「思ふ・見る・聞く」の「(ら)る」形―複合動詞と主体敬語―, 吉田永弘, 青木博史・岡﨑友子・小木曽智信編『コーパスによる日本語史研究 中古・中世編』, 2022年10月27日, ひつじ書房
栄花物語の敬語―正篇と続篇と―, 吉田永弘, 国語研究, 87, 87, 65, 78, 2024年02月25日, 國學院大學国語研究会
「可能」「自発」の歴史的対照―「る・らる」と「可能動詞・れる」―, 吉田永弘, 野田尚史・小田勝編『日本語の歴史的対照文法』, 2021年06月10日, 和泉書院
言語資料としての『太平記』―神田本の語法―, 吉田永弘, 松尾葦江編『平和の世は来るか 太平記』軍記物語講座第三巻, 2019年10月30日, 花鳥社
助詞の介在―補助動詞「す」を中心に―, 吉田永弘, 『日本語文法史研究 4』, 2018年10月22日, ひつじ書房
尊敬用法の「る・らる」の位置づけ, 『國學院雑誌』, 118巻9号, 1, 18, 2017年09月15日, 國學院大學
文法が分かると何が分かるか, 松尾葦江編『ともに読む古典』, 273, 291, 2017年03月31日, 笠間書院
副詞「たとひ」の構文, 『國學院大學大學院紀要―文学研究科―』, 47輯, 23, 48, 2016年03月31日, 國學院大學大學院
「る・らる」における否定可能の展開, 『国語研究』, 79号, 49, 65, 2016年02月28日, 國學院大學国語研究会
「とも」から「ても」へ, 秋元実治・青木博史・前田満編『日英語の文法化と構文化』, 2015年11月01日, ひつじ書房
『源平盛衰記』語法研究の視点, 松尾葦江編『文化現象としての源平盛衰記』, 296, 308, 2015年05月30日, 笠間書院
いわゆる「公尊敬」について, 吉田永弘, 『日本語文法史研究 2』, 43, 60, 2014年10月15日, ひつじ書房
「る・らる」の尊敬用法の拡張, 『説林』, 62号, 1, 12, 2014年03月01日, 愛知県立大学国語国文学会
古代語と現代語のあいだ―転換期の中世語文法―, 『日本語学』, 33巻1号, 72, 84, 2014年01月10日, 明治書院
「る・らる」における肯定可能の展開, 吉田永弘, 『日本語の研究』, 9巻4号, 18, 32, 2013年10月01日, 日本語学会
平家物語と日本語史, 『説林』, 60号, 53, 68, 2012年03月05日, 愛知県立大学国文学会
屋代本平家物語巻十一の性格―字形と語句の観点から, 千明守編『平家物語の多角的研究 屋代本を拠点として』, 45, 61, 2011年11月09日, ひつじ書房
タメニ構文の変遷 ―ムの時代から無標の時代へ―, 青木博史編『日本語文法の歴史と変化』, 89, 117, 2011年11月09日, くろしお出版
国語学から見た延慶本平家物語, 栃木孝惟・松尾葦江編『延慶本平家物語の世界』, 148, 165, 2009年05月30日, 汲古書院
源氏物語の「御」―自体尊敬の存否―, 『國學院雑誌』, 109巻10号, 122, 133, 2008年10月15日, 國學院大學
接続助詞ニヨッテの源流, 『國學院雑誌』, 第108巻第11号, 2007年11月01日, 國學院大學
中世日本語の因果性接続助詞の消長 ―ニヨッテの接続助詞化を中心に―, 青木博史編『日本語の構造変化と文法化』, 181, 203, 2007年07月30日, ひつじ書房
属性明示の存在表現―「にてあり」の用法と解釈―, 『日本語学』, 25巻5号(二〇〇六年四月臨時増刊号「新・古文読解」), 62, 70, 2006年04月01日, 明治書院, 『今昔物語集』は文体的視点と歴史的な視点から研究が行われてきた。上の二つの視点から『今昔物語集』における「にてあり」を考察し、どう解釈するのがよいのかについて述べたもの。文体的視点からは、「たり」「とあり」と相補的な関係にあることを示した上で、撰者の文体として「にてあり」が選択されたことを指摘した。歴史的視点からは、断定表現になる前の、属性を明示する存在表現の段階に留まっていることを指摘した。
「くださる」の成立・粗描, 『説林』, 54号, 7, 15, 2006年03月01日, 愛知県立大学国文学会, 現代語の受益敬語「くださる」が成立した過程とその要因を探ったもの。何を「くださる」かという「くださる」対象に着目すると、『今昔物語集』で〈命令〉に限られていたものが、『延慶本平家物語』で〈モノ〉を承けた例が現れた。同時に、「もらう」意に使われた例もあることから、その頃一語化した「くださる」が成立したと考えた。さらに、中世末には補助動詞用法も発生することを見て、「たまふ」「たぶ」の衰退が「くださる」の勢力拡大の要因となったことを推測した。
体言承接のタリの位置づけ, 吉田永弘, 『日本語の研究』, 2巻1号, 78, 92, 2006年01月01日, 日本語学会, いわゆる断定の助動詞のタリの性格を明らかにしようとしたもの。従来ナリと比較して考察され、ナリに比して文体・用法の面で制約のあることが知られているが、それは断定表現ではないことがもたらす制約であると考えた。そして、属性を表す存在表現であることを指摘し、和文のニテアリと相補的な関係にあることを述べた。また、ニテアリが中世に文法化を果たしたことによりタリ・とニテアリとの相補的な関係が崩れ、タリが衰退する誘因となったという見通しを述べた。
「きもい」考, 『説林』, 53号, 67, 79, 2005年03月01日, 愛知県立大学国文学会, 近年若年層を中心に使われる「気持ち悪い」の短縮語「きもい」について、語法史の観点から成立時期と成立要因を考察したもの。10代の使用率が高く、1990年代後半から2000年頃に普及した語であること、「あの人きもい」のように〈評価〉を表す用法が自然と答える人が多く、「酔ってきもい」のように〈情意〉を表す用法では不自然と答える人が多いことがわかった。このことから、「きもい」は〈評価〉用法から成立したと考えられ、その要因を〈情意〉用法を持ち〈評価〉用法を持たない「気持ちよい」の短縮語と誤解されることがなく、一義的に「気持ち悪い」の短縮語だと捉えられることに求めた。
鬼のことば―宇治拾遺物語の自敬表現―, 『國學院大學栃木短期大學紀要』, 39号, 69, 89, 2005年03月01日, 國學院大學栃木短期大學, 『宇治拾遺物語』の鬼の発言には自敬表現が使われているが、鬼の発言としてどのような表現効果をもたらしているのかを考察したもの。鬼のことばの自敬表現は、奇異な表現を使わせることで鬼らしさを表しているのではなく、支配者のことばとして「横座の鬼」にふさわしい表現を用いている。したがって尊大さ・威圧的な感じは伴わなかったものと考えられることを指摘した。また、自敬表現の敬意のあり方についても考察し、自己に対する敬意を表すという意味での自敬表現はなかったことを述べた。
「者」「物」と文体, 『説林』, 52号, 79, 97, 2004年03月01日, 愛知県立大学国文学会, 「もの」という語の表記について院政期頃の使い分け意識を探ったもの。漢字表記「者・物」と仮名表記についての院政期頃の使い分け意識について『後二条師通記』『更級日記』を採り上げ、漢字文では「者」はヒトの意に「物」はモノの意に使い、平仮名文では「者」を使わず「物」か「もの」で表すことがわかり、ヒトを表す「者」の割合を測ることによって、漢字仮名交用文が漢字文的か平仮名文的かを測る文体指標になることを指摘した。その上で『今昔物語集』を中心に漢字仮名交用文を文体的に位置づけた。
屋代本平家物語の語法覚書―書写年代推定の試み―, 『徳江元正退職記念鎌倉室町文学論纂』, 197, 218, 2002年05月01日, 三弥井書店, 山田孝雄が応永頃の書写とした『屋代本平家物語』について、語法史の観点から成立年代を推定したもの。『屋代本平家物語』のなかから1〈「する」意を表す「めさる」〉、2〈「連体形+の+名詞」の構文〉、3〈「こそ~しが」という係結の破格〉、4〈打消の「ん」〉、5〈間投助詞の「の」〉という五点の中世的な語法があることを指摘し、濁点を三点で書いた状況とあわせて、十六世紀中頃から後半にかけての言語が反映したものと推定した。
平家物語のホドニ―語法の新旧―, 『国語研究』, 64号, 31, 38, 2001年03月01日, 國學院大學国語研究会, 「ほどに」という形式に着目し、『平家物語』諸本における用法差を指摘したもの。「ほどに」は、中古から中世にかけて、前件句と後件句が時間的に重なる重時性の段階から、時間的な重なりがなくなる先後性の段階を経て、因果関係を表す因果性の段階へと用法を拡張させていった。『平家物語』諸本がそれぞれどの段階の「ほどに」の用法を持っているかについて調査し、語法の新旧という観点から諸本を位置づけた。
ホドニ小史―原因理由を表す用法の成立―, 『国語学』, 51巻3号, 74, 87, 2000年12月01日, 国語学会, 「ほどに」が原因理由を表すようになる時期と過程を明らかにし、併せて要因について考察したもの。「ほどに」の前後にある句に着目すると、平安時代には前件句と後件句とが時間的に重なっていたものが、院政・鎌倉時代から、時間的な重なりを持たなくなり、鎌倉末期・室町時代には時間から開放された原因理由を表す用法が見られるようになることを指摘した。そして、これは原因理由を表していた「已然形+バ」が衰えたことによるものと考えた。
「仰せなりけるは」考, 『國學院雑誌』, 第100巻第2号, 34, 47, 1999年02月01日, 國學院大學, 中世に見られる「仰せなる」の語構成を中世特有の敬語法である「御寝なる」などのナル型敬語と対比しながら考察したもの。ナル型敬語は「移動の意の漢語名詞+なる」と「語末が撥音の敬語性漢語名詞+あり」との二種に分けられ、「仰せなる」はどちらでもないことから、ナル型敬語でないことを指摘し、『平家物語』の諸本の比較から「仰せのありけるは」の縮約形であることを明らかにした。その上で、平家物語の諸本を縮約形を用いているか、非縮約形を用いているかによって、語法の新旧の観点から位置づけた。
副詞「たとひ」の用法―平家物語諸本の比較―, 『国語研究』, 61号, 1, 18, 1998年03月01日, 國學院大學国語研究会, 『平家物語』の諸本を語法史の観点から位置づけたもの。文末に或る特定の要素を要求する副詞(陳述副詞)は、時代によって文末の要素に差異を見せるものであるが、副詞「たとひ」の場合も、『今昔物語集』と『天草版平家物語』との比較によって、中古語法と中世語法との差異を見出すことができる。それを踏まえて『平家物語』諸本(十本)の「たとひ」を調査した結果、使用状況に差異が見られることを指摘し、語法の新旧の観点から諸本を位置づけた。
断定表現「にてあり」の成立―上接名詞に注目して―, 『國學院雑誌』, 98巻10号, 45, 56, 1997年10月01日, 國學院大學, 現代語の断定表現「だ」「である」の起源である「にてあり」という形式がいつごろどのように断定表現となったかについて考察したもの。「にてあり」は平安時代から見られる形式であるが、上接名詞が属性を表す名詞に偏っている点と、返答に断定表現を要求する質問文に対する返答として用いられていない点から、当初は断定表現ではなく、「~という属性で存在する」意を表す存在表現であったことを指摘し、上の制約がなくなる十二世紀中頃以降に断定表現になったと推定した。
「古典語と現代語の可能表現 ―「らる」と「られる」―」, 吉田永弘, シンポジウム〔日本語文法研究のフロンティア-文法史研究・通時的対照研究を中心に-〕, 2019年01月13日, 於:国立国語研究所
文法史研究の最前線 -ル・ラルをめぐって-, 吉田永弘, 愛知学院大学人間文化研究所主催研究会, 2017年03月02日
「とも」から「ても」へ, 日本語学会2015年度春季大会、ワークショップ「日本語の構文と構文変化」, 2015年05月24日, 於:関西学院大学
尊敬用法の「る・らる」の位置づけ, 日本語文法学会第15回大会, 2014年11月23日, 於:大阪大学
所謂「公尊敬」考, 國學院大學国語研究会平成26年度前期大会, 2014年07月05日, 於:國學院大學
「る・らる」における肯定可能の展開, 日本語学会春季大会, 2012年05月20日, 於:千葉大学
「る・らる」による可能表現, 国立国語研究所共同プロジェクト「日本語文法の歴史的研究」(独創・発展型、代表:青木博史)研究発表会, 2011年08月30日, 於:九州大学博多駅オフィス
平家物語と日本語史, 科研基盤(S)「戦に関わる文字文化と文物の総合的研究」(研究代表者:遠山一郎)シンポジウム「天草版平家物語―原拠本と日本語の歴史」, 2011年06月11日, 於:愛知県立大学学術文化交流センター
古代語のタメニ構文とその変遷, 中部日本・日本語学研究会(第54回), 2009年10月17日, 於:刈谷市産業振興センター
「ので・から」以前, 國學院大學国語学研究室会, 2007年08月25日, 於:國學院大學
古代日本語の因果性接続助詞の変遷, 愛知県立大学・言語研究会第19 回例会, 2007年03月07日, 於:愛知県立大学
語法から見た屋代本平家物語, 國學院大學国語研究会平成12年度前期大会, 2000年12月01日, 於:國學院大學
ホドニ考―時間性から因果性へ―, 國學院大學国語研究会平成11年度後期大会, 1999年11月01日, 於:國學院大學
断定表現ニテアリの成立, 國學院大學国語研究会平成9年度前期大会, 1997年07月01日, 於:國學院大學