2021年改正少年法の検討, 高内 寿夫, 國學院法學, 59巻, 4号, 1, 30, 2022年03月10日, 國學院大學法学会, 2021年(令和3年)5月に成立した改正少年法は、18歳・19歳の者を「特定少年」として少年法の適用範囲にとどめる一方、特定少年に対して成人と同じ扱いとする傾向を顕著に示す内容であった。この問題は、当初、少年法適用年齢を18歳未満に引き下げるか現状を維持するかという議論から始まったものである。2017年3月から開始された法制審議会少年法・刑事法(少年年齢・犯罪者処遇関係)部会においても、当初は、少年法適用年齢を18歳未満に引き下げることを念頭に議論が進められた。それがどうして、改正法は当初の内容と異なるものとなったのか。本稿では、今回の少年法改正の経緯、改正法の内容を検討しながら、2021年改正少年法の背景にある思想について検討した。
「被疑者取調べの適法性について」, 『國學院法學』, 第52巻第4号, 95, 133, 2015年03月10日, 國學院大學法学会, 本稿は、被疑者取調べの適法性の判断基準を論じたものである。まず、在宅被疑者の取調べに関する昭和59年決定の問題点を指摘した後、黙秘権の趣旨から、その保障義務の内容を吟味し、在宅被疑者取調べの適法性の範囲、逮捕・勾留中の被疑者取調べの適法性の範囲について私見を提示した。
「参考人取調べの録音・録画について」, 『國學院法學』, 第51巻第4号, 95, 133, 2014年03月10日, 國學院大學法学会, 本稿は、これまであまり焦点の当てられていない参考人取調べの録音・録画について、その有用性を指摘するとともに、各手続段階における録音・録画記録の取扱いについて検討したものである。参考人取調べの録音・録画の趣旨を説明した上で、取調べ録音・録画を行う際の留意点、公判前整理手続における記録の開示、証人尋問における活用、実質証拠として用いる場合の要件などを検討した。
「検察官送致後の勾留少年に対する働きかけについて」, 『國學院法學』, 第50巻第3号, 1, 34, 2012年12月10日, 國學院大學法学会, 検察官送致された少年は、刑事裁判が終結するまでの間、長期間にわたって勾留される場合が多い。本稿では、成長途上にある少年に対して何の働きかけもせずに長期間勾留することが少年の成長発達を阻害することになるという問題意識から、現在の勾留実務の問題点を明らかにし、現行法の枠内ににおける勾留少年への配慮のあり方を示すとともに、勾留少年に対する観護措置の実施という立法提案を行ったものである。
「子どもの権利条約からみる少年院法の改正について」, 『國學院法學』, 第49巻第3号, 43, 87, 2011年12月10日, 國學院大學法学会, 本稿は、少年院法の改正を念頭に置いて、子どもの権利条約などの国際準則で示された少年の権利を、少年院法の中にどのような形で具体化すべきかを検討したものである。構成としては、子どもの権利条約に規定された権利を少年院法に具体化する際に検討すべき留意点を指摘した上で、新設すべき人権規定の骨子案を提示した。後者は少年法研究会における議論を踏まえてまとめたものである。
「子どもの権利条約からみる少年院在院少年の人権」, 『國學院法學』, 第48巻第3号, 1, 65, 2010年12月10日, 國學院大學法学会, 憲法、少年法の分野においてほとんど検討の進んでいない少年院在院少年の人権について、子どもの権利条約をはじめとする国際準則の分析から、人権の一覧表を提示するとともに、少年院在院少年の法的地位について私見を提示したものである。構成としては、①子どもの権利条約における少年院在院少年の人権の内容、②少年保護規則における人権の内容、③国際準則の裁判規範性、④少年院在院少年の人権とその制約の構造をそれぞれ検討した。
「裁判員裁判における検察官面前調書の取扱い」, 『國學院法學』, 第46巻第4号, 1, 54, 2009年03月10日, 國學院大學法学会, 裁判員の参加する刑事裁判において、伝聞法則の例外として証拠調べ請求される調書の取扱いのうち、とくに検察官面前調書を取り上げ、刑訴法321条1項2号の解釈および裁判員法の解釈を行った。結論として、①検面調書の証拠能力の審理に裁判員は参加すべきではないこと、②証拠調べの方法は「要旨の告知」も認められるが、実質的な意味での反対尋問権を保障すべきこと、③評議の場面で確認する場合は、公判の記録媒体で確認すべきことなどを指摘した。加えて、捜査段階における参考人取調べの全面的な録音録画を提案した。
「少年保護観察の課題-『保護観察中の者に対する措置』をめぐって-」, 『刑事政策の体系-前野育三先生古稀祝賀論文集-』, 152, 168, 2008年04月10日, 法律文化社, 2007年の少年法改正において新たに設けられた「保護観察中の者に対する措置」に関して、制度的側面からの検討を試みた。とくに、元来、保護処分の事後的変更という枠組みで論じられるべき問題が、保護観察における効果的指導の確保という限定された趣旨で提案されたために、原理的齟齬を惹起した点を指摘した。
「裁判員制度の構造をいかに理解すべきか」, 『國學院法學』, 第45巻第1号, 25, 54, 2007年07月10日, 國學院大學法学会, 裁判員制度においては、裁判官と裁判員との間に情報格差が存在するが、これを予断排除のダブルスタンダードと呼び、この情報格差がどうして正当化されるのか、この制度を前提とした場合、制度をどのように運用すべきか、また、今後の改正点は何かについて検討した。
「現行少年法における『責任』概念について」, 『法政理論』, 35巻4号, 74, 113, 2003年03月01日, 新潟大学, 現行少年法が少年の「責任」をどのように捉えているのかを考察した論文である。結論としては、①少年の責任は「保護処分を受けるべき地位」と理解されるべきであること、②少年の責任は少年が健全育成に向けた合目的的処遇を引き受ける責任であること、③以上の法的責任には、少年が非行を克服する自覚を持つという倫理的・社会的責任が伴われていると考えるべきであることなどを指摘した。
「続・人権のはなし」, 『白鴎法学』, 19号, 209, 245, 2002年06月01日
「人権のはなし」, 『白鴎法学』, 18号, 277, 301, 2001年11月01日
「青少年の呼称と年齢区分について」, 『青少年問題』, 48巻2号, 24, 29, 2001年02月01日, 現行法令において、青少年に関する年齢区分が多様であること、またその意義、統一化の方向性などについてまとめた論文である。
「少年法の未来」, 『白鴎法学』, 16号, 55, 92, 2000年09月01日, 少年法改正についての考え方、保護主義の意義について論じた後、少年非行対策としての教育改革の必要性とりわけ人権教育の重要性とその方向性とに関して提言を行った。
「保護司から見た保護観察のあるべき姿」, 『犯罪と非行』, 125号, 128, 149, 2000年08月01日, 原田豊、梅澤秀監, 東京都内の保護司に対する意識調査をもとに、保護司の保護観察に関する意識および立ち直りに関する意識を検討した論文である。調査の分析から、保護司は、ある一定の考え方に基づいて処遇を進めるのではなく、少年の立ち直りに有効と思われるあらゆる働きかけを活用してゆこうという傾向があることなどを指摘した。
「現行少年法における非行事実認定の構造」, 『白鴎法学』, 12号, 69, 108, 1999年03月01日, 現行少年法における非行事実認定の基本的構造を分析した論文である。原則的に非行事実は調査の段階で確認すべきものであり、事実認定の審判が必要な場合であっても、それは要保護性の審判とは明確に区別されるべきことを指摘するとともに、非行事実認定における職権主義、書面主義の意義などを分析した。
「刑事裁判における『事案の真相』-憲法的刑事訴訟法論の一視座-」, 『法政理論』, 30巻4号, 128, 150, 1998年03月01日, 新潟大学, 刑事訴訟法1条における「事案の真相」について新たな解釈を提案した論文である。従来、事案の真相は「犯人の必罰」または「無辜の不処罰」という観点から考察されてきたが、この条項は元来、捜査・訴追機関が「事案の真相を明らかにする活動を行う」という観点から解釈されるべきであり、また、捜査機関の活動は公判廷において検察官によって説明されるべきであるという点を指摘した。
「事実認定の構造論からみる陪審制と職業裁判官制-自由心証主義の二側面-」, 『白鴎法学』, 6号, 111, 146, 1996年10月01日
「予審的視点の再評価-公判審理から見た捜査-」, 『刑法雑誌』, 35巻3号, 366, 381, 1996年06月01日
「審判開始決定に対する抗告の可否」, 高内 寿夫, 少年法判例百選[第2版], 152, 153, 2024年11月30日, 有斐閣, 少年法における審判開始決定に対して、抗告は許されないという判断を示した名古屋高裁昭和46年10月27日決定について解説した。
「偽計による自白」, 『刑事訴訟法判例百選[第7版]』(別冊ジュリスト第148号), 164, 165, 1998年08月01日, 有斐閣, 偽計による自白に関する東京地裁昭62年12月16日判決を解説した。
「保護観察中の非行により少年院に送致された事例」, 『季刊教育法』, 149号, 71, 76, 2006年06月01日, エイデル研究所, 保護観察中の非行により少年院送致となった少年の事例を検討するとともに、2006年に国会提出された少年法改正法案の問題点を分析した。
「上告審における事実誤認の審査方法を示した上で、満員電車内の強制わいせつ事件について、被害者供述の信用性を全面的に肯定した第1審判決及び原判決の認定を是認できないとした事例」, 『速報判例解説』, 第6号, 193, 196, 2010年04月25日, 日本評論社, 満員電車内の強制わいせつ事件について、上告審における事実誤認の審査方法を示した上で、被害者供述の信用性を全面的に肯定した第1審判決及び原判決を破棄し、無罪を言い渡した、最高裁第三法廷平成21年4月14日判決を解説した。
「犯人の一時的な海外渡航と公訴時効停止の効力」, 『速報判例解説』, 第7号, 189, 192, 2010年10月01日, 日本評論社, 刑訴法255条1項の「犯人が国外にいる場合」に、一時的な海外渡航も含まれるとした、最決平成21年10月20日を評釈した。
「前科証拠の証拠能力」, 『國學院法学』, 第51巻第1号, 83, 100, 2013年07月10日, 國學院大學法学会, 前科証拠を犯人と被告人との同一性立証に用いる場合の基準を明示した、最高裁第2小法廷平成24年9月7日判決の意義および問題点を検討したものである。
書評『少年司法と国際準則』, 犯罪社会学研究, 39号, 110, 112, 2014年10月18日, 現代人文社, 山口直也著『少年法と国際人権』(成文堂、2013年)の概要を紹介した後、その特徴、今後の展望などについて指摘した。
『人権の精神―私たちが理解すべきただひとつのこと―』, 高内 寿夫, 成文堂, 2021年07月20日, 第1部「人権とは何か」では、人権概念の必要性、人権の意義、人権と国家の関係、人権の擁護などについて解説をした。第2部「なぜ人は尊厳なのか」では、人間の尊厳性の根拠、世界の認識における知性の役割、外的世界の存在と知性の関わりについて検討し、人が尊厳である理由を論じた。第3部「私たちが理解すべきただひとつのこと」では、現代人の強烈な誤解について指摘した上で、量子力学・相対性原理からみた世界像、臨死体験者が見た世界などから、私たちが理解すべきただひとつのことを指摘した。
『刑事法学と刑事弁護の協働と展望ー大出良知・高田昭正・川崎英明・白取祐司先生古稀祝賀論文集ー』, 石田倫識ほか, 現代人文社, 2020年12月10日, 少年法における「保護主義」の思想について大正少年法を中心に歴史的に検討した上で、「保護」概念の特殊性を指摘し、今日的状況に鑑み、「保護処分」を「教育処分」へ、「保護主義」を「教育主義」に転換すべきことを提言した。
『子どもの法定年齢の比較法研究』, 山口直也, 成文堂, 2017年02月10日, 本書は、子どもの法定年齢について、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、韓国の5か国において、公法、民事法、刑事法の観点から比較検討したものである。このうち、「フランス少年司法における年齢設定」の項目を担当した。フランスの少年法適用年齢・刑事責任年齢、少年保護法制の歴史、現行法における少年司法手続、少年に課される教育処分および刑罰について整理検討した後、フランスでは、刑事法上の少年の年齢設定は、保護・教育的措置が充実していく過程の中で設定されたものであり、選挙権年齢や民事上の成年年齢と連動したものではない点などを指摘した。
『公判審理から見た捜査―予審的視点の再評価―』, 高内寿夫, 成文堂, 2016年02月20日, 本書は、刑事手続における捜査活動の位置付けについて、新たな見方を示したものである。それは、第1部において、「予審的視点」として提示され、第2部では、一層実践的な観点から、「捜査活動の記録」という形に言い換えられている。 本書は2部構成をとる。第1部は、フランスにおいて予審制度がいかなる目的で創設され、そしてそれはフランスの刑事手続全体においてどのように位置付けられるのかを歴史的に分析する。第2部は、第1部で検討したフランスにおける予審制度の検討を踏まえ、「予審的視点」から、わが国の刑事手続の諸問題を検討する。とりわけ、裁判員裁判における検察官面前調書の取り扱い、参考人取調べの録音・録画の必要性、被疑者取調べの適法性の判断基準、平成28年改正法における被疑者取調べの録音・録画制度の検討などを行っている。
『少年法の理念』, 澤登俊雄/高内寿夫, 現代人文社, 2010年04月10日, 少年保護手続は保護主義をその特色とするものであるので、従来、少年の人権論の位置付けが不明確なきらいがあった。そこで、もっとも理論上問題となる審判の非公開を中心として、少年の人権論の構造を分析した。結論として、①少年保護手続における保護主義と少年の人権とは少年の健全育成にとり車の両輪であること、②少年保護手続にも憲法31条以下の適正手続は直接適用されると同時に、それが保護的措置であることから成長発達権の観点からも考察されなければならないこと、③問題の検討にあたっては、その問題が自由の制限に関するものか処遇の内容に関するものかに従って、個別具体的に検討されなければならないことを主張した。
『リーディングス刑事訴訟法』, 法律文化社, 2016年04月25日, 多田辰也『被疑者取調べとその適正化』(成文堂、1999年)を基本文献として、取調べ受忍義務論に関する学説・実務の考え方、被疑者取調べの任意処分性をめぐる学説、多田教授の見解の学説史的意義、基本文献の内容、残された課題、基本文献の現代的な意義などを検討した。
『刑事司法改革と刑事訴訟法 上巻』, 日本評論社, 2007年05月25日, 村井敏邦、川崎英明、白取祐司、他17名, 刑事訴訟法の歩みを理論・実務両面にわたって検証し、刑事司法の再構築を目指した講座の全2巻中の第1巻である。そのうち、第16講「被疑者取調べと弁護権」の項目を担当した。被疑者取調べの法的性格、取調べ受忍義務論の展開、被疑者取調べを巡る弁護活動の動向、関連する理論的問題に関する分析を行った後、被疑者取調べを考えるにあたって、被疑者自身が取調べに主体的に関与しうる条件作りをどのように図ってゆくかという観点の重要性を指摘した。
『立法の実務と理論』, 信山社, 2005年03月30日, 本書は、上田章先生喜寿記念論文集であるが、「『新たな準備手続』と刑事訴訟法の理念―司法制度改革審議会意見の批判的検討―」を担当した。司法制度改革審議会によって提言され、現在法律案作成に向けて検討が進められている「新たな準備手続」を検討した論文である。予断排除、黙秘権、伝聞法則、証拠開示という刑事訴訟法の基本原理から検討を加え、「新たな準備手続」の持つ問題点を明らかにしながら、あるべき立法の方向性について提言をおこなった。
『ブリッジブック裁判法』, 信山社, 2002年12月01日, 小島武司,春日偉知郎,中野目義則、他14名, 裁判制度の仕組みと原理とに関する概説書である。「これからの検察官・警察官に求められるもの」の項目を担当した。検察官・警察官の役割と組織とを説明した後、検察・警察の制度改革の動きとその評価について解説した。
『刑事訴訟法の争点(第3版)』, 有斐閣, 2002年04月01日, 村井敏邦、小山雅亀、寺崎嘉博、高内寿夫、川崎英明、鯰越溢弘、新屋達之、他80名, 本書中、「付審判請求手続」を担当した。付審判請求手続の意義、請求手続の構造などに関する論点を整理したものである。
『光藤景皎先生古稀祝賀論文集』上巻, 成文堂, 2001年12月01日, 村井敏邦、堀江慎司、浅田和茂、高内寿夫、指宿信、松代剛枝、多田辰也、小山雅亀、洲見光男、渡辺修、他13名, 本書中、「情報公開法と刑事訴訟法の関係について」を担当した。1999年に成立した情報公開法と刑事訴訟法との関係を考察した論文である。とくに、捜査記録の開示について分析し、捜査記録は一般にプライバシー情報の束であるので原則的には一般公開にはなじまないとはいえ、捜査機関の違法行為が問題となる場合もあることから、一律に情報公開法の適用除外とすべきではないという点を指摘した。
『韓日刑事法の課題と展望』, 和成社, 2000年08月01日, 呉英根、白亨球、尹龍奎、李延元、鄭英一、林光周、崔相旭、原田豊、高内寿夫、佐々木光明、他44名, 本書は、李漢敎敎授定年紀念論文集であるが、「日本における薬物犯罪対策」を担当した。わが国における薬物犯罪対策を多角的に検討し、その特徴を整理した論文である。とりわけ、「薬物乱用」対策と「薬物依存」対策とに区分し、「薬物依存」対策を強化することによって、薬物対策全体の調和の とれた推進が必要である点を指摘した。
『少年法の展望』, 現代人文社, 2000年03月01日, 所一彦、村井敏邦、花岡明正、高内寿夫、星野周弘、矢島正見、後藤弘子、佐々木光明、荒木伸怡、酒井安行、他21名, 本書は、澤登俊雄先生古稀祝賀論文集であるが、「少年法における「健全育成」についての一考察-保護手続の権力的側面に着目して-」を担当した。少年法における「健全育成」概念について検討した論文である。少年法の健全育成を考察するにあたっては、その権力的側面に着目しなければならず、少年および少年を取り巻く環境に非行性が認められる場合、少年の自律性を促進するために保護処分をはじめとする権力的介入が有効であるという視点を提示した。
「保護司からみた保護観察のあるべき姿-保護し調査の結果から(1)-」, 日本犯罪社会学会第26回大会(於 愛知学院大学), 1999年10月01日, 東京都内の保護司に対する意識調査をもとに、保護司の保護観察に関する意識および少年の立ち直りに関する意識に関する分析結果を報告した。
『少年司法と適正手続』, 成文堂, 1998年02月01日, 澤登俊雄、斉藤豊治、前野育三、他19名, 本書は、少年が犯罪・非行を行った場合に、日本および欧米諸国の法律がどのような取扱いをしているかに関する比較研究である。そのうち、フランスについて、「捜索・差押」「予審」「被疑事実の告知」「証拠開示」「施設収容された少年の権利」の部分を担当し、とくに少年審判における予審の意義を整理した。
『世界諸国の少年法制』, 成文堂, 1994年01月01日, 澤登俊雄、斉藤豊治、前野育三、他13名, 本書は欧米6カ国における少年法制の沿革、現行制度、改革の動向および国連の動きについてまとめたものである。そのうち、フランスの「現行制度の概要」の部分を担当し、二元的構成をとるフランスの少年法制の特徴および処遇の特徴を整理して論述した。