Tōkyō dialect (Metropolitan area), Harumi Mitsui, Handbook of Japanese Dialects, 2025年01月15日, De Gruyter Mouton
昔話資料に現れた方言特徴の検討 ―関東方言の「べー」を例として―, 三井はるみ, 國學院雑誌, 124, 9, 1, 17, 2023年08月15日, 國學院大學
条件表現の全国分布に見られる経年変化 -認識的条件文の場合-, 三井はるみ, 國學院雑誌, 121, 2, 1, 18, 2020年02月15日, 國學院大學
The structure of diversified language usage in metropolitan Tokyo : Analyses using large-scale database for word accent, Harumi Mitsui, Kanetaka Yarimizu, and Motoei Sawaki, Proceedings of Methods ⅩⅥ, 127, 139, 2020年05月, Peter Lang
条件表現の全国分布に見られる経年変化 ―予測的条件文の場合―, 三井 はるみ, 国語研究, 82, 40, 59, 2019年02月
九州・四国方言の認識的条件文, 三井 はるみ, 有田節子(編)『日本語条件文の諸相』くろしお出版, 185, 211, 2017年11月
首都圏若年層の言語に地域差をもたらすもの (特集 ことばのひろがり), 三井 はるみ, 鑓水 兼貴, 方言の研究 = Studies in dialects, 3, 103, 128, 2017年09月, ひつじ書房
東京都方言, 三井 はるみ, 方言文法研究会(編)『全国方言文法辞典資料集(3)活用体系(2)』科学研究費報告書, 57, 66, 2017年01月
九州西南部方言における順接仮定条件表現体系の多様性 ―熊本市方言と鹿児島県伊集院町方言―, 三井はるみ, 中山綠郎(編)『日本語史の研究と資料』明治書院, 123, 139, 2016年03月
第20章 首都圏在住者の方言話者への評価意識, 鑓水兼貴・三井はるみ, 宇佐美洋(編)『「評価」を持って街に出よう』くろしお出版, 337, 353, 2016年01月
地域語の観点から見た首都圏の言語の実態と動向の一側面, 三井はるみ, 国語研プロジェクトレビュー, 4, 2, 118, 126, 2013年10月
「全国方言文法の対比的研究」調査の概要とそのデータ分析 ―原因・理由表現―, 竹田晃子・三井はるみ, 国立国語研究所論集, 4, 77, 108, 2012年11月
九州西北部方言の順接仮定条件形式「ギー」の用法と地理的分布, 三井はるみ, 國學院雑誌, 112, 12, 26, 39, 2011年12月
方言と共通語のはざまで ―生き残り、生まれ、広がる方言, 三井はるみ, 三色旗, 752, 15, 21, 2010年11月
「日本語の達人」像から見る「国語力観」の多様性, 三井はるみ, 「国語力観」に関する全国調査 ―研究発表と分析―, 58, 75, 2009年08月
条件表現の地理的変異 ―方言文法の体系と多様性をめぐって―, 三井はるみ, 日本語科学, 25, 143, 164, 2009年04月, 国立国語研究所
佐賀方言の順接仮定条件表現 ―談話資料の用例の整理―, 三井はるみ, 井上文子(編)『方言談話データベースを活用した表現法の変化に関する研究』, 24, 36, 2009年03月
第2章 方言データベースの作成と利用, 三井はるみ・井上文子, シリーズ方言学4『方言学の技法』岩波書店, 39, 89, 2007年12月
要求表現形式「~てほしい」の共通語としての定着─『方言文法全国地図』から見る─, 三井はるみ, 日本語学, 26, 11, 102, 110, 2007年09月, 明治書院
おはようございます、こんばんは (地図に見る方言文法--日本語の文法現象の多様性), 三井はるみ, 月刊言語, 35, 12, 80, 83, 2006年12月, 大修館書店
起きろ(やさしく・きびしく) (地図に見る方言文法--日本語の文法現象の多様性), 三井はるみ, 月刊言語, 35, 12, 60, 63, 2006年12月, 大修館書店
現代社会方言の地域分布--「山の手ことば」「下町ことば」をめぐって (特集 隣のことば--言語意識のもう一つの捉え方), 三井はるみ, 月刊言語, 33, 9, 32, 38, 2004年09月, 大修館書店
極限のとりたての地理的変異, 三井はるみ, 沼田善子・野田尚史(編)『日本語のとりたて-現代語と歴史的変化・地理的変異-』くろしお出版, 123, 142, 2003年11月
働きかけの表現の地域差へのアプローチ--禁止表現を例として (特集 いま言語地図を考える), 三井はるみ, 日本語学, 21, 11, 36, 47, 2002年09月, 明治書院
気づかない方言の方言学-対照言語学的研究の出発点として-, 三井はるみ, 日本方言研究会(編)『21世紀の方言学』国書刊行会, 257, 267, 2002年06月
新しい方言と古い方言の全国分布--語彙 (地域方言と社会方言) -- (新しい方言・古い方言), 三井はるみ, 日本語学, 18, 13, 88, 96, 1999年11月, 明治書院
青森市方言の順接仮定条件表現の形式と用法の整理 ―録音文字化資料を用いた方言文法記述の試み―, 三井はるみ, 佐藤武義(編)『語彙・語法の新研究』明治書院, 114, 128, 1999年09月
類義語の地理的背景-「気づかれにくい方言」の一類型-, 三井はるみ, 加藤正信(編)『日本語の歴史地理構造』明治書院, 476, 146, 1997年07月
標準語アクセントの基盤としての東京アクセントの実態-東京における多人数調査を資料として-, 佐藤亮一・三井はるみ, 杉藤美代子監修 日本語音声1『諸方言のアクセントとイントネーション』三省堂, 127, 138, 1997年07月
大都市と周辺地域の方言, 三井はるみ, 小林隆・篠崎晃一・大西拓一郎(編)『方言の現在』明治書院, 184, 203, 1996年03月
場面によるアクセントの切り換え-岩手県水沢市における世代別調査から-, 三井はるみ, 学苑, 602, 167, 158, 1990年01月, 昭和女子大学
東京語における3拍和語のアクセント変化 ―複合名詞を中心として―, 三井はるみ, 文芸研究, 55, 70, 1989年05月, 文芸研究会
東京語における3拍漢語のアクセント変化, 三井はるみ, 国語学研究, 26, 77, 64, 1986年12月, 国語学研究会
多摩と三鷹の方言を学ぶ(大沢の里古民家講座の記録), 三井はるみ, 三鷹市文化財年報・研究紀要, 5, 96, 125, 2023年03月31日, 三鷹市スポーツと文化部生涯学習課
第9章 首都圏のことば, 三井 はるみ, 井上史雄・木部暢子(編)『はじめて学ぶ方言学』ミネルヴァ書房, 88, 99, 2016年03月
日本言語地図,方言文法全国地図,方言の諸相,方言の文法, 三井 はるみ, 佐藤武義・前田富祺(編集代表)『日本語大事典』朝倉書店, 2014年11月
あいさつは決まり文句?, 三井はるみ, 教育出版小学国語教育 ことばだより, 2014, 秋, 2, 2, 2014年09月
〔座談会〕江戸語・東京語から首都圏方言へ, 岩橋清美・久野マリ子・シュテファン=カイザー・御園生保子・三井はるみ・諸星美智直, 國學院雑誌, 115, 2, 43, 68, 2014年02月
おくにことばの底力!第6回首都圏の方言より:ズルコミ?ヨコハイリ? ―首都圏のことばの地域差, 三井はるみ, 大修館国語情報室:WEB国語教室, 2013年10月
〔書評〕田中ゆかり著『首都圏における言語動態の研究』, 三井はるみ, 日本語の研究, 9, 1, 28, 34, 2013年01月
A linguistic survey of the Tokyo metropolitan area using mobile phones, Yarimizu Kanetaka,MITSUI Harumi, NWAV ASIA-PACIFIC, 2, 81, 81, 2012年08月
2010年・2011年における日本語学界の展望:地域言語・方言, 三井はるみ, 日本語の研究, 8, 3, 102, 109, 2012年07月
方言の辞書, 三井はるみ, 国立国語研究所(編)『辞書を知る』(新「ことば」シリーズ22)財務省印刷局, 64, 65, 2009年03月
日本語の条件表現 : 体系と多様性をめぐって(<テーマC>,日本語学会2008年度春季大会シンポジウム報告), 坂原茂, 有田節子, 小林賢次, 三井はるみ, 大島資生, 矢島正浩, 前田直子, 日本語の研究, 4, 4, 132, 134, 2008年10月01日
デジタルマップになった『日本言語地図』, 三井はるみ, 国語研の窓, 36, 5, 5, 2008年07月
暮らしに生きることば:日本語の達人てどんな人?, 三井はるみ, 国語研の窓, 35, 1, 1, 2008年04月
問18 全国的に見て方言にはどのような敬語があるのでしょうか。, 三井はるみ, 国立国語研究所(編)『私たちと敬語』(新「ことば」シリーズ21)財務省印刷局, 74, 75, 2008年03月
第4章 さまざまな準備, 三井はるみ, 小林隆・篠崎晃一(編)『ガイドブック方言調査』ひつじ書房, 71, 99, 2007年11月
方言談話の中の地域差・世代差・場面差, 井上文子・三井はるみ, 真田信治監修『日本のフィールド言語学』桂書房 , 158, 173, 2006年05月
「全国方言談話データベース」にみる方言のオノマトペ, 三井はるみ・井上文子, 『方言における文法形式の成立と変化に関する研究』科学研究費補助金基盤研究(B)報告書 (大西拓一郎編), 21, 42, 2006年03月
ことばの地域差-方言は今-, 国立国語研究所編, 新「ことば」シリーズ16『ことばの地域差-方言は今-』財務省印刷局, 28, 35, 2003年03月
〈小事典〉ふるさとのことば:東京都, 三井はるみ, 月刊言語, 32, 1, 54, 55, 2003年01月
命令表現の分布と場面差, 三井はるみ, 『平成14年度国立国語研究所公開研究発表会』, 25, 34, 2002年12月
ケース5 アクセント, 三井はるみ, 『ケーススタディ日本語の歴史』 おうふう, 30, 35, 2002年11月
条件表現, 三井はるみ, 大西拓一郎(編)『方言文法調査ガイドブック』科学研究費補助金基盤研究(B)報告書, 85, 101, 2002年03月
極限のとりたての地理的変異, 三井はるみ, 筑波大学「東西言語文化の類型論」特別プロジェクト研究成果報告書『日本語のとりたて』, 別冊, 19, 38, 2001年03月
日本語の中の多様性, 三井はるみ, 国立国語研究所(編)新「ことば」シリーズ11『豊かな言語生活のために』大蔵省印刷局, 64, 75, 2000年07月
条件表現, 三井はるみ, 加藤正信・遠藤仁(編)『宮城県中新田町方言の研究』科学研究費研究成果報告書, 83, 95, 1998年03月
方言の条件表現-『方言談話資料』と『方言文法全国地図』からの研究の可能性-, 三井はるみ, 国立国語研究所創立50周年記念研究発表資料集, 15, 22, 1998年12月
感性動詞語句「へたばる・くたばる・ばてる・へたりこむ」, 三井はるみ, 日本語学, 15, 3, 98, 102, 1996年03月
東京都台東区の否定表現, 三井はるみ, 方言研究ゼミナール(編)『方言研究叢刊』, 5, 50, 57, 1995年12月
千葉県安房郡白浜町方言の比喩語について, 三井はるみ, 方言研究ゼミナール(編)『方言研究叢刊』, 3, 44, 49, 1993年05月
東京アクセントの地域差と世代差―下町および五日市町, 佐藤亮一・三井はるみ・渡辺喜代子, 『東京語音声の諸相 3』科学研究費研究成果報告書, 125, 172, 1993年03月
聞き取りやすい方言/聞き取りにくい方言, 三井はるみ, 月刊言語, 22, 8, 28, 35, 1993年08月
茨城県日立市方言の文アクセント, 三井はるみ・川嶋秀之, 飯豊毅一・山田泉(編)『各地無型アクセント方言の韻律的特徴と教育』科学研究費研究成果報告書, 128, 132, 1993年03月
茨城県日立市方言の談話テキスト, 三井はるみ・川嶋秀之, 飯豊毅一・山田いずみ(編)『各地無型アクセント方言の韻律的特徴と教育』科学研究費研究成果報告書, 69, 127, 1993年03月
東京下町のアクセント-本調査の結果一覧-, 佐藤亮一・加藤和夫・三井はるみ・渡辺喜代子・他5名, 『東京語音声の諸相 2』科学研究費研究成果報告書, 88, 118, 1992年03月
東京都五日市町のアクセント-本調査の結果一覧-, 佐藤亮一・加藤和夫・三井はるみ・渡辺喜代子・他3名, 『東京語音声の諸相1』科学研究費研究成果報告書, 98, 129, 1991年03月
言語における日本人の公私観念 ―文献による語彙調査と水沢市における場面別調査から―, 加藤正信・村上雅孝・三井はるみ・田中牧郎・鎌田真俊, 日本文化研究所研究報告別巻, 26, 13, 42, 1989年03月
青森県津軽地方の言語調査報告, 加藤正信・三井はるみ・大西拓一郎・志村文隆, 日本文化研究所研究報告別巻, 25, 15, 52, 1988年03月
宮城県多賀城市方言音, 加藤正信・三井はるみ, 『日本語方言音声のスペクトル分析資料集』科学研究費研究成果報告書, 19, 35, 1984年11月
気づかれにくい方言,ゆれ, 三井 はるみ, 日本語学会編『日本語学大辞典』東京堂出版, 2018年10月
首都圏大学生言語調査資料図集2011-2015, 三井はるみ・鑓水兼貴(編), 国語研究所共同研究報告書, 2017年03月
新日本言語地図 ―分布図で見渡す方言の世界―, 大西拓一郎(編)三井はるみ他12名(著), 朝倉書店, 2016年12月
方言談話の地域差と世代差に関する研究, 井上文子(編), 国立国語研究所共同研究報告13-04, 2014年03月
首都圏の言語の実態と動向に関する研究成果報告書 首都圏言語研究の視野, 三井はるみ, 国立国語研究所共同研究報告13-02, 2014年02月
方言学入門, 木部暢子・竹田晃子・田中ゆかり・日高水穂・三井はるみ, 三省堂, 2013年08月
県別罵詈雑言辞典, 真田信治・友定賢治, 東京堂出版, 2011年09月
方言の形成過程解明のための全国方言調査 方言メール調査報告書, 大西拓一郎・鑓水兼貴・三井はるみ・吉田雅子, 国立国語研究所共同研究報告10-02, 2011年03月
文化庁委託事業 危機的な状況にある言語・方言の実態に関する調査研究事業 報告書, 木部暢子・三井はるみ・下地賀代子・盛思超・北原二郎太・山田真寛, 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 2011年02月
『全国方言文法辞典』のための条件表現・逆接表現調査ガイドブック, 方言文法研究会, 2010年09月
「国語力観」に関する全国調査 ―研究発表と分析―, 独立行政法人国立国語研究所, 独立行政法人国立国語研究所(平21-2), 2009年08月
方言学の技法 (シリーズ方言学4), 小西 いずみ, 三井 はるみ, 井上 文子, 岸江 信介, 大西 拓一郎, 半沢 康, 岩波書店, 2007年12月20日
ガイドブック方言調査, 小林隆・篠崎晃一, 2007年11月
日本語オノマトペ辞典, 小野正弘(編), 小学館, 2007年10月
地方別方言語源辞典, 真田信治・友定賢治, 東京堂出版, 2007年08月
「国語力観」に関する全国調査, 国立国語研究所, 国立国語研究所 平18-9, 2006年12月
方言文法全国地図6, 国立国語研究所, 国立印刷局, 2006年03月
話し言葉における敬語形式の出現実態, 国立国語研究所, 国立国語研究所 平17-8, 2005年11月
共通語訳付き方言談話文字化テキストの電子化とその利用, 三井はるみ, 科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書, 2004年03月
ことばの地域差─方言は今─(新「ことば」シリーズ16), 国立国語研究所, 財務省印刷局, 2003年03月
方言文法全国地図5, 国立国語研究所, 財務省印刷局, 2002年06月
方言文法全国地図4, 国立国語研究所, 大蔵省印刷局, 1999年04月
まんが 方言なんでも事典 (まんが国語なんでも事典シリーズ), 三井 はるみ, 金の星社, 1998年03月
方言文法全国地図3, 国立国語研究所, 大蔵省印刷局, 1994年02月
東京・神奈川方言の推量関連表現の調査報告, 三井はるみ・坂本薫, 方言文法研究会研究例会2024-1, 2024年03月03日
The structure of diversified language usage in metropolitan Tokyo, MITSUI Harumi, YARIMIZU Kanetaka, SAWAKI Motoei, Methods in Dialectology XVI, 2017年08月10日
言語調査システムによる首都圏若年層の高密度調査, 鑓水兼貴・三井はるみ, 人文科学とコンピュータシンポジウム「じんもんこん2015」, 2015年12月20日, 同志社大学京田辺キャンパス
首都圏在住者の方言話者への評価意識, 鑓水兼貴・三井はるみ, 「評価」を持って街に出よう ―ひととひととをつなぐための評価研究―, 2014年02月23日, 東京(政策研究大学院大学)
A Study of the geographical distribution of lexical variation among younger generation speakers in the Tokyo metropolitan area, MITSUI Harumi,YARIMIZU Kanetaka,KAMEDA Hiromi,KUNO Mariko,TANAKA Yukari, 第11回国際都市言語セミナー, 2013年08月17日, 広島(広島市文化交流会館)
「首都圏の言語に関する研究文献目録」紹介, 三樹陽介・三井はるみ, 日本語学会2013年度春季大会, 2013年06月02日, 大阪(大阪大学)
首都圏若年層における非標準形使用意識の地理的分布, 鑓水兼貴・三井はるみ, 社会言語科学会第31回研究大会, 2013年03月17日, 東京(統計数理研究所)
A linguistic survey of the Tokyo metropolitan area using mobile phones, YARIMIZU Kanetaka,MITSUI Harumi, NWAV ASIA-PACIFIC 2, 2012年08月02日, 日本:東京(統計数理研究所)
首都圏における在来方言の地域資源としての再生の一事例 ―多摩地域の「のめっこい」を例として―, 三井はるみ, 社会言語科学会第29回研究大会, 2012年03月11日, 東京(桜美林大学)
シンポジウム「日本語の条件表現」:条件表現の地理的変異─『方言文法全国地図』の概観を中心に─, 三井はるみ, 日本語学会2008年度春季大会, 2008年05月17日, 東京(日本大学)
「国語力観」を探る-日常の言語活動との関連で-, 三井はるみ・相澤正夫・小椋秀樹・朝日祥之, 社会言語科学会第19回研究大会, 2007年03月04日, 東京(日本大学)
社会的地域名を冠した言語変種-「山の手ことば」「下町ことば」を中心に-, 三井はるみ, 第118回変異理論研究会, 2006年05月13日, 東京(国立国語研究所)
シンポジウム「見て理解する音声学」:方言音声学の立場から(指定討論), 三井はるみ, 日本音声学会第19回全国大会, 2005年09月24日, 広島市(広島県立大学)
23K25332, 2023, 日本学術振興会, 科学研究費補助金 基盤研究(B), 方言昔話資料のデータベース化と言語研究への活用, 昭和期後半以降、共通語化による伝統的方言の衰退が進行した結果、日本語の地理的変異の諸相を体系的に把握することが難しくなっている。このような中で、方言による昔話資料は、伝統的方言を語りのテキストの形で記録した大量の資料群であり、方言研究に好適でありながら、いまだ十分に活用されているとは言えない。本研究は、方言昔話資料を活用した言語研究を推進するために、①方言昔話資料のデータベース化と公開、②方言昔話資料の言語研究資料としての位置づけ、③方言昔話資料を活用した言語研究の実践、を行う。
23H00635, 2023, 文部科学省, 科学研究費補助金 基盤研究(B), 方言昔話資料のデータベース化と言語研究への活用, 昭和期後半以降、共通語化による伝統的方言の衰退が進行した結果、日本語の地理的変異の諸相を体系的に把握することが難しくなっている。このような中で、方言による昔話資料は、伝統的方言を語りのテキストの形で記録した大量の資料群であり、方言研究に好適でありながら、いまだ十分に活用されているとは言えない。本研究は、方言昔話資料を活用した言語研究を推進するために、①方言昔話資料のデータベース化と公開、②方言昔話資料の言語研究資料としての位置づけ、③方言昔話資料を用いた言語研究の実践、を行う。
25580103, 2013, 日本学術振興会, 科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究, 新規言語事象の集中的多角的調査による首都圏の言語状況の把握
000000, 2010, 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 萌芽・発掘型共同研究プロジェクト, 首都圏の言語の実態と動向に関する研究
21520494, 2009, 日本学術振興会, 科学研究費補助金 基盤研究(C), 日本語諸方言における意味的隣接表現の文法体系への取り込みに関する研究
13610496, 2001, 文部科学省, 科学研究費補助金 基盤研究(C), 大都市における消滅の危機に瀕した伝統的方言の記録とデータベース作成
11710230, 1999, 文部科学省, 科学研究費補助金 奨励研究(A), 条件表現に関する対照方言学的研究
07710297, 1995, 文部科学省, 科学研究費補助金 奨励研究(A), 移住による言語接触と言語変容課程に関する社会言語学的研究
05710257, 1993, 文部科学省, 科学研究費補助金 奨励研究(A), 房総アクセントの記述的研究
20K00623, 2020, 日本学術振興会, 科学研究費補助金 基盤研究(C), 言語レパートリーの構造と形成に関する研究, 本研究は、日本に住む人々(日本人と外国人)の「言語レパートリー」(日常生活において使用・接触によって形成される言語的資源の総体)の構造と形成過程の解明が目的である。;言語レパートリーの研究では、{外国人・日本人}×{外国語・日本語}×{標準変種・方言変種}×{使用・接触}という網羅的視点と、それぞれの要素が二項対立ではない連続的視点が重要である。;本研究では、個人(外国人・日本人)の言語レパートリーの調査と、社会の言語レパートリーの調査(言語景観調査)を実施し、分析を行う。;本研究課題は、日本に住む日本人と外国人の「言語レパートリー」(日常生活において使用・接触によって形成される言語的資源の総体)の構造と形成過程を明らかにすることを目的とする。しかしながら、COVID-19の蔓延状況、特に2022年初頭以降に感染力の強いオミクロン株への急速な置き換わりが進んだことが原因で感染拡大防止が強く求められたため、本研究課題の研究環境は、昨年度に引き続き困難なものであった。このような研究環境下において、本研究課題では、オンラインを積極的に活用し、今年度は、2021年度に実施した大学生対象のweb調査および昨年度国語研究所の共同研究プロジェクトと連携し実施した日本人及び外国人(中国、韓国、ネパール、フィリピン)対象のweb調査のデータ分析を発展させ、研究会やシンポジウム等において成果の発表を行った。;大学生対象のweb調査に関しては、①多くの大学生が母語(母方言)以外の言語と接触する場を日常的に持ち、接触する言語・言語変種の種類や数が場面ごとに異なること、②言語使用状況については、各場面で接触している言語・言語変種を資源とし、自らのレパートリーとして活用しつつあることが窺えた。いわゆる「日本語モノリンガル」とみなされがちな人々の中にも日常的な多言語環境が存在し、ひいては多言語話者となる可能性を潜在的にもっていることを示唆するものである。また、日本人及び外国人(中国、韓国、ネパール、フィリピン)対象のweb調査に関しては、回答者の国籍によって日本語能力と英語能力の違いがあるものの、言語使用については公的場面ではほぼ日本語という共通点が見られた。
20H00015, 2020, 文部科学省, 科学研究費補助金 基盤研究(A), 『全国方言文法辞典』データベースの拡充による日本語時空間変異対照研究の多角的展開, 日本語は、豊富な歴史的文献資料をもち、多様な地理的変異が観察されることから、「時空間変異」(=歴史的言語変種と地域的言語変種に現れる言語変異)の対照研究に適した条件を備えている。本研究では、日本語諸方言の文法を、現在の地理的変異(方言差)の様相と歴史的変化(時代差)のプロセスの両面から総合的に記述する『全国方言文法辞典』の記述の拡充をはかるとともに、当辞典の作成のために収集してきた現地調査資料および文献資料データベースを整備し、これらの記述とデータベースを用いて、日本語の歴史的言語変種と地域的言語変種に現れる文法的言語変異の対照研究を多角的に展開する。;本研究の目的は、現代日本語の地域的多様性がどのようにして生じたのかを、歴史的言語変種と地域的言語変種にみられる文法項目の対照研究を通じて明らかにすることである。本研究課題に取り組むのは、これまで『全国方言文法辞典』作成のための共同研究に取り組んできた方言文法研究会のメンバーである。2022年度の主な研究成果を以下に挙げる。;1. 国立国語研究所共同研究プロジェクト「消滅危機言語の保存研究」と共同で、「みんなで談話整備プロジェクト」を立ち上げた。文化庁「各地方言収集緊急調査」の方言談話データの整備作業を、広く協力者を募り、共同で行っていくプロジェクトで、2022年7月16日に説明会&講習会をオンラインで開催した。方言文法研究会のメンバーも作業協力をしており、2022年度は、兵庫県神戸市の自由会話(470分31秒)のネイティブチェック、岐阜県高山市の自由会話(13分30秒)のネイティブチェック、愛媛県大洲市の場面設定の会話(53分04秒)と民話(55分37秒)のアラインメントとネイティブチェック、福岡県八女市の民話(15分08秒)のアラインメントを完成させた。;2. 要地方言の活用体系記述として、沖縄県与那国方言の記述を完成させた。また、基本例文50要地方言訳として、東京都方言、山梨県南巨摩郡早川町奈良田方言、岐阜県岐阜市方言、沖縄県宮古島市久松方言の記述を完成させた。;3. 方言文法研究会2023年第1回研究例会(2023年3月27日、オンライン)を開催した。述語の文法カテゴリーのうち、推量表現の記述方針の検討を行った。
19K00656, 2019, 日本学術振興会, 科学研究費補助金 基盤研究(C), 首都圏における言語資料の高密度収集と言語動態分析, 本研究は、首都圏における方言分布の形成過程の解明を目的とする。これまでの研究で、アンケート調査システムや、方言データベースのシステムを作成してきたが、そうした研究ツールを統合して、新しい調査・分析システムを構築する。;首都圏における非標準形の分布を把握するためには、多くの言語項目、多くの回答人数による調査から分析する必要がある。過去の首都圏の方言資料と、新規の調査結果を組み合わせた分析を行うために、新しいツールの開発を行う。;本研究において開発する調査・分析システムを利用して、これまでの研究で提案してきた首都圏の言語動態モデルについて検証を行う。;本研究は、(1)調査地点の「高密度化」、(2)方言資料の「高密度化」、(3)言語動態モデルの検証という3点からなる。;(1)アンケート調査・分析システムRMSの改良:研究実施計画で示したRMS(Real-time Mobile Survey)システムの4点の改良点については、2021年度までに新システムへの組み込みを行った。2022年度中に実験ができなかったため、2023年度に実施予定である。以下にRMSシステムの改良点の進捗を示す。「スマートフォンへの対応」については、WEB調査会社やGoogleフォームにおけるスマートフォン表示をシステムに反映させ、さらに改良を加えた。「マルチメディアへの対応」については、音声を再生して質問に回答する機能の改良を行った。「横断検索システムとの統合」については、データ連結の機能の実験を行った。「個人情報保護の強化」については、アンケート承諾機能と承諾レベルによる質問変更機能の改良を行った。;(2)方言資料の統合的利用のためのデータベースの拡充 :首都圏における調査方法の異なる方言調査資料の集積作業を継続した。「方言データベース」の統合については、記号の部分要素の選択による自動記号作成の実験を継続した。関東以外の調査資料については、東北地方の大規模調査データに関する地図作成実験を継続した。;(3)首都圏の言語動態分析:2019年度、2020年度に実施した東京都における同一質問によるWEB調査の結果から作成した言語地図の分析を継続した。;3年間の研究計画はほぼ達成したが、延長した2022年度にできなかった(1)の調査実験を行うため、2023年度への研究期間の再延長を申請した。
18H00673, 2018, 文部科学省, 科学研究費補助金 基盤研究(B), 共通語の基盤としての東京語の動態に関する多人数経年調査, 日本語には新しく生まれる表現がある一方で衰退に向かっている表現もある。そうした動態を示す日本語は東京の言葉が基盤となっている。首都の言葉でもあるため全国への影響は小さくない。;本研究では、共通語の基盤としての東京の言葉について、現在動態を示していると考えられる表現を中心に、無作為に選ばれた多人数を対象に調査することで、現在の状況および過去から現在への変化の在り方についてその一端を解明した。;本研究では、現在動態を示していると考えられるさまざまな表現に注目し、共通語の基盤でありかつ全国への影響も小さくない東京都において、無作為抽出された多人数を対象に調査することで、そうした表現の現時点での使用実態を把握するとともに、一部の調査項目については過去の調査と比較することで変化の在り方の一端を明らかにした。難度が高い調査であり、得られた知見は学術的価値が高い。;またデータは資料的価値も高く、学界および社会一般において、言葉を論じる上での確実な基礎資料としても活用できる。社会言語学、日本語学社会言語学、日本語学
17K02801, 2017, 日本学術振興会, 科学研究費補助金 基盤研究(C), 地域的多様性の教材としての参加型方言データベースの構築, 首都圏・関東・関西・大分・東北の8大学で、大学生を対象としたペア入れ替え式ロールプレイ会話の収録を実施した。「遅刻の連絡をする」「遅刻に文句を言う」場面を設定し、同性の親しい友人同士2名がペアとなり、電話で会話をおこなった。同一地域出身のペアの音声データ・文字化データは、個人情報の処理をしたうえで、webサイト「方言ロールプレイ会話データベース」において、研究・教育に利用できる言語データとして公開している。;「方言ロールプレイ会話データベース」は、共通のフォーマットに基づいて、複数の研究者が方言調査を実施し、その調査結果を言語データとして継続的に蓄積しつつ、研究・教育に活用することのできる「参加型方言データベース」である。誰でもアクセスできるようにweb上で公開しているので、地域の伝統・文化の教材として、また、談話展開・会話分析などの言語データとして、方言研究、国語教育、日本語教育、学校教育現場、一般の生涯教育などにおいても広く活用することが可能である。方言研究の立場から、方言データの活用方法と教材化のモデルを示すことは、新しい意義が認められるものである。
16H01933, 2016, 文部科学省, 科学研究費補助金 基盤研究(A), 日本語諸方言コーパスの構築とコーパスを使った方言研究の開拓, 本研究では以下の2点を実施した。;(1) 日本各地の方言の談話音声データを整備し、諸方言を横断的に検索することが可能な「日本語諸方言コーパス(COJADS)」を作成・公開した。COJADSは、文化庁が1977年から1985年にかけて行った「各地方言収集緊急調査」の談話データをソースとし、国語研が開発した検索アプリケーション「中納言」で検索するように設計されている。;(2) (1)で構築したCOJADSを使って、「日本語諸方言における主語、目的語の標示形式の地域差に関する研究」や「丁寧形式「デス」の用法の地域差に関する研究」等を行い、データに基づく方言研究の例を提示した。;近年さまざまな言語のデータベース化が進み、データに基づく言語研究がさかんになったことにより、言語研究に新たな展開が生じている。しかし、日本の方言に関しては、大規模なデータベースやコーパスがこれまで構築されてこなかった。そのような中、本研究では80時間に及ぶ各地方言の談話データを搭載した「日本語諸方言コーパス(COJADS)」を構築・公開し、方言や地域の文化・民俗等の研究基盤を整備して学術研究に貢献した。;また、消滅の危機にある各地方言の談話データを大量に搭載したCOJADSは、地域の言語や文化の記録・保存として高い価値をもつと同時に、方言を地域の振興につなげるという社会的意義をもっている。
26244024, 日本語の時空間変異対照研究のための『全国方言文法辞典』の作成と方法論の構築, 日本語諸方言の文法を、現在の地理的変異(方言差)の様相と歴史的変化(時代差)のプロセスの両面から総合的に記述する『全国方言文法辞典』の作成を目的として、要地方言の活用体系の記述を行った。本研究期間内に活用体系記述の報告書を3巻刊行し、既刊の報告書に掲載したものとあわせて、本土方言38地点、琉球方言4地点の活用体系記述を完成させた。;また、日本語文法の歴史的変化と地理的変異を総合的に記述する枠組みを確立し、現代語、古典語、諸方言の文法を比較・対照する「時空間変異対照研究」の方法論を構築することを企図して、諸方言の文法記述と文献方言対照研究をテーマとした研究発表会を3回にわたり開催した。;日本語諸方言の文法の対照研究のためには、統一的な記述方針のもとに行われた要地方言の精緻な文法記述が必要である。本科研では、用言(動詞・形容詞・名詞述語)の活用体系の記述を最優先に行ってきたが、これは活用体系の記述が述語の文法カテゴリーに関わる文法形式を網羅的に記述することにつながるためである。;諸方言の活用体系の記述には多くの研究の蓄積があるが、それらは個別方言を個別の記述方針のもとに記述するものが大多数である。本研究の取り組みは、統一的な文法記述の枠組みを構築し、その記述データを広く一般に公開することにより、方言対照研究の進展と日本語諸方言の多様性への理解を深めることを企図するものである。
25370539, 方言ロールプレイ会話における談話展開の地域差に関する研究, 各地の方言において、世代(高年層・若年層)と性(男性・女性)と上下関係(先輩・同輩・後輩)を組み合わせた複数の話者グループによる、場面(文句・依頼・慰め・勧誘・出欠確認・申し出)別のロールプレイ会話データを収録した。発話の内容・相手への働きかけの姿勢・コミュニケーションにおける機能に注目し、方言会話における談話構造・談話展開について、地域差・世代差・性差・場面差・メディア差の観点から分析した。データは「方言ロールプレイ会話データベース」で公開している。
25370538, 多様な方言資料の横断的分析による新たな方言分布研究, 本研究では、関東地方を中心に、「音声」「語」「文」「談話」の各言語単位を含めた、研究・非研究を問わず、様々な手法によって収集された方言資料について、データベースを作成し、複数の異なる資料を横断的に検索するための考え方と技法を検討した。そして横断的検索を行って、言語地図を作成するツールを作成した。;資料横断的な研究をすることで、これまで言及されてこなかった言語事象の地理的分布の発見や、方言形成の理論的考察に貢献することができた。
25284087, 方言話し言葉コーパスの構築とコーパスを使った方言分析に関する研究, 本研究の目的は、日本語諸方言を同じ条件で横断的に検索する「方言コーパス」を構築すること、及びそれを使った新しい方言研究の方法を提示することである。そのために、まず6地点の方言データを使用してデータ整備の方法を検討した。その結果、方言テキストと共通語訳テキストをパラレルに整備し、共通語から方言形と方言音声を検索する方法でコーパスを構築する方法が有効であることがわかった。次に、27方言のデータによる「方言コーパス試作版」を作成し、格助詞の使用に関する分析を行った。その結果、文脈に即した分析が可能な点で、コーパスを使った研究は方言研究に新しい展開をもたらす可能性が高いことを示した。
22520484, 日本語方言オノマトペの記述モデル構築に関する研究, 日本語の方言には現代語とは異なる独特の形態・意味用法を備えたオノマトペが数多く存在するが,データベースが存在せず,研究の基盤がないに等しい状態であった。本研究は,これまで研究が進められてこなかった方言オノマトペを対象に,基盤資料としての「日本語方言オノマトペ・データベース」の構築,方言オノマトペの特徴および分布実態の把握,現地調査に基づく記述モデル構築をめざした。
21520494, 日本語諸方言における意味的隣接表現の文法体系への取り込みに関する研究, 「意味的隣接表現の文法体系への取り込み」(元来別の表現分野に属する形式が,隣接の表現分野の基本的形式に代わるものとして用いられる現象)の例として,九州西北部方言の順接仮定条件表現形式「ギー」,引用・伝聞表現トイウ類の文法化形式,対称詞由来の間投助詞を取り上げ,用法・体系と変化プロセスを把握するための調査・分析・考察を行った。これにより,方言の文法体系のバリエーションの生じる過程と背景の一端を具体的に明らかにした。
21520490, 日本語方言における間投表現の使用の様相に関する研究, 間投表現(間投詞・間投助詞)は、方言によって多様な形態的な変異が見られる。間投表現に関して特徴的な重点地域を選定し、高年層・若年層の方言談話の収録調査を実施した。収録した談話は、文字化・共通語訳・注記付与をおこない、言語データとして利用できるように整備した。新規に収録した談話データと既存の談話資料を活用して、間投表現の形式を整理し、その地理的分布を概観し、実際の談話に現れた間投表現の使用状況・頻度・機能などについて分析を試みた。また、世代間・方言間の比較をおこなった。
21320086, 日本語諸方言の文法を総合的に記述する『全国方言文法辞典』の作成とウェブ版の構築, 本研究では、日本語諸方言の文法を総合的に記述する『全国方言文法辞典』の編纂を目的として現地調査、方言文献資料調査、歴史的変異調査を行い、さらに調査データを集積するウェブシステムを構築してきた。本研究期間の研究成果として、(1)活用体系の地理的変異と歴史的変異の総合的考察をテーマとした学会発表、(2)要地方言の活用体系を記述した『全国方言文法辞典資料集(2)活用体系』の刊行、(3)条件表現・逆接表現の調査方針を示した『『全国方言文法辞典』のための条件表現・逆接表現調査ガイドブック』の刊行、(4)条件表現の地理的変異に関する学会発表を行った。
19520403, 『全国方言文法辞典』のための諸方言の文法に関する対照研究, 諸方言の文法形式を統一的な観点のもとに記述し、全国方言の文法現象を一望できる辞典を編むことを目的に、原因・理由表現の対照研究を行った。原因・理由表現に特徴のある要地方言を選定し、共通調査項目による現地調査を実施し、その調査結果に基づいて辞典項目記述を行った。研究成果は、『全国方言文法辞典資料集(1)原因・理由表現』に収めるとともに、ウェブサイト「全国方言文法データベース原因・理由」を作成し、広く一般に公開した。
18520370, 方言談話データベースを活用した表現法の変化に関する研究, 同一地域における複数の世代の方言談話を比較・対照し、方言談話に見られる表現法の変容の実態と、地域間の変化の過程の相違について考察することを目的とする。国立国語研究所「全国方言談話データベース」を基礎データとし、これらと比較するために、同一地域で、新規に、高年層と若年層の談話を収録した。蓄積・収録した方言談話は、言語データベースとして整備し、公開する。従来扱われることが少なかった応答表現、呼びかけ表現、感動表現、間投表現などを中心に、話しことばである方言談話に特徴的な表現に焦点をあて、各地域・各世代の談話に現れる表現法について、記述・分析を行った。
18520346, 三者面接調査における回答者間相互作用のバリエーションに関する研究, 面接調査は、調査者が質問して回答者がそれに答えるという一定の役割関係と参加/行動の枠組みを持つ、いわゆる制度的会話である。本研究では、調査者1名、回答者2名による三者面接調査において、行動枠組みから逸脱するかに見える回答者間の相互作用に着目し、その種類と談話進行上の働きを分析した。また、参加者たちが当該の行動枠組み自体を活用することによって各種の変則的行動を適切に位置づけ、協働的に談話を構築していることを明らかにした。
16520285, 日本語諸方言の条件表現に関する対照研究, 本研究の目的は、方言の文法的側面に関する対照的研究の一分野として、条件表現について要地方言を統一的に調査し、標準語も含めて比較・対照することにより、現代日本語の条件表現について総合的な分析を行うことである。;最終年度である今年度は、この目的に沿って、条件表現のうち原因・理由表現についての調査をまとめ、『全国方言文法辞典《原因・理由表現編》』を作成した。以下は、その目次である。;1 原因・理由表現概説;原因・理由表現とは/原因・理由表現形式の通時的分布概観/原因・理由表現形式の地理的分布概観/方言における原因・理由の接続詞概観/東北方言における原因・理由表現形式の分布;2 各地方言の原因・理由表現;原因・理由表現調査項目一覧/青森県八戸市方言(若年層)の原因・理由表現/山形市方言の原因・理由表現/山梨県奈良田方言の原因・理由表現/岐阜市方言の原因・理由表現/美濃方言の原因・理由表現/富山方言の原因・理由表現/京都市方言の原因・理由表現/広島県三次市三和町方言の原因・理由表現/沖縄県那覇市首里方言の原因・理由表現;2の各地方言の原因・理由表現の報告を対照させると、以下のことが指摘できる。;(1)原因・理由表現の基本的な意味である、「事態の原因」「行為の理由」「判断の根拠」「発言・態度の根拠」については、どの方言にも、すべてを表し得る汎用の形式がある。;(2)以下の用法については、各地方言の諸形式のなかには、使用に制限のあるものがある。;・主節が要求文などの働きかけの強い文である用法:富山方言のガデ・モンデ等;・主節が叙述文などの働きかけの弱い文である用法:岐阜市方言のニ;・理由を表さない用法:富山方言のガデ、モンデ等;・「XハYカラダ」のような述語用法:八戸市方言のスケ、富山方言のサカイ類、京都市方言のンデ;・推量表現に後接する用法:八戸市方言のスケ、富山方言のサカイ類、京都市方言のサカイニ・サカイ・ンデ;・文末用法:岐阜市方言のデ、富山方言のガデ・モンデ等、首里方言のシニチーテー;なお、上記の研究成果は、用例に音声を付した形で、以下のウェブサイトにおいても公開している。;URL : http://hougen.sakura.ne.jp/
14510456, 「談話資料」による方言コードの変容に関する研究, 方言コードは,かつては,ある地域で行われるひとつの言語体系(システム)であると考えられてきたが,現在では,場面に応じて使い分けられる文体(スタイル)へと変化しつつあるととらえられている。;一個人の中には,方言コード,共通語コードを含め,さまざまなコードが存在する。;本研究では,話し相手・状況・話題などの違いによって,方言コードがどのように出現するのか,方言コードと標準語コードの切り替えがどのように行われるのか,などについて,総合的な視点でとらえることを目標とした。;関西圏の百貨店・スーパー・個人商店を対象に,接客場面における自然談話の収録調査を実施した。その録音音声を文字化し,整理して,研究成果報告書『接客談話資料集』として刊行した。なお,接客談話データは,検索が効率的におこなえるよう,電子化ファイルの形でも保存している。;談話資料により,接客場面に現れる方言コードについて,出現の実態を明らかにし,記述と比較をおこなった。若年層話者においては,老年層話者に見られるような伝統的方言が急速に失われていることについて多くの報告があるが,標準語コードのみになるのではなく,従来の伝統的方言とは異なる新しいローカルスピーチスタイル(ネオ方言)が観察される。このネオ方言コードにかかわっていると考えられる,標準語や東京方言・関西方言の干渉に焦点をあてて,方言コードの変容についての分析をおこなった。
JP23K25332, 方言昔話資料のデータベース化と言語研究への活用, 昭和期後半以降、共通語化による伝統的方言の衰退が進行した結果、日本語の地理的変異の諸相を体系的に把握することが難しくなっている。このような中で、方言による昔話資料は、伝統的方言を語りのテキストの形で記録した大量の資料群であり、方言研究に好適でありながら、いまだ十分に活用されているとは言えない。本研究は、方言昔話資料を活用した言語研究を推進するために、①方言昔話資料のデータベース化と公開、②方言昔話資料の言語研究資料としての位置づけ、③方言昔話資料を活用した言語研究の実践、を行う。;方言による昔話資料は、伝統的方言を語りのテキストの形で記録した大量の資料群であり、方言研究に好適でありながら現状必ずしも十分に活用されているとは言えない。本研究はこのような方言昔話資料を活用し、言語研究を推進することを目的とする。そのために、①言語研究に適した形での方言昔話資料のデータベース化、②方言昔話資料の言語研究資料としての位置づけ、③方言昔話資料を活用した言語研究の実践、を行う。①~③について本年度は次のことを実施した。;① a.文化庁「各地方言収集緊急調査」データ(1977~1985年収録、国立国語研究所が管理)と、b.島根県方言昔話資料(1970~1980年代収録、島根県立大学に保管)のデータベース化のための資料整備を行った。a.については、「みんなで談話整備プロジェクト」と連携して作業を行い、「民話」データの一部が国立国語研究所リポジトリから公開された。b.については、収録者・関係者の協力を得て資料の現状を把握した上で、資料整備・データベース化の方針を策定し、録音音声のデジタル化と文字化資料の入力を開始した。平行して、データベースとして公開するための手続きや問題点等について情報収集を行った。この他、岩手県方言昔話資料を選定し文字化資料の電子データ化を行った。;② 全国の昔話を収載したシリーズ『日本の民話』(ぎょうせい)を取り上げ、その中に現れる文法的特徴を検証した。関東方言の「ベー」について見ると、これまでの研究で明らかにされている特徴とよく一致し、共通語出現の度合いも現実の言語状況を反映したものとみなされた。これにより方言昔話資料を文法形式に関する言語研究資料として用いることの妥当性の一端を示した。;③ 方言文末表現等に関して研究成果を発表した。「文化庁「各地方言収集緊急調査」資料の整備と活用 説明会&講習会」を共催した(2023年8月26日)。;「① 言語研究に適した形での方言昔話資料のデータベース化」については、a. 文化庁「各地方言収集緊急調査」データの資料整備を進め、「民話」データの一部が公開された。b. 島根県方言昔話資料のデータベース化の方針を策定し、資料整備作業に着手した。「② 方言昔話資料の言語研究資料としての位置づけ」については、公刊された昔話集に見られる方言的特徴について、これまで方言研究で明らかにされている特徴とよく一致することを示した。「③ 方言昔話資料を用いた言語研究の実践」については、論文・学会発表・著書等で研究成果を発表した。;次年度以降も、現在の計画にしたがって研究を推進する。
JP20K00623, 言語レパートリーの構造と形成に関する研究, 本研究は、日本に住む人々(日本人と外国人)の「言語レパートリー」(日常生活において使用・接触によって形成される言語的資源の総体)の構造と形成過程の解明が目的である。;言語レパートリーの研究では、{外国人・日本人}×{外国語・日本語}×{標準変種・方言変種}×{使用・接触}という網羅的視点と、それぞれの要素が二項対立ではない連続的視点が重要である。;本研究では、個人(外国人・日本人)の言語レパートリーの調査と、社会の言語レパートリーの調査(言語景観調査)を実施し、分析を行う。;COVID-19の蔓延状況、特に2022年初頭以降に感染力の強いオミクロン株への急速な置き換わりが進み感染拡大防止が引き続き求められる状況において、本研究課題の研究環境は、昨年度に引き続き困難であった。こうした厳しい研究環境下で、今年度は本研究課題において実施した2件のweb調査(①大学生対象のweb調査と②国語研究所の共同研究プロジェクト等との連携で実施した日本人及び外国人(中国、韓国、ネパール、フィリピン)対象のWeb調査)について、昨年度に行った口頭発表ならびにシンポジウム等における成果発表をもとに、研究論文等の執筆準備に着手した。2件のweb調査のうち、①大学生対象のweb調査については、1)多くの大学生が母語以外の言語と接触する場を日常的に持ち、接触する言語・言語変種の種類や数が場面ごとに異なること、2)言語使用状況については、各場面で接触している言語・言語変種を資源とし、自らのレパートリーとして活用しつつあることが窺えた。いわゆる「日本語モノリンガル」とみなされがちな人々の中にも日常的な多言語環境が存在し、ひいては多言語話者となる可能性を潜在的にもっていることを示唆されており、昨年度を行った口頭発表2件の内容をもとにした研究論文の準備に着手した。②日本人及び外国人対象のweb調査については、口頭発表2件をもとに、報告書の執筆を行った。報告書は、研究代表者の所属先である国立国語研究所の学術情報リポジトリにおいて今年度末に公開した。さらに、言語レパートリーについての専門家による講演会及び補完的な質的調査を計画したが、関係者のCONVID-19罹患により、来年度に延期することとなった。研究活動では、オンラインを積極的に活用し、研究メンバー全員が意欲的に研究活動を推進し、本研究課題の目的達成に資する成果を挙げた。;当初計画では、専門家による講演ならびに補完的な調査を計画していたが、関係者のCONVID-19罹患により、年度内に実現できなかった。しかし、前年度までに実施した2件のweb調査のデータ整理及び分析を進め、研究論文等の準備を進めた。報告書は代表者の所属機関である国立国語研究所の学術情報リポジトリで年度内に公開中した。今年度はオンライン会議4回を行い、会議に加えオンラインチャットツールを活用し活発な意見交換を行った。;本研究課題の今後の推進方策は、当初計画に挙げた、①個人の言語レパートリーを調査する「言語レパートリー調査(外国人調査・日本人調査)」、②社会の言語レパートリーを調査する「言語景観調査」を可能な限り実施・展開することである。これまでに2件のweb調査を行い、それぞれの研究データからは、言語レパートリーの形成に関わる知見の萌芽がいくつか見られることがこれまでの分析から明らかになっている。これらの萌芽を研究メンバーの専門(多言語使用、外国人の言語使用、日本人の方言使用等)の観点から、より深く探求し、積極的に成果を発信する予定である。本研究課題を推進するうえでの最も困難な課題は、COVID-19の感染状況であるが、2023年5月8日以降、感染法上の位置づけが「5類感染症」に変更され、政府として一律に日常における基本的感染対策を求めることはなくなった。一律の行動制限などの規制がなくなったたものの、対面調査の実施にはこれまでと同様の配慮が求められる。本研究課題において蓄積してきた情報やweb調査で得られた知見を参照し、良質なデータを安全に収集することが可能となるような調査方法や調査対象を選択する。
JP20H00015, 『全国方言文法辞典』データベースの拡充による日本語時空間変異対照研究の多角的展開, 日本語は、豊富な歴史的文献資料をもち、多様な地理的変異が観察されることから、「時空間変異」(=歴史的言語変種と地域的言語変種に現れる言語変異)の対照研究に適した条件を備えている。本研究では、日本語諸方言の文法を、現在の地理的変異(方言差)の様相と歴史的変化(時代差)のプロセスの両面から総合的に記述する『全国方言文法辞典』の記述の拡充をはかるとともに、当辞典の作成のために収集してきた現地調査資料および文献資料データベースを整備し、これらの記述とデータベースを用いて、日本語の歴史的言語変種と地域的言語変種に現れる文法的言語変異の対照研究を多角的に展開する。;本研究の目的は、現代日本語の地域的多様性がどのようにして生じたのかを、歴史的言語変種と地域的言語変種にみられる文法項目の対照研究を通じて明らかにすることである。本研究課題に取り組むのは、これまで『全国方言文法辞典』作成のための共同研究に取り組んできた方言文法研究会のメンバーである。2023年度の主な研究成果を以下に挙げる。;1. 国立国語研究所共同研究プロジェクト「消滅危機言語の保存研究」との共催により「文化庁「各地方言収集緊急調査」資料の整備と活用説明会&講習会」を2023年8月26日に開催した。さらに、栃木県日光市の場面設定の会話、愛知県西春日井郡師勝町の自由会話、大阪府高槻市の自由会話、大分県日田郡前津江村の自由会話のアラインメントとネイティブチェック、岡山県岡山市の自由会話、場面設定の会話、民話のネイティブチェックを完成させた。;2. 要地方言の活用体系記述として、岐阜県高山市方言、長崎県雲仙市南串山町鬼池方言、沖縄県宮古島市久松方言の記述を完成させた。また、基本例文50要地方言訳として、富山県富山市方言、広島県三次市方言、沖縄県宮古島市久松方言、沖縄県宮古郡多良間村水納島方言の記述を完成させた。これらの記述を収録した『全国方言文法辞典資料集(8)活用体系(6)』を2024年3月に刊行した。;3. 方言文法研究会2023年第2回研究例会(2023年9月3日、オンライン)を開催した。「日琉諸語の方言区画と言語コード」をテーマにしたパネルディスカッション、推量表現の調査概要の説明、チュートリアル「QGISで作る言語地図」を実施した。;4. 方言文法研究会2024年第1回研究例会(2024年3月2・3日、関西大学・オンライン併用)を開催した。「推量表現の諸相」をテーマに、東京・神奈川・山梨・京都・広島・山口・高知・沖縄方言を対象にした共通項目の調査報告を行った。;年度当初の計画のとおり、年間2回の研究例会を開催し、研究成果報告書を刊行した。要地方言活用体系記述、基本例文50要地方言訳の記述は、予定していた記述対象方言に変更は生じているが、順調に進んでいる。国立国語研究所編『方言文法全国地図』の略図作成は、言語地図の作成方法に関する講習会を開催し、作図者の育成をはかりつつ、作業手順について検討を進めている。方言談話資料類による用例データベース作成は、方言談話資料の整備を進め、用例の抽出作業に向けて下準備を進めている。また、推量表現の記述の枠組みを策定し、共通調査項目による要地方言の記述を進めている。;2024年度は本科研の最終年度にあたる。要地方言活用体系記述は、新規の執筆依頼は行わず、依頼済みの原稿の完成をめざす。引き続き既存の方言資料の整備作業を進め、年間2回の研究例会の開催によって研究成果と作業の進捗状況の情報共有をはかり、本研究課題の目的である日本語の時空間変異対照研究の多角的な展開のための基礎作業を進めたい。
JP19K00656, 首都圏における言語資料の高密度収集と言語動態分析, 本研究は、首都圏における方言分布の形成過程の解明を目的とする。これまでの研究で、アンケート調査システムや、方言データベースのシステムを作成してきたが、そうした研究ツールを統合して、新しい調査・分析システムを構築する。;首都圏における非標準形の分布を把握するためには、多くの言語項目、多くの回答人数による調査から分析する必要がある。過去の首都圏の方言資料と、新規の調査結果を組み合わせた分析を行うために、新しいツールの開発を行う。;本研究において開発する調査・分析システムを利用して、これまでの研究で提案してきた首都圏の言語動態モデルについて検証を行う。;本研究は、(1)調査地点の「高密度化」、(2)方言資料の「高密度化」、(3)言語動態モデルの検証という3点からなる。;(1)アンケート調査・分析システムRMSの改良:研究実施計画で示したRMS(Real-time Mobile Survey)システムの4点の改良点については、2021年度までに新システムへの組み込みを行った。2023年度までに実験ができなかったため、2024年度に実施予定である。以下にRMSシステムの改良点の進捗を示す。「スマートフォンへの対応」については、WEB調査会社やGoogleフォームにおけるスマートフォン表示をシステムに反映させ、さらに改良を加えた。「マルチメディアへの対応」については、音声を再生して質問に回答する機能の改良を継続した。「横断検索システムとの統合」については、データ連結の機能の実験を継続した。「個人情報保護の強化」については、アンケート承諾機能と承諾レベルによる質問変更機能の改良を継続した。;(2)方言資料の統合的利用のためのデータベースの拡充 :首都圏における調査方法の異なる方言調査資料の集積作業を継続した。「方言データベース」の統合については、記号の部分要素の選択による自動記号作成の実験を継続した。関東以外の調査資料については、東北地方の大規模調査データに関する地図作成実験を継続した。;(3)首都圏の言語動態分析:2019年度、2020年度に実施した東京都における同一質問によるWEB調査を、神奈川県、埼玉県、千葉県に拡大し、調査を実施した。さらに結果をもとにした言語動態の分析を行った。;3年間の研究計画はほぼ達成したが、延長した2022、2023年度にできなかった(1)の調査実験を行うため、2024年度への研究期間の再延長を申請した。;現在までの進捗状況について、研究実績の概要の分類に従って述べる。全体としては進展しているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって研究が遅れている部分が残っているため2023年度に延長したが、引き続き2024年度の再延長を申請した。;(1)アンケート調査・分析システムRMSの改良:新型コロナ感染症の5類移行に伴い、対面授業は増えたが、大人数授業の遠隔授業が継続したため、授業でのツールの実験をさらに2024年度に再延期した。アンケート調査データについては、研究実施計画で示した改良点に関する個別の実験、および新しい言語調査ツールへの統合作業や、「スマートフォンへの対応」「マルチメディアへの対応」「横断検索システム」「個人情報保護の強化」の実験は2023年度までにほぼ完了した。新規RMSシステムによる実験が遅れているが、研究期間の再延長により、計画遂行に支障はない。;(2)方言資料の統合的利用のためのデータベースの拡充 :関東地方の言語地理学的データについて、未電子化資料の画像、テキストのデータベース化を継続しており、研究期間の延長により、さらに拡充を進める。東北方言の言語地理学的資料や、他の方言資料との統合的分析についても継続する予定である。;(3)首都圏の言語動態分析:2019、2020、2023年度にWEB調査会社を用いて言語地理学的アプローチによるWEB調査を実施した。両資料による首都圏の言語動態について分析作業を継続している。;以上から、2024年度の新規RMSシステムによる実験を残すのみであり、ほぼ計画は達成されており、「おおむね順調に進展している。」とした。2024年度の延長期間にさらに研究を進展することができると考えている。;今後の研究の推進方策について、研究実績の概要の分類に従って述べる。;(1)アンケート調査・分析システムRMSの改良:改良すべき4点について、統合した新規RMSシステムの実験を実施する。新型コロナに伴う遠隔授業の関係で大学の授業における調査実験が遅れていたが、2024年度は実験を実施予定である。同時にRMSシステムのマニュアルを作成し。公開可能なシステムにする。;(2)方言資料の統合的利用のためのデータベースの拡充 :関東地方と東北地方における言語地理学的資料、方言データベース資料の統合や、新規RMSシステムを利用した言語地図作成の実験を進める予定である。;(3)首都圏の言語動態分析:2023度までに収集した調査データと、2024年度に実施予定のRMSによる調査データ、そして(2)で整備した関東地方の言語地理学的資料を総合した分析を行う予定である。