コンパクト・プラス・ネットワーク型都市に資する連続復興型住宅地計画の提案, 浅野聡, 計画行政, 第44巻, 第4号, 49, 54, 2021年11月15日, 一般社団法人日本計画行政学会
都市再生時代における歴史的建造物と歴史的市街地の再評価と再生の実践, 浅野聡, 都市住宅学, 第116号, 24, 29, 2022年01月31日, 公益社団法人都市住宅学会
伊勢市の幻の未来都市計画 -神都計画が描く国際観光都市蔵, 浅野聡, 瑞垣, 第252号, 14, 27, 2022年06月15日, 神宮司廳
景観法を活用した景観まちづくりの到達点と将来展望 –景観法制定20年を迎えて–, 浅野聡, 市街地再開発, 第661号, 27, 36, 2025年05月25日, 公益社団法人全国市街地再開発協会
景観法を活用した景観まちづくりの将来像, 浅野聡, 新都市, 第79巻, 第3号, 3, 9, 2025年03月01日, 公益財団法人都市計画協会
まちづくりにおける宿泊施設の位置づけ, 浅野聡, 都市住宅学, 第120・121号, 10, 14, 2025年02月28日, 公益社団法人都市住宅学会
景観法20年の歴史を通じた景観行政の到達点と展望, 浅野聡, 公園緑地, 第85巻, 4号, 14, 17, 2025年01月23日, 一般社団法人日本公園緑地協会
景観計画を活用した景観まちづくりの次のステップへ, 浅野聡, 新都市, 第77巻, 第6号, 3, 5, 2023年06月01日, 公益財団法人都市計画協会
立地適正化計画の居住誘導区域の設定における災害ハザードエリアの取り扱いに関する現状と課題 -東海4県(岐阜,静岡,愛知,三重)を対象として-, 興津舜也・金光香保子・浅野聡, 日本建築学会技術報告集, 第27巻, 第66号, 937, 942, 2021年06月01日, 日本建築学会, 金光香保子・浅野聡
木造応急仮設住宅を単独住宅として継続利用することを可能にした要因の考察 -宇城市及び益城町を対象として-, 平西明日香・李冠宏・福居俊輔・浅野聡, 日本建築学会技術報告集, 第30巻, 第75号, 996, 1001, 2024年06月01日, 日本建築学会, 李冠宏・福居俊輔・浅野聡
居住誘導区域における住区の街区公園を活用した建設型応急仮設住宅の建設候補地の充足度の現状と課題 -三重県の6市町を対象にして-, 斉藤正樹・平西明日香・浅野聡, 日本建築学会技術報告集, 第29巻, 第73号, 1531, 1536, 2023年10月01日, 日本建築学会, 平西明日香・浅野聡
2020年, 日本建築学会, 日本建築学会賞(業績), 三重県域におけるミクロとマクロの視点から組み立てた景観計画をベースにした景観まちづくりのマネージメントの実践 -三重県らしさを構築する歴史都市群、国立公園、世界遺産を対象にして-
2019年, 国土交通大臣, 国土交通大臣表彰 平成30年度 手づくり郷土賞(大賞部門), 伊勢河崎・町並みと川を生かしたまちづくり -伊勢河崎商人館を核とした暮らしのデザイン-
2014年, 一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会, ジャパン・レジリエンスアワード(強靱化大賞)金賞(教育機関部門), 「さきもり塾」と「さきもり倶楽部」を両輪とする地域実践型の防災人材育成および防災コミュニティ形成プロジェクト
2012年, 伊勢市, 伊勢市長表彰, 日本都市計画学会・自治体優秀まちづくりグッズ賞受賞に関する一連の功績
2011年, 日本都市計画学会, 日本都市計画学会・自治体優秀まちづくりグッズ賞, 伊勢市の「成長する都市マスタープラン」まちづくりグッズ群
2011年, 国土交通大臣, 国土交通大臣表彰 平成22年度 手づくり郷土賞(一般部門), 伊勢河崎のまちづくり 町並みと川を生かしたまちづくり
2011年, 財団法人名古屋都市センター, 財団法人名古屋都市センター理事長表彰, 名古屋都市センターのまちづくり活動の推進に関する一連の功績
2005年, 伊勢市, 伊勢市長表彰, 伊勢市都市マスタープランの策定と運用に関する一連の功績
2005年, 大山田村, 大山田村長表彰, 大山田村ゆめさき基金活用事業の推進に関する功績
2005年, 国土交通大臣, 平成17年度 まちづくり功労者 国土交通大臣表彰, 大山田地域づくり景観整備事業推進会議
1998年, 三重県, 三重県さわやかまちづくり賞(景観部門), 東海道関宿「百六里庭」
1989年, 早稲田大学大学院理工学研究科建設工学専攻, 佐藤武夫賞, 台北市・迪化街の歴史的環境における保全的再開発の研究
1987年, 日本都市計画学会, IFHP国際学生コンペ国内審査委員会賞, 歴史的市街地における古いものと新しいもの 作品名:標(つくし)
1997年, 日本建築学会, 日本建築学会奨励賞, 日本及び台湾における歴史的環境保全制度に関する比較研究 -文化財保護関連法を中心として-
2024年11月15日, 日本観光研究学会, 第17回日本観光研究学会賞観光著作賞(学術), 「観光まちづくり」のための地域の見方・調べ方・考え方
21K04435, 居住誘導区域におけるハザードエリアを考慮した連続復興型木造住宅計画, 本研究は、南海トラフ巨大地震等の大規模災害に備える三重県(東海地方)を対象にして、①日常時の持続可能社会の構築のためのコンパクト・プラス・ネットワーク型都市づくり、②災害時の迅速な復興まちづくり、の両者に備えた都市計画を推進するために、地方公共団体が策定した立地適正化計画の居住誘導区域において、被災者の住まいを連続的に復興させるための「連続復興型木造住宅計画」を検討することを目的としている。「連続復興型木造住宅計画」とは、予め居住誘導区域にて復興用地として選定した建設地に木造応急仮設住宅を建設し、供与終了後に復興住宅に転用して継続利用し、復興後のコンパクトな都市づくりに資する計画である。;令和5年度は、南海トラフ地震の発生時に津波被害が想定されるとともに立地適正化計画を策定済みの三重県沿岸部の6市町を対象にして、震災後に必要となる建設仮設の建設候補地(公有地)の充足度を算出して現状を評価するとともに、課題と対策を検討することを重点的に取り組んだ。主な研究成果は、以下の通りである。;第一に、居住誘導区域内の建設仮設の建設候補地を調査した結果、住区基幹公園である街区公園と近隣公園が多いことが把握できた。また1住区あたり近隣公園は0.03箇所、街区公園は0.3箇所しか建設候補地になっておらず、十分に整備されていない状況が課題として明らかになった。;第二に、建設候補地の充足度を検討するための評価の手順について検討し、Step1からStep10を考案した。Step1からStep6は、申請者の既往研究の成果をベースにして、既往研究では建設仮設の不足分を補う対策は未検討であったため、新たにStep7からStep10を追加して改善した。具体的には、被災者は被災前に居住していた住区内の建設仮設に入居できると仮定し、住区ごとに建設候補地として街区公園を追加することによって各住区及び全体の充足度がどの程度向上するのかを検討するようにしたこと、建設仮設が不足する住区の被災者は当該住区に隣接し、かつ余剰戸数を抱える住区の建設仮設に入居するために移転すると仮定し、各住区及び全体の不足戸数をどの程度減らすことができるのかを検討するようにしたことである。;第三に、Step1からStep6における分析の結果、多くの市町で充足度が低く現在の準備状況では建設候補地が不足することが明らかになり、充足度の向上のためにStep7からStep10の分析を追加した結果、不足分と充足度を一定程度改善できたが、なお充足度が100%未満の住区があることが課題として明らかになったことである。;第一に、評価手順の検討に関しては、既往研究では対象外としていた建設仮設の不足分を補うための対策についても追加して改善することを検討し、2つの対策を追加することが出来たことである。そして考案した評価の手順に従って、対象としている6市町の現状について検討し、市町ごとに現状の建設仮設の不足戸数と充足度、及び改善策を追加したことよる不足分及び充足度の向上を具体的に算出することが出来、6市町の現在の準備状況は3つに類型できることが明らかになった。そして不足する建設仮設の戸数と低い充足度については、どの程度の規模の建設候補地を確保すれば充足度がどの程度向上するのかということについて、住区ごとに未整備の街区公園を追加することを仮定することによって、住区単位で新たな建設候補地を追加する際の1つの目安を示すことが出来た。これは、行政担当者が(公有地のみならず)民有地を探す際に用地の規模をイメージする際にも参考になると思われる。;第二に、以上の研究成果をとりまとめて、日本建築学会大会における口頭発表や同学会の専門誌(査読付)において論文発表(条件付き採用。掲載は2023年度)をすることが出来た。特に日本建築学会大会においては、連名者である2名の大学院生が「日本建築学会大会学術講演会若手優秀発表賞(都市計画部門)」を受賞することが出来、研究内容について高い評価を受けることが出来た。;第一に、木造仮設を復興住宅として継続利用することを具体的に検討するために、三重県6市町を対象にして、各住区および居住誘導区域内全体の復興住宅(災害公営住宅等)の必要戸数と木造仮設の供給可能戸数を推計し、各市町の住区における木造仮設の継続利用を考慮した住まいの復興にむけた現状と課題等を明らかにする。;第二に、熊本地震の際に木造仮設を復興住宅(単独住宅)として現在も継続利用している実績を持つ熊本県の11市町を研究対象にして、現在の利用状況、継続利用を行った背景・理由、建設地の条件等について調査を行い、継続利用に向けた条件等を明らかにする。また立地適正化計画を策定済みの市町に関しては、居住誘導区域の設定範囲と復興住宅団地(木造仮設を復興住宅として継続利用している団地)の位置関係等についても調査し、新しい計画である立地適正化計画から捉えた木造仮設の継続利用の評価(成果と課題)を明らかにする。;第三に、居住誘導区域における連続復興型木造住宅計画について検討し、予め居住誘導区域において復興用地として選定した建設地に木造仮設を建設し、供与終了後に復興住宅に転用して継続利用し、復興後のコンパクトな都市づくりに資する計画の必要性と同計画の基本フレームについて考察し、研究の総括を行う。
18K04507, 木造仮設住宅を災害公営住宅に転用して長期利用するための震災復興対応型木造住宅計画, 本研究は、南海トラフ巨大地震による大規模災害に備える三重県(東海地方)を対象にして、木造応急仮設住宅を供与期間終了後に災害公営住宅に転用して長期的に再利用し続けていくための「震災復興対応型木造住宅計画」について検討したものである。主な研究結果は、第一に建設仮設の関連制度上の位置づけと継続利用のための留意点を明らかにしたこと。第二に事例調査を通じて、木造仮設の継続利用を実現できた経緯や技術的な課題を明らかにしたこと。第三に三重県の市町の仮設住宅の建設候補地の充足度評価を行い、建設候補地が不足している状況を具体的に推計したこと。第四に震災復興対応型木造住宅計画の基本フレームを考案したことである。;研究成果の学術的意義は、SDGsに代表されるように現代的課題である持続可能なまちづくりに対応した震災復興の一つのあり方を提案したことである。従来の使い捨ての仮設住宅ではなく復興住宅としても長期利用することを目的とした震災復興対応型木造住宅計画を考案した。また社会的意義は、「三重県・三重大学 みえ防災・減災センター」による三重県内の行政担当者を対象にした復興まちづくり検討会の場等を通じて研究成果を還元し、単なる研究活動として終わらせることなく行政施策への反映を期待して実践的なまちづくり活動とリンクするように努めたことである。
15K06356, 震災復興初期における暫定的土地利用方針に関する緊急研究, 本研究は、南海トラフ巨大地震による大規模災害に備える三重県を対象にして、被災後の震災復興事業の迅速な推進に向けて、その重要な準備段階である「震災復興初期における暫定的土地利用計画」を検討することを目的としている。震災復興の対策に関して先進的に取り組んでいる東京都および都区市部の震災復興マニュアル等における暫定的土地利用の分析などを通じて、暫定的土地利用計画の骨格と策定手順、暫定的土地利用計画図、応急仮設住宅ガイドラインについて考案した。
24560744, 密集市街地における震災後の仮設市街地のマネジメントの技術基準に関する緊急研究, 本研究は、「仮設市街地のマネジメントの技術基準」として、①規模設定(被害予測にもとづく仮設市街地の必要量)、②候補地区の選定基準(公有地を基本として不足分を民有地で充填)の内容を明らかにすることを目的としている。;国交省による既往のガイドラインや被災地(岩手県等)の状況に対する調査分析等を踏まえた上で、応急仮設住宅の建設候補地選定ガイドラインを考案し、志摩市におけるケーススタディを通じて、その有用性を評価した。
19560616, 景観法の併用による伝建地区の広域景観コントロール手法の考察, 本研究は、既往研究において十分に明らかにされてこなかった重伝建地区の広域景観特性および現行の広域景観コントロール手法の全体像を明らかにするとともに、今後のコントロール手法を提案した点に研究意義がある。主な研究成果は、地形条件と市街地形態の組み合わせから広域景観特性として13類型を導き出したこと、13類型と現行の景観コントロール手法の相関性として4類型を導き出すとともに類型ごとの今後の広域景観コントロール手法を提案したこと等である。
15560533, 地方自治体の景観施策に都道府県が果たした役割と成果に関する研究, 都道府県の景観条例は、(1)行政区域を対象としたハード・ソフト施策を展開する都府県と、その都府県内の市町村を対象としてハード施策を持つ市町村との間で施策の調整が必要となる調整型、(2)対象地域を特定の地域に限定したハード施策とソフト施策を展開する県と、その県内の市町村を対象として現在においては対象地域の重複は見られず県と市町村がそれぞれ独自にハード施策を展開している並立型、(3)行政区域を対象としたソフト施策を展開する道県と、その道県内の市町村を対象とするが道県条例にハード施策による規制がないため、市町村が道県から自立して独自のハード施策を展開する自立型の3タイプに大別出来る。;調整型の特徴は、ハード・ソフト両面に渡って総合的に景観施策を展開していることであり、特に広域景観形成地域の指定や大規模建築物等の届け出制度は、広域行政団体としての特徴を活かした施策であり、都道府県ならではの役割や景観条例を有さない市町村に対する先導的な役割を果たすと共に、景観条例を制定した市町村への権限委譲も行われ市町村施策と調整されてきている。並立型の特徴は、主要道路沿道の自然景観を対象に広域景観形成地域を指定していることであるが、市町村条例が制定されても権限委譲はされずに県条例と重複して運用されており、市町村施策と並立した形になっている。自立型の特徴は、ハード施策を有さずにソフト施策のみであることであり、主に市町村施策を支援することに主眼が置かれている。;全体的に都道府県の役割としては、広域的視点を持つ行政団体として広域景観形成地域などのような広域施策を展開すること、そして市町村施策を支援することといえ、総合的に展開する調整型が最も景観施策に対して積極的に取り組んできていると評価出来る。
11650627, 東アジア地域の歴史的環境保全行政に関する国際比較研究-日本・中国・台湾・韓国を対象として-, 本研究は、東アジア地域(中国・台湾・韓国・日本)における歴史的環境保全制度の変遷と現状について比較分析し、互いの特徴などを考察することを目的としている。東アジア地域の歴史的環境保全行政の展開状況を概観すると、意外にも日本がかなり早い段階で歴史的環境保全行政に取り組んでいることがわかる。日本の保全法制は、日本統治時代において朝鮮と台湾において関連法が新規制定されるあるいは適用されることとなり、両者ともに日本統治時代に初の近代法制が整えられたのである。ただし、その一方で、同時代には、都市開発事業の展開などに伴い地域固有の自然環境や歴史的環境を壊してきており、このことは、日本が二度とは繰り返してはならない反省すべきことである。戦後も、韓国と台湾においては、ともに歴史的環境保全制度を整えるにあたり日本の文化財保護法などが参考にされ、包括的法制や重点保護主義などの日本の保全法制の特徴が、両者にもたらされることとなった。1999年に台湾中部で起きた2度の地震は、中部地域の歴史的建造物や町並み、集落などに大きな被害を与え、震災後の様々な問題改善に向けて、日本と台湾の民間団体や専門家が互いに交流するなど、新しい経験交流も生まれてきている。中国は、日本、台湾、韓国とは異なる社会制度下を歩んだため、日本の保全制度が直接的な影響を与えてはいない。歴史文化名城制度は、都市スケールで都市構造の保全に取り組むスケールの大きい制度であり、地区スケールの保全を主に対象としている台湾・韓国・日本とは、その点に大きな違いがあるといえる。今後、さらに現状の比較分析を深化させ、相対的な視点にもとづき互いの経験から学びあうことなどを考察していくことが、今後の研究課題である。
07459013, 伊勢街道文化に関する基礎的研究-歴史的街道を軸にした街道文化の広域的ネットワークによる地域づくりへの活用にむけて-, 本研究は伊勢湾地域における地域文化を、街道を軸とした広域的交流を媒介とする「街道文化」として捉え、1)街道空間の形成、2)街道文化の形成、3)地域づくりへの街道文化の活用に向けての方策の3点に渉って明らかにすることを意図している。;1)街道空間の形成、は街道文化の基盤となる街道空間の形成と変容を都市および建築形成史の観点から検討するものであり、沿道の主要都市である伊勢湾の都市計画、近世伊勢御師の邸宅建築、歴史的街道の近代以降の変容の特徴と要因について各論的に検討し、従来不明確であった戦国近世初期城下町の形成技法や類例に乏しい御師建築の実態を明らかにする成果を得た。更に歴史街道の近代における変容の類型化を行い、歴史性を活かした地域づくりを基礎づける知見を得た。;2)街道文化の形成は、街道による流通と産品の形成、地域の言語・音楽文化の形成と再生産の2つの観点から取りまとめを行い、街道によって都に運ばれた地域産品、街道の餅文化の形成、角筆文献、芭蕉自筆本『奥の細道』データベースの作成と運用、に関する各論を得、街道の文化的経済的な伝達と形成の機能について、それぞれ新規の基礎的知見を得ることができた。なお、芭蕉自筆本『奥の細道』データベースの作成と運用に関する研究は直接的に当該研究対象地域に関わるものではないが、比較対象による当該地域の相対的な位置付けを明確にできること、地域文化情報の解析と活用の方法を検討する意図から、特に本研究の一部として実施した。;3)地域づくりへの街道文化の活用に向けての方策、についてはこの地域の太鼓演奏集団の活動実態とその推移に関する検討を元に新しい街道文化の創造と地域づくりについて考察を行い、更に三重県における歴史街道を活かした地域づくりへの取り組みについて、熊野古道を中心に検討した。
05855089, 日本統治時代, 日本統治時代における歴史的環境の保全行政は、1919年に日本国内において制定された「史蹟名勝天然記念物保存法」が、1930年に台湾においても施行されたことにより始まる。台湾には、名勝地、天然記念物と称すべきものが相当にあり、特色ある史蹟が存在していた。また、台湾は日本にとって熱帯地方における自然・社会の調査研究の中心地であった。;同法が施行された理由を考察すると、(1)台湾は日本にとって熱帯地方における自然・社会の調査研究の中心であり、都市開発事業等が展開される中で史蹟名勝天然記念物の破壊が進行することが危惧されたこと、日本人の慰安・休養の基地的性格も有していたこと、(3)(1)とも関係するが日本国内における保全行政の展開が植民地に伝播したこと、等が挙げられる。;日本の保全制度が、台湾に影響を与えた時期としては、戦前と戦後の2つの時期が考えられる。戦前の国民党政府による古物保存法制定の背景は、当時の世界的な民族意識の高揚であり、これは日本における古社寺保存法の制定が日清戦争後の民族意識の高揚であることと同様である。当時の東アジアの状況と比較した場合、日本の古社寺保存法は極めて早い時期に制定されており、既に古社寺保存法(1919年以降は国宝保存法)と史蹟名勝天然記念物保存法を制定して自国の歴史的環境保全に取り組んでいた日本の状況は、当時、中国大陸に拠点を持っていた国民党政府による古物保存法制定に対して何らかの影響を与えたことが予想される。日本統治時代における影響としては、台湾において初めて近代法による保全行政を展開したことが挙げられるが、終戦と共に日本の保全行政は終了し、戦後長期間に渡って保全行政受難の時期にあった為に、戦後の台湾に対して大きな影響を与えることはなかったと考えられる。戦後に影響を与えたのは、現行の日本の文化財保護法であるがこのことは本研究の対象外であるため、継続研究として別稿において詳述したい。
05650592, 戦前の極東ロシアにおける日本人居留地の空間的特質と生活様式に関する研究, 平成7年度においては、以下の成果をみた。1)十月にウラジオストクにおいて調査を行った。特に建造物の調査に重点をおいている。2)大正期にウラジオストクで発行されていた日本語新聞「浦潮日報」をもとに日本人居留を考える上での重要な手がかりである日本人商店の分布の復元を行った。3)上記新聞から日本人居留地の空間的な特質、生活様式に関して考察を行った。4)これまでの成果を踏まえ、最終成果報告書を作成した。構成は以下に示すとおり。「第1編 ウラジオストク中心市街地の都市空間形成史 1.市街地の形成過程と都市の骨格パターン 2.街区構造とその形成 3.スウェトランスカヤ通りの建築物の変遷 第2編 ウラジオストクの外国人居留(1920年前後の日本人居留を中心として) 1.ロシア革命以前(1860〜1920年代初頭)における各国人の居留の展開 2.日本人居留の変遷と1920年前後における居留の特質 3.1920年前後における日本人居留地」なお、結論としては、(1)中心市街地における敷地レベルでの空間構成の多様性、(2)外国人居留の領域一主に日本人に関して、(3)日本人居留の深度とその背景の3点に関して考察した。文化的に異種の起源を持つ空間が全く同じ街区に存在することがウラジオストクの都市空間の特徴であること、日本人の居留エリアの形成の要因は次第に北上していく居住空間形成と居留民の増大とのタイミングが合致していたことが考えられること、1920年前後は復元した商店の分布状況から、多くの日本人商店が立地していたことは間違いがないが、土地へ住みつくことの深度を土地や建物の所有で判断するならば、さほどの深度が見られなかったことなどを結論として指摘できる。
22H01667, 歴史文化遺産の保存と活用に資するイコモス「遺産影響評価」の拡張と実装に関する研究, わが国における歴史文化遺産の保存と活用の対象・方法の拡張、社会環境変化及び気候変動を踏まえると、歴史文化遺産及び周辺環境への多様な影響を事前に特定・評価し、負の影響の緩和へ結びつけていく仕組みが不可欠である。;本研究は、イコモス「遺産影響評価」よりも広い歴史文化遺産及び周辺環境を対象とした「拡張型遺産影響評価」の方法と実装の理論的構築を目指して、①歴史文化遺産及び周辺環境への「影響」の多面的・包括的把握、②国内外の「遺産影響評価」導入・運用の実態と課題の整理、③現行制度を踏まえた「拡張型遺産影響評価」の方法と実装へ向けた検討、④「拡張型遺産影響評価」の計画制度への実装のための実践的検討を行う。
23K22937, 歴史文化遺産の保存と活用に資するイコモス「遺産影響評価」の拡張と実装に関する研究, わが国における歴史文化遺産の保存活用の対象・方法の拡張、社会環境変化及び気候変動を踏まえると、歴史文化遺産及び周辺環境への多様な影響を事前に特定・評価し、負の影響の緩和へ結びつけていく仕組みが不可欠である。;本研究は、イコモス「遺産影響評価」よりも広い歴史文化遺産及び周辺環境を対象とした「拡張型遺産影響評価」の方法と実装の理論的構築を目指して、①歴史文化遺産及び周辺環境への「影響」の多面的・包括的把握、②国内外の「遺産影響評価」導入・運用の実態と課題の整理、③現行制度を踏まえた「拡張型遺産影響評価」の方法と実装へ向けた検討、④「拡張型遺産影響評価」の計画制度への実装のための実践的検討を行う。
JP23K22937, 歴史文化遺産の保存と活用に資するイコモス「遺産影響評価」の拡張と実装に関する研究, わが国における歴史文化遺産の保存活用の対象・方法の拡張、社会環境変化及び気候変動を踏まえると、歴史文化遺産及び周辺環境への多様な影響を事前に特定・評価し、負の影響の緩和へ結びつけていく仕組みが不可欠である。;本研究は、イコモス「遺産影響評価」よりも広い歴史文化遺産及び周辺環境を対象とした「拡張型遺産影響評価」の方法と実装の理論的構築を目指して、①歴史文化遺産及び周辺環境への「影響」の多面的・包括的把握、②国内外の「遺産影響評価」導入・運用の実態と課題の整理、③現行制度を踏まえた「拡張型遺産影響評価」の方法と実装へ向けた検討、④「拡張型遺産影響評価」の計画制度への実装のための実践的検討を行う。;本研究は、歴史文化遺産をめぐる保全概念の発展と「遺産影響評価Heritage Impact Assessment」に関する課題、および我が国における歴史文化遺産に包含される対象と保存・活用の方法の広がりを背景とし、歴史文化遺産とその周辺環境への多様な影響を事前に特定・評価し、負の影響の緩和へ結びつけていく仕組みとして、拡張型の「遺産影響評価」の方法と実装の理論構築を目指すものである。そのため、①わが国の歴史文化遺産とその周辺環境の保存・活用の現場で生じうる「影響」を多面的・包括的に把握すること、②国内外での「遺産影響評価」の導入・運用の実態と課題を明らかにすること、③わが国の現行制度を踏まえた「拡張型遺産影響評価」の方法と実装へ向けた検討を行うこと、④「拡張型遺産影響評価」の計画制度への実装のための実践的な検討を行うこと、を目的としている。;2023年度は研究メンバー各々が関わる地域や専門領域において研究活動を進め、①②③について並行して進捗を得た。①については、歴史文化遺産とその周辺環境の保存・活用に関し、地域コミュニティの取組みや地域コミュニティへの影響について研究成果の発表等を行っている。②についてはネパールとブータンで開催された世界遺産に関する国際専門家会議やワークショップへの参加および国内での世界遺産に関する研究会への参加を通し、国内外におけるHIAへの取組み状況について把握した。③については、日本の自治体における歴史文化遺産の保存・活用に関わるさまざま法制度の運用状況等を把握するための研究調査を進めた。;メンバー各々が自身の専門領域から研究を進めているが、2024年3月に刊行された『観光まちづくりの展望』には複数の研究メンバーが関連する論稿をおさめることができた。;2024年度も引き続き、国内外の文化遺産サイトや地域における歴史文化遺産とその周辺環境の保存・活用について多様な観点から実態把握のための調査を進める。加えて、最終年度に向け、個別事例を総合的に検討し、理論構築に向けた議論へと発展させる。
JP21K04435, 居住誘導区域におけるハザードエリアを考慮した連続復興型木造住宅計画, 本研究は、南海トラフ巨大地震等の大規模災害に備える三重県(東海地方)を対象にして、①日常時の持続可能社会の構築のためのコンパクト・プラス・ネットワーク型都市づくり、②災害時の迅速な復興まちづくり、の両者に備えた都市計画を推進するために、地方公共団体が策定した立地適正化計画の居住誘導区域において、被災者の住まいを連続的に復興させるための「連続復興型木造住宅計画」を検討することを目的としている。「連続復興型木造住宅計画」とは、予め居住誘導区域にて復興用地として選定した建設地に木造応急仮設住宅を建設し、供与終了後に復興住宅に転用して継続利用し、復興後のコンパクトな都市づくりに資する計画である。;令和6年度は、令和6年能登半島地震が発生し、被災地では本研究の対象である木造応急仮設住宅が建設されたことから、急遽、予定を変更して木造仮設の供給状況を調査し、東日本大震災後及び熊本地震後の経験との比較分析を通じてその特徴を考察し、研究内容に補足することを重点的に取り組んだ。主な研究成果は、以下の通りである。;第一に、従来型のプレハブ仮設以外に数多くの木造仮設が供給されているが、特に木造仮設に関しては熊本地震後の経験が活用されていると考えられ、建設仮設としての供給終了後に復興住宅として継続利用出来るような建築構造(コンクリート造基礎が採用)としていること。穴水町では、将来的な分譲を想定した木造仮設団地が建設されている。;第二に、近年の被災地では殆ど供給されなかった新しいタイプの仮設住宅(2階建ての木造仮設、ムービングハウスと呼ばれる移動式木造住宅)が供給されていること。建築構造(木杭基礎)上の制限や隣家との騒音発生等の理由から建設仮設は基本的に平屋であったが、建築構造上の改良(木杭基礎ではなくコンクリート造基礎の採用)等の理由で、2階建ての木造仮設が実現されている。(なお、ムービングハウスは仮設住宅ではなく恒久住宅であるが、高い移動性を持ちながら一般住宅と同様の居住性を有しているのが特徴である。);第三に、令和6年奥能登豪雨(令和6年9月21日)により、建設されたばかりの仮設団地にて床上浸水が発生し二次被害を招いてしまったこと。輪島市や珠洲市の沿岸地域では、建設仮設の適地が限られていたため、石川県と両市で協議の上、津波避難対策等のソフト面の対応を構築した上で、津波浸水区域内に建設仮設を建設せざるを得ない状況にあった。そのために当初から二次被害が危惧されており、改めて建設仮設の立地条件は重要であることが今後の課題としてクローズアップされた。
JP18K04507, 木造仮設住宅を災害公営住宅に転用して長期利用するための震災復興対応型木造住宅計画, 本研究は、南海トラフ巨大地震による大規模災害に備える三重県(東海地方)を対象にして、木造応急仮設住宅を供与期間終了後に災害公営住宅に転用して長期的に再利用し続けていくための「震災復興対応型木造住宅計画」について検討したものである。主な研究結果は、第一に建設仮設の関連制度上の位置づけと継続利用のための留意点を明らかにしたこと。第二に事例調査を通じて、木造仮設の継続利用を実現できた経緯や技術的な課題を明らかにしたこと。第三に三重県の市町の仮設住宅の建設候補地の充足度評価を行い、建設候補地が不足している状況を具体的に推計したこと。第四に震災復興対応型木造住宅計画の基本フレームを考案したことである。;研究成果の学術的意義は、SDGsに代表されるように現代的課題である持続可能なまちづくりに対応した震災復興の一つのあり方を提案したことである。従来の使い捨ての仮設住宅ではなく復興住宅としても長期利用することを目的とした震災復興対応型木造住宅計画を考案した。また社会的意義は、「三重県・三重大学 みえ防災・減災センター」による三重県内の行政担当者を対象にした復興まちづくり検討会の場等を通じて研究成果を還元し、単なる研究活動として終わらせることなく行政施策への反映を期待して実践的なまちづくり活動とリンクするように努めたことである。
JP15K06356, 震災復興初期における暫定的土地利用方針に関する緊急研究, 本研究は、南海トラフ巨大地震による大規模災害に備える三重県を対象にして、被災後の震災復興事業の迅速な推進に向けて、その重要な準備段階である「震災復興初期における暫定的土地利用計画」を検討することを目的としている。震災復興の対策に関して先進的に取り組んでいる東京都および都区市部の震災復興マニュアル等における暫定的土地利用の分析などを通じて、暫定的土地利用計画の骨格と策定手順、暫定的土地利用計画図、応急仮設住宅ガイドラインについて考案した。
JP24560744, 密集市街地における震災後の仮設市街地のマネジメントの技術基準に関する緊急研究, 本研究は、「仮設市街地のマネジメントの技術基準」として、①規模設定(被害予測にもとづく仮設市街地の必要量)、②候補地区の選定基準(公有地を基本として不足分を民有地で充填)の内容を明らかにすることを目的としている。;国交省による既往のガイドラインや被災地(岩手県等)の状況に対する調査分析等を踏まえた上で、応急仮設住宅の建設候補地選定ガイドラインを考案し、志摩市におけるケーススタディを通じて、その有用性を評価した。
JP19560616, 景観法の併用による伝建地区の広域景観コントロール手法の考察, 本研究は、既往研究において十分に明らかにされてこなかった重伝建地区の広域景観特性および現行の広域景観コントロール手法の全体像を明らかにするとともに、今後のコントロール手法を提案した点に研究意義がある。主な研究成果は、地形条件と市街地形態の組み合わせから広域景観特性として13類型を導き出したこと、13類型と現行の景観コントロール手法の相関性として4類型を導き出すとともに類型ごとの今後の広域景観コントロール手法を提案したこと等である。
JP15560533, 地方自治体の景観施策に都道府県が果たした役割と成果に関する研究, 都道府県の景観条例は、(1)行政区域を対象としたハード・ソフト施策を展開する都府県と、その都府県内の市町村を対象としてハード施策を持つ市町村との間で施策の調整が必要となる調整型、(2)対象地域を特定の地域に限定したハード施策とソフト施策を展開する県と、その県内の市町村を対象として現在においては対象地域の重複は見られず県と市町村がそれぞれ独自にハード施策を展開している並立型、(3)行政区域を対象としたソフト施策を展開する道県と、その道県内の市町村を対象とするが道県条例にハード施策による規制がないため、市町村が道県から自立して独自のハード施策を展開する自立型の3タイプに大別出来る。;調整型の特徴は、ハード・ソフト両面に渡って総合的に景観施策を展開していることであり、特に広域景観形成地域の指定や大規模建築物等の届け出制度は、広域行政団体としての特徴を活かした施策であり、都道府県ならではの役割や景観条例を有さない市町村に対する先導的な役割を果たすと共に、景観条例を制定した市町村への権限委譲も行われ市町村施策と調整されてきている。並立型の特徴は、主要道路沿道の自然景観を対象に広域景観形成地域を指定していることであるが、市町村条例が制定されても権限委譲はされずに県条例と重複して運用されており、市町村施策と並立した形になっている。自立型の特徴は、ハード施策を有さずにソフト施策のみであることであり、主に市町村施策を支援することに主眼が置かれている。;全体的に都道府県の役割としては、広域的視点を持つ行政団体として広域景観形成地域などのような広域施策を展開すること、そして市町村施策を支援することといえ、総合的に展開する調整型が最も景観施策に対して積極的に取り組んできていると評価出来る。
JP11650627, 東アジア地域の歴史的環境保全行政に関する国際比較研究-日本・中国・台湾・韓国を対象として-, 本研究は、東アジア地域(中国・台湾・韓国・日本)における歴史的環境保全制度の変遷と現状について比較分析し、互いの特徴などを考察することを目的としている。東アジア地域の歴史的環境保全行政の展開状況を概観すると、意外にも日本がかなり早い段階で歴史的環境保全行政に取り組んでいることがわかる。日本の保全法制は、日本統治時代において朝鮮と台湾において関連法が新規制定されるあるいは適用されることとなり、両者ともに日本統治時代に初の近代法制が整えられたのである。ただし、その一方で、同時代には、都市開発事業の展開などに伴い地域固有の自然環境や歴史的環境を壊してきており、このことは、日本が二度とは繰り返してはならない反省すべきことである。戦後も、韓国と台湾においては、ともに歴史的環境保全制度を整えるにあたり日本の文化財保護法などが参考にされ、包括的法制や重点保護主義などの日本の保全法制の特徴が、両者にもたらされることとなった。1999年に台湾中部で起きた2度の地震は、中部地域の歴史的建造物や町並み、集落などに大きな被害を与え、震災後の様々な問題改善に向けて、日本と台湾の民間団体や専門家が互いに交流するなど、新しい経験交流も生まれてきている。中国は、日本、台湾、韓国とは異なる社会制度下を歩んだため、日本の保全制度が直接的な影響を与えてはいない。歴史文化名城制度は、都市スケールで都市構造の保全に取り組むスケールの大きい制度であり、地区スケールの保全を主に対象としている台湾・韓国・日本とは、その点に大きな違いがあるといえる。今後、さらに現状の比較分析を深化させ、相対的な視点にもとづき互いの経験から学びあうことなどを考察していくことが、今後の研究課題である。
JP07459013, 伊勢街道文化に関する基礎的研究-歴史的街道を軸にした街道文化の広域的ネットワークによる地域づくりへの活用にむけて-, 本研究は伊勢湾地域における地域文化を、街道を軸とした広域的交流を媒介とする「街道文化」として捉え、1)街道空間の形成、2)街道文化の形成、3)地域づくりへの街道文化の活用に向けての方策の3点に渉って明らかにすることを意図している。;1)街道空間の形成、は街道文化の基盤となる街道空間の形成と変容を都市および建築形成史の観点から検討するものであり、沿道の主要都市である伊勢湾の都市計画、近世伊勢御師の邸宅建築、歴史的街道の近代以降の変容の特徴と要因について各論的に検討し、従来不明確であった戦国近世初期城下町の形成技法や類例に乏しい御師建築の実態を明らかにする成果を得た。更に歴史街道の近代における変容の類型化を行い、歴史性を活かした地域づくりを基礎づける知見を得た。;2)街道文化の形成は、街道による流通と産品の形成、地域の言語・音楽文化の形成と再生産の2つの観点から取りまとめを行い、街道によって都に運ばれた地域産品、街道の餅文化の形成、角筆文献、芭蕉自筆本『奥の細道』データベースの作成と運用、に関する各論を得、街道の文化的経済的な伝達と形成の機能について、それぞれ新規の基礎的知見を得ることができた。なお、芭蕉自筆本『奥の細道』データベースの作成と運用に関する研究は直接的に当該研究対象地域に関わるものではないが、比較対象による当該地域の相対的な位置付けを明確にできること、地域文化情報の解析と活用の方法を検討する意図から、特に本研究の一部として実施した。;3)地域づくりへの街道文化の活用に向けての方策、についてはこの地域の太鼓演奏集団の活動実態とその推移に関する検討を元に新しい街道文化の創造と地域づくりについて考察を行い、更に三重県における歴史街道を活かした地域づくりへの取り組みについて、熊野古道を中心に検討した。
JP05855089, 日本統治時代, 日本統治時代における歴史的環境の保全行政は、1919年に日本国内において制定された「史蹟名勝天然記念物保存法」が、1930年に台湾においても施行されたことにより始まる。台湾には、名勝地、天然記念物と称すべきものが相当にあり、特色ある史蹟が存在していた。また、台湾は日本にとって熱帯地方における自然・社会の調査研究の中心地であった。;同法が施行された理由を考察すると、(1)台湾は日本にとって熱帯地方における自然・社会の調査研究の中心であり、都市開発事業等が展開される中で史蹟名勝天然記念物の破壊が進行することが危惧されたこと、日本人の慰安・休養の基地的性格も有していたこと、(3)(1)とも関係するが日本国内における保全行政の展開が植民地に伝播したこと、等が挙げられる。;日本の保全制度が、台湾に影響を与えた時期としては、戦前と戦後の2つの時期が考えられる。戦前の国民党政府による古物保存法制定の背景は、当時の世界的な民族意識の高揚であり、これは日本における古社寺保存法の制定が日清戦争後の民族意識の高揚であることと同様である。当時の東アジアの状況と比較した場合、日本の古社寺保存法は極めて早い時期に制定されており、既に古社寺保存法(1919年以降は国宝保存法)と史蹟名勝天然記念物保存法を制定して自国の歴史的環境保全に取り組んでいた日本の状況は、当時、中国大陸に拠点を持っていた国民党政府による古物保存法制定に対して何らかの影響を与えたことが予想される。日本統治時代における影響としては、台湾において初めて近代法による保全行政を展開したことが挙げられるが、終戦と共に日本の保全行政は終了し、戦後長期間に渡って保全行政受難の時期にあった為に、戦後の台湾に対して大きな影響を与えることはなかったと考えられる。戦後に影響を与えたのは、現行の日本の文化財保護法であるがこのことは本研究の対象外であるため、継続研究として別稿において詳述したい。
JP05650592, 戦前の極東ロシアにおける日本人居留地の空間的特質と生活様式に関する研究, 平成7年度においては、以下の成果をみた。1)十月にウラジオストクにおいて調査を行った。特に建造物の調査に重点をおいている。2)大正期にウラジオストクで発行されていた日本語新聞「浦潮日報」をもとに日本人居留を考える上での重要な手がかりである日本人商店の分布の復元を行った。3)上記新聞から日本人居留地の空間的な特質、生活様式に関して考察を行った。4)これまでの成果を踏まえ、最終成果報告書を作成した。構成は以下に示すとおり。「第1編 ウラジオストク中心市街地の都市空間形成史 1.市街地の形成過程と都市の骨格パターン 2.街区構造とその形成 3.スウェトランスカヤ通りの建築物の変遷 第2編 ウラジオストクの外国人居留(1920年前後の日本人居留を中心として) 1.ロシア革命以前(1860〜1920年代初頭)における各国人の居留の展開 2.日本人居留の変遷と1920年前後における居留の特質 3.1920年前後における日本人居留地」なお、結論としては、(1)中心市街地における敷地レベルでの空間構成の多様性、(2)外国人居留の領域一主に日本人に関して、(3)日本人居留の深度とその背景の3点に関して考察した。文化的に異種の起源を持つ空間が全く同じ街区に存在することがウラジオストクの都市空間の特徴であること、日本人の居留エリアの形成の要因は次第に北上していく居住空間形成と居留民の増大とのタイミングが合致していたことが考えられること、1920年前後は復元した商店の分布状況から、多くの日本人商店が立地していたことは間違いがないが、土地へ住みつくことの深度を土地や建物の所有で判断するならば、さほどの深度が見られなかったことなどを結論として指摘できる。