K-ReaD( Kokugakuin University Researcher’s Achievement)

鈴木 崇義
文学部 中国文学科
准教授
Last Updated :2024/04/17

研究者基本情報

氏名

  • 氏名

    鈴木 崇義, スズキ タカヨシ

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所属・職名

  • 文学部 中国文学科, 准教授

学位

  • 修士(文学)

本学就任年月日

  • 2009年04月01日

研究分野

  • 中国古典文学

研究活動

論文

  • 『文心雕龍』に見える賦論の展開―「詮賦篇」を中心に―, 鈴木崇義, 國學院中國學會報, 69, 39, 60, 2023年12月22日, 國學院大學中國學會, 劉勰の著した『文心雕龍』は、中国文学史上初の総合的な文学理論の書である。構成は上下二篇に大きく分かれそれぞれ二十五篇の合計五十篇となるが、その一つに「詮賦篇」がある。本発表は、この『文心雕龍』の一篇を担う「詮賦」篇に注目し、総合的な文学理論の著作である『文心雕龍』において、辞賦がどのように議論されたのか、また、漢魏六朝の辞賦文学の展開がどのように考えられていたのかについて、検討したものである。 「詮賦篇」については、『漢書』藝文志「詩賦略」を端緒とし、摯虞『文章流別志論』に連なる一連の議論をまとめた、漢魏六朝の賦論の集大成をなしていることを確認した。 その上で、この他の創作論である、「麗辞篇」や「比興篇」、「「夸飾篇」などに見える辞賦作品の考察について検討を加えたところ、『文心雕龍』は表現上の特徴や時代を追って作品同士を比較することによる、文学史的な視点を通じた検討がなされていることが明らかになった。
  • 成公綏の「天地賦」について―魏晋における辞賦文学の側面から―, 鈴木崇義, 大上正美先生傘寿記念三国志論集, 81, 103, 2023年09月03日, 三国志学会, 魏晋に生きた成公綏の「天地賦」に付された序文には、賦の制作理論とも言うべき内容が盛り込まれている。この序文の内容は、『西京雑記』に見られる司馬相如の「与盛覧書」との近似が指摘されていた。本論は、この問題を端緒に「天地賦」全体の内容について検討を加え、当時の風潮であった玄学の流行との関係性について指摘したものである。
  • 司馬相如「長門賦」小考, 鈴木崇義, 國學院中國學會報, 67, 49, 66, 2021年12月25日, 國學院大學中國學會, 司馬相如の「長門賦」は、その作品の制作背景となる逸話と共に語り継がれてきた。本論は、「長門賦」の序文に附せられた逸話の検証と、「長門賦」に対する後世の評価を軸に作品を捉え直し、文学史的位置づけを明らかにした。その結果、司馬相如という一個の文人に関する伝記が様々な逸話とともに語り継がれ、その一つの逸話が「長門賦」の序文として成立したのであろうという結論を得た。
  • 曹植の所謂「辞賦小道」をめぐって, 鈴木崇義, 國學院中國學會報, 65, 65, 51, 71, 2019年12月01日, 國學院大學中國學會, 本論は、曹植の「与楊徳祖書」に述べられた「辞賦小道」という発言を軸として、当時の文人達の辞賦に対する意識を明らかにしようと試みたものである。 前漢から後漢にかけて、「賦」という文体は揚雄や後漢の班固の議論によると、『詩経』の詩人の精神を受け継ぐべきものでなければならない、と考えられていたようである。しかし、後漢末になると、やがてそれは形骸化してゆくこととなった。 以上の流れを確認した上で、曹植の「与楊徳祖書」および議論を交わした楊修や應瑒の書簡からから、曹植は政治・社会に貢献するということ、辞賦を作ることの価値を切り分けようとしていたことを明らかにした。
  • 学修支援センターにおける障がい学生の学修支援体制の振り返り―國學院大學の学修支援の始まりと障害者権利条約の視点から―, 佐藤紀子・鈴木崇義, 『國學院大學教育開発推進機構紀要』第10号, 10, 13, 26, 2019年03月01日, 國學院大學教育開発推進機構, 佐藤紀子, 国連の障害者権利条約の採択にはじまり、日本国内の大学においても合理的配慮の提供について多様な在り方が模索されている。本稿においては、國學院大學の障がい学生の学修支援に焦点をあて、その実施機関である学修支援センターの開設当初と差別解消法の施行後の動向とを中心に、同センターにおける障がい学生への学修支援体制を振り返る。この目的のために、ふたつの軸を設定した。ひとつは大学教育に学生の相談・支援体制が組み込まれるきっかけとなった、教員中心の大学から学生中心の大学への転換である。もうひとつは、一連の障がい者制度改革による障がい者の権利主体への転換である。これらふたつを軸に学修支援センターの障がい学生の学修支援体制を振り返ると、正課外の学生支援を大学教育の一部とみなす大学教育におけるパラダイムシフトと、障害者権利条約が求める社会モデルへのパラダイムシフトとに対応すべく学修支援センターの体制がその都度更新されてきたことがわかり、今後も、課題を見据えつつ、学生の学びを支えるために柔軟な対応が求められることがわかった。
  • 張恵言の『七十家賦鈔』について, 鈴木崇義, 國學院雜誌, 117-11, 272, 290, 2016年11月15日, 國學院大學, 『七十家賦鈔』は、清代の学者であり文人(賦作家)でもあった張恵言によって編纂された賦集である。本書は、屈原(楚辞)から庾信までの70名の作家の作品を時代順に配列し、批評と注釈を附けているという特徴を有しており、賦というジャンルの隆盛した時代の画期を指摘していると考えられる。 本論は、いかなる意図をもって楚辞および漢魏六朝の作品を集めたのかを知るべく、その序文を読み解いた。その結果、張恵言が漢魏六朝という期間において、賦がいかに変化していったかをつぶさに見つめ、この時代にて賦の歴史は結末を迎えたと考えていたことを明らかにした。
  • 國學院大學における聴覚障害学生の学修支援について―ノートテイク支援体制の構築とノートテイカー養成の視点から―, 鈴木崇義, 國學院大學教育開発推進機構紀要, 第7号, 52, 63, 2016年03月01日, 國學院大學教育開発推進機構, 國學院大學では、障害がある学生の学修支援として、主に聴覚障害学生に対してノートテイクによる情報保障の学修支援を実施した実績がある。これは、教育開発推進機構発足以前にも実施されていたが、聴覚障害のある学生が在籍していなかった、あるいは支援の申請がなされなかったことにより、支援の行われなかった空白の時期があった。ところが、平成24年度になって聴覚障害のある学生が入学し支援を申請したことから、改めてノートテイクによる情報保障の学修支援を実施することになった。当初はPEPNet-JAPANの教材を使用しながら手探りでノートテイカーの養成をしていたが、やがて外部講師を招き専門性の高い研修会を実施するに至った。同時に、学生同士でもノートテイクの練習会を自発的に開催する等、学生間における相互研修の様子も見られた。本稿は、これまでの障害学生の学修支援に関する調査についてまとめるとともに、ノートテイク支援体制の構築及びノートテイカーの養成について本学の実践を示すものである。
  • 呼び出し対応における学生との関わりから見えてきたもの及び学生対応の今後の展望, 鈴木崇義, 國學院大學教育開発推進機構紀要, 第5号, 89, 97, 2014年03月10日, 國學院大學教育開発推進機構, 東海林孝一, 学修支援センターでは、発足当初より出席状況の悪い学生をメールによって呼び出し面談を実施してきた。しかし、一定の割合の学生しか来談せず、呼び出しの対象となった学生の実態をうかがい知ることが難しかった。一方で、来談した学生に対する個別対応の重要性については、これまでの面談実績より明らかになっていた。そこで、平成25年度後期にはきわめて出席率の悪い学生に絞り込んで電話連絡による呼び出しをしたところ、来談率が大幅に上昇し、呼び出し対象となった学生の実情を知ることができた。以上の経緯をふまえ、学生の個別対応の重要性を改めて主張し、今後の学修支援センターの学生対応の展望および学修支援センター相談室専従教職員に望まれることについて指摘した。
  • 張衡「二京賦」小考, 鈴木崇義, 國學院中國學會報, 58, 51, 71, 2013年03月23日, 國學院大學中國學會, 張衡の「二京賦」は、班固の「両都賦」の模擬的作品であるとされたきた。しかし、後漢になると都を詠じた賦が多く作られており、必ずしも班固の作品を模擬したとはいえないと考えられる。そこで、「二京賦」の内容を詳細に見ていくと、形は班固を模擬しつつも、作品の趣旨には張衡の社会に対する批判が標榜されていることを明らかにしたものである。 併せて、『歴代賦彙』の分類による漢賦の作者・主題別分類表を附した。
  • 相談事例からみる学修支援の現状と課題についての覚書, 鈴木崇義, 國學院大學教育開発推進機構紀要, 4, 73, 82, 2013年03月10日, 國學院大學教育開発推進機構, 本稿は、國學院大學教育開発推進機構学修支援センター相談室における相談事例から、卒業に結びついたケース、結びつかなかったケースについての検証を試みたものである。その結果、学生が学修に見変えなくなる原因には個別の事情によるものが大きいことを明らかにし、学修支援には学生が様々な場面で躓く危険性があること、また、初年次教育を充実させると共に、2年次以降も学修支援の網を張る必要があることを指摘した。
  • 國學院大學における学修支援体制構築に向けて, 鈴木崇義, 國學院大學教育開発推進機構紀要第2号, 2, 49, 62, 2011年03月10日, 國學院大學教育開発推進機構, 現在、日本の各大学では大学生の学びを支援する学修支援センターが設置され、また設置されつつある。本稿は、大学における学修支援の歴史と内容について概観し、他大学で実施されている学修支援の調査報告に基づきいかなる学修支援がなされるべきなのかを明らかにし、國學院大學における学修支援に何が求められているのかについての考察を試みた。加えて、本学の学修支援センター相談室において行った学生と面談によって明らかになった本学の学生が抱える悩みについても報告を行い、学修相談から見えてきた課題について述べたものである。
  • 「邊讓「章華賦」小考」, 鈴木崇義, 國學院中國學會報, 56, 31, 43, 2010年12月25日, 國學院大學中國學會, 後漢末期に生きた文人邊讓は、諷喩をテーマに「章華賦」を作った。しかし、賦は「漢書藝文志」において、時代を経るにつれて内容が淫美にはしったことが指摘され、さらに揚雄は、政治的社会的に全く無力なものであると明言している。本論は、このような文学史上の流れを経て、邊讓があえて諷喩をテーマに賦を作った理由について論じた。その結果、邊讓は章華臺の歴史的故事を述べることにより、作品の中に邊讓の時局に対する無力感と、それに対する心の中の葛藤を吐露したのだということを明らかにした。
  • 「曹植「洛神賦」小考」, 鈴木崇義, 『中国古典研究』, 第53号, 49, 67, 2009年03月01日, 中国古典研究会, 三国時代の文人曹植に「洛神賦」という作品がある。これは所謂〈人神交婚譚〉を主題とするものであり、人間の男が神なる女に求愛するも拒絶され、悲恋に終わるという型を持つ。宋玉の「高唐賦」、「神女賦」が淵源として考えられる、神女を主題にした作品は、現存する漢賦には見られず、建安時代になって王粲らが「神女賦」を作り、賦の主題として取り上げるのを待たなければならない。本論は、いかなる理由で建安時代に「神女」が賦の主題となり得たのか、建安時代の「神女賦」との差異を検証し、あわせて『楚辭』との関係性にも触れ、建安という時代が「神女」の主題を復活させたこと、洛神への求愛は曹植の不遇感を、神女への求愛という形で表白したものであることを論じた。
  • 「班彪「北征賦」小考」, 鈴木崇義, 『國學院大學大学院紀要―文学研究科―』, 39, 281, 301, 2008年03月10日, 國學院大學大学院, 前漢末に至って賦は、司馬相如ら「言語侍従の臣」の手から、揚雄ら学問を修めた知識人へと、その担い手が遷っていった。本論は、これを踏まえて班彪の「北征賦」の内容を検討し、これが旅の道程において歴史と現在を重ね合わせ、厳しい現実批判をした作品であることを明らかにした。また、班昭の「東征賦」も検討を加え、「行旅」の賦のテーマが、作者の境遇と密接に関わることを論じた。そして、後世への展開を示すことにより、班彪の「北征賦」が「行旅」という文学様式を定着させたこと、また従来の文学史で指摘されてきた、賦の抒情化を推し進めた作品であることを示したものである。
  • 「詠鳥賦考―禰衡「鸚鵡賦」を中心に―」, 鈴木崇義, 『國學院大學大学院紀要―文学研究科―』, 38, 197, 218, 2007年03月10日, 國學院大學大学院, 中国文学の中で、初めて鳥を明確にテーマとした作品は賈誼の「鵩鳥賦」である。しかし、内容からは作品における鳥の担う役割はさほど大きいものとは思われない。一方、後漢末の禰衡「鸚鵡賦」は、これまでの鳥を詠じた作品にあって、とりわけその形態描写が詳細であり、何より、鳥に自己の不遇を仮託した賦として精彩をはなっている。「鸚鵡賦」以降、鳥をテーマにした賦作品が多く作られるようになるが、単なる詠物に留まらない、鳥の飛翔能力に想起された内容を持った者が登場するようになっていく。本論は、『古賦辨體』の指摘を手がかりに、張華の「鷦鷯賦」と鮑照の「野鵞賦」を併せて検討し、「鸚鵡賦」の文学史上の位置づけを明らかにし、後世への展開を示したものである。
  • 「張衡「帰田賦」小考」, 鈴木崇義, 『國學院中國學會報』, 第51輯, 15, 30, 2005年12月01日, 國學院大學中國學會, 賦は、その表現様式である「敷陳性」によって、作品の規模が長大になっていく必然性を備えた形式である。漢賦の代表格とされる作品は皆どれも長大である。しかし、後漢中期になると、これまでのような長大な賦ではなく、比較的小規模の賦が作られるようになった。その一つが張衡の「帰田賦」である。本論は、「帰田賦」の「田に帰る」というテーマに着目し、「田園」と「狩猟」の二つの「田」が、張衡の作品に混在していると考え、賦の歴史的推移を考証するために漢賦の主要な作品を「田猟賦」と「都邑賦」、「賢人失志の賦」に分けて考察し、張衡の事蹟を踏まえ、後漢における処世観の現れを検討した。加えて陶淵明への展開の見取り図も示し、隠遁文学としての「帰田賦」を位置づけた。

Misc

  • 馮子振筆「与無隠元晦詩」解説, 鈴木崇義, 國華, 第1540号 第129編, 第7冊, 2024年02月20日, 朝日新聞出版, この作品は、元にわたって中峰明本に師事した無隠元晦に対して、両者に交流のあった馮子振が無隠元晦に送った三首の詩である。 三首全体の内容は、無隠元晦が留学し(一首目)、中峯明本に師事して嗣法し(二首目)、日本に帰るまで(三首目)が述べられている。とりわけ、無隠元晦が嗣法したことについては、宋の黄庭堅が晦堂祖心に師事していたとき、金木犀の香りを嗅いで悟りを開いた話柄を典故としている。これは、中峯明本が与えた「無隠」の法号の由来ともなっている。黄庭堅が悟りを開く発端は、晦堂祖心が『論語』に見える「吾れ隠すこと無きのみ」について問うたところである。この「隠」の語を中心に、中峯明本と無隠元晦の師弟関係が、あの晦堂祖心と黄庭堅にも比せられるとすることで、無隠元晦をのすぐれた様を述べている。 馮子振は在家の文人であるが、中峯明本をはじめとした多くの僧侶と交流があった。本作品は日本からの留学僧との交流の一端をしめすものとして位置づけられるであろう。
  • 座談会「漢文教育の現状と展望」, 鈴木崇義, 國學院雜誌, 125, 1, 47, 74, 2024年01月15日, 國學院大學, 令和4年度より新学習指導要領が実施されたのをきっかけとし、漢文教育の現状における諸問題と展望についての議論をまとめたものである。議論の参加者は、大学での漢文教育(中国古典教育)や教員養成にかかわる大学教員および高等学校国語科教員である。
  • 國學院の漢文教育概観―草創期から大学昇格まで―, 鈴木崇義, 國學院大學教育開発推進機構紀要, 1, 67, 77, 2010年03月10日, 國學院大學教育開発推進機構, 國學院における漢文教育の歴史をうかがうため、草創期から大学令による大学昇格までを区切りとして学科表と講師陣を俯瞰した研究ノートである。調査の結果、草創期においては経書を中心としたないようであったが、やがて講師陣の充実に伴い、経書のみならず老荘思想や文学史にも触れ、『史記』や諸子百家等の本格的な漢籍を扱うようになった。大学に昇格した頃になると、漢詩文の授業も増え、現在の文学部中国文学科のカリキュラムの基礎となっていたことが明らかになった。
  • 令和2年度学修支援センター活動報告―オンライン環境における学修支援の模索―, 鈴木崇義, 國學院大學教育開発推進機構紀要, 13, 138, 146, 2022年03月01日, 國學院大學教育開発推進機構, 令和2年度における学修支援センターの活動を中心に、これまでの学修支援センターの活動を振り返り、まとめたものである。コロナ禍におけるオンライン環境における学生相談のあり方の模索や、学修関連の情報公開の重要性について述べるとともに、なかでも、障がい学生支援に関しては、オンラインという環境はむしろ利点が多いとうことを指摘した。そして、これらの活動を受け、今後、学修支援センターはいかなる役割を果たすべきかについて述べた。
  • 新刊紹介:山崎藍『中国古典文学に描かれた厠・井戸・簪―民俗学的視点に基づく考察―』, 鈴木崇義, 『青山学報』, 276号, 30, 30, 2021年06月01日, 青山学院本部広報部, 青山学院大学の広報誌である『青山学報』に掲載される、仙人教員の著書紹介として執筆したものである。
  • シリーズ「國學院大學の教育は、今(3)ハイブリッド授業体験記」, 鈴木崇義, 『教育開発ニュース』, 23, 10ページ, 10ページ, 2021年03月01日, 國學院大學教育開発推進機構, 令和2年度に実施されたオンライン授業態勢の下、後期後半より部分出来に実施されたハイブリッド授業に関する状況、工夫、所感についてまとめた。
  • スタディツアーを通じた学生の成長の可能性―東北再生「私大ネット36」を例として―, 鈴木崇義, 國學院大學教育開発推進機構紀要, 8, 117, 129, 2017年03月01日, 國學院大學教育開発推進機構, 本稿は、筆者が実際に引率に携わった東日本大震災復興支援プロジェクトである東北再生「私大ネット36」の活動を通じて得た知見を、学生の成長という視点から述べたものである。筆者は、平成27年9月に南三陸町に学生を引率し、そこで学生が4日間のActでそれぞれに考え、様々な意見を交換して自分たちなりの答えを出そうとする姿を目の当たりにした。本稿は実際のActの事例を紹介し、そこから何を学生が学び得たのか、また、どのような成長の可能性があるのかを報告したものである。

著書等出版物

  • (翻訳)「漢大賦に見える漢代長安の社会風俗と都市精神」 『長安都市文化と朝鮮・日本』(汲古書院)所収, 方蘊華 著/鈴木崇義 訳, 汲古書院, 2007年09月01日, 原著は2004年8月末に開催された、専修大学と中国の西北大学との第二回共同国際学術会議にて、方蘊華氏により報告されたものである。本稿は、この共同国際学術会議の成果をまとめた『長安都市文化と朝鮮・日本』(汲古書院)に収めるため翻訳したものである。内容は、漢代に作られた長大な賦に描かれた宮殿建築や帝王の狩猟、山水の園林を通して、作品の風格の背後に隠された漢代の社会の主流な価値観における傾向と都市精神を検討したものである。そのために、漢賦に描かれた狩猟の場面について考察し、その空間描写を全体の構成が時間軸で配列していることを指摘した。そして、漢賦は空間描写に留まらない、順序の整合性やバランスを重要視した、漢代の時代精神を反映したものであることを論じている。

講演・発表

  • 曹植「辭賦小道」について, 鈴木崇義, 國學院大學中國學會第62回大会, 2019年06月23日, 國學院大學中國學會, 本発表は、曹植の「与楊徳祖書」に述べられた「辞賦小道」という発言を軸として、漢魏晋における賦に関する議論を俯瞰し、当時の文人達の辞賦に対する意識を明らかにしようと試みたものである。 「賦」という文体は、漢代以降さまざまな議論がなされた。それによれば、賦は『詩経』の詩人の精神を受け継いだ、政治・社会に貢献すべきものでなければならない。それ以外の作品は価値が低いものである、と規定されていたようである。 後漢末から魏にかけて生きた曹植も、「辞賦は小道」という賦を軽んじるような発言をしている。しかし、「与楊徳祖書」全体の内容や、その他の書簡のやりとりから、曹植は政治・社会に貢献するということと、辞賦を作ることの価値を切り分けていたと考えられる。以上のことから、曹植は漢代以来の辞賦観から脱却し、辞賦個別の価値観を見出そうとしていたと考えられる。 その後、西晉になると「三都賦」を書いた左思や「三都賦」に序をつけた皇甫謐によって、漢代の議論を敷衍させた議論が行われる一方で、陸機や成公綏といった文人によって創作理論が展開していくことも併せて指摘した。
  • 障害のある学生の修学支援をどうすすめるか?―國學院大學の取り組みから―, 鈴木崇義, 文京学院大学人間学部前期FD講演会, 2017年07月26日, 文京学院大学人間学部, 文京学院大学でにおけるFD講演会の講師を務めた。当大学では、2016年に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行されたこと、障害のある学生の高等教育への進学希望が増加していることから、学生の学修や就職をどのようにサポートするかの検討をスタートさせた。 本FD講演会は、國學院大學の障害学生支援の体制や取り組みを報告したものである。
  • 2015年夏南三陸スタディツアーAct4報告及びパネルセッション登壇, 鈴木崇義, 東北再生「私大ネット36」第3回シンポジウム, 2015年10月31日, 東北再生「私大ネット36」, 平成27年9月1日~4日に実施した、東北再生「私大ネット36」2016年夏スタディツアーAct4の引率を担当した。本シンポジウムではActの概要を紹介し、パネルセッションでは他のAct引率者とのディスカッションにより、東日本大震災の被災地である南三陸町の復興支援に学生が関与することの意義について意見交換を行った。
  • 國學院大學における障害学生の学修支援について, 鈴木崇義, FD/SD研修会~障害学生の入学後の支援、ゴールを見据えて~, 2015年07月24日, 筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター, 上智大学四谷キャンパスにおいて、全国の大学で障害学生支援に携わる教職員を対象にした研修会、「FD/SD研修会~障害学生の入学後の支援、ゴールを見据えて~」にて、國學院大學の聴覚障害のある学生に対する学修支援の取り組みについて、主にノートテイカーによる情報保障支援の運用の関して報告した。 本研修会は、教育関係共同利用拠点(文部科学省認定)である筑波技術大学の障害者高等教育研究支援センターが、「障害者高等教育拠点」FD/SD研修事業の一環として、会場校である上智大学との共催で開催したものである。

その他

  • 『楚辭補注』譯注稿(十六), 『國學院中國學會報』, 第49輯, 國學院大學中國學會, 2003年12月01日, 80, 123, 本稿は、洪興祖『楚辭補注』の九歌「湘君」を訳注したものである。この洪興祖の「補注」は、『楚辭』の主要な注釈とされながらも、これまで訳注がなかった。底本には中国古典文学基本草書『楚辭補注』(中華書局)を使用し、解釈は藤野岩友博士『楚辭』(集英社「漢詩大系」)を拠り所とした。また訳注にあたっては、適宜研究や注釈を参照し、洪興祖が挙げた引用資料の出典を明らかにし、可能な限り諸本との校合に務めた。
  • 『楚辭補注』譯注稿(十七), 『國學院中國學會報』, 第50輯, 國學院大學中國學會, 2004年12月01日, 87, 107, 本稿は、洪興祖『楚辭補注』の九歌「湘夫人」の第一句から第二十句を訳注したものである。この洪興祖の「補注」は、『楚辭』の主要な注釈とされながらも、これまで訳注がなかった。底本には中国古典文学基本草書『楚辭補注』(中華書局)を使用し、解釈は藤野岩友博士『楚辭』(集英社「漢詩大系」)を拠り所とした。また訳注にあたっては、適宜研究や注釈を参照し、洪興祖が挙げた引用資料の出典を明らかにし、可能な限り諸本との校合に務めた。
  • 『楚辭補注』譯注稿(十八), 『國學院中國學會報』, 第51輯, 國學院大學中國學會, 2005年12月01日, 91, 112, 本稿は、洪興祖『楚辭補注』の九歌「湘夫人」の第二十句から第四十句を訳注したものである。この洪興祖の「補注」は、『楚辭』の主要な注釈とされながらも、これまで訳注がなかった。底本には中国古典文学基本草書『楚辭補注』(中華書局)を使用し、解釈は藤野岩友博士『楚辭』(集英社「漢詩大系」)を拠り所とした。また訳注にあたっては、適宜研究や注釈を参照し、洪興祖が挙げた引用資料の出典を明らかにし、可能な限り諸本との校合に務めた。
  • 『楚辭補注』譯注稿(十九), 『國學院中國學會報』, 第52輯, 國學院大學中國學會, 2006年12月01日, 75, 93, 本稿は、洪興祖『楚辭補注』の九歌「大司命」の第一句から第十六句を訳注したものである。この洪興祖の「補注」は、『楚辭』の主要な注釈とされながらも、これまで訳注がなかった。底本には中国古典文学基本草書『楚辭補注』(中華書局)を使用し、解釈は藤野岩友博士『楚辭』(集英社「漢詩大系」)を拠り所とした。また訳注にあたっては、適宜研究や注釈を参照し、洪興祖が挙げた引用資料の出典を明らかにし、可能な限り諸本との校合に務めた。
  • 『楚辭補注』譯注稿(二十), 『國學院中國學會報』, 第53輯, 國學院大學中國學會, 2007年12月01日, 69, 81, 本稿は、洪興祖『楚辭補注』の九歌「大司命」の第十七句から第二十八句を訳注したものである。この洪興祖の「補注」は、『楚辭』の主要な注釈とされながらも、これまで訳注がなかった。底本には中国古典文学基本草書『楚辭補注』(中華書局)を使用し、解釈は藤野岩友博士『楚辭』(集英社「漢詩大系」)を拠り所とした。また訳注にあたっては、適宜研究や注釈を参照し、洪興祖が挙げた引用資料の出典を明らかにし、可能な限り諸本との校合に務めた。
  • 学修支援センター相談室における学生相談の現状と課題―いかに学生と向き合うか―, 『教育開発ニュース』, 3, 國學院大學教育開発推進機構, 2011年01月12日, 4, 7, 学修支援センター相談室の開室から1年の歩みを振り返り、相談から得た学生の状況を報告し、時間割の組み方、学年ごとの取得単位数の目安について示した。加えて、学生との個別の相談についても状況を概観し、今後の学修支援センター相談室のあるべき姿についての見解を述べた。

教育活動

担当授業

  • 中国文学基礎II, 2019, この授業は、中国古典における「古文」という形式の散文、なかんずく唐宋の作品を読解する。|中国の散文は、発生してより様々に展開し、六朝時代には修辞技巧が洗練された美文(四六駢儷文)が主な形式として定着した。これは、端的に言えば「何を書くか」よりも「いかに書くか」に重点を置いた、当時の主流な文章形式であった。|一方、唐代になると修辞技巧にとらわれず「何を書くか」に重点を置くべきだという動きも起こった。このような流れを受けて、科挙出身の官僚が勢力を持つようになった中唐になると、新しい文学を創るにふさわしい文体として古文を提唱した。古文は、その規範を漢代あるいはそれ以前の散文に求め、簡潔明瞭に、力強く、伝えるべき内容が伝わるように書くことを目指した。以降、古文は散文の主流のスタイルとなり、新たな規範としての位置を占めることになる。|本授業では、古文が発生した唐代の散文を読むこと、具体的には「韓柳」と併称される韓愈および柳宗元の作品読解を主として行う。その上で、宋代への展開も眺めることにする。作品の読解を通じて、中国古典の散文の構造を知り、読解の技法を学び、個々の作品の内容を味わうことを目的とする。
  • 基礎漢文学, 2019, 大学入学以前に漢文に触れたことがない、または漢文に苦手意識をもつ学生を対象とした授業です。また、後期に開講している「漢文学概説」(日本文学科必修科目)を受講するにあたっての準備科目でもあります。よって、漢文の初歩、入門からスタートする授業だと考えてください。|この授業では、漢文の構造をその最小単位である熟語から考え、やがて短い文章、長い文章と少しずつ分量を増やしながら、漢文を読み進めていきます。|なお、読解する作品は中学、高校の教科書に収録されているものを中心にする予定です。
  • 漢文学概説, 2019, 中国古典詩の精華である「唐詩」について概説する。「唐詩」を、原文を訓読することにより読み味わい、個々の作品にもとづき中国古典の鑑賞方法について学ぶ。なお、この授業は「日本の古典としての漢詩・漢文」を学ぶこと、及び受講生が将来漢文教育に携わることを念頭に置いた講義である。|教科書にしたがって作品に触れつつ、漢文読解の方法である訓読についても学ぶ。これにより、唐詩の著名な作品を知ると同時に、漢文訓読の基礎を修得することを目指す。
  • 中国文学基礎II, 2020, 〈授業形態について〉この授業は、主に講義資料(プリント)と動画教材(スライドに説明をつけたもの)を利用した遠隔授業として実施する。|| この授業は、中国古典における「古文」という形式の散文、なかんずく唐宋の作品を中心に読解する。|中国の散文は、その発生より様々な展開を見せたが、六朝時代には修辞技巧が洗練された美文(いわゆる四六駢儷文)が主な形式(スタイル)として定着した。これは、端的に言えば「何を書くか」よりも「いかに書くか」に重点を置いた文章形式であった。|一方、唐代になると修辞技巧にとらわれず、「何を書くか」に重点を置くべきだという動きも起こった。このような流れを受けて、科挙出身の官僚が勢力を持つようになった中唐になると、新しい文学を創るにふさわしい文体として「古文」を提唱した。「古文」は、その規範を漢代あるいはそれ以前の散文に求め、簡潔明瞭に、力強く、伝えるべき内容が伝わるように書くことを目指した新形式なのである。以降、古文は散文の主流のスタイルとなり、新たな規範としての位置を占めることになる。|本授業では、まず古文が発生した唐代の散文、具体的には「韓柳」と併称される韓愈および柳宗元の作品読解を行う。その上で、宋代への展開も眺める計画である。作品の読解を通じて、中国古典の散文の構造を知り、読解の技法を学び、個々の作品の内容を味わうことを目的とする。
  • 漢文学概説, 2020, 〈授業形態について〉本授業は、主にZoomを利用したオンデマンド型オンライン授業(録画配信)として実施する。||本概説は中国文学のメニューを提示することが1つの目的となる。|中国文学は、もとより外国語の文学であるが必ずしも外国の文学ではない。それは、歴史的に見れば、中国文学は中国一国だけの文学ではなく、時間的にも空間的にも東アジア全体に拡がりを持ち得たからである。|しかし、こうした歴史的事実を生み出した要因は中国の歴史の古さのみに帰すべきではない。むしろ、中国文学に内在する普遍性に着目しなければならない。その普遍性は、各時代の作品を精確に読み解くことによって得られる特性を基とし、社会との関係の中でそれらの作品を位置づけることによって理解される。|したがって、各作品の持つ意味を作品内部や作者個人だけに閉じさせるのではなく、相互の等質性や異質性に留意しつつ、講じてゆくことが「概説」することになるはずである。|加えて、中国文学は社会性・政治性を持つことが1つの理想であった文学であるから、作品の理解に際して、先行する「文学史」上の作品に求めるべきではなく、それを生み出した社会を認識しておく必要がある。これが指定の教科書において各作品の前に概説文を置いた理由である。|なお、本授業は主にZoomを利用した双方向型授業として実施する。
  • 漢文学概説, 2020, -
  • 基礎漢文学, 2020, 〈授業形態について〉この授業は、主に講義資料(プリント)と動画教材(スライドに説明をつけたもの)を利用した遠隔授業として実施する。||大学入学以前に漢文に触れたことがない、または漢文に苦手意識をもつ学生を対象とした授業です。また、後期に開講している「漢文学概説」(日本文学科必修科目)を受講するにあたっての準備科目でもあります。よって、漢文の初歩、入門からスタートする授業だと考えてください。|この授業では、漢文の構造を知ることからスタートし、やがて短い文章、長い文章と段階を追って、漢文を読み進めていきます。|なお、読解する作品は中学、高校の教科書に収録されているものを中心にする予定です。
  • 漢文学概説, 2020, 本授業は、主に Zoom を利用した双方向型オンライン授業(ライブ配信)として実施|する。(ただし、個別の授業内容に応じてオンデマンド配信をすることもある。)|国語科の中の「漢文」で学ぶ「唐詩」、「史伝」、「小説」を、中国古典文学として学び直す。|授業では、漢文訓読という方法について学び、この方法を用いながら中国古典の作品を読み味わうことにする。作品に触れると同時に、中国古典の鑑賞方法について考える内容としたい。|この他、訓読の仕組みについて学ぶと同時に、漢和辞典の使い方、漢和辞典の構成そのものについても知る機会としたい。|なお、この授業は「日本の古典としての漢詩・漢文」を学ぶこと、及び将来受講生が漢文教育に携わることを念頭に置いた講義であることを付記しておく。
  • 漢文学概説, 2021, 本概説は中国文学のメニューを提示することが目的となる。|中国文学は、もとより外国語の文学であるが必ずしも外国の文学ではない。それは歴史的に見れば、中国文学は中国一国だけの文学ではなく、時間的にも空間的にも東アジア全体に拡がりを持ち得たからである。|しかし、こうした歴史的事実を生み出した要因は中国の歴史の古さのみに帰すべきではない。むしろ、中国文学に内在する普遍性に着目しなければならない。その普遍性は、各時代の作品を精確に読み解くことによって得られる特性を基とし、社会との関係の中でそれらの作品を位置づけることによって理解される。|したがって、各作品の持つ意味を作品内部や作者個人だけに閉じさせるのではなく、相互の等質性や異質性に留意しつつ、講じてゆくことが「概説」することになるはずである。|加えて、中国文学は社会性・政治性を持つことが1つの理想であった文学であるから、作品の理解に際して、先行する「文学史」上の作品に求めるべきではなく、それを生み出した社会を認識しておく必要がある。これが指定の教科書において各作品の前に概説文を置いた理由である。
  • 中国文学基礎II, 2021, 中国の散文は、その発生以来様々な展開を見せたが、六朝時代の美文(修辞技巧を凝らしたスタイル)を経て、唐代になると「古文」というスタイルが提唱された。これは、「何を書くか」に重点を置いたスタイルで、散文の規範としての地位を占めるようになった。|中でも、韓愈、柳宗元、欧陽脩、蘇洵、蘇軾、蘇轍、曾鞏、王安石の8人は、後世「唐宋八大家」と称されるなど、高く評価されている。|本授業では、この唐宋八大家の一人、蘇軾の散文作品を読む。読解を通じて、作品個々の持つ豊かさに触れることを目的とする。
  • 中国古典の世界, 2021, この授業は、教科書『生と死の言葉ことば―中国の名言を読む―』をガイドブックとして、中国古典の世界を大きく眺めることを目的とします。||「生と死」をテーマとしていますが、死生観を知るというよりは、教科書に紹介されている作品を中心に、中国古典に見られる発想や表現、文学の様々な主題について触れていこうと考えています。||中国古典の世界を知る方法としては、作品読解に如くものはありません。読解を通じて中国文学の特徴を知り、その豊かな古典の世界に入り込むための準備をすることが、この授業の目標です。
  • 漢文学概説, 2021, 国語科の「漢文」で学ぶ「唐詩」、「史伝」、「小説」を、中国古典文学として学び直す。|授業では、漢文訓読という方法について学び、この方法を用いながら中国古典の作品を読み味わうことにする。作品に触れると同時に、中国古典の鑑賞方法について考える内容としたい。|この他、訓読の仕組みについて学ぶと同時に、漢和辞典の使い方、漢和辞典の構成そのものについても知る機会としたい。|なお、この授業は「日本の古典としての漢詩・漢文」を学ぶこと、及び将来受講生が漢文教育に携わることを念頭に置いた講義であることを付記しておく。
  • 漢文学概説, 2022, 本概説は中国文学のメニューを提示することが目的となる。中国文学は、もとより外国語の文学であるが必ずしも外国の文学ではない。それは歴史的に見れば、中国文学は中国一国だけの文学ではなく、時間的にも空間的にも東アジア全体に拡がりを持ち得たからである。しかし、こうした歴史的事実を生み出した要因は中国の歴史の古さのみに帰すべきではない。むしろ、中国文学に内在する普遍性に着目しなければならない。その普遍性は、各時代の作品を精確に読み解くことによって得られる特性を基とし、社会との関係の中でそれらの作品を位置づけることによって理解される。したがって、各作品の持つ意味を作品内部や作者個人だけに閉じさせるのではなく、相互の等質性や異質性に留意しつつ、講じてゆくことが「概説」することになるはずである。加えて、中国文学は社会性・政治性を持つことが1つの理想であった文学であるから、作品の理解に際して、先行する「文学史」上の作品に求めるべきではなく、それを生み出した社会を認識しておく必要がある。これが指定の教科書において各作品の前に概説文を置いた理由である。
  • 中国文学基礎II, 2022, 中国の散文は、その発生以来様々な展開を見せたが、六朝時代の美文(修辞技巧を凝らしたスタイル)を経て、唐代になると「古文」というスタイルが提唱された。これは、「何を書くか」に重点を置いたスタイルで、散文の規範としての地位を占めるようになった。|中でも、韓愈、柳宗元、欧陽脩、蘇洵、蘇軾、蘇轍、曾鞏、王安石の8人は、後世「唐宋八大家」と称されるなど、高く評価されている。|本授業では、唐代以降の散文作品に幅広く触れてゆく。唐代からは韓愈、柳宗元を、宋代からは歐陽脩、蘇軾を読む。授業進度によっては、さらに後世散文作品、明代の帰有光にも触れてみたい。読解を通じて、作品個々の持つ豊かさに触れることを目的とする。
  • 中国古典の世界, 2022, この授業は、教科書『生と死の言葉ことば―中国の名言を読む―』をガイドブックとして、中国古典の世界を大きく眺めることを目的とします。||具体的には、教科書に紹介されている作品を中心に、中国古典に見られる発想や表現、文学の様々な主題について触れていこうと考えています。教科書は「生と死」をテーマとしていますが、これはあくまでも古典をよむ手がかりの一つだと捉えてください。||中国古典の世界を知る方法としては、作品読解に如くものはありません。読解を通じて中国古典文学の特徴を知り、その豊かな世界に入るための準備をすることが、この授業の目標です。
  • 漢文学概説, 2022, 国語科の「漢文」で学ぶ「唐詩」、「史伝」、「小説」を、中国古典文学として学び直す。|授業では、漢文訓読という方法について学び、この方法を用いながら中国古典の作品を読み味わうことにする。作品に触れると同時に、中国古典の鑑賞方法について考える内容としたい。|この他、訓読の仕組みについて学ぶと同時に、漢和辞典の使い方、漢和辞典の構成そのものについても知る機会としたい。|なお、この授業は「日本の古典としての漢詩・漢文」を学ぶこと、及び将来受講生が漢文教育に携わることを念頭に置いた講義であることを付記しておく。
  • 漢文学講読I, 2023
  • 漢文学講読II, 2023
  • 中国古典の世界, 2023
  • 基礎漢文学, 2023
  • 漢文学概説, 2023
  • 漢文学概説, 2023
  • 中国文学概説, 2023
  • 中国文学基礎II, 2023
  • 漢文学概説, 2023
  • 中国原典研究IV, 2023
  • 中国原典演習IV, 2023
  • 中国古典読法I, 2023
  • 漢文学講読I, 2023, 中国の散文は、その発生以来様々な展開を見せたが、六朝時代の美文(修辞技巧を凝らしたスタイル)を経て、唐代になると「古文」というスタイルが提唱された。これは、「何を書くか」に重点を置いたもので、後世、散文の規範としてとらえられるようになった。|本授業では、まず、後世「唐宋八大家」に数えられた韓愈・柳宗元の散文を中心に読解を進める。また、唐代文学の柱の一つである唐代伝奇小説にも触れてみたい。|読解を通じて、作品個々の持つ豊かさに触れることを目的とする。|なお、読解は漢文訓読法にしたがって行う。
  • 漢文学講読II, 2023, 中国の散文は、その発生以来様々な展開を見せたが、唐代になると「古文」というスタイルが提唱された。|宋代になって、「古文」は欧陽脩等により散文の主流となり、担い手となった士大夫の教養に裏打ちされた内容を持つようになった。|本授業では、欧陽脩や蘇軾といった後世「唐宋八大家」に数えられた文人の作品を中心に読解を進める。また、宋代文学の特徴である随筆にも触れてみたい。|これらの読解を通じて、作品個々の持つ豊かさに触れることを目的とする。|なお、読解は漢文訓読法にしたがって行う。
  • 中国古典の世界, 2023, この授業は、中国古典文学の主な担い手となった「文人」の姿を通して、中国古典文学の世界を眺めることを目的とします。||具体的には、教科書に紹介されている文人から数名をピックアップし、教科書の記述をたよりに文人達の人生を追跡し、作品を読解することで中国古典文学の鑑賞をしたいと考えています。教科書は、謂わばガイドブックとして毎回の授業で使用します。||中国古典文学を知る方法は、作品読解に如くものはありません。今回は文人をテーマにアプローチしますが、読解を通じて中国古典文学の特徴を知り、その豊かな世界に入るための準備をすることが、この授業の目標です。
  • 基礎漢文学, 2023, 漢文を正しく理解・訓読し、読解する力を養成します。|漢語の仕組み、返り点のつけかたを始めとして、中国古典文(漢文)の読解法を1から学びます。|漢文を読むというのは、古典中国語である原文を理解し、それを古典日本語で表現するという、作業となります。高校漢文の教材は基本的に訓読されていますが、ここでは短い語→句→文→文章と、対象を少しずつ長くしながら、自力で訓読することを目指します。そのために、授業では理論学修と並行して実践を多くします。漢和辞典や漢文文法書を活用しながら、よく反復して知識を蓄積し、技術・読解力を向上させてください。
  • 漢文学概説, 2023, 本概説は中国文学のメニューを提示することが目的となる。中国文学は、もとより外国語の文学であるが必ずしも外国の文学ではない。それは歴史的に見れば、中国文学は中国一国だけの文学ではなく、時間的にも空間的にも東アジア全体に拡がりを持ち得たからである。しかし、こうした歴史的事実を生み出した要因は中国の歴史の古さのみに帰すべきではない。むしろ、中国文学に内在する普遍性に着目しなければならない。その普遍性は、各時代の作品を精確に読み解くことによって得られる特性を基とし、社会との関係の中でそれらの作品を位置づけることによって理解される。したがって、各作品の持つ意味を作品内部や作者個人だけに閉じさせるのではなく、相互の等質性や異質性に留意しつつ、講じてゆくことが「概説」することになるはずである。加えて、中国文学は社会性・政治性を持つことが1つの理想であった文学であるから、作品の理解に際して、先行する「文学史」上の作品に求めるべきではなく、それを生み出した社会を認識しておく必要がある。これが指定の教科書において各作品の前に概説文を置いた理由である。
  • 漢文学概説, 2023, 本概説は中国文学のメニューを提示することが目的となる。中国文学は、もとより外国語の文学であるが必ずしも外国の文学ではない。それは歴史的に見れば、中国文学は中国一国だけの文学ではなく、時間的にも空間的にも東アジア全体に拡がりを持ち得たからである。しかし、こうした歴史的事実を生み出した要因は中国の歴史の古さのみに帰すべきではない。むしろ、中国文学に内在する普遍性に着目しなければならない。その普遍性は、各時代の作品を精確に読み解くことによって得られる特性を基とし、社会との関係の中でそれらの作品を位置づけることによって理解される。したがって、各作品の持つ意味を作品内部や作者個人だけに閉じさせるのではなく、相互の等質性や異質性に留意しつつ、講じてゆくことが「概説」することになるはずである。加えて、中国文学は社会性・政治性を持つことが1つの理想であった文学であるから、作品の理解に際して、先行する「文学史」上の作品に求めるべきではなく、それを生み出した社会を認識しておく必要がある。これが指定の教科書において各作品の前に概説文を置いた理由である。|本授業は、上の目的を達成するために、いくつかのテーマに沿って作品を読解する。
  • 中国文学概説, 2023, 本授業は中国文学のメニューを提示することが目的となる。中国文学は、中国のみならず歴史を通じて東アジア全体に拡がりを持ち得た。これは、中国の歴史の古さによるというよりも、むしろ中国文学のもつ普遍性がはたした役割が大きいといえるだろう。|よって、いくつかのテーマにしたがって、社会的・歴史的背景を踏まえながら作品を読解し、それによって中国文学の特徴を知り、今後の学修の基礎とすることを目指す。|作品をに帰すべきではない。むしろ、中国文学に内在する普遍性に着目しなければならない。その普遍性は、各時代の作品を精確に読み解くことによって得られる特性を基とし、社会との関係の中でそれらの作品を位置づけることによって理解される。したがって、各作品の持つ意味を作品内部や作者個人だけに閉じさせるのではなく、相互の等質性や異質性に留意しつつ、講じてゆくことが「概説」することになるはずである。加えて、中国文学は社会性・政治性を持つことが1つの理想であった文学であるから、作品の理解に際して、先行する「文学史」上の作品に求めるべきではなく、それを生み出した社会を認識しておく必要がある。|上の目的を達成するために、いくつかのテーマに沿って作品を読解する。加えて、社会的・歴史的背景にも触れる予定である。
  • 中国文学基礎II, 2023, 中国の散文は、その発生以来様々な展開を見せ、内容も多種多様でそれぞれに魅力的な作品がのこされている。||本授業では、唐宋の時代を中心に歴代の散文小品に触れることとする。原文の読解を通じて、作品個々の持つ豊かさに触れ、読解力をつけることを目的とする。
  • 漢文学概説, 2023, 国語科の「漢文」で学ぶ「唐詩」、「史伝」、「小説」を、中国古典文学として学び直す。|授業では、漢文訓読という方法について学び、この方法を用いながら中国古典の作品を読み味わうことにする。作品に触れると同時に、中国古典の鑑賞方法について考える内容としたい。|この他、訓読の仕組みについて学ぶと同時に、漢和辞典の使い方、漢和辞典の構成そのものについても知る機会としたい。|なお、この授業は「日本の古典としての漢詩・漢文」を学ぶこと、及び将来受講生が漢文教育に携わることを念頭に置いた講義であることを付記しておく。よって、教科書に検定教科書を指定してはいるが、専門的な、原典となるテキストにも触れる予定である。
  • 中国原典研究IV, 2023, 『文心雕龍』は、中国の南朝梁の劉勰によって著された、文学理論について総合的かつ体系的に述べた著作である。|本授業は、『文心雕龍』の読解を通じて、文学理論という視点から中国古典文学の有り様を知ることを目的とする。|加えて、『文心雕龍』の文体(後世、四六駢儷文、駢文などと呼ばれる)の特徴も原典読解を通じて学びたいと考えている。
  • 中国原典演習IV, 2023, ※この授業は前期の中国原典研究IVを踏まえた内容とします。|『文心雕龍』には多くの注釈があるが、総じてたくさんの作品が引用されている。|本授業は、『文心雕龍』の注釈の読解を通じて、関連する作品に幅広く触れることが主な内容となる。それにより中国古典読解の基礎である、注釈に従って読む力を身につけることを目的とする。|「演習」であるため、受講生には担当をそれぞれ割り振り、発表資料にまとめて報告してもらう予定である。
  • 中国古典読法I, 2023, 後期開講の中国古典読法Ⅱと併せ、以下の内容を指導する。|(1)中国古典の基本構造・句法|(2)漢文訓読に使用する古典文法|(3)中国古典の解釈法|中国古典文(漢文)の読解の前提となる「漢文訓読法」の基礎を反復練習と確認テストを重ねながら身につけ、的確な訓読や読解ができるようになることを目指す。

オフィスアワーの実施時期・曜時

  • 2018

学外活動

学協会活動

  • 全国漢文教育学会, 2022年05月23日
  • 國學院大學中國學會, 1999年04月01日
  • 中唐文学会, 2003年04月01日
  • 日本中国学会, 2006年09月
  • 六朝学術学会, 2006年09月
  • 中国古典学会, 2008年10月01日
  • 日本リメディアル教育学会, 2009年04月01日, 2023年03月31日
  • 三国志学会, 2011年04月01日

学外委員等活動

  • 2023年04月01日, 2025年03月31日, 六朝学術学会, 評議員
  • 2014年04月01日, 2025年03月31日, 六朝学術学会, 総務委員
  • 2019年04月01日, 國學院大學中國學會, 幹事
  • 2011年04月01日, 2014年03月31日, 六朝学術学会, 幹事
  • 2013年04月01日, 2021年03月31日, 日本中国学会, 大会委員会幹事
  • 2012年09月01日, 三国志学会, 評議員

社会貢献活動

  • 健康都市大学 今読むべき世界の名著①「『史記』高祖本紀を読む」―もう一人の英雄、劉邦―, やまとみらい(大和市文化創造拠点等 指定管理者)/大和市生涯学習センタ―, 2022年01月08日, 2022年02月26日, 神奈川県大和市在住・在勤の方への市民講座「今読むべき世界の名著」の第1番目に位置づけられる、全5回開催した一般向け講座。内容は、『史記』を読むをテーマとして、『史記』の「高祖本紀」を中心に読解する講座を開催した。
  • 平成30年大和市民大学「中国古典を訪ねて」, 2018年09月07日, 2018年10月26日, 神奈川県大和市在住・在勤の方への市民講座として、全5回開催した一般向け講座。内容は、中国古典の概要を示すものとし、 第1回 中国古典と日本 第2回 世説新語 第3回 史記「項羽と劉邦」  第4回 史記「項羽と劉邦」  第5回 唐詩 として開催した。