」を作るのにも用いられる「平安符」。このほかに、儀礼の終了後に、信徒に配られ、各家庭で護符として用いられる「天師符」「鎮宅符」がある。「平安符」も同様にして配られる。 以上は一般に用いられる『金籙祈安進表科儀』によるものであるが、ほかに、より規模の大きな醮で用いられる『太上霊宝進表科儀全部』(大進表)がある。これによる場合は、より多くの符が用いられるが、特に注意されるのは、その中に神を呼び出す際に焼く符が見られることである。 本発表では、現時点までに集めることのできた資料によって報告したが、今後はさらに、実際に行われた儀礼の記録を重ねて、実態を把握していく必要がある。
「神虎法に見る召魂術の伝統について」, 2014年02月08日, 道教文化研究会例会(於國學院大學渋谷キャンパス)
「招五谷兵について」(8月補足調査報告), 2013年12月15日, ヤオ族度戒儀礼調査第46回研究会(於東京学芸大学), 2013年8月5日から8月8日に神奈川大学瑶族文化研究所で実施した補足調査の報告。「招五谷兵」の儀礼について、ヤオ族の法師から聞き取った内容を紹介した。
「八門召魂壇に用いる鐵跡臺寶光章と蒭人について─南宋期道教の神虎召魂法から─」, 2013年06月30日, 國學院大學中國學會第五十六回大会(於國學院大學渋谷キャンパス1402教室), 道教における召魂儀礼の一つである、八門召魂壇を用いて行う召魂法に関する研究の一環として、「鐵跡臺光寶章」と「蒭人」について考察した。「鐵跡臺光寶章」は一種の符であり、黄色い絹に丹砂(を溶いた水)で符形を描いたもので、これを「仙藥湯」(茯苓・茯神・天門冬・人参・地黄を煎じたもの)に浸して八門召魂壇の中心に置く。これがこの召魂法を支える呪力の源泉となる。呪力の源泉として「混元玉札」を用いる陰陽二壇を用いて行う召魂法と異なる点である。また、召魂を行う場所に「仙藥湯」を置くことは、わが国の蛍狩りの唄にもある「水」との関連が思われる。「蒭人」は藁人形であり、清らかな藁を縛って作る。生前の衣冠を着けるとあるので、ほぼ等身大のものであったと考えられる。腹中には「大梵隠語」(度人経の「元始靈書中篇」)を収め、頭には「升天大券」を載せる。これを棹秤の鈎に掛けて、地面から三寸から五寸ほど浮いた状態にする。召魂を行って亡魂が来赴したならば、「蒭人」が重くなって地面につく。こうした藁人形(煉度の資料では「茭人」と表記する)については、煉度の儀礼でも使用されることがあるので、煉度儀礼との関連も視野に入れて考えていく必要がある。
「還家願儀礼における掛灯と招兵―中国湖南省過山系ヤオ族の事例から―」, 2012年10月07日, 日本民俗学会第六十四回年会(於東京学芸大学), 廣田律子氏、三村宜敬氏、譚静氏とのグループ発表「ヤオ族の神々と民俗」(司会佐野賢治氏)。中国湖南省藍山県で行われた還家願儀礼中の掛灯(掛家灯)と招兵(招五穀兵)の儀礼について検討し、ヤオ族の儀礼の中になぜ道教的な伝度儀礼が受容されたのかについて、また、還家願儀礼前半の道教的儀礼と後半の盤王祭祀との関係について、私見を述べた。
「由湖南省蓝山县瑶族的还家愿仪式来分析招五谷兵的意义」, 2012年08月28日, 第二届国际瑶族传统文化研讨会─资源与创意─(主办单位 湖南省文学艺术界联合会 日本神奈川大学瑶族文化研究所 於中国湖南省长沙市)
「道教と儀礼文化」, 2011年05月22日, 儀礼文化研究会(於儀礼文化学会研修室)
「バイエルン州立図書館蔵の『招魂書』と招魂儀礼」 , 2011年01月10日, 「ラオス北部のランテンヤオ族民間伝統文書の保存・集成・解題」プロジェクト・神奈川大学ヤオ族文化研究所 共同研究会(於東京大学弥生キャンパス)
「神虎法之我見」, 2010年12月10日, 華僑大學中日宗教文化論壇2010(華僑大學哲學與社會發展學院主辦 於華僑大學廈門校區)
「ヤオ族の招魂儀礼について」, 2010年11月23日, ヤオ族伝統文献研究国際シンポジウム(主催:神奈川大学ヤオ族文化研究所、共催:湖南省民間文芸家協会、於神奈川大学横浜キャンパス), バイエルン州立図書館蔵『招魂書壱本 奏星在内』(Cod.Sin.382)に記された招魂儀礼のテキストは、招魂造橋─勅引魂鶏─勅引魂竹法─招魂─此処発将差兵追魂─又到度限─収橋という一連の儀礼の流れに沿ったテキストであると思われる。「鶏」を用いて五方に呼びかける部分では、五更歌の類型が見られる。また、「此処発将差兵追魂」では、三元将軍を派遣して追魂する方法のほかに、銭で魂を買い戻す「贖魂」の要素が見られる。また、魂にそんなところにいたら孤独になってしまうと呼びかける一方、こちらでは家族が待っていることを述べる段には、楚辞「招魂」以来の脅迫と勧誘の要素が見られる。ヤオ族の招魂儀礼の一例として、バイエルン州立図書館蔵のテキストを検討した。
「洞視と神虎法」, 2010年06月26日, 道教文化研究会例会(於専修大学神田キャンパス)
「南宋期の道教における修行法と召魂儀礼―「洞視」法をめぐって」, 2010年06月20日, 國學院大學中國學會第五十三回大会(於國學院大學渋谷キャンパス常磐松ホール)
「蒭身を用いた召魂法について─南宋期黄籙斎の神虎法から」, 2009年07月25日, 國學院大學中國學會例会(於國學院大學渋谷キャンパス), 『霊宝玉鑑』、王契真纂『上清霊宝大法』、金允中編『上清霊宝大法』、林霊真編『霊宝領教済度金書』等に基づいて、蒭身(芻人)を用いて行う召魂の方法、八門召魂壇との関係等を考察する。
「宋代黄籙斎における召魂法について─神虎法を中心に」, 2008年06月15日, 國學院大學中国学会第五十一回大会(於國學院大學渋谷キャンパス2203教室), 『無上玄元三天玉堂大法』(『正統道蔵』所収)に記された召魂法(神虎法)を、『史記』封禅書・『漢書』郊祀志などに記された斉人少翁の行った見鬼術、『後漢書』方術伝・『神仙伝』に記された劉根の見鬼術、『長恨伝』にある李少君の法と関連させて、神虎法の起源の一端を探る。
「關于道教儀式中的召魂法─以“神虎法”爲例」, 2008年05月06日, 中國地方社會儀式比較研究國際學術研討會(於香港中文大學祖堯堂), 道教儀礼中で行われる召魂法について、宋代の文献に見られる神虎法を例にして検討する。「一 神虎法的幾種來源」「二 神虎法的両種召魂法」「三 道教儀式中的召魂法的特點」よりなる。
「神虎法における二種類の召魂法について」, 2007年07月01日, 國學院大學中国学会第五十回大会(於國學院大學渋谷キャンパス若木タワー地下1階02会議室), 神虎法は道教儀礼中に用いられる召魂法である。宋代の儀式書である王契真纂の『上清霊宝大法』(道蔵所収)を資料として、そこに記されている「蒭身」(藁人形)を用いる方法と「童子」を用いる方法とを取り上げ、道教の死者救済儀礼における召魂法の性格について考察した。
「神虎法について」, 2007年04月28日, 道教文化研究会例会(於國學院大學渋谷キャンパス), 宋代の儀式書、王契真纂『上清霊宝大法』(道蔵所収)巻三十五から巻三十八を中心に、道教で用いられる召魂法である神虎法の儀礼構成・使用される符呪・伝授についての伝承等について考察する。
「慶成祈安醮に使用される符について」, 2006年12月01日, 関西大学アジア文化交流研究センター第五回研究集会「東アジアにおける祭祀―道教、儒教、イスラームなど」(於関西大学アジア文化交流研究センター), 台湾南部の台南県南化郷天后宮で、平成十七年十一月に行われた「慶成祈安醮」を例として、道教儀礼の中で使用される符を紹介し、符の形状・材質・用途についての考察を行う。
「道教儀礼としての醮と民衆の祭りとしての醮―台湾南部の事例から」, 2006年11月11日, 慶應義塾大学東アジア研究所プロジェクト「東アジアにおける宗教文化の再構築」国際シンポジウム「東アジアにおける民間道教の現在」(於慶應義塾大学三田キャンパス), 道教儀礼として行われる「醮(しょう)」は、三清を中心とした道教の神々を対象とした儀礼である。これを民間で祭る廟で行う場合は、廟神を中心とした信仰の文脈で、すなわち、民衆の祭りとしての「醮」の中に取り込んだ形で、行われている。なぜ道教の儀礼を民衆が守り神として祭る廟神の祭りとして行うのか。これを「廟神に威力・霊力をふりつけるためである」という解釈によってとらえてみた。併せて行われる「普度」の法会については、孤魂滞魄を呼び集めて送り出すためであると解釈した。台湾漢族の民衆は、こうした儀礼によって地域に平安がもたらされると考えているのである。
「道士と道教儀礼―台湾南部のフィールドワークから」, 2006年04月22日, 國學院大學中国学会第四十八回大会(於國學院大學たまプラーザキャンパス)
「台南道教の引魂儀礼」, 2006年03月25日, 道教文化研究会例会(於専修大学神田キャンパス)
「道教儀礼における招魂技法について」, 2005年10月16日, 國學院大學中国学会第四十七回大会(於國學院大學常盤松二号館三階大会議室)
「道教の依頼者と道士(The People Requesting Daoist Rituals and Daoist Priests)」, 2005年03月28日, 第十九回国際宗教学宗教史会議世界大会(IAHR2005 TOKYO)パネル 砂山稔 道教研究の最先端(2)道教儀礼研究の現在 (於高輪プリンスホテル), 論文「道教儀礼の依頼者と道士-台湾南部の閩南系漢族社会から」参照。
「儀礼文化と道教」, 2004年05月22日, 儀礼文化学会季月会例会(於儀礼文化学会研修室)
「台湾における道教について―死者儀礼を中心として」, 2002年11月10日, 財団法人無窮会第四十八回東洋文化談話会研究発表大会(於無窮会講堂)
「台湾道教の死者儀礼」, 2002年06月28日, 地域研究センター研究例会(於慶應義塾大学三田キャンパス)
「道教の斎儀と民間信仰」, 2002年06月08日, 國學院大學中國學會例会(於國學院大學たまプラーザキャンパス)
「斎主と斎儀―宋代儀礼書に見える依頼者と儀礼の実施をめぐって」, 2002年05月25日, 道教文化研究会例会(於専修大学神田校舎), 論文「黄籙斎における道士と斎主─『无上黄籙大斎立成儀』を例として」の概要参照。
「道士の諸相とその特徴について」, 2001年07月01日, 道教文化研究会第135回例会(於 専修大学), 台湾の道士は在家の職業道士であるが、在家の職業道士というあり方が、道教の歴史においてどのように位置づけることができるのか、道士の諸相とその特徴に照らして考察する。
Identity and Dynamics of Taoist Priests in the Southern Part of Taiwan, 2000年09月01日, 36th.International Congress of Asian and North African Studies(於 カナダ モントリオール Palais des Congrès), 政治的・経済的に変動の激しい台湾社会において、近年のそうした変動が在地の職業道士のアイデンティティーにどのような影響を与えているかを論じる。
「『无上黄籙大斎立成儀』における供物について」, 1999年10月01日, 國學院大學中國學會第35回大会(於 國學院大學), 宋代の『无上黄籙大斎立成儀』に示された供物のリストに基づき、供物の道教的特徴を論じ、古代の盟約の儀礼や民衆が教団に納めた品物との関連性を指摘する。
「通感のための供物ともてなしの供物-黄籙斎の供物をめぐって-」, 1999年06月01日, 道教文化研究会第115回例会(於 専修大学), 黄籙斎の供物を大別すると、神と通感するための供物と、神や死者の霊をもてなすための供物との二つグループに分けてとらえることができる。前者においては盟約儀礼との関連が認められ、後者においては対象の違いによる品目の差異が認められるとする。
「Sacred Offerings in Taoist Ritual(有關道教儀式中的供品)」, 1998年06月01日, The Second American-Japanese Conference on Taoism(第2回日米道教研究会議)(於 アメリカ合衆国メイン州 The Breckinridge Public Affairs Center of Bowdoin College), 台湾における醮の儀礼の供物を紹介して十四のグループに分類し、果実の重視、鎮信と盟約との関連、血食否定と血食の供物の限定的使用、儀礼行為との関連などから検討して、供物における道教的特徴を明らかにする。
「道教儀礼の供物について」, 1997年11月01日, 道教文化研究会第99回例会(於 大東文化会館), 台湾における観察によれば、道教儀礼に供えられる供物と仏教・民間信仰の儀礼に供えられる供物とにはかなりな程度の共通性が見られる。どのような品目が供えられているのかを記録するだけでは、道教儀礼の供物の道教的特徴をとらえることはできない。それをとらえるには、道教の浄穢観、禁忌、儀礼行為との関連性、儀礼の目的・効果などから個々の品目を検証する必要がある。餅・果、鎮信、茶・湯、香などには道教と密接に関わる意味づけが見いだされる。また、肉・血については巫術との習合、儀礼の目的・効果からする限定的使用が見いだされるとする。
シンポジウム Chinese Religion Through Japanese Eyes:The Current State and Tendencies of Development of Japanese Research on Chinese Religion , 1997年07月09日, 35th.ICANAS,Budapest,Hungary
「无上黄籙大斎立成儀における儀礼空間と供物」, 1997年05月01日, 道教文化研究会第96回例会(於 早稲田大学), 宋代に編纂された『无上黄籙大斎立成儀』によって、宋代の浙江地方に行われた黄籙斎について、その儀礼空間の構成と、そこに供えられた供物についての考察を行う。
「道教斎供考」, 1996年11月01日, 儀礼文化研究会11月例会(於 明治神宮教学研究センター), 道教儀礼において供物として供えられる飲食物を、犠牲の動物の血・肉、酒に対する態度の変遷、果実の重視などから考察する。
「道教斎醮儀礼における供物」, 1996年07月01日, 國學院大學中國學會第164回例会(於 國學院大學), 道教の斎醮儀礼の供物を、道蔵所収の文献によって、盟約のしるしとしての性格、果実重視の考え方、清浄観などから考察する。
「供物から見た斎儀と醮儀の差異について」, 1996年06月01日, 道教文化研究会第89回例会(於 大東文化会館), 懺悔を基本とした斎儀的プログラムと神に感謝して酒食を献じる醮儀的プログラムとにおける供物の差異を、台湾の事例によって明らかにする。
「道教儀礼における斎供と鎮信」, 1995年10月01日, 國學院大學中國學會第27回大会(於 國學院大學), 道教の斎儀において供えられる飲食物と斎壇を鎮めるために供えられる鎮信の内容を検討し、道教儀礼における供物の特徴を考察する。
「道教儀礼と供物」, 1995年03月01日, 道教文化研究会第79回例会(於 筑波大学), 道教儀礼における供物にどのような特徴があるのかを、台湾の現地調査の資料と道蔵所収の文献によって考察する。
「地域社会と文芸競技-滋賀県湖北・湖西地方の事例から-」, 1994年10月01日, 日本民俗学会第46回年会(於 鹿児島県文化センター), 近世以来の伝統を持つ雑俳の開巻・披講の方式を、滋賀県湖北・湖西地方の事例によって紹介し、地域社会におけるこうした伝統の意義を、同好者の中核となる年齢層の変化、同好者の広がりにおける指導者としての宗匠の役割などを中心に考察する。
「民間における宗教的職能者としての道士-台湾南部の正一派道士について-」, 1994年03月01日, 道教文化研究会例会第70回例会(於 東洋大学), 在家の職業道士である台湾南部の正一派道士について、その活動の実態を報告し、その特徴を明らかにする。
「滋賀県湖北地方の句歌会-句・冠句・情歌の開巻、披講の方式について-」, 1993年06月01日, 國學院大學國文學會春季大会(於 國學院大學), 滋賀県湖北地方の句歌会は、俳句・冠句・情歌を種目とし、地域の祭りや行事等ともかかわって開催されている。近世以来の俳諧や雑俳の作法が現在も伝えられている点でも貴重であり、注目に値する。「おこない」の余興として行われた事例を取り上げ、文芸競技の型としての検討を加える。
「太上召魂沐浴真科について」, 1993年06月01日, 道教文化研究会第64回例会(於 國學院大學), 台湾南部に行われる死者供養のための斎において、そのプログラムの一つとして行われる「太上召魂沐浴真科」を取り上げ、科儀の内容および儀礼構成上の位置について考察する。
「道士と道士団-台南地区の事例から-」, 1992年07月01日, 第724回日本民俗学会談話会(於 國學院大學院友会館), 道士たちが民衆たちの依頼によって儀礼を行うときに編成する道士団について、現地調査の資料により、その実態を明らかにする。道士団は、非常に実際的で柔軟に編成される集団であり、道士間の広い提携関係に基礎を置いたものであるとする。
「台南地区に行われる道教儀礼の種類について」, 1992年07月01日, 道教文化研究会第57回例会(於 國學院大學), 台南地区に行われる道教儀礼の種類を現地調査の資料に基づきながら提示し、現行のものについては、そのそれぞれがどのように実施されているのかについて報告する。
「南化郷慶祝懐恩堂落成大法会-台湾道教の二朝黄籙斎について-」, 1992年06月01日, 國學院大學中國學會第152回例会(於 國學院大學), 台湾南部の南化郷で行われた黄籙斎について、調査記録、儀礼文書、「懐恩堂碑記」等を資料としてその概要を述べ、この黄籙斎が行われるに至った動機・目的を分析する。
「道士の儀礼の種類と名称-台南地域の事例について-」, 1991年11月01日, 日本道教學會第42回大会(於 慶應義塾大學), 台湾南部の正一派道士の行う儀礼について、現地調査の資料によって、種類・名称・程序(プログラム)の実態を明らかにし、一般的な名称と儀礼文書に記される名称の差異と対応関係における問題点を考察する。
「折口信夫の貴種流離譚論」, 1991年10月01日, 日本民俗学会第43回年会(於 國學院大學), 折口信夫の貴種流離譚論が単なる物語の類型論ではなく、折口信夫の文学発生論的な立場に基づく議論であり、「文学心」を育てる契機を与えるものとして貴種流離譚が論じられているとする。
「折口信夫の文学発生論-咒詞の威力および対偶欲求性・母胎を追求する欲望を中心として-」, 1991年06月01日, 國學院大學國文學會春季大会(於 國學院大學), 折口信夫が文学の発生の仕組みをどのように考えていたのかについて、その著書『日本文学の発生 序説』の最初の四章によって検討する。折口信夫は、詞章の維持・反復の原理と変化・展開の原理を一つのものとしてとらえており、「無関心でいられない」言葉に対する人間の欲求の働き方から文学発生の契機を考えている。そこに、折口信夫の言語伝承に対する独特の考え方が窺えると同時に、発生の問題を考える手掛かりが見出されるとする。
「台湾南部の做功徳の儀礼-道教式の做功徳を中心として-」, 1990年07月01日, 國學院大學漢文学会例会(於 國學院大學), 台湾南部における道教式の功徳儀礼を、同じ地域で行われる仏教式の功徳儀礼と比較しながら取り上げ、その類似性を指摘する。その類似性からは、道教・仏教という宗教の違いを越えた枠組の存在が想定できるとする。
「台湾南部の道士の行う諸儀礼について」, 1990年06月01日, 儀礼文化研究会(於 明治神宮会館), 台湾南部の道士が行う多様な儀礼を、名称・プログラムなどを中心に検討し、分類整理の試案を提示する。
「貴種流離譚の文学的展開について」, 1985年07月01日, 國學院大學國語國文學會例会(於 國學院大學), 文学心の発育の問題を中心に「貴種流離譚」を検討し、「貴種流離譚」が折口信夫の発生論的方法と密接にかかわった文学史的な概念であることを明らかにする。
「伊勢物語第十段における「たのむ」」, 1984年06月01日, 國學院大學國語國文學會春季大会(於 國學院大學), 『伊勢物語』第十段の「たのむのかり」という語は、古注釈でもさまざまな解釈が行われてきたが、折口信夫は、これに対して新たな解釈を提示している。この解釈を再検討し、言語伝承に関する折口信夫の独特の理解からこの一段の物語の成立にかかわる問題を考察する。