「融合の時代にもPRの本質は問い続けられる」(インタビュー記事), 河炅珍、ジョンスハン(記者), 『The PR』, 143, 2022年03月, オンゾンハンコミュニケーション
「歴史からひもとくPR--共有可能な課題の発見」(対談記事・後編), 河炅珍、根本陽平(対談者), PRX Studio Q, 2021年08月, PRX Studio Q
「歴史からひもとくPR--選ばれ続けるPRとは」(対談記事・前編), 河炅珍、根本陽平(対談者), PRX Studio Q, 2021年08月, PRX Studio Q
「新しい共同体の可能性」(報告書), 河炅珍, 『平和都市・広島の文化的構築に関する予備的調査』, 37, 50, 2021年03月, 広島平和研究所プロジェクト研究報告書
「平和の鳩、羽ばたく――広島平和研究所のシンボルマークとタグラインが新しくなりました」(コラム), 河炅珍, 広島平和研究所ウェブサイト(https://www.peace.hiroshima-cu.ac.jp/), 2021年01月12日, 広島平和研究所
「平和教育の新しい試み――スマホでつくる平和のPR動画」(コラム), 河炅珍, Hiroshima Research News, 59, 7, 2020年09月, 広島平和研究所
SCALE アカデミー開講式(イベントレポート), 河炅珍, SCALE Powered BY PR(https://scale-pr.com/), 2020年07月, SCALE Powered BY PR
「歴史から見るコロナ禍の企業広報を考える」(インタビュー), 河炅珍, Recent Media-related Affairs Report(Dentsu PR Inc. 2020.7), 2020年06月, Dentsu PR Inc
「新しい共同体が求められる時、必ずPRが必要になる」(インタビュー), 河炅珍, 『2020PR Yearbook』, 4, 7, 2020年06月, 日本パブリックリレーションズ協会
「Withコロナ時代のPRについて話そう」(対談記事), 河炅珍、嶋浩一郎、松原佳代 、三浦崇宏, ログミーBiz(https://logmi.jp/), 2020年06月, ログミーBiz, 2020年4月27日に開催された、PR Table Community主宰のイベント「Withコロナ時代のPRについて話そう」の全文文字起こし
#1/6 https://logmi.jp/business/articles/322904
#2/6 https://logmi.jp/business/articles/322905
#3/6 https://logmi.jp/business/articles/322906
#4/6 https://logmi.jp/business/articles/322907
#5/6 https://logmi.jp/business/articles/322916
#6/6 https://logmi.jp/business/articles/322917
「PRという「概念」はどう変わる?──Withコロナ時代のPRについて話そう」(イベントレポート・後編), 河炅珍, PR Table Community(http://blog.pr-table.com/), 2020年05月15日, PR Table Community
「PRという「仕事」はどう変わる?──Withコロナ時代のPRについて話そう」(イベントレポート・前編), 河炅珍, PR Table Community(http://blog.pr-table.com/), 2020年05月15日, PR Table Community
「企業社会からPR社会へ?」, 河炅珍, 『アステイオン』, 91, 113, 116, 2019年12月, CCCメディアハウス
「戦後イギリスと日本のPR――イギリス国立公文書館を訪ねて」, 河炅珍, Hiroshima Research News, 57, 6, 2019年10月, 広島平和研究所
「広島で読む3冊」(コラム), 河炅珍, Web中公新書「私の好きな中公新書3冊」, 2019年08月, Web中公新書
「都市と平和の新発見」(記事), 河炅珍, 中国新聞SELECT, 2019年04月, 中国新聞
『企業広報誌の世界』(書評), 河炅珍, 『専門図書館』, 293, 52, 53, 2019年01月, 専門図書館協議会
「あなたのPRは、友達がつくれているか?」(対談記事), 河炅珍、大堀航(対談者), PR Table Community, 2018年07月, PR Table Community
「現在の動画ブームと、1950年代のPR映画に共通する“仕掛け”がある」(インタビュー記事), 河炅珍, PR Table Community, 2018年07月, PR Table Community
「パブリック・リレーションズ (PR) とは何か」(自著紹介), 河炅珍, U Tokyo Biblio Plaza, 2018年07月, 東京大学
「今こそパブリック・リレーションズの原点へ――Ivy Leeの伝記を読む」(書評), 河炅珍, 『広報研究』, 22, 165, 167, 2018年03月, 日本広報学会
「パブリック・リレーションズは、企業の社会的自我を形成する」(自著紹介), 河炅珍, 『経済広報』, 2017年06月, 経済広報センター
「PRは悪なのか?――パブリック・リレーションズの歴史社会学」(対談記事), 河炅珍、開沼博(対談者), シノドス, 2017年05月, シノドス
「新型高大連携事業」, 河炅珍, 『協調が生む学びの多様性第4集――私たちの現在地とこれから』(自治体との連携による協調学習の授業づくりプロジェクト平成25年報告書), 2014年03月, 東京大学大学総合教育研究センターCoREF, 第1章9節「新型高大連携事業」担当
『川から世田谷の未来を考える――市民からの提案』, 世田谷市民大学2012-13年度社会ゼミ, 世田谷市民大学2012-13年度社会ゼミ成果報告書, 2014年03月, 世田谷市民大学2012-13年度社会ゼミ
「パブリック・リレーションズ――消費社会における〈公的ビジネス〉の成立」, 河炅珍, 『AD STUDIES』, 46, 12, 16, 2013年, 吉田秀雄記念事業財団
「「差別」のメディア的構造?――SNS時代の公共圏」, 問題提起者:元橋利恵、ケイン樹里安、討論者:北村智、田中東子、司会者:河炅珍, 日本マス・コミュニケーション学会春季大会, 2021年06月06日
“PR Your Peace: Report of Online Workshop Series in Peace Education”, Kyungjin HA, The 10th International Conference of Museums for Peace, 2020年09月16日
「PRとは何か?――誤解、理論=歴史、展望」, 河炅珍, SCALE PR ACADEMY 開講式 キーノートスピーチ, 2020年06月17日
「PRする映画――電通映画社フィルムアーカイブから」, 河炅珍, 記録映画アーカイブ・プロジェクト第13回ミニワークショップ, 2019年11月27日
「韓国人が見た広島」, Kyungjin HA, Hiroshima and the Nuclear Age(Hiroshima City University), 2019年07月05日
「メディア研究×地域研究の新しい可能性――〈平和都市〉広島を例に」, 問題提起者:仙波希望、討論者:西井麻里奈、司会者:河炅珍, 日本マス・コミュニケーション学会2019年度春季研究発表会, 2019年06月16日
「PRの歴史社会学--平和の創造につながる関係性とは」, 河炅珍, ヒロシマ平和セミナー2019, 2019年06月15日
「日常にあふれるPRに目を向け、“平和”を考えてみよう」, 河炅珍, ピースインターンシップ(広島市立大学), 2019年05月18日
「パブリック・リレーションズの歴史社会学」, 河炅珍, 広島メディア関係者研究会「広島から世界を考える会」, 2019年02月21日
「「新しい過去」から「未来」をまなざす――ポスト2020のPublic Relationsを考える」, 河炅珍, PR3.0 Conference, 2018年11月27日
「戦後の産業映画/PR映画から紐解く、新時代の企業コミュニケーションのあり方 」, 河炅珍, 東京大学大学院情報学環吉見研究室 × PR Table Community, 2018年09月
「1950年代における企業自我の形成――メディアを中心に」, 河炅珍, 日本広報学会・広報研究深化交流部会, 2018年07月
「PR研究の新しいフレームワーク構築を目指して――自著『パブリック・リレーションズの歴史社会学』を手がかりに」, 河炅珍, 日本広報学会・広報研究深化交流部会, 2017年10月
「物語としてのPR映画――企業がつくり上げる『わたし』と『あなた』」, 河炅珍, 記録映画アーカイブ・プロジェクト第8回ミニワークショップ, 2017年04月
「広報学と公共性における戦前/戦後の連続と断絶」, 河炅珍, 京都大学教育学研究科ミニシンポジウム, 2017年03月
「戦後PRの移植と受容をめぐって」, 河炅珍, 平成27-29年度科学研究費助成事業(若手研究(B))「戦前の民間組織による対外的情報発信とその影響:英語版『東洋経済新報』を例として」第6回研究会, 2017年03月
“Reframing the Concept of “Public Relations” in Postwar Japan”, Kyungjin HA, AAS (Association for Asian Studies) 2017 Annual Conference, 2017年03月
「戦後日本におけるパブリック・リレーションズの変容――経営者、企業、公衆」, 河炅珍, 公益財団法人サントリー文化財団「知」の試み研究会(第6回), 2017年02月
“Electricity and PR: An Analysis of TEPCO Graph”, Kyungjin HA, 20th Anniversary of SNU-UT International Symposium: Past, Present, and Future, 2016年10月
“Electrified Postwar Japan: An Analysis of the Electricity Company’s PR Strategy”, Kyungjin HA, Power of Promotion, ICA 2016 PRECONFERENCE, 2016年06月
「PR(Public Relations)とその技術──1900~1930年代のアメリカを中心に」, 河炅珍, 日米社会学史茶話会 第5回研究会, 2016年02月
“Postwar Japan and PR Films: Scientific Technology and Economic Dream”, Kyungjin HA, SNU-UT Symposium: Digital Humanities, 2015年11月
「戦後日本におけるパブリック・リレーションズの移植と変容」, 河炅珍, 20世紀メディア研究所 第98回研究会, 2015年11月
“Two images of Postwar Japan: An Analysis of the electricity Industry’s PR film and Magazines”, Kyungjin HA, East Asian Junior Sociologist Forum, 2014年07月
「電気と共に暮らす――東京電力のPR誌から浮かび上がる戦後社会の電化」, 河炅珍, Cultural Typhoon, 2014年06月
「PRの歴史、社会的形成――日、米、韓の比較的観点から」, 河炅珍, 日本広報学会 PR理論研究部会, 2013年12月
“How PR Magazines Electrified Postwar Japan: Analysis of Toden Graph (1953-1965)”, Kyungjin HA, IACS (Inter-Asia Cultural Studies Society) Conference, 2013年07月
“Industrial Films and Postwar Japan: The Use of Educational Films as PR Media”, Kyungjin HA, Media Histories/Theories and East Asia Conference, 2013年02月
“Images and Realities: The way of Public Relations in 1960's Korea”, Kyungjin HA, Tsinghua-Todai The Great Wall Forum: Beyond the Wall, 2011年11月
“Considering Public Relations through Social Movements in 1960-70 Japan”, Kyungjin HA, ACS (Association for Cultural Studies) Crossroads, 2010年06月
“Reviewing the Introduction and Development of Modern PR in Korea and Japan”, Kyungjin HA, Inter-Asia Cultural Typhoon, 2009年07月
“The Past and Present of PR in Korea: A Study of Sisa-journal Case”, Kyungjin HA, SNU-UT-CUHK-NTU-TU Symposium, 2008年11月
18K12921, 2018, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)若手研究, 戦後PRの歴史的変容に関する研究――言説と表象の比較的分析を通して
20K12544, 2020, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金), 地域コミュニティに基づくメディア・デザイン実践の方法論に関する研究
サントリー文化財団, 研究助成「学問の未来を拓く」, 戦争神話の形成過程
広島市立大学広島平和研究所, プロジェクト研究, 平和都市・広島の文化的構築に関する予備的調査
東京大学, 国立大学改革強化推進補助金(特定支援型「優れた若手研究者の採用拡大支援」)
サントリー文化財団, 鳥井フェロー
吉田秀雄記念財団, 助成研究, 現代Public Relationsの日本における導入および発展
20K12544, 地域コミュニティに基づくメディア・デザイン実践の方法論に関する研究, 学術研究とは、伝統的に対象を客観的に観察し、分析するものとして発展してきました。しかし、いまや私たちの暮らしを大きく支える様々なテクノロジーは、意識されているもの・されていないものを含め、人びとのコミュニケーション活動に影響を与えています。研究者も例外なくそうした日常を過ごし、情報技術やメディアと社会との関係性の全貌は、誰にもつかむことができません。こうしたなかで、客観的なメディア研究というものがどこまで可能でしょうか。本研究では、地域コミュニティに主体的に関わり、学び合うなかでメディア実践をデザイン・実施・評価する、メディア研究の新たな方法論とそのあり方について考察します。;2022年度の成果実績として次の3点があげられる。;まず1つ目として、2021年度に実施したオンラインワークショップについて論文としてまとめ、発表したことである。本実践は、事前に実施した社会調査の結果をもとに設計、運営した。本プロジェクトの研究メンバー全員が関わり、6つの大学をオンラインでつなぎ、「(コロナ禍前と現在における)若者と地域コミュニティ」をテーマに発表やディスカッションをおこなった。若者の地域に対する感覚や経験を参加者同士が積極的に共有することができたと同時に、地域に対して研究者側が想定していなかった気づきや学びを得ることができた。;
;次に2つ目として、アンケートをもとにした社会調査とフィールドワーク、そして実践研究の3つの方法論を組み合わせた本プロジェクトの枠組みについて、前述のワークショップの成果にも結びつけながら国際学会(Global Media Education Summit)にて発表をおこなった。ラウンドテーブル形式による発表をおこない、コミュニティの定義や、研究者も一参加者となった場合、多様性を重んじる表現や実践の評価をどのようにおこなうのか等、今後につながる有意義な質問を多くもらい、議論することができた。;
;最後に、今後の実践研究に向けたフィールドワーク、および地域実践家との打ち合わせを実施し始めていることをあげる。対面による実践研究のデザインをなかなか開始できずにいたが、長野県諏訪郡にある富士見町にて具体的な活動内容について話し合いを進めている。富士見町はコロナ禍以前よりテレワークタウンを構想し、これまで活用されていなかった空き家が足りなくなるほど移住者が増えている地域だ。古くからの居住者と移住者との関係性や交流、富士見町の歴史と未来に着目しながら、変化し続ける現代的な地域コミュニティのなかで新たな連携の仕組みを生み出したい。;コロナ禍の影響により対面による地域連携プロジェクトの計画が遅れたため;まず、当初2023年度までであった本プロジェクトを1年延長する予定でいる。そのうえで、残り2年間の計画は次のようである。2023年度の夏から秋にかけて、富士見町での地域連携プロジェクトのデザインをおこなうと共に、並行してプレ実践をスタートさせる。秋から冬にかけては、2度目の社会調査(オンラインによるアンケート調査を予定)の実施を計画している。2021年度に実施したものをブラッシュアップし、長野県と富士見町を含む諏訪・八ヶ岳エリアに特化した設問を設ける。また、2021年度の調査結果の分析については2023年度中に論文化の予定である。;2024年度は、富士見町での実践を本格化させ、継続する。そのプロセスを考察し実践研究としてまとめると同時に、調査と実践による方法論の連携、そのなかで私たちを含むプロジェクト参加者がお互いに何を学び合ったかについてモデル化する。その際、メディア・リテラシー、参加型デザイン、アクションリサーチの視座を援用し、本プロジェクトのまとめとする。
18K12921, 戦後PRの歴史的変容に関する研究:言説と表象の比較的分析を通じて, 本研究の第5年度にあたる2022年度は、所属機関(勤務校)の異動に伴い、研究環境の大幅な変化を受け、研究計画を再調整する必要があった。;まず、本研究の主要な結果をまとめた単著の執筆について、昨年度の刊行を目指してきたが、研究機関の異動などで当初の計画より遅れている。本書では、1950年代における造船、電力、繊維など、主要産業・企業のPR映画を取り上げ、当時の時代・社会背景をふまえながら、経営者や従業員にとって「我が社」とは何であったか、どのようなイメージを通じて表象されたかを分析する。ほとんど完成し、あとは序章と終章の執筆、全体の推敲作業のみが残っている。;次に、PR言説に関する論文を執筆し、近日公開予定となっている。戦後から1950年代にかけてPRに関する様々な書籍、論文が出版されたが、これらの言説は行政学、経営学/マネジメント論、新聞学/ジャーナリズムなどの分野から影響を受けていた。こうした歴史を戦後日本におけるアメリカナイゼーションの観点から俯瞰した同論文は『吉見俊哉論――社会学とメディア論の可能性』(人文書院)に掲載され、2023年5月30日に公開予定である。;上記の研究業績をベースに、PR業界や実務家を対象とする講演を行った。1950年代のPRブームを牽引した担い手を多方面から検討し、政治、経済の分野からPRをめぐってどのような議論が展開されたかをSCALE PR ACADEMY第3期閉講式および、公益財団法人日本パブリックリレーションズ協会PR業経営者懇談会でそれぞれ講じた。2000年代以降、日本社会におけるPRの変容は、戦後の歴史から日本型PRの特徴を探る本研究の問題意識とも深く関連している。実務家を対象にPRの過去と現在をつなぐ議論ができたのも、2022年度の研究実績の一つである。;コロナ禍の影響は緩和されたが、所属研究機関の異動により研究環境が落ち着くまで時間を要した。また、前任校に比べて授業および校務全般の負担が増え、研究に割く時間が減ってしまったのも原因である。さらに健康上の問題なども重なり、当初の計画からすれば進捗がやや遅れている状況である。;以上の理由から研究の進捗状況がやや遅れているが、1年間の研究期間の延長が認められたため、体制を整えて研究成果をまとめる作業に専念したいと思っている。コロナ禍で移動が制限され、難航していた新規資料の収集を行い、現在、執筆中のPR映画に関する原稿を完成させ、書籍化する。また、公開予定の論文で議論した内容を発展させ、戦後PRの言説に関する論考を『広報研究』(日本広報学会学会誌)に投稿することを計画している。
23H00057, 上演する地域:〈まちづくり型〉芸術祭と〈自己‐空間‐時間〉意識の変容, 本研究は、日本各地で活発化する芸術祭に照準し、住民、自治体、地元企業、アーティスト、プロデューサー、来訪者、ジャーナリスト等の社会的諸行為主体が継続的な相互作用のなかで〈自己‐空間‐時間〉意識をいかに変容させるかを明らかにするものである。21世紀の日本社会は、〈東京志向〉の社会から〈地方志向〉の社会に転換しつつある。そこで本研究は、この変化を象徴する地方芸術祭と地域のまちづくりの関係に照準し、アーティストが加わることで、住民、行政、企業、来訪者等の関係性がどう変化していくのかを、諸行為主体の〈シナリオ〉や地域の〈舞台装置〉に注目しながら調査分析していく。
JP20K12544, 地域コミュニティに基づくメディア・デザイン実践の方法論に関する研究, 学術研究とは、伝統的に対象を客観的に観察し、分析するものとして発展してきました。しかし、いまや私たちの暮らしを大きく支える様々なテクノロジーは、意識されているもの・されていないものを含め、人びとのコミュニケーション活動に影響を与えています。研究者も例外なくそうした日常を過ごし、情報技術やメディアと社会との関係性の全貌は、誰にもつかむことができません。こうしたなかで、客観的なメディア研究というものがどこまで可能でしょうか。本研究では、地域コミュニティに主体的に関わり、学び合うなかでメディア実践をデザイン・実施・評価する、メディア研究の新たな方法論とそのあり方について考察します。;2023年度は、実践に向けたフィールドワーク及び地域実践家との打ち合わせを発展させた。そのなかで、いくつか実践アイデアを提案したが、昨年度は実現に至ることができなかった。理由として、連携先である地域実践家のペースに沿って実践を計画・実施する必要があること、地域実践者らの活動もやや遅れ気味であること、また実践計画のスタートがコロナ禍もあり遅れてしまったことが挙げられる。本研究の期限があるからといって連携先を急かすわけにはいない。そのなかで、研究者と地域実践家とのあいだでコーディネーションを担っている越境的な地域実践者の存在の大きさが改めて重要であることが見えてきた。この点も踏まえ、地域コミュニティ連携によるメディア実践の困難さと可能性をまとめていきたい。;
;また、調査研究について、メディア&コミュニケーション分野を代表する国際学会であるInternational Communication Association(ICA)へアプライし、審査の結果、2024年6月の学会発表が決まっている。同じく調査研究については英語論文にまとめ、Social Science Japan Journalへ投稿した(審査中)。;
;また、2024年の最終年度に向けての対面ミーティングを2023年9月に実施した。6名全員が対面で集まることができたのは本科研プロジェクトでは初めてのことだった。来年度の総まとめに向けて、学会発表等の成果発表について積極的におこなっていく方針とスケジュールを決めた。;コロナ禍の影響により対面による実践研究の計画が遅れているため。;最終年度に向けて、本研究プロジェクトの総まとめをおこなっていく。つまり、調査研究と実践研究を連携させることの意義、そこから見えてきた成果や、複数の方法論を用いる研究視座についてこれまでの結果をもとにまとめていく。その際、調査研究と実践研究だけでなく、地域社会とともに実践するデザインの理論についても参照し、実践的メディア研究の先行研究を進化させる枠組みとして提案する。
JP18K12921, 戦後PRの歴史的変容に関する研究:言説と表象の比較的分析を通じて, 2023年度は、主にこれまでの研究成果をまとめる作業に取り組んだ。;1950年代におけるPR言説の特徴を考察した論文「戦後日本とパブリック・リレーションズ--「アメリカ」という他者の戦略的受容」が出版された。この論文では、当時の行政学、経営学/マネジメント論、新聞学/ジャーナリズムなどの分野から戦後日本におけるPRの意味を検討することができた。;続いて、昨年より取り組んできた単著の執筆作業にも進捗があった。本書では、1950年代における造船、電力、繊維など、主要産業・企業が制作したPR映画を題材に従業員や利用者を巻き込む企業共同体の浮上を分析する内容である。大部分の推敲が完了し、2024年度中の出版に向け、細部の調整作業を進めている。;そのほか、近年のAI技術の発達を受け、広報・PR業界の展望に関するインタビューを受け、2本の記事として公開された。インタビューのテーマ自体は「AIとPR」であるが、議論の根底には組織のアイデンティティや共同体/コミュニティをめぐる問題が横たわっており、本研究の問題意識とも深くつながっている。これまでの研究に基づく内容であるため、今年度の研究実績の一つである。;コロナ禍の影響は緩和されたが、所属研究機関の異動により研究環境が落ち着くまで時間を要した。前任校に比べて授業および校務全般の負担が大幅に増え、研究に割く時間が減ってしまったのも原因である。さらに健康上の問題も重なり、当初の計画からすれば進捗が遅れている状況である。;1年間、研究期間の延長が認められたため、これまでの研究成果をまとめつつ、様々な理由により実行できなかった調査等にも取り組みたいと思っている。とくに、コロナ禍の影響と所属機関の変更などにより難航した資料の収集・デジタル化を集中して行うことを検討している。研究成果の一部をまとめた書籍の刊行も最終年度の計画としたい。